こんにちは!
金融ライターの大西カツシです。
これから資産運用を始める場合、ロボアドバイザーを利用することを考えるかもしれませんね。
ロボアドバイザーは商品選びや売買、リバランス(資産配分の調整)まで、資産運用を全ておまかせできるので、時間や手間をかけずに投資に取り組めますよ。
しかし、ロボアドバイザーはデメリットもあるため、おすすめできないときもあります。
ただし、個人的には、ロボアドバイザーが向いている場合もあると思っています。
そこでこのページでは、ロボアドバイザーをおすすめしない4つの理由とロボアドが向いている人の特徴について説明しますね。
ロボアドバイザーは2種類ある
ロボアドバイザーをおすすめしない理由を説明する前に、ロボアドバイザーのサービス内容について確認しておきましょう。
ロボアドバイザーには、以下2種類のサービスがあります。
- 投資一任型:資産運用をおまかせできる
- アドバイス型:資産運用についてアドバイスをもらえる
投資一任型は、資産配分の決定から商品の選定・売買、リバランスまで、資産運用を全ておまかせできるサービスです。
口座に入金して積立設定をすれば、あとは自分の代わりにロボアドバイザーが自動で運用してくれますよ。
一方、アドバイス型は、資産運用についてアドバイスをもらえるサービスで、運用は自分で行います。
このページでは、投資一任型のロボアドバイザーを前提に説明していきますね。
ロボアドバイザーをおすすめしない4つの理由
ロボアドバイザーは資産運用をおまかせできますが、残念ながらデメリットもあります。
ここでは、ロボアドバイザーをおすすめしない理由を4つ紹介していきますね。
年率1%程度の手数料がかかる
ロボアドバイザーは、預かり資産に対して年率1%程度の手数料がかかります。
また、手数料とは別に、ETFや投資信託の運用コスト(経費・信託報酬)も負担しなくてはなりません。
手数料1%が高いのか安いのか判断できないかもしれませんが、他の金融商品に比べると高いですね。
たとえば、自分で投資信託を購入すれば手数料はかかりませんし、低コストのインデックスファンドなら信託報酬は年率0.2%程度で済みますよ。
100万円を運用するケースについて、ロボアドバイザーとインデックスファンドの運用コストを比較してみました。
運用期間 | ロボアドバイザー(年率1%) | インデックスファンド(年率0.2%) |
---|---|---|
1年 | 1万円 | 2,000円 |
3年 | 3万円 | 6,000円 |
5年 | 5万円 | 1万円 |
10年 | 10万円 | 2万円 |
ロボアドバイザーの運用コストは年間1万円ですが、インデックスファンドなら2,000円で済むので、差額は8,000円(1万円‐2,000円)です。
10年間運用を続ければ、運用コストの差は8万円(8,000円×10年間)にもなりますね。
将来のために資産形成に取り組むなら、インデックスファンドのように運用コストが低い商品で運用するのがおすすめですよ。
つみたてNISAやiDeCoが利用できない
ロボアドバイザーは、つみたてNISAやiDeCoのような非課税制度を利用できないのもデメリットです。
投資の運用益には、通常約20%の税金がかかります。
ロボアドバイザーで100万円の利益が出ても、税金が約20万円(100万円×20%)差し引かれるので、最終的に手元に残るのは約80万円(100万円‐20万円)ですよ。
しかし、つみたてNISAやiDeCoで投資信託を購入すれば、運用益に税金はかかりません。
利益が100万円なら、100万円がそのまま手元に残るので、効率よく資産を増やせます。
さらに、iDeCoの場合は掛金が所得控除になるので、所得税・住民税を節税できますよ。
投資対象に債券が含まれていて効率が悪い
ロボアドバイザーは国内外のさまざまな資産に分散投資を行うことで、リスクを抑えながら運用を行います。
分散投資はよいのですが、投資対象に債券が含まれているため、運用の効率が悪いのがデメリットです。
債券は、金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がる特徴があります。
現在の日本はゼロ金利が続いており、将来金利が上昇すると債券価格は下がるので、コストをかけて国内債券を投資対象に含める意味はありません。
また、外国債券は株式より期待リターンが小さいにもかかわらず、為替変動リスクがあるので、投資対象に含めるメリットは小さいですよ。
投資信託でも「リバランス不要」で運用できる
ロボアドバイザーは資産運用をおまかせでき、リバランスも自動的に行ってくれます。
しかし、全世界株式型のインデックスファンドなら、投資信託でもリバランス不要で運用できますよ。
全世界株式インデックスファンドは、名前の通り、1本で日本を含む世界中の株式に分散投資できる投資信託です。
全世界の株式市場の時価総額比で運用してくれるため、全世界株式インデックスファンドを1本保有すればリバランスは必要ありません。
全世界株式インデックスファンドはeMAXIS Slimシリーズ、たわらノーロードなどで販売されています。
投資信託は証券口座への入金と積立設定は自分で行う必要はありますが、それはロボアドバイザーでも同じです。
全世界株式インデックスファンドは、ロボアドバイザーより低コストで運用できるのも魅力ですよ。
ロボアドバイザーが向いている人とは?
ここまで、ロボアドバイザーをおすすめしない4つの理由について説明してきました。
個人的には、つみたてNISAやiDeCoを使って、低コストのインデックスファンドをコツコツ積み立てるのが最もおすすめです。
あえてロボアドバイザーが向いている人を挙げるなら、投資商品を自分で選んで売買するのが好きな方ですね。
資産形成で大切なのは、「長期・分散・積立」の資産運用を実践することです。
しかし、投資商品を自分で売買するのが好きな場合、色々な投資方法を試したくなって、積立投資を長く続けるのが難しくなるかもしれません。
「資産運用はロボアドバイザーに任せる」と決めておけば、資産運用を長く続けやすくなり、自分で売買するより運用コストが安く済む可能性もありますよ。
さいごに
ロボアドバイザーは資産運用をおまかせできますが、手数料が比較的高く、つみたてNISAやiDeCoといった非課税制度を利用できないのがデメリットです。
資産形成を目指すなら、ロボアドバイザーより、低コストのインデックスファンドを積み立てるのがおすすめですよ。
全世界株式型のインデックスファンドを選べば、リバランス不要で時間や手間をかけずに投資に取り組めます。
ただし、投資商品を自分で選んで売買するのが好きな場合は、ロボアドバイザーに任せたほうが資産運用を長く続けられるかもしれません。
もしロボアドバイザーを使うなら、シンプルで使いやすいウェルスナビがおすすめですよ。