野村證券は創業90年以上の歴史をもつ、国内最大の証券会社です。
全国の支店窓口のほかにインターネットでも取引できるので、個人でも気軽に利用できます。
私はネット証券をメインに利用していますが、野村證券の口座も保有して、状況に応じて使い分けていますよ。
今回は、野村證券を利用するメリット・デメリットについて、手数料や取扱商品・サービスを紹介しながら説明していきますね。
野村證券の口座は2種類
野村證券の口座は、ネットや電話で取引する「ネット&コール」と、窓口で担当者と相談しながら取引できる「本支店」の2種類があります。
ネット・電話で取引する「ネット&コール」
ネットや電話を利用して自分で取引するネット&コールは、このような方におすすめです。
- 少しでも安い手数料で取引したい
- 自分のペースで取引したい
- いざという時は電話で相談したい
窓口で取引するよりも、ネット取引のほうが手数料は安く設定されています。
ネット取引なら、スキマ時間や夜の時間を利用して自分のペースで取引できますね。
また、いざという時はカスタマーサポートに電話をして、操作方法やサービスについて確認できるので安心です。
担当者と相談しながら取引できる「本支店」
一方、窓口で担当者と相談しながら取引できる本支店は、このような方におすすめです。
- アドバイスを受けながら取引したい
- 投資情報を提供してほしい
野村證券の本支店で担当者に直接相談できるので、わざわざ電話して聞くのはちょっと・・・ということまで気軽に質問できますね。
しかし、窓口に出向く手間がかかり、ネット取引よりも手数料が割高になるデメリットもあります。
「ネット&コール」と「本支店」の手数料比較
ここでは、ネット&コールと本支店の手数料を比較してみましょう。
1注文の約定代金 | ネット取引 (ネット&コール) | 電話での取引 (ネット&コール) | 窓口での取引 (本支店) |
---|---|---|---|
10万円 | 139円 | 1,810円 | 2,600円 |
30万円 | 300円 | 2,381円 | 3,900円 |
50万円 | 477円 | 4,096円 | 6,500円 |
100万円 | 953円 | 6,953円 | 11,080円 |
200万円 | 1,905円 | 11,905円 | 19,080円 |
300万円 | 2,858円 | 16,667円 | 27,080円 |
ネット取引(ネット&コール)に比べると、電話や窓口の手数料はかなり高くなります。
たとえば、1注文10万円の株取引をした場合、ネット取引と窓口では2,461円(2,600円-139円)もの差があります。これは大きいですよね。
確かに窓口で相談しながら取引するのは安心感がありますが、投資で利益を得るには手数料を安くすることが大切です。
野村證券で口座開設するなら、手数料が安い「ネット&コール」がおすすめですよ。
株式手数料は主要ネット証券より高い
野村證券の株式手数料は、主要ネット証券に比べると高いです。
野村證券のネット取引(ネット&コール)と、主要ネット証券のSBI証券や楽天証券の手数料を比較してみました。
1注文の約定代金 | 野村證券 (ネット&コール) | SBI証券 (スタンダードプラン) | 楽天証券 (超割コース) |
---|---|---|---|
10万円 | 139円 | 90円 | 90円 |
20万円 | 300円 | 105円 | 105円 |
50万円 | 477円 | 250円 | 250円 |
100万円 | 953円 | 487円 | 487円 |
150万円 | 1,905円 | 582円 | 582円 |
300万円 | 2,858円 | 921円 | 921円 |
1注文の約定代金が大きくなるほど、手数料の差も大きくなっていますね。
株取引で利益を出すには少しでも手数料を安くすることが大切なので、野村證券の手数料の高さはデメリットになります。
株取引をするなら、野村證券よりも手数料が安いネット証券を利用するのがおすすめですよ。
IPOは資金拘束なしで抽選申込できる
野村證券の最大のメリットは、IPO(新規公開株)の抽選に資金拘束なしで申込できることです。
多くの証券会社では、IPOの抽選に申し込む時に資金を用意しなくてはなりません。
抽選結果が出るまでは資金が拘束されてしまうので、他の取引に利用できなくなってしまいます。
しかし、野村證券なら口座に資金がなくてもIPO抽選に参加できるので、当選したときだけ口座に入金すれば大丈夫です。
野村證券に配分されるIPO株の90%は、営業員を通して取引実績がある人に優先して配分されますが、残り10%は完全平等抽選で誰でも当選のチャンスがあります。
IPO株は当選すれば、上場後に株価が上昇して利益が出る確率が高いです。
IPOに参加するなら、取扱銘柄数が多く、資金拘束なしで抽選申込できる野村證券はおすすめですよ。
野村證券の投信積立について
将来に備えて資産を増やしていきたいのであれば、投資信託の積み立て(投信積立)も選択肢になると思います。
野村證券は月1,000円から積立可能で、つみたてNISAにも対応していますよ。
月1,000円から積立可能
野村證券は、月1,000円から投信積立ができます。野村證券が取り扱う500本以上の銘柄が対象です。
投信積立は一度設定すれば毎月自動で引き落とされるので、手間がかからず、資産形成に最適です。
ただし、野村證券が取り扱う投資信託は販売手数料がかかる銘柄が多く、信託報酬も割高なものが多いので注意が必要です。
また、ファンド検索では「ノーロード(販売手数料0円)」「信託報酬」が検索条件に入っていないので、低コストの銘柄を見つけにくいのも残念なところです。
つみたてNISAは厳選された7銘柄
野村證券は、投資の利益(売却益、分配金)が非課税になるつみたてNISAにも対応しています。
野村證券のつみたてNISAは、長期の資産形成に適した以下の7銘柄が対象です。
- 野村つみたて日本株投信(日本株インデックスファンド)
- 野村つみたて外国株投信(外国株インデックスファンド)
- 野村スリーゼロ先進国株式投信(外国株インデックスファンド)
- 野村6資産均等バランス(バランスファンド)
- つみたて8資産均等バランス(バランスファンド)
- ひふみプラス(アクティブファンド)
- コモンズ30ファンド(アクティブファンド)
インデックスファンドとバランスファンドは、いずれも信託報酬が年率0.2%前後と低コストで運用できます。
また、個人投資家に人気が高い「ひふみプラス」も取り扱っていますね。
野村證券のつみたてNISAは魅力的な銘柄が揃っているので、じっくりと資産形成に取り組めますよ。
上記7銘柄はつみたてNISA専用商品で、つみたてNISA口座を開設した人しか購入できないので注意してください。
野村證券は債券の取り扱いが豊富
野村證券は株式や投資信託だけでなく、個人向け国債などの債券も購入できます。
ネット証券では債券の取り扱いは少ないですが、野村證券は豊富な種類の債券を取り扱っていますよ。
個人向け国債はネットで購入可能
個人向け国債は預金よりも金利が高く、国が投資相手なので安全性が高い金融商品です。
野村證券が取り扱う債券のうち、個人向け国債だけはネット取引で購入できます。
野村證券で購入できる個人向け国債は、以下3種類です。
- 変動10年
- 固定5年
- 固定3年
2018年9月現在、個人向け国債の金利は年0.05%~0.07%(税引前)と銀行預金よりは高いので、安全に運用したいお金の投資先におすすめです。
米国債などは電話で注文する
野村證券は個人向け国債のほかに、以下のような債券も取り扱っています。
- 米国債
- 米国ゼロクーポン債
- カナダ国債
- フランス国債
- イギリス国債
- オーストラリア国債
- 外貨建て社債
- 10年物価連動国債(円建て)
ネット証券でも債券は購入できますが、野村證券ほど取り扱いは多くありません。
これだけ豊富な種類の債券を取り扱うことができるのは、大手証券会社ならではの強みですね。
個人向け国債以外の債券はネット取引では購入できないので、電話か支店窓口で注文する必要があります。
ネット&コールなら、あらかじめ概算金額を口座に入金した上でカスタマーサポートに電話すると注文できますよ。
証券口座の入出金について
利用する証券会社を選ぶときは、証券口座の入出金がスムーズに行えることも大切なポイントになります。
ここでは、野村證券の証券口座の入出金について解説していきますね。
Web入金の対応金融機関が多い
野村證券のWeb入金は、提携金融機関のインターネットバンキングを利用して証券口座に入金する方法です。
Web入金は入金手続きが完了すると買付可能額に即時反映されるので、手続き後すぐに取引できますよ。
野村證券のWeb入金に対応している提携金融機関は以下の通りです。
大手銀行からネット銀行まで、幅広く対応しているので便利ですね。
野村カードでセブン銀行ATMの入出金が無料
野村證券では、野村カードを使って野村證券本支店のATMやコンビニなどの提携ATMから入出金が可能です。
提携ATMとして三井住友銀行、ゆうちょ銀行、各種コンビニのATMが利用できますが、利用するならセブン銀行ATMがおすすめです。
セブン銀行ATMなら平日はもちろん、休日・夜間でも手数料無料で入出金できますよ。
野村カードは希望者だけに発行されるので、ATMを利用して入出金したい場合は発行を依頼しましょう。
野村信託銀行のバンキングサービスが利用できる
野村證券のオンラインサービス利用者は、野村信託銀行のバンキングサービスが利用できます。
証券口座(野村證券)に銀行口座(野村信託銀行)をプラスすることで、振込手数料無料や優遇金利などの特典が受けられます。
野村證券で取引するなら、ぜひ利用したいお得なサービスですよ。
振込手数料が月10回まで無料になる
バンキングサービスを利用すると、野村信託銀行の他行宛振込手数料が月10回まで無料になります。
適用条件は証券口座と銀行口座を開設するだけで、手数料はかかりません。
振込手数料が月10回無料になれば、かなりの節約になりますよね。
ちなみに、野村信託銀行から野村證券口座への振込は何度でも無料です。
普通預金と定期預金に優遇金利が適用される
バンキングサービスには、野村信託銀行の普通預金と定期預金に優遇金利が適用される特典もあります。
野村信託銀行の普通預金や定期預金の金利は優遇されて、一般的な銀行よりは高くなりますが、それでも他にも以下の銀行の普通預金のほうが高くできるため、利息のためならあえて使う必要はないですよ。
- 楽天銀行のマネーブリッジ(0.10%・口座残高300万円まで)
- イオン銀行のゴールドステージ(0.10%)
- GMOあおぞらネット銀行で証券コネクト口座を利用(0.11%)
野村信託銀行の定期預金は10万円以上の預け入れが必要で、「満期解約」と「自動継続(元利継続)」と「自動継続(元金継続)」が選択できます。
さいごに
野村證券は株式手数料が高いので、株取引をするならネット証券のほうが有利です。
しかし、資金拘束なしで抽選に参加できるIPO、長期投資に最適な銘柄が厳選されているつみたてNISAは十分活用できますよ。
また、野村信託銀行の振込手数料が月10回無料になる「バンキングサービス」もぜひ利用したいサービスです。
おまけ:他の証券会社と比較する場合
ノマド的節約術では、野村證券以外にもいろいろな証券会社を利用して詳しく紹介しています。
もし比較してみたい場合はチェックしてみましょう。