こんにちは!
金融ライターの大西カツシです。
「将来への備えとして資産形成を始めなければ…」と思っていませんか?
老後2000万円問題が話題になったこともあり、資産形成という言葉を聞くことが増えたかもしれませんね。
資産形成は難しく感じるかもしれませんが、実際にやることはそれほど難しくありませんよ。
また、資産形成は早く始めるほど、まとまった資産を作りやすくなります。
このページでは、資産形成が必要な理由やおすすめの投資方法・証券会社、利用したい制度について説明していきますね。
資産形成とは?
そもそも、資産形成とはどういう意味なのでしょうか。
資産には「金銭や土地、家屋などの財産」、形成には「ひとつのまとまったものに作り上げること」という意味があります。
そのため、資産形成は「まとまった財産を作り上げること」だと、私は理解していますよ。
資産形成のほかに資産運用という言葉もありますが、資産形成とは意味が異なります。
資産運用は株式や投資信託などの金融商品に投資して、資産を増やすために運用することです。
資産形成には、貯金と資産運用の2つの方法があり、状況や目的に応じて使い分けることが大切ですよ。
なぜ資産形成が必要なのか
資産形成が必要な理由は、老後に必要なお金が増えているからです。
平均寿命が短かった時代は、まとまった資産がなくても、退職金や年金収入で老後の生活費を確保できました。
しかし、現在は平均寿命が延びており、老後の期間が長くなっています。
長生きするほど年金収入だけでは生活費が赤字になる可能性が高く、年金収入で不足する分は金融資産を取り崩さなければなりません。
よほどの高収入でない限り、短期間でまとまった資産を作るのは難しいのではないでしょうか。
また、最近はフリーランスが増加するなど、働き方の多様化が進んでいます。
ひとつの会社に定年まで勤めるのが当たり前ではなくなっているため、転職経験がある場合や独立して働いている場合は、退職金をあてにできません。
私も今はフリーランスとして働いており、退職金をもらえないので、自分で老後資金を用意しなければという意識が強いですね。
このように、老後が長くなって必要なお金が増えており、働き方も多様化しているため、若いうちから資産形成に取り組む必要がありますよ。
資産形成は貯金から始める
資産形成は、貯金から始めるのが基本です。
まとまった貯金がない場合は、投資でお金を増やす前に、まずは生活費6か月分~1年分を目標に貯金に取り組みましょう。
貯金を銀行口座に預け入れておけば、必要なときはいつでも引き出して使えます。
生活費はもちろん、近いうちに使う予定があるお金は、貯金で用意しておくといいですよ。
無理なく貯金するには、先取り貯金がおすすめです。
財形貯蓄や積立貯金などを利用して、収入の一部を強制的に貯金できる仕組みを作りましょう。
残ったお金を貯金しようと思っても、よほど意思が強くない限り、貯金を続けるのは難しいのではないでしょうか。
先取り貯金で収入の一部をなかったものして生活すれば、無理なく貯金できますよ。
老後資金や教育費は投資で時間をかけて増やしていく
老後資金や教育費のように将来必要になるお金は、投資で時間をかけて増やしてくのがおすすめです。
日本は低金利の影響で、銀行に預けるだけでは資産を増せません。
しかし、株式や投資信託の形で保有すれば、値上がり益や配当金、分配金を通じて、預貯金よりも利益を得られる可能性がありますよ。
また、インフレによって物価が上昇すると、預貯金は目減りします。
たとえば、1本150円だったジュースが200円に値上がりすると、ジュースを1本買うのに50円多く支払う必要があるので、手元のお金の価値が下がってしまいますよ。
日銀や政府はインフレ率2%を目標に掲げているため、長期的にはインフレになるかもしれません。
株式や投資信託はインフレに強く、物価が上昇すると株価も上昇する傾向にあります。
将来必要になるお金を投資で用意すれば、預貯金よりも増える可能性があるうえに、インフレにも対抗できますよ。
資産形成には「投資信託の積立投資」がおすすめ
資産形成で投資に取り組むなら、投資信託の積立投資がおすすめです。
個別株の場合、投資先企業が倒産すると、投資した資産をすべて失うリスクがあります。
投資信託も元本割れリスクはありますが、1本で国内外の株式、債券など、さまざまな資産に分散投資できるので、資産をすべて失う可能性は低いですよ。
また、投資信託の積立投資なら、自分で買いどきを判断する必要もありません。
一度積立の設定をすれば、証券会社が自動的に買い付けてくれるので、手間をかけずに投資に取り組めますよ。
積立投資は購入タイミングを分散できるので、リスク軽減につながるのもメリットです。
資産形成で投資に取り組むなら、投資信託の積立投資がおすすめですよ。
低コストのインデックスファンドを選ぶ
投資信託の積立投資に取り組むときには、低コストのインデックスファンドを選びましょう。
インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、特定の指数に連動する成果を目指して運用される投資信託です。
インデックスファンドには、信託報酬(運用コスト)が低いメリットがあります。
たとえば、100万円分の投資信託を保有する場合、信託報酬が年率1%なら年間1万円(100万円×1%)運用コストがかかりますが、年率0.1%なら年間1,000円(100万円×0.1%)で済みますよ。
投資信託の運用成績がプラスマイナスゼロだった場合、信託報酬が運用資産にどのような影響を与えるかをまとめました。
運用期間 | 信託報酬:年率0.1% | 信託報酬:年率1% |
---|---|---|
運用開始時 | 100万円 | 100万円 |
1年 | 99万9,000円 | 99万円 |
2年 | 99万8,001円 | 98万100円 |
3年 | 99万7,002円 | 97万299円 |
4年 | 99万6,005円 | 96万596円 |
5年 | 99万5,009円 | 95万990円 |
6年 | 99万4,014円 | 94万1,480円 |
7年 | 99万3,020円 | 93万2,065円 |
8年 | 99万2,027円 | 92万2,744円 |
9年 | 99万1,035円 | 91万3,517円 |
10年 | 99万44円 | 90万4,382円 |
投資信託100万円を10年保有した場合、信託報酬が年率0.1%なら運用資産は約99万円ですが、年率1%だと約90万円に減ってしまいますね。
このように、信託報酬は運用成績に大きな影響を与えるので、なるべく信託報酬が低い銘柄を選ぶことが大切です。
eMAXIS Slimシリーズ、ニッセイ購入・換金手数料なしシリーズのインデックスファンドは、信託報酬が安いのはもちろん、購入時手数料や信託財産留保額もかからないのでおすすめですよ。
資産形成で利用したい3つの制度
資産形成に取り組むときに利用すると、効率よく資産を増やせる制度があります。
ここでは、資産形成で利用したい制度を3つ紹介しますね。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
資産形成に取り組むときに、まず利用を検討したいのがiDeCo(イデコ)です。
iDeCoでは、投資信託や定期預金など、さまざまな商品ラインナップの中から投資する商品を選び、自分で運用を行います。
iDeCoには、以下3つのメリットがありますよ。
- 掛金が所得控除になる(所得税・住民税を節税できる)
- 運用益はすべて非課税になる
- 受け取るときも所得控除の対象になる
iDeCoの一番のメリットは、掛金が所得控除になることです。
たとえば、所得税と住民税の税率が20%の場合、毎月3万円(年間36万円)掛金を払うと、年間7万2,000円(36万円×20%)節税できますよ。
20年続ければ、節税額は144万円(7万2,000円×20年)です。
これはかなりお得ですよね。
また、投資信託の運用益には通常約20%の税金がかかりますが、iDeCoなら非課税になりますし、受け取るときも税優遇を受けられますよ。
ただし、iDeCoは掛金を60歳まで引き出せないので、手元資金が不足しないように、掛金を調整することが大切です。
つみたてNISA
資産形成に取り組むなら、つみたてNISAもおすすめです。
つみたてNISAは、iDeCoと同じく投資信託の運用益が非課税になる制度です。
年間40万円まで投資でき、最大20年間非課税で運用できますよ。
つみたてNISAは、長期の資産形成に適していると国が認めた投資信託・ETFだけが投資対象なので、安心して投資できます。
掛金は所得控除になりませんが、iDeCoのように引出制限がなく、いつでも売却して現金化できるのがいいですね。
投資資金をいつでも引き出せる状態にしておきたいなら、つみたてNISAがおすすめですよ。
小規模企業共済(自営業者・フリーランス向け)
自営業者やフリーランスとして働いているなら、小規模企業共済に加入するのもおすすめですよ。
小規模企業共済とは、小規模企業の経営者のための退職金制度です。
掛金は月1,000円~70,000円の範囲(500円単位)で自由に設定できます。
掛金はすべて所得控除になるので、所得税・住民税を節税できるメリットがありますよ。
また、事業を廃止した場合の返戻率は100%以上で、払った掛金以上の金額が戻ってきます。
ただし、任意解約の場合は、20年以上加入しないと元本割れするので注意してくださいね。
iDeCoと小規模企業共済の両方に加入すれば、節税効果はかなり高くなりますよ。
資産形成におすすめの証券会社
資産形成のために投資信託を購入するには、証券会社で口座開設する必要があります。
これから口座開設するなら、手数料が安いネット証券を利用しましょう。
ネット証券ならパソコンやスマホから、空いた時間を使って気軽に投資を始められますよ。
おすすめのネット証券は以下2つです。
- SBI証券
- 楽天証券
SBI証券と楽天証券は、いずれも投資信託の取り扱いが豊富で、iDeCoとつみたてNISAの両方に対応しています。
また、SBI証券はVポイント、楽天証券は楽天ポイントを使って投資信託を購入できるのもメリットです。
楽天サービスを利用する機会があるなら楽天証券、ない場合はSBI証券がおすすめですよ。
さいごに
資産形成が必要だと感じたら、なるべく早く始めるのがおすすめです。
毎月貯金や投資に回せる金額は少額でも、時間をかければ、まとまった資産を作ることは可能ですよ。
また、iDeCoやつみたてNISA、小規模企業共済などを活用すれば、より効率的に資産を増やせます。
これから資産形成に取り組むなら、手数料が安いSBI証券や楽天証券で口座開設して、投資信託の積立投資を始めましょう。