30代は結婚や出産・子育て、マイホーム購入など、ライフイベントが重なりやすい時期ですよね。
また、仕事においても、昇進して責任ある仕事を任されたり、転職や独立を経験したり、変化が激しい時期だと思います。
もしかしたら、老後資金や教育費などのお金に対して不安を感じていても、「忙しくて資産運用を始める時間がない」という悩みがあるかもしれませんね。
しかし、時間や手間をかけずに資産運用を始める方法もありますよ。
私も実際に資産運用に取り組んでいますが、ほぼほったらかしで運用できています。
そこでこのページでは、30代におすすめの資産運用方法や証券会社、資産運用を始めるメリット、注意点について説明していきますね。
30代の資産運用は「投資信託の積立投資」がおすすめ
30代で資産運用を始めるなら、投資信託の積立投資がおすすめです。
投資信託は、投資家から集めたお金をひとつにまとめ、運用会社が株や債券などで運用を行い、運用で得た利益を投資家に還元する金融商品です。
たとえば、A社の株に投資した場合、A社が倒産してしまうと投資したお金は戻ってきません。
しかし、投資信託はさまざまな銘柄に分散投資しているので、仮にA社が倒産しても資産がなくなるリスクは少ないですよ。
投資信託は少額から投資でき、積立投資に対応しているので、積立貯金のように毎月少しずつ購入できます。
また、一度積み立ての設定をすれば、金融機関が自動的に購入してくれるので、時間や手間はかかりません。
日本は低金利の影響で、銀行に預けるだけではお金が増えないこともあって、資産運用の必要性が高まっています。
金融庁も投資信託の積立投資で資産運用に取り組むことを勧めており、つみたてNISAなど資産形成を支援する制度を導入していますよ。
30代の資産運用はネット証券で始める
30代の資産運用は、ネット証券で始めるのがおすすめです。
投資信託の積立投資は、ほとんどの証券会社や銀行で対応していますが、店舗型の証券会社や銀行は手数料が高いデメリットがあります。
わざわざ店舗窓口に行くのは時間・手間がかかるうえに、手数料が高い商品を勧められる可能性もありますよ。
一方、ネット証券は手数料が安い投資信託の取り扱いが豊富で、パソコンやスマホから時間があるときに自分のペースで取引可能です。
投資経験がないと、担当者から直接説明を聞いたほう安心だと思うかもしれませんが、ネット証券なら初めてでも手続きができるように、わかりやすい解説が掲載されていますよ。
私が初めて投資信託を購入したのはある地方銀行でしたが、売買手数料がかかる銘柄を選んでしまいました…。
購入した投資信託は後からネット証券に移管しましたが、最初からネット証券で購入すればよかったと後悔しましたね。
これから資産運用を始めるなら、手数料が安いネット証券がおすすめですよ。
30代で資産運用を始めるメリット
30代で資産運用を始める最大のメリットは、長期で資産運用に取り組めることです。
定年・老後を迎えるまで約30年ありますからね。
ここでは、長期投資のメリットを3つ紹介します。
少額から大きな資産を作ることが可能
30代で資産運用を始めれば、少額からでも大きな資産を作ることが可能です。
毎月投資に回せる金額はそれほど多くなくても、長く運用を続ければ、まとまった金額になりますよ。
毎月3万円を運用に回す場合、積立期間によって投資元本がいくらになるかまとめました。
積立期間 | 投資元本 |
---|---|
10年 | 360万円 |
20年 | 720万円 |
30年 | 1,080万円 |
10年間だと投資元本は360万円ですが、30年間積み立てを続ければ、投資元本だけでも1,080万円になります。
運用成績次第では、さらに資産を増やすこともできますよ。
また、資産運用では投資元本が増えるほど、運用成績がプラスになったときの資産の増え方が大きくなります。
少額からでもなるべく早く積立投資を始めて、余裕が出てきたら積立金額を増やしていくのがおすすめですよ。
長期の分散投資でリスクを軽減できる
資産運用では、投資元本が大きくなるほど資産は増えやすくなりますが、運用成績が必ずプラスになるわけではありません。
マイナスになって投資元本が減ることもあるので、投資金額を増やすのは怖いと感じるかもしれませんね。
しかし、投資信託の積立投資なら、元本割れリスクを低くすることは可能ですよ。
▼国税庁の資料によると、資産・地域を分散して積立投資を行った場合、期間5年では元本割れが発生していますが、期間20年では元本割れの発生がゼロになっています。
あくまでも過去の結果であり、運用成績が必ずプラスになるわけではありませんが、投資信託の積立投資を長く続けると、結果的に元本割れリスクを軽減できることがわかります。
30代は定年・老後までまだ約30年あるので、資産運用を早く始めるほどリスク軽減につながりますよ。
複利効果が期待できる
30代で資産運用を始め、長期にわたって運用を行うと、複利効果で資産を大きく増やせる可能性があります。
複利とは利息の計算方法のひとつで、一定期間ごとに利息を投資元本に組み入れていくことを複利運用といいますよ。
投資で得た利益を再投資して複利運用すると、運用期間が長くなるほど資産の増え方が大きくなります。
投資信託を毎月3万円購入して複利運用した場合、運用期間と運用成績によって投資元本がどのように増えるかをまとめました。
運用期間 | 投資元本 | +1%運用 | +3%運用 | +5%運用 |
---|---|---|---|---|
10年 | 360万円 | 約378万円 | 約419万円 | 約466万円 |
20年 | 720万円 | 約797万円 | 約985万円 | 約1,233万円 |
30年 | 1,080万円 | 約1,259万円 | 約1,748万円 | 約2,497万円 |
運用期間が長くなるほど、資産の増え方が大きくなっているのがわかりますね。
30年間運用すると、運用成績が+1%でも、投資元本は179万円(1,259万円-1,080万円)増えています。
+5%で運用できた場合の資産額は約2,497万円で、投資元本が2倍以上増えていますよ。
複利効果を得るには、30代のうちに早く資産運用を始めて、少しでも長く運用するのがおすすめです。
30代で資産運用を始めるときの注意点
30代で資産運用を始めることには多くのメリットがありますが、注意しなければならないこともあります。
ここでは、30代で資産運用を始めるときの注意点について説明していきますね。
無理のない金額から始める
30代の資産運用は、無理のない金額から始めることが大切です。
投資信託の積立投資は、長く続けてこそ元本割れリスクが軽減され、複利効果によって資産を大きく増やすことができます。
しかし、いきなり大きな金額から始めて手元資金が足りなくなると、資産運用を続けられなくなってしまいますよ。
30代の資産運用で大切なのは、長く運用を続けることです。
ネット証券なら月100円から投資を始められますし、途中で積立金額を変更することもできるので、まずは無理のない金額から始めましょう。
低コストのインデックスファンドを選ぶ
投資信託は、インデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。
インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、特定の指数に連動する成果を目指して運用される投資信託のことです。
一方、アクティブファンドは、特定の指数を上回る運用成果を目指す投資信託になります。
アクティブファンドは市場平均以上のリターンが期待できますが、信託報酬(運用コスト)が高いデメリットがあります。
また、必ずインデックスファンドを上回るリターンを得られるわけではありません。
しかし、eMAXIS Slimシリーズやニッセイ購入・換金手数料なしシリーズのようなインデックスファンドなら、信託報酬が低いうえに、ほぼ確実に市場平均のリターンを得られますよ。
投資信託の積立投資で長く運用する場合、運用コストは運用成績に大きな影響を与えます。
30代の資産運用では、少しでも手数料を安く抑えられるように、低コストのインデックスファンドを選ぶのがおすすめですよ。
貯金や無リスク資産を確保する
30代の資産運用では、定期預金や個人向け国債のように、元本割れリスクがない無リスク資産を確保することも大切ですよ。
保有資産のほとんどを投資信託のようなリスク資産に回してしまうと、暴落が発生したときに資産が大きく目減りしてしまうからです。
また、30代は結婚や出産、教育費など急にお金が必要になる場面が多いので、もしものときに備えてすぐに使えるお金を用意しておく必要があります。
資産運用を始める前に、いくら貯金(無リスク資産)を確保しておく必要があるか確認しておきましょう。
参考:金利の高くて良いおすすめ銀行はどこ?普通預金の利息を徹底比較して貯金を増やそう
参考:定期預金金利の高い銀行で徹底比較!定期預金の利息と税金が計算できるツールも
短期で結果を求めない
30代の資産運用では、短期で結果を求めないことも大切です。
投資信託の積立投資は、長く運用を続けるほど投資元本が増え、複利効果によって資産の増え方が大きくなっていきます。
しかし、運用期間が短いうちは資産の増え方が小さく、元本割れリスクも高いので、短期で結果を求めると運用を続けられません。
すぐに資産を増やそうとしてFX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨などの取引に手を出すと、うまくいけば短期間で資産を増やせるかもしれませんが、大きく損をするリスクも高くなりますよ。
投資信託の積立投資の場合、基本的には年に数回くらい運用状況を確認すれば大丈夫です。
積立投資をしていることを忘れるくらいでちょうどいいのかもしれませんね。
30代の資産運用は短期で結果を求めず、気長にコツコツ積み立てを続けましょう。
自己投資にお金を使うことも大切
30代は資産運用も大事ですが、自己投資にお金を使うことも大切です。
30代は少しずつ責任ある仕事を任せられるようになりますし、状況によっては転職や独立を考えることもありますよね。
仕事で収入アップやスキルアップを目指すには、資格や語学の習得、読書などの自己投資が欠かせません。
本業から安定した収入を得られてこそ、資産運用について考えることができます。
私も30代で昇進と独立を経験しましたが、資格勉強や読書などの自己投資にお金を使ってよかったと思っていますよ。
これからさらに仕事で活躍したり、やりたいことを実現したりするためにも、30代は資産運用だけでなく、自分のためにお金を使うことも大切だと私は思います。
30代の資産運用で利用したい制度
投資信託の積立投資に取り組む場合、効率的に資産を増やすために活用したい制度がありますよ。
ここでは、30代の資産運用におすすめの制度を2つ紹介しますね。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、投資信託の運用益が非課税になる制度です。
つみたてNISAの特徴をざっくりとまとめました。
- 年間40万円の投資までは非課税
- 期間は20年
- いつでも引き出し可能
- 金融庁が認めた投資信託・ETFが投資対象
- 積立投資のみ
- 金融機関は1つしか選べない
投資信託の運用益には、通常20.315%の税金がかかります。
しかし、つみたてNISAで購入した投資信託で利益が出ても、その利益には税金がかからないので効率的に資産を増やせますよ。
長く運用して利益が大きくなるほど、つみたてNISAの非課税メリットは大きくなります。
また、つみたてNISAは長期投資に適していると金融庁が認めた商品だけが投資対象なので、安心感もありますね。
投資額が年間40万円までと少ないのがデメリットですが、投資信託の積立投資に取り組むならおすすめの制度です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、国民年金などの公的年金を補うための年金制度で、加入者自身が投資信託で運用を行うのが特徴です。
iDeCoの特徴をざっくりとまとめました。
- 運用益が非課税になる
- 掛金が所得控除で所得税・住民税が軽減できる
- 将来退職金・年金として受け取るときも税優遇を受けられる
- 加入者の状況によって掛金に上限がある(月額12,000円~月額68,000円)
- 60歳まで引き出しできない
- 金融機関は1つしか選べない
つみたてNISAと同じく、iDeCoも投資信託の運用益が非課税になるので、効率的に資産を増やせますよ。
さらに、掛金が所得控除になるので所得税・住民税が軽減でき、将来受け取るときも税金の優遇が受けられます。
ただし、iDeCoは60歳になるまで引き出しできないのがデメリットです。
税制メリットが大きいからといって掛金を増やしすぎてしまうと、手元資金が足りなくなる可能性があるので注意してくださいね。
30代の資産運用におすすめのネット証券
ここまで30代の資産運用について説明してきましたが、どのネット証券を利用すればいいか気になりますよね。
30代の資産運用におすすめのネット証券をまとめました。
SBI証券と楽天証券は、いずれも日本を代表するネット証券です。
手数料が安い投資信託の取り扱いが豊富で、つみたてNISAとiDeCoの両方に対応していますよ。
また、SBI証券はVポイント、楽天証券は楽天ポイントで投資信託を購入できるのも大きなメリットですね。
私はつみたてNISA、iDeCoともにSBI証券を利用しています。
楽天サービスを利用する機会が多いなら楽天証券、利用しない場合はSBI証券がおすすめですよ。
さいごに
このページで説明してきたように、30代の資産運用は投資信託の積立投資がおすすめです。
投資信託の積立投資は、運用期間が長くなるほど元本割れリスクが低くなり、複利効果で資産の増え方が大きくなりますよ。
一度積み立ての設定をしてしまえば、ほぼほったらかしで運用できるので、仕事や子育てなどで忙しい30代でも無理なく続けられます。
つみたてNISAとiDeCoの両方に対応しているSBI証券、もしくは楽天証券で口座開設して、投資信託の積立投資を始めましょう。