こんにちは!
金融ライターの大西カツシです。
ウェルスナビを利用すれば、ロボアドバイザーに資産運用を任せられるので、投資経験がなくても時間や手間をかけることなく投資に取り組めます。
ただし、実際に利用するとなると、どれくらい手数料がかかるか気になるのではないでしょうか。
ウェルスナビは資産形成をサポートしてくれますが、利用期間中は継続して手数料がかかります。
手数料は運用成績にも影響を与えるので、ウェルスナビを利用する前に手数料について理解しておくことが大切ですよ。
このページでは、ウェルスナビの手数料やETF経費率、実質コスト、長期割、手数料の支払い方法について詳しく説明していきますね。
ウェルスナビの手数料は年率1%
ウェルスナビの手数料は、預かり資産の年率1%(税別)です。
たとえば、ウェルスナビで100万円運用する場合、1年間で1万円(100万円×1%)の手数料がかかります。
手数料がかかるのはETFで運用している部分で、現金で預けている部分にはかかりません。
ウェルスナビは、ロボアドバイザーとしては標準的な手数料体系ですね。
他のロボアドバイザーサービスでも、手数料は年率1%程度に設定されていることが多いですよ。
3,000万円を超える部分は年率0.5%
ウェルスナビの手数料は年率1%ですが、預かり資産が3,000万円を超える部分については年率0.5%(税別)に下がります。
預かり資産は、日々のETF終値や為替レートで時価評価されますよ。
たとえば、現金部分を除く時価評価額が5,000万円の場合、手数料は以下のように計算されます。
- 3,000万円×1%=30万円
- 2,000万円(5,000万円-3,000万円)×0.5%=10万円
- 1+2=40万円
ウェルスナビで5,000万円運用すると、1年間にかかる手数料は40万円ですね。
3,000万円を超える部分が年率0.5%に下がったことで、全体では年率0.8%(40万円÷5,000万円×100)まで手数料が下がりました。
まとまった資金は必要ですが、ウェルスナビで3,000万円を超える資金を運用すると、通常よりも手数料を下げることができますよ。
手数料は長期割で最大年率0.9%まで下がる
先ほど説明したように、3,000万円を超える資金を運用すれば、ウェルスナビの手数料は下がります。
しかし、これだけの資金を用意するのはなかなか難しいですよね。
ウェルスナビには「長期割」というプログラムが用意されており、それほど大きな資金を用意しなくても手数料を下げられますよ。
長期割は、運用期間と運用金額に応じて6か月ごとに手数料が割引される仕組みで、最大年率0.9%まで下がります。
ウェルスナビの長期割判定額と、手数料の割引幅は以下の通りです。
長期割判定額 | 手数料の割引幅(年率) |
---|---|
50万円以上200万円未満 | 0.01% |
200万円以上 | 0.02% |
運用金額が50万円以上200万円未満なら年率0.01%、200万円以上なら年率0.02%が、6か月ごとに割引されます。
長期割の判定は毎月1日に実施され、1日時点で長期割判定額が50万円以上あると、その月から長期割期間が開始されますよ。
▼公式サイトでは、このような図で解説されています。
200万円以上で運用を始めれば、2年半で年率0.9%まで下がりますね。
ただし、長期割は長く運用を続けることを応援するプログラムなので、出金すると長期割は終了してしまいます。
出金後も運用金額が50万円以上あれば、長期割の判定は再スタートとなりますよ。
ウェルスナビの手数料を少しでも下げたい場合は、最低でも50万円以上、できれば200万円以上で運用を開始し、なるべく出金しないで運用を続けるのがおすすめです。
ウェルスナビの手数料の支払方法
ウェルスナビの手数料は、ポートフォリオの現金部分から自動的に引き落としされます。
振込による支払い、銀行口座からの引き落としには対応していません。
手数料の支払日は毎月1日で、休日の場合は翌営業日です。
預かり資産から自動的に支払われるので、手数料を支払っていることを実感しにくいかもしれませんね。
しかし、毎月確実に支払うことになるので、運用を開始したら、取引履歴で手数料がいくらかかっているかを定期的に確認しておきましょう。
海外ETFの経費もかかる
ウェルスナビの投資対象は海外ETFで、国内外の株式、債券などに分散投資を行いますよ。
ETFの運用・管理には経費がかかり、運用資産から日々差し引かれています。
そのため、ウェルスナビで運用すると、手数料とは別に、海外ETFの経費も間接的に負担することになりますよ。
ウェルスナビのETF経費率は年率0.09%~0.13%で、リスク許容度によって異なります。
ウェルスナビの実質コスト(手数料+ETF経費率)については、次の見出しで詳しく説明しますね。
ウェルスナビの実質コストについて
ウェルスナビが公表しているリスク許容度別のETF平均経費率(2019年7月現在)をもとに、ウェルスナビの実質コストをまとめました。
リスク許容度 | 手数料(年率) | ETF平均経費率(年率) | 実質コスト(年率) |
---|---|---|---|
リスク許容度1 | 0.9%~1% | 0.13% | 1.03%~1.13% |
リスク許容度2 | 0.9%~1% | 0.10% | 1.00%~1.10% |
リスク許容度3 | 0.9%~1% | 0.09% | 0.99%~1.09% |
リスク許容度4 | 0.9%~1% | 0.10% | 1.00%~1.10% |
リスク許容度5 | 0.9%~1% | 0.10% | 1.00%~1.10% |
ウェルスナビの実質コスト(手数料+ETF経費率)は年率1.1%程度で、長期割が適用されると年率1%程度まで下がりますね。
リスク許容度によってETF経費率に違いはあるものの、どの運用プラン(リスク許容度)を選んでも、実質コストにそれほど差はありませんよ。
ウェルスナビのその他手数料
ウェルスナビは手数料とETF経費率を除き、ほとんどのサービスを無料で利用できます。
ウェルスナビのその他手数料をまとめました。
サービス内容 | 手数料 |
---|---|
クイック入金 | 無料 |
自動積立 | 無料 |
振込入金 | 振込手数料自己負担 |
出金手数料 | 無料 |
売買手数料 | 無料 |
為替手数料 | 無料 |
為替スプレッド | 無料 |
リバランス | 無料 |
口座開設 | 無料 |
口座維持管理手数料 | 無料 |
振込入金するときの振込手数料は自己負担ですが、その他のサービスはすべて無料です。
振込手数料が無料になるネット銀行を利用すれば、振込入金も手数料無料になりますよ。
ウェルスナビの手数料体系はシンプルでわかりやすいですね。
参考:銀行の振込手数料比較
ウェルスナビの手数料は高い?
ここまでウェルスナビの手数料について説明してきましたが、手数料が高いのか安いのか、判断が難しいのではないでしょうか。
ネット証券で口座開設すれば、信託報酬が年率0.1%台のインデックスファンドが購入できます。
自分で商品を選べるなら、eMAXIS Slimシリーズやニッセイシリーズなどのインデックスファンドを買うほうが、手数料は節約できますよ。
しかし、ウェルスナビは資産運用を任せられるので、「資産運用を自動化できるなら年率1%の手数料は安い」という考え方もあるかもしれません。
資産運用は商品選びや売買、運用開始後のメンテナンスなど、意外とやることが多く、投資経験がないと時間や手間がかかりますからね。
個人的にはインデックスファンドがおすすめですが、資産運用に時間や手間をかけたくないなら、ウェルスナビに運用を任せるのもアリだと思いますよ。
さいごに
ウェルスナビの実質コストは年率1.1%程度で、どのリスク許容度を選んでも、それほど差はありません。
低コストのインデックスファンドに比べると手数料は高めですが、ウェルスナビは資産運用を自動化できるメリットがあります。
資産運用のサービス選びに唯一の正解はなく、最適なサービスは人それぞれです。
手数料と資産運用を自動化できるメリットを考慮したうえで、ウェルスナビを利用するか判断してみてくださいね。