信託報酬とは何?いつ手数料が引かれるかの計算方法・ファンド別の安さの目安比較

投資信託ETFなどに投資しようとしたときに、信託報酬という言葉を聞くことはありませんか?

信託報酬は、あまり目立たないものですが、投資信託のコスパを大きく左右するぜひとも注目してほしいキーワードです。

このページでは、そんな信託報酬について詳しく紹介していきますね。
信託報酬のことを知っていると、投資信託への理解度も高まると思いますよ。

信託報酬とは何?

信託報酬とは?

信託報酬とは、投資信託を保有するときにかかる利用手数料のことです。
また、「運用管理費用」「管理手数料」と呼ばれることもあります。

信託報酬は、投資信託を保有している間、ずっと販売会社・運用会社・信託銀行に対して支払い続けなければいけません。

例えノーロードの商品でも、販売手数料が無料なだけで、信託報酬はしっかり引かれています。

販売手数料だけに気を取られていると、知らないうちにコスパの悪い商品を選んでしまうかも知れませんよ。

信託報酬の計算方法

信託報酬がどれくらいかかるかは、商品の目論見書や投資信託説明書を見ればわかります。

年率(%)で表現されていることが大半ですが、実際は1日1回の基準価額が決まるタイミングで日割り計算です。

具体的には、以下の式で日々の信託報酬額を計算できますよ。

基準価額 × {信託報酬(%) ÷ 365}

基準価額は日々変わるので、投資信託を買う前に、正確な信託報酬額を知ることはできません。

あくまでも信託報酬の率が判断基準です。

どうしてもより具体な信託報酬額を知りたいなら、運用報告書に過去の信託報酬額が載っています。参考にしてみてくださいね。

信託報酬はいつ引かれる?

信託報酬は保有する資産の中から自動的に差し引かれます。

毎日引かれていますが都度報告や明細などがくるわけではないので、知らず知らずのうちに結構な額を払っているのです。

もしも長期にわたって投資信託の運用成果があまり伸びなかった場合でも、信託報酬だけは毎日確実に引かれているので、たった数%でも投資信託を買うなら信託報酬を見逃すことはできませんね。

信託報酬の目安や平均を比較してみました

信託報酬報酬は一般的に、年0.5〜2%くらいが目安です。

選ぶ商品によって率が違うので、買う前に目論見書や投資信託説明書に目を通して、しっかり覚えておきましょう。

また、ファンドの性質によって信託報酬の高さに差が出る場合もあります。

アクティブファンド

アクティブファンドの信託報酬は割高傾向です。

積極的な売買を行いながらの高いリターンを目標にしているので、どうしても運用コストが多くかかってしまいます。

アクティブファンドで有名なところだと、ひふみ投信ひふみプラスがありますね。

インデックスファンド

インデックスファンドの信託報酬は割安傾向です。

市場の相場に連動して値動きするので、同じ日経平均などが投資対象でもアクティブファンドより低コストで運用できます。

インデックスファンドで低コストなのは、たわらノーロードシリーズeMAXIS Slimシリーズニッセイ外国株式インデックスファンドなどがありますよ。

ファンドオブファンズ

ファンドオブファンズの信託報酬は基本割高傾向ですが、商品によって差が大きいです。

「複数の投資信託をまとめて一つの投資信託にして保有する」という特殊な性質を持つ商品になります。

投資対象がインデックスファンドやETFばかりなら、信託報酬を抑えることができますよ。

一方、アクティブファンドが多ければ大幅な割高になることも。
買う前にはより慎重な判断が必要です。

ETF

ETFの信託報酬は割安傾向です。
全体的にとても安く抑えられていますが、その分、信託報酬の違いが運用成果に大きく響きます。

同じ投資対象でも商品によって微妙に違う信託報酬は、とても重要な判断基準になるといえますね。

ただ、ETFに関しては株式取引と同じような感覚になるため、株の売買手数料も別途必要になります。

公社債投信

公社債投信の信託報酬も割安傾向ですね。
他のファンドよりも圧倒的に安く設定されています。

投資対象が債権など、リターンよりも安全性を重視した商品ばかりなので運用コストがあまりかからないのです。

公社債投信に関しては、信託報酬を気にするよりも、商品の信用性や安全性を重視して選んだ方が良いかも知れません。

ETFでも信託報酬がある

上のリストを見て、ETFにも信託報酬がかかっていることに驚いたかもしれませんね。

ファンドの中では割安な方ですが、わずかでも引かれているので購入前には必ず信託報酬の年率を確認しましょう。

特にETFは少ない資産と低リスクで運用できるという魅力から、複数の商品を保有して分散投資をするのがいいといわれています。

しかしたくさんのETFを持つほど信託報酬も当然かかってくるので、知らず知らずのうちに高額なコストを支払ってしまうかもしれません。

また投資対象は同じでも、商品によっては信託報酬に大きな差があることがあります。

できれば信託報酬0.5%以下のものを選ぼう

せっかく投資信託を1年間保有しても、利益が上がらず手数料だけが毎日引かれ続けるのは悲しいですよね。

また、いくら高いリターンが見込める商品を選んでも、信託報酬まで高いと実質の利益が目減りしてしまいます。

ですから信託報酬はできる限り安く、理想は0.5%以下に抑えたいところです。

ちなみに、どの証券会社銀行でも一律なので、購入先によって率が変わる販売手数料(申込み手数料)とは区別して確認しましょう。

おすすめは、やはりインデックスファンドやETFですね。

証券会社によってはポイント還元などで、実質的に信託報酬の割引を受けられることもありますよ。

例えば、SBI証券投信マイレージサービスなら、投資信託を持っているだけで月間平均保有金額の0.03~0.2%のポイントが付くキャンペーンが常時行われています。

参考:

あとは楽天証券だと、投資信託の残高10万円ごとに毎月楽天ポイントが4ポイント付与されますよ。

楽天証券の場合は、楽天ポイントを使って投資信託を積み立てすることができますし、貯めたポイントがムダになりません。

また、楽天カードを使って投資信託を購入することができ、月5万円までなら1%分のポイントが貯まるので、信託報酬分をカバーできちゃいますよ!

参考:

投資信託をできるだけ抑えるためには、証券会社選びからこだわると良さそうですね。

iDeCoでも信託報酬は要チェック

普通の投資信託でも信託報酬は大事なチェック項目ですが、もっと重要視してほしいのがiDeCo(確定拠出年金、401k)を保有する場合です。

保有期間が非常に長く、しかも運用金額が年々増えていきますから、受け取るまでにかなりの信託報酬を支払うことになります。

わずか0.5%でも、10年20年単位で引かれたら大きいコストですよね。

iDeCoでは口座管理料がもっとも注目されがちですが、信託報酬も見逃すことはできません。

商品を決めるときには、注意してくださいね!

さいごに

投資信託とはプロに運用を任せながら長期的に保有することで利益を狙う商品なので、販売手数料などの初期費用以上に信託報酬が大きなコストになると言えます。

購入前に販売先が費用について一通り説明してくれるかとは思いますが、さまざま手数料と合わせて簡単な説明で終わってしまうことも多いです。

信託報酬については、念のために自分の目で確かめてから投資する商品を決定した方が、数十年先まで安心して投資信託を保有することができますよ!

ノマド的節約術の裏話

ブログでは公開していない情報をメールやLINEで受け取れます。無料で登録可能ですので、下記のボタンよりお気軽にご登録ください!

この記事を書いた人

1990年生まれ。2児の母。社会保障・資産運用・ドラッグストアのお得な活用術をご紹介。銀行勤務で培った知識と、実践している投資の経験から、役立つ情報をお届けします!