NISA(ニーサ)とは、2014年から始まった少額投資非課税制度のことです。
通常は投資で得た利益には、税金が約20%かかります。
しかし、NISA口座で購入した金融商品の利益には税金がかからないので手取り額が増えますよ。
また、NISAの対象商品は幅広く、さまざまな活用方法があるのも魅力です。
このページでは、NISAの仕組みやメリット・デメリット、活用方法について説明していきますね。
NISAってどんな仕組み?
NISAはどんな仕組みで、どんなメリット・デメリットがあるのか気になりますよね。
まずはNISAの特徴をざっくりとまとめてみました。
- 日本在住の18歳以上の方が利用できる
- 年間120万円(最大600万円)までの投資が非課税
- 非課税期間は最長5年間
- いつでも売却して引き出せる
- 投資可能期間は2023年まで
- 上場株式や投資信託が投資対象
- ロールオーバーも可能
年間120万円を最長5年間運用できるので、最大で600万円の投資から得られる売却益・配当金・分配金が非課税になります。
いつでも売却して引き出せるので、急にまとまったお金が必要になっても安心ですね。
今のところ、NISAの投資可能期間は2023年までとなっています。
2023年に投資した金融商品は、2027年まで非課税で運用できますよ。
NISAの対象商品
NISAでは、以下の金融商品に投資できます。
NISAは対象商品が幅広いので、さまざまな活用方法が考えられますよ。
ただし、証券会社によって取扱商品に違いがあるので注意が必要です。
NISAの活用方法は、あとで詳しく説明しますね。
NISAのロールオーバーとは?
NISAのロールオーバーとは、非課税期間の5年間が終了したときに、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移すことです。
NISAでは、5年間の非課税期間が終わったらどうするかは以下の3つから選択できますよ。
- 翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバー)
- 課税口座(特定口座など)に移す
- 売却する
ただし、NISAでロールオーバーができるのは、2018年投資分までになります。
2018年の非課税期間が終わるのが5年後の2022年で、その翌年がNISAで投資できる最終年の2023年になるからです。
2019年投資分以降は、5年間の非課税期間が終わったら「課税口座に移す」「売却する」のいずれかを選ぶことになりますよ。
NISAのメリット
NISAのメリットは、以下の2つです。
- 非課税投資枠が年間120万円と大きい
- 対象商品が幅広い
年間120万円を非課税で運用できるので、まとまった資金を投資する場合に向いていますね。
また、対象商品が幅広いので「個別株を中心に投資して、残った非課税投資枠は投資信託で使い切る」など、状況に合わせて投資商品を選択できますよ。
NISAのデメリット
NISAのデメリットは、非課税期間が最大5年間と短いことですね。
5年間の非課税期間が終わったらロールオーバーできますが、それでも非課税で運用できるのは最長で2027年までです。
短期間で売買するなら問題ありませんが、積立投資を長く続けたい場合はNISAの非課税期間の短さはデメリットになりますよ。
もし非課税で長く運用したい場合は、年間40万円まで最長20年間非課税で運用できる「つみたてNISA」がおすすめです。
NISAを利用するときの注意点
NISA口座を利用するときは、いくつか注意しなくてはならないことがあります。
ここでは、NISAに関する注意点について説明しますね。
損益通算できない
NISA口座で購入した商品が値下がりし、売却して損失が確定した場合は損益通算できません。
たとえば、特定口座内で購入したA株の損失10万円、B株の利益10万円の場合、A株とB株を損益通算すると全体の損益は0円になるので、B株の利益10万円に税金はかかりません。
しかし、NISA口座で購入したA株の損失10万円、特定口座で購入したB株の利益10万円の場合、A株とB株は損益通算できないため、B株の利益10万円には税金がかかります。
このように、NISA口座で購入した商品の損失は損益通算できないので、運用成績によっては特定口座で取引したほうが有利になることもありますよ。
スイッチングはその分の非課税投資枠が必要
スイッチングとは、「A投資信託を売却してB投資信託を購入する」のように、投資する商品を入れ替えることです。
NISA口座でスイッチングを行う場合は、その分の非課税投資枠が必要ですよ。
たとえば、NISA口座で保有中のA投資信託(その年に60万円で購入)を売却し、NISA口座でB投資信託を60万円分購入すると、年間120万円の非課税投資枠を使い切ってしまいます。
また、投資信託の分配金で再投資するときも非課税投資枠が必要です。
C投資信託の分配金1万円を使ってC投資信託を購入(再投資)する場合、その1万円はNISAの非課税投資枠を使って購入することになりますよ。
その年の非課税投資枠を使い切っている場合、NISA口座内でスイッチングや分配金の再投資はできないので注意してくださいね。
NISAの活用方法
NISAは対象商品が幅広いので、さまざまな活用方法が考えられますよ。
ここでは、NISAの活用方法を3つ紹介しますね。
個別株に投資して値上がり益を狙う
国内株式や外国株式など、成長が期待できる個別株に投資して値上がり益を狙う方法です。
NISAでは通常約20%かかる税金が非課税になるので、値上がり益が大きいほどメリットは大きくなります。
NISAでお得になる金額は、値上がり益が1万円なら2,000円(1万円×20%)ですが、100万円なら20万円(100万円×20%)です。
個別株を選ぶのが難しい場合はひふみプラスなど、市場平均よりも高いリターンを狙える投資信託(アクティブファンド)に投資をするのもおすすめですよ。
NISA口座でIPO株を購入する
多くの証券会社では、NISA口座でIPO株(新規公開株式)を購入できますよ。
IPO株は上場後に大きく値上がりする可能性が高いので、NISA口座で購入すれば、値上がり益に対する税金が非課税になってお得です。
もしIPO株に当選したら、NISA口座での購入を検討しましょう。
ただし、NISA口座でIPO株を購入できない証券会社もあるので、IPO抽選に参加する前に確認してくださいね。
投資信託の積立も可能
NISA口座では、投資信託の積立も可能です。
積立投資は一度設定すれば証券会社が自動で購入してくれるので、手間なく続けやすいのがメリットですね。
また、購入タイミングをを分散できるので、リスクを軽減する効果も期待できます。
ひふみプラスのようなアクティブファンドのほか、市場平均のリターンをを狙うインデックスファンドをコツコツ積み立てるのもおすすめですよ。
ただし、NISA口座で投信積立ができる商品は、証券会社によって違うので注意してくださいね。
NISAはどの証券会社がおすすめ?
NISA口座を開設する場合、証券会社は1つしか選べません。
証券会社によってNISAの対象商品は違うので、証券会社選びはとても大切ですよ。
多くの証券会社がNISAに対応していますが、口座開設するなら以下の2つから選ぶのがおすすめです。
いずれもNISA口座で取引できる商品の種類が豊富なので、どちらを選んでも問題ないでしょう。
ただし、楽天証券はNISA口座でIPO株が購入できないので、IPO株を購入するならSBI証券を選ぶといいですよ。
さいごに
NISAは非課税投資枠が年間120万円と大きく、投資対象が幅広いのが魅力です。
個別株やIPO株、アクティブファンドで大きな利益を狙うなら、NISAを活用するのがおすすめですよ。
NISAは積立投資もできますが、非課税期間が最長5年間と短いので、長い期間運用を続けるつもりなら、個人的には「つみたてNISA」のほうがいいと思います。
投資資金や投資方法に合わせて、NISAを活用するかどうか検討してみてくださいね。