日本では、しだいにキャッシュレス化が進んでいますが、まだまだ現金を使って買物をする機会は多いですよね。
日本で使う紙幣といえば、一万円札・五千円札・千円札が思い浮かびます。
でも、何か忘れていませんか?
それは、二千円札です。
でも二千円札について、いろいろ疑問が浮かぶと思います。
- 二千円札ってまだあるの?
- 二千円札はまだ使える?
- そもそも二千円札の存在自体知らない
- 二千円札はいつできたのか?
- 二千円札は今後どうなる?
そこで、このページでは二千円札はどんなお金なのか、まだ手に入れられ使えるのか、二千円札の今後はどうなるのかといったことについて紹介していきますよ。
二千円札とは?2000年(平成12年)に新しく登場した紙幣
二千円札は、日本円の紙幣のひとつです。
2000年(平成12年)に初めて発行されました。
日本の貨幣の中で、一番新しいものですよ。
西暦2000年は「ミレニアム」と呼ばれた、節目の年でした。
さらに、2000年には沖縄県で主要国首脳会議(沖縄サミット)がおこなわれています。
ミレニアムと沖縄サミットを記念して、当時の小渕 恵三(おぶち けいぞう) 内閣総理大臣が二千円札の発行を発案しました。
そのため、紙幣の絵柄には沖縄に関連するものが取り入れられています。
また、二千円札の発行日は2000年7月19日で、沖縄サミット開催日(2000年7月21日)の直前でした。
さらに、裏面には源氏物語という、日本らしい絵柄も取り入れられています。
ほかにも、海外では20・200・2,000・20,000といった数の貨幣が使用されており、日本で流通すれば、財布の中の紙幣量を減らせるメリットが期待されたのも理由です。
ちなみに、過去には2が付く貨幣は日本にも存在していましたよ。
なお、二千円札の発案者であった小渕総理大臣は、二千円札の発行前、沖縄サミットを目前にして亡くなってしまいました(2000年5月14日没)。
ですので、残念ながら小渕総理大臣は、実際に発行された二千円札を手に取ったり見たりすることはできなかったのです。
あと、二千円札は「記念紙幣」と呼ばれるものではなく、正式な日本の紙幣ですよ。
なぜ二千円札はあまり見かけないのか?
ところで、なぜ二千円札はあまり見かけなくなったのかが気になりますよね。
もしかしたら、1900年代半ば以降に生まれた場合は、二千円札の存在を知らないかもしれません。
二千円札があまり見かけないのは、もちろんあまり使われないからです。
二千円札が使われない理由は、いくつか考えられていますよ。
自動販売機やATMの多くが二千円札に対応していないため
二千円札があまり普及していない一番大きな理由とされているのは、自動販売機やATMなど、現金を扱う機械が二千円札に対応していないものが多いことです。
自動販売機・券売機・ATMは、意外と使う機会が多いもの。
だから、機械に対応していないうえに、金額面でも中途半端な二千円札は、ひじょうに使い勝手の悪い紙幣となってしまいました。
そのため、利用者が二千円札を持つのを嫌がるようになり、レジなど対面での場面でも二千円札が用意されなくなったのです。
二千円札と日本文化の相性が悪かったため
そのほかに、2という数字と日本人との相性が悪かったため、二千円札があまり使われなかったという考えもあります。
日本では昔から奇数は縁起のいい数字とされていました。
節句が奇数の日なのも、そのため。
また、結婚式のご祝儀では、頭が偶数の金額は「きれいに割れる」という意味で、不適切とする風習があります。
そのため、日本人の文化と二千円札の相性が悪く、定着したなかったという説もありますよ。
沖縄県では二千円札が流通している
二千円札は、あまり見かけない印象がありますよね。
実は沖縄県内では、ほかの都道府県より二千円札が流通しているんです。
さきほど紹介したように、二千円札は沖縄にゆかりのある紙幣ですよね。
そのため、二千円札発行に合わせて、沖縄県内では二千円札に対応した自動販売機類やATMがたくさん設定されたんです。
地元・沖縄にゆかりがある紙幣のため、金融機関などが普及に力を入れました。
現在でも沖縄県下には、一定数の二千円札対応の自動販売機類やATMが存在しています。
だから、沖縄県内では、二千円札が今も使われているんですよ。
ほかにも、沖縄は戦後にアメリカの統治下にあったことも理由とされています。
アメリカでは20ドル紙幣があるので、沖縄では2が付く貨幣に違和感がなかったとする説もあるんです。
二千円札のデザイン・特徴について
▼二千円札のデザインや特徴は、以下のとおり。
発行開始時期 | 2000年(平成12年)7月19日 |
---|---|
表面の絵柄 | 守礼門 |
裏面の絵柄 | 『源氏物語絵巻』第三十八帖「鈴虫」 詞書の一部 光源氏・冷泉院と紫式部 |
透かし | 守礼門 |
サイズ(縦×横:単位mm) | 76×154 |
二千円札のデザインで特徴的な点は、表面の絵柄です。
紙幣の表面といえば、肖像画をイメージしませんか?
二千円札では肖像画ではなく「守礼門(しゅれいもん)」が描かれていますよ。
守礼門は、沖縄県那覇市の首里城(しゅりじょう)にある門で、沖縄県を代表する観光地のひとつです。
二千円札は、沖縄サミットに合わせてつくられたので、沖縄にゆかりのあるものが採用されました。
また、裏面は『源氏物語絵巻(げんじ ものがたり えまき)』が採用されています。
源氏物語絵巻の第三十八帖「鈴虫」から、詞書(ことばがき)部分の一部と、鈴虫に登場する光源氏(ひかる げんじ)と冷泉院(れいぜいいん)の2人の絵柄が描かれました。
さらに、裏面の右下には、源氏物語の作者である紫式部(むらさきしきぶ)の絵柄も描かれていますよ。
二千円札の裏面は、それまでの紙幣にない斬新でおしゃれなデザインですね。
二千円札のデザイン変更の予定はない
2024年(令和6年)、一万・五千・千円札の各紙幣のデザイン変更が予定されています。
二千円札は、いつ変更されるのかが知りたいですよね。
また、あまり使われていない二千円札は、今後どうなるのかも気になるところ。
ここからは、二千円札は今後どうなるのか、デザインはいつ変わるのかについて紹介していきますね。
まず、二千円札はいつデザイン変更がおこなわれるのかについて紹介していきますよ。
2019年(令和元年)の時点で、二千円札のデザイン変更の予定はありません。
2024年の一万・五千・千円札の各紙幣のデザイン変更のときも、二千円札はそのままですよ。
菅 義偉(すが よしひで)官房長官は、2019年4月におこなわれた新紙幣に関する記者会見において、二千円札は全国での流通量が少ないことが、デザインの変更を見送った理由だと語っています。
沖縄県では二千円札が使われているとはいえ、二千円札の全国での流通量は、二千円札発行前に想定された量の10分の1程度なんです。
そのため、製造されたものの流通しておらず、日本銀行に保管されたままの二千円札があるんですよ。
二千円札は現役の紙幣であるものの、長いあいだ新しく製造がされていません。
このような状態で新しいデザインの紙幣が登場してしまったら、保管されている現行の二千円札が無駄になってしまいますよね。
二千円札の今後は?一定の利用があるので廃止されないが利用増加の可能性も低い
そうなると、二千円札は今後廃止されてしまうのではないか心配になってきます。
2019年現在では、二千円札の廃止は検討されていません。
さきほど紹介したように、沖縄県では二千円札が使われています。
また財務省によれば、現在も約1億枚が流通しているとのことです。
流通量は少ないとはいえ、一定数が流通しているため、廃止の話はありませんよ。
しかし、日本はキャッシュレス社会に向かっているため、自動販売機や券売機ではキャッシュレス決済への対応が優先されると思われます。
そのため、自動販売機などで二千円札が使えるようになる可能性は低いかもしれません。
ですから、廃止はされませんが、二千円札の利用が増加することも少ないのではないでしょうか。
ただし、自動販売機類がキャッシュレス決済に対応する仕様にしたときに、いっしょに二千円札にも対応するようにすれば、二千円札が今より流通するかもしれないですね。
二千円札の入手法にはどんなものがある?
二千円札の特徴や歴史などについて紹介してきました。
ここからは、二千円札の入手法について紹介しますね。
二千円札は流通量が少なく、多くの自動販売機類やATMでは対応していません。
また、対面のレジでも基本的に二千円札は用意されていなかったり、個人でも持っていることは稀だったりします。
ですから二千円札の入手方法は、ほかの紙幣よりも限られますよ。
▼二千円札の入手法のおもな方法は、以下のとおり。
- 2,000円以上のお金を銀行の窓口で両替する
- 沖縄県内で買物したりATMを使ったりする
順に紹介しますね。
二千円以上のお金を銀行の窓口で両替する
二千円札を確実に手に入れる方法は、銀行の窓口で両替することですよ。
2,000円以上の金額を銀行に持っていき、二千円札に替えてもらいましょう。
ただし、両替機は二千円札に対応して場合が多いので、基本的に窓口で両替します。
▼多くの銀行では、両替するとき、専用の用紙に記入しますよ。
わからないときは、銀行の人に聞きましょう。
なお、二千円札は流通量が少ないため、新札は手に入らない可能性があります。
また小さな支店などでは、二千円札への両替に対応できないこともありますよ。
▼銀行の窓口で両替については、以下のページを見てくださいね。
沖縄県内で買物する
沖縄県では、二千円札がほかの都道府県より流通していると紹介しました。
そのため、沖縄県の対面のレジでは、二千円札を準備しているお店が多いんです。
そこで、沖縄県内で買物をして、五千円札以上の紙幣で支払って2,000円以上のお釣りをもらえば、二千円札が手に入る可能性がありますよ。
仕事や旅行などで沖縄県へ行ったとき、試してみてはいかがでしょうか。
二千円札を使うときの注意点
二千円札の入手方法を紹介しましたが、次に二千円札を使うときの注意点について紹介していきますよ。
二千円札はあまり使われないので、1900年代半ば以降に生まれた場合は、二千円札の存在を知らないことがあります。
もし、会計のときに相手が1900年代半ば以降に生まれているとき、二千円札を出しても、利用可能なお金かどうかわからない場合があるので、注意してください。
私がコンビニエンス・ストアーで二千円札を出したとき、若い店員が二千円札を知らず、隣のレジにいた店長らしき人物にどうすればいいかを聞いていたことがありましたよ。
逆に店員が二千円札を知っていたときは「懐かしいですね」「レアですね」と話しかけられ、会話のきっかけになりました。
なお、お店側が二千円札で支払われることを嫌がるケースもあります。
トラブルを避けるため、二千円札以外にもお金があるときは、そちらで払ったほうがいいかもしれませんね。
さいごに
あまり見かけなくなった二千円札ですが、まだまだ現役です。
手にする機会は減りましたし、使い勝手が悪いのも事実。
ただ、ほかの紙幣にはない個性的な絵柄は魅力的ではないでしょうか?
まだ二千円札を見たことがない場合は、銀行で両替するなどして、一度手にするのもいいかもしれませんね。
オマケ:ほかの貨幣についての記事
ノマド的節約術では、いろいろな紙幣の特徴についても紹介しています。
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