日本の硬貨(コイン)の中で、金色をしているお金といえば5円玉ですね。
50円玉とともに、真ん中に穴が空いたデザインも印象的です。
神社や寺のお賽銭で「ご縁があるように」ということで5円玉を入れたりしたこともありませんか。
また、消費税が導入されて以来、1円単位の支払いになることも多いです。
そんなときに5円玉は活躍しますね。
そんな5円玉ですが、以下のような疑問を感じることも。
- なぜ穴が空いているのか?
- なぜ金色なのか?
- 今まで何回デザインや絵柄・材質が変わったのか?
- そもそもデザインや材質などを変えるの?
- 次回はいつ、どんなデザインや絵柄・材質になる?
そこで、このページでは5円玉の特徴や次に変わる時期・表裏はどっちか・穴が空いている理由・歴代のデザインや絵柄・サイズ・材質などについて詳しく紹介していきますね。
5円玉とは?日本で二番目に低額な硬貨
まず、5円玉とはどんなお金なのかについて紹介していきますね。
5円玉は、1円玉の次に日本で二番目に低額な硬貨です。
さらに、5円玉は真ん中に穴が空いているのが特徴。
穴が空いた硬貨は、5円玉と50円玉の二つだけですよ。
明治4年に、金貨としての「5円金貨」が発行されました。
そして1897年(明治30年)に新しい5円金貨が登場。
1948年(昭和23年)に、初代5円玉が発行されました。
2019年(令和元年)現在発行されている5円玉は三代目。
1959年(昭和34年)に登場して以来、ずっと使われています。
なお、1949年(昭和24年)に発行された二代目の5円玉は、現在でも買い物の支払いなどで利用できる硬貨の中で、もっとも古いものですよ。
ただし、対面での支払いに限られます。
5円金貨や初代5円玉は、買い物で使えません。
5円金貨・初代5円玉を持っている場合、古銭商や質屋などを利用すれば、予想外の収入が得られるかもしれません。
▼5円金貨・初代5円玉を売る場合、おすすめのサービスは以下のとおり。
また、硬貨には製造年が刻印されていますよね。
期間が短かった昭和64年や平成31年に製造された5円玉は希少ですよ。
5円玉に穴が空いているのは旧1円玉と区別しやすくするため
ところで、なぜ5円玉に穴が空いているのでしょうか?
5円玉にはじめて穴が空けられたのは、1949年発行の二代目の5円玉から。
初代5円玉や5円金貨には穴が空いていなかったんですよ。
実は、初代5円玉が使われていた当時、1円玉も5円玉と同じ黄銅(おうどう)という材質でした。
サイズも近かったので「まぎらわしい」「間違って使ってしまった」という声が多かったんです。
そこで、二代目の5円玉では、硬貨の中央に穴を空けることで直感的に5円玉とわかるように工夫されたんですよ。
残念ながら初代5円玉は、およそ1年という短命に終わってしまいました。
なお、この穴を空けるアイデアは、1959年(昭和34年)に発行された二代目の50円玉にも取り入れられました。
5円玉の「五円」と書かれている面は表面
硬貨はどちらが表で、どちらが裏なのか気にしたことがありますか?
もしかしたら、ふだんはそんなこと気にせずに使っていますよね。
▼実は、5円玉の表面は「五円」という金額が書かれている側なんですよ。
▼国名と製造年があるほうは、裏になります。
5円玉以外の硬貨は、どれも金額が書かれている方が裏面でした。
なぜか5円玉だけが、金額が書かれているほうが表になっているんです。
硬貨の表裏は法律によって決まっていませんが、一般的に「製造年があるほうが裏面」とされていますよ。
5円玉以外の硬貨は、金額と製造年が同じ側に記されているので、金額があるほうが裏になっているんです。
逆に5円玉は金額と製造年が別々の面に記されているので、5円という金額のあるほうが表になったんですよ。
5円玉はいつ変わる?
現在の5円玉は1955年(昭和30年)から変わっていないと紹介しました。
2021年(令和3年)には500円玉、2024年(令和6年)には千円・五千円・一万円札がそれぞれ変更される予定です。
そうなると、5円玉はいつ新しくなるのかが気になりますね。
実は、2019年現在で5円玉が変わる予定はありません。
そもそも、硬貨や紙幣のデザインや材質を変更するのは、偽造防止が一番の目的なんです。
5円玉や1円玉は低額な硬貨のため、偽造の対象になることが少ないので、わざわざ変更する必要がないですよね。
▼歴代の5円玉(金貨はのぞく)については、以下のとおり。
代 | 発行時期 | 表面 | 裏面 | 材質 | 色 | 直径(mm) | 厚さ(mm) | 重量(g) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初代 | 1948年(昭和23年) | 金額・国会議事堂 | ハト・ウメの花・国名・製造年 | 黄銅(真鍮) | 金 | 22 | 不明 | 4.0 |
二代 | 1949年(昭和24年) | 稲穂・水面・歯車・金額 | 双葉・金額・製造年 | 黄銅(真鍮) | 金 | 22 | 1.5 | 3.75 |
三代(現行) | 1959年(昭和34年) | 稲穂・水面・歯車・金額 | 双葉・金額・製造年 | 黄銅(真鍮) | 金 | 22 | 1.5 | 3.75 |
なお、5円玉は日本における現役の貨幣の中で、唯一アラビア数字(算用数字)で金額が記載されていない硬貨なんです。
ほかの硬貨はすべて、アラビア数字と漢数字の両方で金額が記されています。
5円玉は漢数字のみなんですよ。
日本では訪日外国人が増加しています。
そのため、漢数字が読めない人は使いにくいですよね。
私は、少なくとも金額の表示はほかの硬貨に合わせ、アラビア数字と漢数字の両方に変更したほうがいいのではないかと思います。
5円玉の表面のデザイン・絵柄
ここからは、5円玉の表面のデザイン・絵柄について紹介していきますよ。
現行の三代目の5円玉と二代目の五円玉は、ほぼ同じデザインです。
▼5円玉の表面のデザインは、以下のような特徴。
- 穴の上側に稲穂の絵
- 穴の下側に金額を漢数字で「五円」
- 穴の下側の「五円」のうしろの横線模様は、水面を表現
- 穴のまわりのデザインは、歯車を表現
稲穂や金額は一目瞭然ですね。
でも、横線が水面、穴のまわりが歯車だったのは、私は知りませんでした!
確かによく見ると、そのように見えてきました。
これは農業・水産業・工業という、日本の経済を支える産業を表しています。
なかなか凝ったデザインだと思いました。
なお、金額の「五円」ですが、現行の三代目の字体はゴシック体です。
いっぽう、二代目の時代は楷書体で、筆で書いたようなデザインでした。
そのため、愛好家のあいだで二代目5円玉は「フデゴ(筆五)」と呼ばれて、希少なコレクター・アイテムにあっているんですよ。
ちなみに、初代5円玉の表面のデザインは、中央に国会議事堂が描かれていました。
そして国会議事堂を挟むように左に「五」、右に「円」と金額を記載。
五円の字体は、フデゴと同じように筆で書いたような楷書体でした。
5円玉の裏面のデザイン・絵柄
つづいて、5円玉の裏面のデザイン・絵柄について紹介しますね。
表面と同じように、現行の三代目の5円玉と二代目の5円玉の裏面は、ほぼ同じデザインです。
▼5円玉の裏面のデザインは、以下のとおり。
- 穴の上側に国名「日本国」
- 穴の下側に和暦(元号)で製造年
- 穴の左右にひとつずつ双葉
国名や製造年の字体は表面と同じで、現行三代目がゴシック体、二代目が筆で書いたような楷書体です。
なお、二代目の5円玉では国名の「国」の字が旧字体(國)でした。
また、双葉は特定の植物を表しているわけではありません。
日本の国家としての成長を願って、双葉が採用されました。
二代目5円玉が登場したのは、戦後の時代です。
終戦後、民主主義国家として再スタートを切った日本を象徴しているのではないでしょうか。
初代5円玉の裏面のデザインについても紹介しますね。
初代5円玉の裏面は、中央に円があり、円の中に横向きで羽根を広げたハトが描かれていました。
ハトの背景には、いくつかのウメの花がデザインされています。
また、中央の円の上側に国名「日本國」、下側に製造年が和暦で記されていました。
字体は二代目と同じで、筆で書いたような楷書体です。
5円玉の材質は?
ここからは、5円玉の材質について紹介しますね。
5円玉の材質は、初代から現行の三代目まで、すべて黄銅(おうどう)というもの。
黄銅とは、銅と亜鉛の合金です。
黄銅は、真鍮(しんちゅう)と呼ばれます。
真鍮のほうがなじみのある呼び名かもしれませんね。
黄銅を使った硬貨は、5円玉のほかに初代1円玉がありました。
しかし、二代目の1円玉はアルミニウムに変更に。
そのため、2019年現在で黄銅を使っている硬貨は、5円玉のみなんですよ。
5円玉の入手法にはどんなものがある?
5円玉の特徴やデザイン・歴史などについて紹介してきました。
ここからは、5円玉を手に入れる方法を紹介しますね。
▼5円玉の入手法のおもな方法は、以下のとおりです。
- 一の位以下が0以外の買物で5円玉以上を出して支払う
- 預金をおろす
- 仕事をしたりものを売ったりして稼ぐ
- 銀行で両替する
- 宝くじやギャンブルで当てる
- もらったり借りたりする
順に紹介していきますよ。
一の位が5円未満の買物で10円玉以上を出して支払う
一番かんたんなのが、対面での支払いのとき、支払額の一の位が1〜4円の場合に、10円玉以上を出して支払うことです。
たとえば、481円や2,324円などの場合ですよ。
このようなときにお釣りが出るような金額で支払えば、お釣りとして5円玉が手に入ります。
481円のときに500円玉で支払うと、19円のお釣りなので、10円玉1枚・5円玉1枚・1円玉4枚で渡される可能性が高いです。
また、2,324円のときに千円札1枚・100円玉3枚・10円玉3枚で2,330円を渡したとします。
この場合は、お釣りが6円なので、5円玉1枚・1円玉1枚を渡される可能性が高いですよ。
ただし、5円玉で渡されないときもありますので「5円玉が欲しい」と店員に告げるのが確実です。
預金をおろす
次に、銀行で預金から5円をおろす方法もあります。
ただし、5円玉を扱えるATMと扱えないATMがありますので、事前に確認しましょう。
ATMで5円玉が扱われていないときは、窓口でおろすことになります。
しかし、5円玉を手に入れるために窓口でおろすのは、手間ががかるのでおすすめしません。
この方法の欠点は、引き出し手数料がかかること。
うまくやれば引き出し手数料が無料にできますが、5円玉を手に入れるために無料サービス利用するのはおすすめしません。
▼なお、銀行の引き出し手数料については、以下のページを見てくださいね。
仕事や物を売って稼ぐ
つづいて紹介するのは、仕事などで5円を稼ぐ方法です。
正社員やパート・アルバイトなどで雇われて働いたり、物やサービスを売るなどの商売をしたりしますよ。
雇われて働いた場合、給与は銀行口座へ振り込まれる場合が大半です。
あとで銀行でおろしたり、おろしたお金で買物や両替したりすれば5円玉が手に入りますよ。
ほかにも、なにかものを売るのもおすすめです。
5円以上なら稼ぎやすいですよね。
ネットオークションのほか、質屋・リサイクル店など、売るところはいろいろあります。
家に不用品がないか、探してみてくださいね。
売上が銀行振込やカード払いのときは、自分の銀行口座にお金が入ります。
雇われて働いたときと同じように、口座からおろしましょう。
▼質屋やネットオークション・フリマのおすすめサービスは以下のとおり。
銀行で両替する
つづいては、銀行で両替する方法を紹介します。
銀行でお金を両替することで、5円玉が手に入りますよ。
ただし、5円玉に対応していない両替機が多いので、そのときは窓口で両替をしてもらいましょう。
▼銀行での両替については、以下のページを見てくださいね。
宝くじやギャンブルで5円以上を当てる
宝クジやギャンブルで当てるという手もあります。
ただし、当てるには運が必要です。
確実性はかなり低いので、5円玉を手に入れるための方法としては、あまりおすすめしません。
▼宝クジについては、以下の記事が参考になります。
もらったり借りたりする
最後に、人からもらったり借りたりする方法を紹介します。
何かのお祝いなどがあれば、家族や友達から祝い金がもらえることもあるでしょう。
祝い金はお札が多いですが、あとで両替することで5円玉が手に入ります。
また、家族や仲の良い友達などに「5円玉を貸して欲しい」といって借りる方法もあります。
ただ、5円くらいなら借りるのではなく、もらえる可能性が高いかもしれません。
しかし、たとえ5円といえども借りたりもらったりするのは信用を失うこともあります。
十分に注意してください。
5円玉を手に入れるためなら、できるだけ別の方法にすることをおすすめします。
さいごに
今まで私は5円玉は、穴が空いていること、金色であることなど、見た目以外はそんなに印象に残っていませんでした。
しかし、稲穂・水面・歯車がデザインされていたり、日本の発展を願って双葉が描かれていたりしていて、ほかのお金以上に思いが込められたデザインだと感じています。
5円玉は「ご縁」と意味をかけて、お賽銭に使われたりします。
実際に5円玉は縁起がいいデザイン、いいことがありそうなデザインのお金だと思いました。
オマケ:ほかの貨幣についての記事
ノマド的節約術では、いろいろなお金の特徴についても紹介しています。
以下のページも見てみてくださいね。