ETFと投資信託の違いをわかりやすく解説!どっちがおすすめか比較してみた

「資産運用を始めたい」と思ったときに、候補になるのがETFと投資信託ではないでしょうか。

ETFと投資信託は、どちらも少額から分散投資ができるので、初めての投資でも取り組みやすいですよ。

ただし、手数料や運用方法などに違いがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで、どちらに投資するか決めることが大切です。

そこでこのページでは、ETFと投資信託の手数料や最低投資金額、運用方法、分配金、税金などについて比較していきますね。

ETFと投資信託の違いは?どっちがおすすめか比較

ETFや投資信託の仕組みを詳しく知る場合は、以下のページが詳しいですよ。

ETFと投資信託を徹底比較

ETFと投資信託って似ているような感じがあるのですが、違いはしっかりあります。

わかりやすく比較するために、表を作ってみました。

ETFと投資信託の比較
比較項目ETF投資信託
上場・非上場上場非上場
運用方法パッシブ運用パッシブ運用
アクティブ運用
取引価格市場価格(リアルタイムで変動)基準価額(1日1回算出)
信託報酬年率0.1%~1%年率0.1%~3%
その他手数料株式売買手数料購入時手数料
信託財産留保額
最低投資金額1万円程度~100円~
自動積立
分配金特別分配金なし
自動で再投資できない
特別分配金あり
自動で再投資できる
非課税制度一般NISA一般NISA
つみたてNISA
iDeCo
ポイントサービス

ETFと投資信託は、似ているようで取引価格やコスト、最低投資金額、税金などに違いがあるのがわかります。

それでは、ETFと投資信託の違いについて、項目別に詳しく説明していきますね。

運用方法

ETFは、基本的に特定の指数に連動する運用成果を目指すパッシブ(インデックス)運用です。

日経平均株価に連動するETFであれば、日経平均株価が値上がりすれば利益が出て、値下がりすれば損をします。

通常の2倍の値動きをするブル型、通常の逆の値動きをするベア型のような、仕組みが複雑な商品も一部ありますが、数はそれほど多くありません。

一方、投資信託は、ファンドによって運用方針や投資銘柄は異なります。

長期投資で資産形成を目指すファンドもあれば、レバレッジをかけて運用するもの、毎月分配金が出るもの、特定のテーマに投資対象を絞るものなど、その種類はさまざまです。

ETFに比べると、投資信託のほうが運用方法の種類は豊富ですね。

ただし、インデックスファンドはETFと同じパッシブ運用で、運用方法に大きな違いはありません。

信託報酬

信託報酬とは、ETFや投資信託を保有しているときにかかる利用手数料のことです。

信託報酬は直接支払うわけではなく、運用資産から差し引かれます。

ETFは年率0.1%~1%程度であるのに対し、投資信託は年率0.1%~3%程度とファンドによってばらつきがありますよ。

全体的には、ETFのほうが信託報酬は低いですね。

ただし、投資信託もインデックスファンドであれば、信託報酬が年率0.1%程度のファンドもあるので、ETFとほとんど差はありません。

その他手数料

ETFは株式市場に上場しているので、取引するときは株式と同じ売買手数料がかかります。

売買手数料は証券会社によって異なるので、ETFに投資するなら株式手数料が安い証券会社を利用するのがおすすめです。

たとえば、SBI証券や楽天証券、松井証券は、1日50万円までなら手数料無料で取引できますよ。

一方、投資信託は購入するときに購入時手数料、売却するときは信託財産留保額がかかります。

ただし、低コストのインデックスファンドを中心に、最近は購入時手数料・信託財産留保額が無料のファンドが増えていますね。

信託報酬も含め、ETFと投資信託の手数料を比較するのは難しいです。

どちらが有利かは、ファンドや利用する証券会社によって変わってきますよ。

最低投資金額

ETFは1万円程度から購入可能で、中には数千円で購入できるファンドもあります。

ETFは基本的に口数単位での取引になるので、株価(1口あたりの価格)によって最低投資金額は変動しますよ。

一方、投資信託は、ネット証券を利用すれば100円から購入できます。

ETFと投資信託はどちらも少額から投資できますが、投資信託のほうが最低投資金額は小さく、気軽に始めやすいですよ。

自動積立

ETFはSBIネオモバイル証券のように、ETFの定期買付に対応している証券会社もありますが、基本的に自動積立に対応していません。

ETFを定期購入したい場合は、毎回自分で注文を出す必要があります。

一方、投資信託は自動積立に対応しているので、一度積み立ての設定をすれば、あとは証券会社が自動的に購入してくれますよ。

時間や手間をかけずに投資を始めたい場合は、自動積立ができる投資信託がおすすめです。

分配金

ETFの分配金は、すべて利益から支払われる普通分配金で、元本の払い戻しである特別分配金はありません。

投資信託は、ファンドによっては特別分配金が支払われることもあるので、分配金が目的ならETFのほうがいいかもしれませんね。

ただし、ETFの分配金は自動で再投資できないので、再投資する場合は自分で買い注文を出す必要があります。

一方、投資信託の分配金は自動で再投資できるので、手間がかかりません。

低コストのインデックスファンドの場合、再投資による複利効果を得るために、最初から分配金を出さないファンドもありますよ。

分配金が目的ならETF、複利効果を期待するなら分配金を出さない投資信託(インデックスファンド)がおすすめです。

非課税制度(NISA・iDeCo)

ETFは一般NISAのみ対応しており、年120万円までは非課税で運用できます。

一方、投資信託は対応している非課税制度が多く、一般NISAとつみたてNISA(どちらかを選択)、iDeCoが利用できます。

特にiDeCoは掛金が所得控除になるメリットもあるので、節税効果が高いですね。

非課税制度は、NISAとiDeCoの両方に対応している投資信託が有利です。

ポイントサービス

ETFと投資信託は、どちらもポイントを購入代金に利用できるポイント投資に対応しています。

ポイント投資ができる主な証券会社をまとめました。

  • SBI証券(Vポイント)
  • 楽天証券(楽天ポイント)
  • SBIネオモバイル証券(Vポイント)
  • SMBC日興証券(dポイント)

ポイントでETFが買えるのは楽天証券SBIネオモバイル証券、投資信託が買えるのはSBI証券と楽天証券です。

Vポイント楽天ポイントを貯めている場合、これらの証券会社を利用すれば、ポイントでETFや投資信託が買えますね。

さらに投資信託は、楽天証券なら楽天カードのクレジットカード決済でポイントが貯まります。

また、投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まる証券会社もありますね。

ポイントサービスは、ETFより投資信託のほうが充実していますよ。

ETFと投資信託はどちらがおすすめ?

ここまでETFと投資信託を比較してきましたが、どちらがいいか判断するのは難しいかもしれませんね。

資産形成が目的であれば、個人的には投資信託がおすすめです。

インデックスファンドならETFと運用方法はほぼ同じですし、手数料もほとんど変わりません。

投資信託は自動積立に対応しており、非課税制度のつみたてNISAやiDeCoも活用できます。

ポイントサービスも、投資信託のほうが充実していますね。

ETFも悪くないのですが、売買タイミングを自分で判断するのが難しく、自動積立が使えないのが残念なところです。

私もETFは何度かチャレンジしましたが、自分のタイミングで取引すると、常に株価が気になってしまうのでやめました。

今はつみたてNISAとiDeCoを活用して、インデックスファンドの積立投資をしていますよ。

さいごに

ETFと投資信託は、どちらも少額から分散投資ができるのがメリットです。

ETFは売買タイミングを判断するのが難しいので、これから投資を始めるなら、自動積立を活用できる投資信託がおすすめです。

投資信託のほうが利用できる非課税制度が多く、ポイントサービスも充実していますよ。

ただし、投資信託は6,000本以上販売されており、とにかく種類が多いので、投資するファンドを選ぶのが難しいかもしれません。

▼投資信託の選び方は以下の記事で解説しているので、どのファンドを選べばいいかわからない場合は確認してみてくださいね。

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この記事を書いた人

1979年生まれ、千葉県在住の金融ライターです。もともとはお金が苦手で、まったく貯金できませんでしたが、結婚をきっかけにお金について勉強するようになりました。保有資格は2級FP技能士・AFP。投資経験は10年以上で、インデックス投資と不動産投資で資産形成中。ノマド的節約術では、資産形成に関する記事を中心に執筆しています。

大西カツシのプロフィール