こんにちは、投資や社会保障関係が得意な、1児の母でもある齋藤惠(さいとうめぐみ)です。
最近、周りで投資を始めたと話している人はいませんでしたか?
それだけ投資が一般に広まりつつあるのですが、株や投資信託などはリスクがあって、なかなか踏み出せないのではないでしょうか。
そんな「投資を初めてみたいけれど、大きなリスクは取りたくない!」という場合の選択肢になるのが、個人向け国債です。
投資先の中でも安全性が高く、低コストで保有できるのでおすすめですよ!
個人向け国債とは?国債との違い
まずは個人向け国債の基本からご説明します。
国債とは、公共事業の財源確保や歳入の赤字補てんのために国が発行するペーパレスの借用証書で、目的や償還期間によってたくさんの種類に分けられています。
- 建設国債
- 赤字国債
- 財政投融資特別会計国債(財投債)
しかし、これらは誰でも投資できるものではありません。
数ある国債の中でも、個人へ向けて発行された国債を「個人向け国債」といいます。
金融機関で扱っている国債もほとんどが個人向け国債と思って良いでしょう。
(一部、「新窓販国債」という個人向け国債以外のものを扱っている場合があります)
個人向け国債は以下の3つから選んで購入します。
- 変動10年
- 固定5年
- 固定3年
いずれも半年ごとに(年2回)各金利が自動で指定口座に振り込まれて、満期償還に面倒な手続きもありません。
個人向け国債を買う3つのメリット
私が初めての投資に個人向け国債をおすすめする理由は3つです。
1. 安全性が高い
個人向け国債は国が投資相手という点で、預金の次にリスクの低い投資商品だといえます。
一方で同じ投資商品でも株や投資信託、保険商品などは一つの会社が経営危機に陥るだけで資金が減額またはゼロになる可能性がありますから、購入にはより高いリスクを覚悟しなければいけません。
初めて投資をするばあいには、いきなり高リスクの商品に賭けるよりも、低リスクな個人向け国債からスタートしたほうが投資生活が長続きすると思います。
2. 預金よりも利率がいい
2016年からマイナス金利政策に突入したとこで、ただでさえ低かった定期預金の利率がより低く(ほぼゼロと言ってもいいほどに)なってしまいました。
このまま銀行に貯金するのみでは今後も増える見込みがなさそうです。
個人向け国債なら一般の定期預金よりも金利が高く設定されています。
同じ期間お金を預けるなら、少しでも増える方を選びたいですよね。
3. 1万円から投資できる
投資商品にはたいてい最低金額があるのですが、大きな利益が期待できる商品ほど最低金額は高い傾向にあります。
初めての投資はより多くの損失を見越して余裕のあるお金での運用が望ましいため、最初から高額な資金を投入するのは賢いやり方とはいえません。
その点1万円から購入できる個人向け国債は、投資が初めての人にも無理のない金額で始められる商品といえるのではないでしょうか。
個人向け国債のリスクとデメリット
安心かつ高金利と評価してきた個人向け国債にもいくつかの注意点があるので、ここでしっかり押さえておきましょう。
1. 株や投資信託よりは増えない
投資商品には利益が1%以上見込める商品が少なくありません。
そのため金利だけを比較すれば定期預金よりはよい程度の個人向け国債は、他の投資商品より見劣りするかも知れません。
2. 中途解約に制限やペナルティがある
個人向け国債は発行から1年経てば一部または全額が中途換金できます。
しかしそのときに「中途換金調整額」というペナルティが発生することに注意しなければいけません。
中途換金調整額とは、以下の計算式で自分でも計算できますよ。
「直前2回分(1年分)の利子相当額 × 0.79685」
ちなみに、1年以内でも中途換金できる特例もありますが、口座名義人が亡くなったとき、自然災害の被害に遭ったときなどに限られますから、大抵のばあいは不可と思って良いでしょう。
個人向け国債をするなら、少なくても1年以上使わないお金を投資に回す必要がありますね。
3. 固定金利はインフレに弱い
個人向け国債には変動金利型と固定金利型があります。
変動金利型を選べば景気に合わせて金利が変動しますが、固定金利型を選べば満期時まで金利が一定のままです。
もしも固定金利型の満期時に日本が好景気だった場合、購入時よりも預金の金利が上がっている可能性が高いので、個人向け国債の金利の魅力は減ってしまうと言わざるを得ません。
個人向け国債の金利とマイナス金利の影響
2017年5月現在、個人向け国債の金利は以下の通りです。
- 変動10年:0.05%(税引前)
- 固定5年:0.05%(税引前)
- 固定3年:0.05%(税引前)
金利の決定は種類によって異なります。
- 変動10年:基準金利×0.66(満期時まで変更なし)
- 固定5年:基準金利×0.05
- 固定3年:基準金利×0.03
さらに各基準金利も種類によって計算方法が違うようです。
(詳細は財務省HPで確認できます)
それぞれの特徴に合わせて、市場とバランスの良い金利設定になるようその都度計算されています。
そのため時には固定5年で金利1%以上という羨ましい時代も!(2006~2007年頃)
今ではマイナス金利の影響を受けて、個人向け国債の金利も以前より見劣りするかも知れませんが、定期預金が0.01%(2017年5月現在)という時代の金利0.05%は決して侮れませんよ!
また、どうしてもより多くのリターンを得たいなら、株や投資信託または社債という選択肢がありますが、いずれもハイリスク(元本割れや減額の可能性が高い)商品であることを理解した上で行いましょう。
どうやって買うの?
では実際に「個人向け国債を買おう!」と思ったときにすべきことを紹介しますね。
個人向け国債が買えるのは、銀行や郵便局などの金融機関窓口です。
具体的に取り扱っている金融機関は、財務省HPにある取扱金融機関一覧で調べることができます。
購入までの流れは、念のため取扱金融機関に直接問い合せるのが賢明です。
一般的には口座開設に必要な書類(本人確認証や印鑑など)を持参して、金融機関でもらえる申込書に必要事項を記入し購入手続きを行います。
その際に、各金融機関(銀行、証券会社)ごとにお得なキャンペーンを実施していることもありますので、手続きの前にしっかりキャンペーン等の有無をチェックしておきましょう。
あと、もちろんネット証券会社でも国債を購入できますよ。
ネット証券会社なら、口座開設でのキャンペーンもあるのがおすすめです。
SBI証券だと、条件を満たせば現金2,000円プレゼントのキャンペーンもあります。
さいごに
個人向け国債は投資を一から勉強したい方におすすめの商品です。
国債を通して市場と金利の関係を理解することで、お金の価値がどのように変動していくかを実感することができますよ。
余裕資金があるのなら、一部を国債にまわすことも検討してみてはいかがでしょうか。