10円玉はどんな硬貨?いつ変わるかや表裏はどっちか・歴代の絵柄・サイズ・材質などについて徹底解説

10円玉(10円硬貨)は、100円玉とならんで日常生活の中でよく使われる硬貨(コイン)のひとつではないでしょうか。

レジでの会計はもちろん、自動販売機や券売機など、10円玉を使う場面はかなり多いですよね。

だから、日本の硬貨の中で一番身近に感じます。

そんな10円玉ですが、以下のような疑問を感じることはありませんか。

  • 10円玉はいつからあるのか?
  • どちらが表でどちらが裏?
  • 描かれている建物は何?
  • 今まで何回デザインや絵柄・材質が変わったのか?
  • そもそもなぜデザインや材質などを変えるの?
  • 次回はいつ、どんなデザインや絵柄・材質になる?

そこで、このページでは10円玉の特徴や次に変わる時期・表裏はどっちか・歴代のデザインや絵柄・サイズ・材質などについて詳しく紹介していきますね。

10円玉はどんな硬貨?表裏・歴代の絵柄・サイズ・材質など解説

10円玉とは?日本で三番目に低額な硬貨

まず、10円玉とはどんなお金なのかについて紹介していきますね。

10円玉は、1円玉5円玉についで三番目に低額な日本の硬貨です。

また、10円玉は500円玉・100円玉とならんでよく使われている硬貨でもあるんです。
発行される量も安定しています。

よく使われる理由は、500円玉・100円玉とともに、自動販売機や券売機で利用されるからですよ。

自動販売機や券売機は、1円単位であることはほとんどないですよね。
だから、10円を使ったりお釣りで10円が出てきたりするので、よく利用されているのです。

さらに、10円玉は赤茶色をしていますよね。
この色はほかの硬貨にないので、一目で10円とわかります。

そんな10円玉ですが、10円玉が登場するよりも前、明治4年に「10円金貨」が登場しました。
その後、1897年(明治30年)に、二代目の10円金貨が発行されています。

また、1885年(明治18年)には、十円札(十円紙幣)が登場しました。

十円札は7度の変更がおこなわれましたが、1953年(昭和28年)に製造が終了し、1955年(昭和30年)に発行停止になっています。

十円札と入れ替わる形で、1953年に初代10円玉が発行開始されました。

2019年(令和元年)現在、日本で使われている10円玉は、1959年(昭和34年)に発行された二代目の10円玉ですよ。

なお、初代10円玉は現在でもお金として使用できます
ただし自動販売機や券売機、ATMなどでは対応していない場合ありますよ。

初代10円玉(通称:ギザ十)は、発行年数が短かったので希少です。

また、10円金貨や十円札は、現在買い物などで使えません

初代10円玉・10円金貨・十円札を持っている場合、古銭商や質屋などを利用すれば、予想外の収入が得られるかもしれません。

▼初代10円玉(ギザ十)・10円金貨・十円札を売る場合、おすすめのサービスは以下のとおり。

また、硬貨には製造年が刻印されていますよね。

▼期間が短かった昭和64年や平成31年に製造された10円玉は希少ですよ。

二代目10円玉(裏面)とチロルチョコの比較

10円玉の「10」と大きく書かれている面は裏面

硬貨はどちらが表で、どちらが裏なのか気にしたことがありますか?

▼実は、10円玉の表面は建物の絵柄が大きく描かれている面なんですよ。

二代目10円玉(表面)とチロルチョコの比較
二代目10円玉の表面とチロルチョコの比較

大きく「10」とあり、製造年が記されているほうは、裏になります。

二代目10円玉(裏面)とチロルチョコの比較
二代目10円玉の裏面とチロルチョコの比較

私は、ずっと逆だと思っていたので、とても驚きました。

あお、硬貨の表裏は法律によって決まっていませんが、一般的に建物側のほうが表とされていますよ。

10円玉はいつ変わる?

現在の10円玉は1959年(昭和34年)から変わっていないと紹介しました。

2021年(令和3年)には500円玉、2024年(令和6年)には千円五千円一万円札がそれぞれ変更される予定です。

では、10円玉はいつ新しくなるのでしょうか?

実は2019年現在、10円玉が変わる予定はありません

硬貨や紙幣のデザインや材質を変更するのは、偽造防止が一番の目的

10円玉は低額な硬貨のため、偽造の対象になることが少ないので、わざわざ変更する必要がないですよね。

10円玉のデザイン・材質・サイズの一覧

▼歴代の10円玉については、以下のとおり(10円金貨や十円札は省略)。

発行時期表面裏面側面材質直径(mm)厚さ(mm)重量(g)
初代1953年(昭和28年)平等院鳳凰堂・国名・金額金額・製造年・常盤木ギザギザ模様青銅アカガネ色
赤茶色
23.51.54.5
二代(現行)1959年(昭和34年)平等院鳳凰堂・国名・金額金額・製造年・常盤木無地青銅アカガネ色
赤茶色
23.51.54.5

実は、初代と二代目は材質やサイズにほとんど違いがありません
絵柄やデザインもほぼ同じなんです。

それでは、どこが変わったのでしょうか?

実は、変更されたのは側面のデザインなんですよ。

▼初代10円玉は、側面には小さな縦の刻み(ギザギザ模様)がたくさん入っていました。

初代10円玉(ギザジュウ)の側面のギザギザ模様

二代目では、ギザギザ模様が廃止され、ツルツルになっていますよ。

初代10円玉は、わずか7年ほどしか製造されていません。

そのため、お金の収集家のあいだでは「ギザ十(ギザジュー)」と呼ばれていて、コレクター・アイテムとなっていますよ。

10円玉の表面のデザイン・絵柄

ここからは、10円玉の表面のデザイン・絵柄について紹介していきます。

現行の二代目10円玉と初代の10円玉は、同じデザインです。

▼現行二代目の10円玉の表面のデザインは、以下のような特徴ですよ。

二代目10円玉(表面)とチロルチョコの比較
  • 中央に平等院鳳凰堂
  • 平等院鳳凰堂の上に国名
  • 平等院鳳凰堂の下に漢数字で金額「十円

▼ちなみに、以下は初代10円玉の表面のデザインですよ。

初代10円玉(ギザジュウ)の表面とペットボトルのフタの比較
初代10円玉の表面とペットボトルのフタの比較

二代目も初代も、ほとんど同じですね。

10円玉の表面に描かれている平等院鳳凰堂(びょうどういん ほうおうどう)は、京都府宇治市の平等院という寺にある建物です。

平等院鳳凰堂は、平安時代中期の天喜元年(1053年ごろ)に建てられました。
世界文化遺産に登録されていて、有名ですよね。

小学校の社会科の教科書で見たことがあるのではないでしょうか。
私は、そのとき「10円玉の建物」と先生に教えてもらいました。

また、京都旅行の定番スポットなので、旅行で訪れたことがあるという場合も多いでしょう。

平等院鳳凰堂の前で、10円玉を片手に記念写真を撮影するのも定番です。

ちなみに、平等院鳳凰堂の屋根にある鳳凰像は、三代目一万円札の裏側の絵柄にも採用されています。

平等院鳳凰堂の名前の元となった鳳凰(ほうおう)とは、伝説上の鳥
古い時代の中国で伝説上の鳥として親しまれ、日本にも伝来しました。

鳳凰は、日本では幸せや喜びをもたらす鳥と考えられていたんです。

10円玉がたくさんの人に幸せや喜びをもたらすような願いを込めて、絵柄に採用されたとのではないでしょうか。

▼なお、鳳凰についての詳細は、一万円札のページで紹介していますよ。

10円玉の裏面のデザイン・絵柄

次に、10円玉の裏面のデザイン・絵柄について紹介しますよ。

表面と同じように、現行の二代目の10円玉と初代10円玉の裏面は、同じデザインです。

▼10円玉の裏面のデザインは、以下のとおり。

二代目10円玉(裏面)とチロルチョコの比較
  • 中央から上側に変えてアラビア数字(算用数字)で金額の「10
  • 金額の下側に和暦(元号)製造年
  • 金額と製造年を囲むように常盤木の絵柄

▼ちなみに、以下は初代10円玉の裏面のデザインですよ。

初代10円玉(ギザジュウ)の裏面とペットボトルのフタの比較
初代10円玉の裏面とペットボトルのフタの比較

二代目も初代も、ほとんど同じデザインですね。

10円玉裏面の金額と製造年を囲んでいる絵柄は、私はリボンかと思っていました。
実際は、常盤木(ときわぎ)という植物の絵柄ですよ。

常盤木とは、いつも緑色の葉を付けている木のこと。
専門的には常緑樹(じょうりょくじゅ)といいます。

常緑樹にはいろいろな種類があります。
しかし、10円玉に描かれている木は何なのかは明かされていません。

常緑樹は常に葉を付けているので、縁起がいいものとされていますよ。

10円玉の材質は?

つづいて、10円玉の材質について紹介しますね。

10円玉の材質は、初代も二代目も青銅(せいどう)というものを使っています。
青銅とは、を主成分にスズ()を混ぜた合金です。

青銅は、ブロンズとも呼ばれ、古くからいろいろなものに使われてきた金属ですよ。

古代日本では、銅鐸(どうたく)・銅剣(どうけん)・銅矛(どうほこ)・銅鏡(どうきょう)などの青銅器がつくられていたのを、歴史の授業で習いますよね。

10円玉は、スズの量が少ないので赤みがかった色をしています。
スズの量が多い場合は、銀色に近くなりますよ。

発行されたばかりの10円玉を見たことはありますか?
新しい10円玉は、光り輝くアカガネ色をしていて美しいんです。

オリンピックの銅メダルをイメージしてしまいますよね。

しかし、10円玉が使われて時間がたってくると、だんだん輝きがなくなって、茶色になります。
茶色くなった10円玉のほうが馴染みがあるかもしれません。

だから、ピカピカのアカガネ色の10円玉を手にしたときは、少しうれしくありませんか?

なお、茶色くなった10円玉を以下の液体にしばらくつけておくと、汚れが取れてきれいになります。

  • ウスターソース類
  • タバスコ
  • レモン汁
  • 酸性洗剤

ただし硬貨を痛めるので気をつけましょう。

ちなみに、青銅を使った元気の日本の硬貨は、10円玉のみですよ。

10円玉の入手法にはどんなものがある?

10円玉の特徴やデザイン・歴史などについて紹介してきました。
ここからは、10円玉を手に入れる方法を紹介しますね。

▼10円玉の入手法のおもな方法は、以下のとおりです。

  • 買い物でお釣りとしてもらう
  • 預金をおろす
  • 仕事をしたりものを売ったりして稼ぐ
  • 銀行で両替する
  • 宝くじやギャンブルで当てる
  • もらったり借りたりする

順に紹介していきますよ。

買い物でお釣りとしてもらう

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一番かんたんなのが、対面での支払いのとき、お釣りとしてもらうことです。

支払額の下二桁が00または90〜99以外の場合に、50円玉以上を出して支払うことです。

たとえば、489円や2,005円などの場合ですよ。
このようなときにお釣りが出るような金額で支払えば、お釣りとして10円玉が手に入ります。

489円のときに500円玉で支払うと、11円のお釣りなので、10円玉1枚・1円玉1枚で渡される可能性が高いです。

また、2,005円のときに千円札2枚・50円玉1枚で合計2,050円を渡したとします。
この場合は、お釣りが45円なので、10円玉4枚・5円玉1枚を渡される可能性が高いですよ。

ただし、10円玉で渡されないときもありますので「10円玉が欲しい」と店員に告げるようにしましょう。

預金をおろす

【みずほ銀行ATMで小銭を預け入れる・引き出す】手のひらに乗るくらいの小銭

次に、銀行で預金から10円をおろす方法もあります。

ただし、10円玉を扱えるATMと扱えないATMがありますので、事前に確認しましょう。

ATMで10円玉が扱われていないときは、窓口でおろすことになります。
しかし、10円玉を手に入れるために窓口でおろすのは、手間ががかるのでおすすめしません。

この方法の欠点は、引き出し手数料がかかることです。

うまくやれば引き出し手数料が無料にできますが、10円玉を手に入れるために無料サービス利用するのはおすすめしません。

▼なお、銀行の引き出し手数料については、以下のページを見てくださいね。

仕事や物を売って稼ぐ

つづいて紹介するのは、仕事などで10円を稼ぐ方法です。

正社員やパート・アルバイトなどで雇われて働いたり、物やサービスを売るなどの商売をしたりしますよ。

雇われて働いた場合、給与は銀行口座へ振り込まれる場合が大半です。
あとで銀行でおろしたり、おろしたお金で買物や両替したりすれば10円玉が手に入りますよ。

ほかにも、なにかものを売るのもおすすめです。
10円以上ならすぐに稼げそうですよね。

ネットオークションのほか、質屋・リサイクル店など、自分に合った場所で売りましょう。

家に不用品がないか、探してみてくださいね。

売上が銀行振込やカード払いのときは、自分の銀行口座にお金が入ります。
雇われて働いたときと同じように、口座からおろしましょう。

▼質屋やネットオークション・フリマのおすすめサービスは以下のとおり。

銀行で両替する

成田空港 外貨両替 千葉銀行

つづいては、銀行で両替する方法を紹介します。

銀行でお金を両替することで、10円玉が手に入りますよ。

ただし、10円玉に対応していない両替機が多いので、そのときは窓口で両替をしてもらいましょう。

銀行での両替については、以下のページを見てくださいね。

宝くじやギャンブルで10円以上を当てる

【スクラッチ買い方】宝くじ売り場

宝クジやギャンブルで当てるという手もあります。

ただし、当てるには運が必要です。

確実性はかなり低いので、10円玉を手に入れるための方法としては、おすすめしません。

▼宝クジについては、以下の記事が参考になります。

もらったり借りたりする

最後に、人からもらったり借りたりする方法を紹介します。

何かのお祝いなどがあれば、家族や友達から祝い金がもらえることもあるでしょう。
祝い金はお札が多いですが、あとで両替することで10円玉が手に入ります。

また、家族や仲の良い友達などに「10円玉を貸して欲しい」といって借りる方法もあります。
ただし、10円のような少額の場合、もらえる可能性が高いかもしれません。

しかし、たとえ10円といえども借りたりもらったりするのは信用を失うこともあります。
気をつけましょう。

10円玉を手に入れるためなら、できるだけ別の方法にしたほうがいいと思います。

さいごに

100円玉と同じく使用率が高く、財布によく入っている10円玉。
10円玉は地味な存在ながら、活躍していますよね。

キャッシュレス化の流れは、今後ますます加速すると思います。
そのぶん、10円玉などの硬貨のありがたみをかみしめたいと感じました。

特に10円玉は、日本人として古代から身近に扱われてきた青銅をつかっています。

茶色くなってしまった青銅の10円玉も、なんだか味があるように思えてきました。

オマケ:ほかの貨幣についての記事

ノマド的節約術では、いろいろなお金の特徴についても紹介しています。

以下のページも見てみてくださいね。