こんにちは!
金融ライターの大西カツシです。
「セミリタイアしてもっと自由に生きたい」と考えたことはないでしょうか。
会社や仕事に縛られず、好きな時間に好きなことをして生活できるセミリタイアには、私も憧れがあります。
セミリタイアと聞くと一部のお金持ちの話だと思うかもしれませんが、中には自分で地道にお金を貯めて、若くしてセミリタイアする方もいますよ。
どうすればセミリタイアできるか、気になるのではないでしょうか。
そこでこのページでは、セミリタイアの意味や必要な貯金額、生活費、仕事、失敗しない方法について説明していきますね。
セミリタイアとは?
セミリタイアには、これといった定義はありません。
セミ(semi)には半分、リタイア(retire)には引退するという意味があるので、直訳すると「半分引退する」という感じでしょうか。
これらの言葉から、ある程度の貯金と不労所得を確保しつつ、好きなときに仕事をして収入を得ながら、時間的・精神的に余裕がある生活を送ることを私はイメージしました。
つまり、セミリタイアとは、仕事や時間に縛られずに好きなことをして自由に生活することですね。
定年退職して年金生活をするように、完全に引退するわけではなく、ストレスを感じない程度に仕事をしながらセミリタイアすることも可能ですよ。
どうすればセミリタイアできるの?
どうすればセミリタイアできるのか、気になりますよね。
セミリタイアするには、自分のペースで無理なく仕事をするだけで、十分な生活費を確保できることが条件になります。
セミリタイア後は資産運用などの不労所得を主な収入源とし、必要に応じて仕事をしながら生活していくことになりますよ。
具体的には、以下のことに取り組むことが必要です。
- 必要な生活費を把握する
- セミリタイアに必要なお金を貯める
- 投資などで不労所得を確保する
- セミリタイア後にどんな仕事をするか検討する
まずは毎月いくら生活費が必要か、把握することから始めましょう。
毎月の生活費を把握して、セミリタイアに必要な貯金額や収入額がわかったら、あとは貯金や投資に取り組みます。
セミリタイア生活では、自分のペースで働きながら収入を得ることもできるので、どのような仕事をするか検討しておくことも大切ですよ。
セミリタイア後の生活費について
セミリタイア後の生活費は、人それぞれ異なります。
独身なら生活費は1人分で済みますが、家族がいれば必要な生活費は多くなりますし、子育て中なら教育費も確保しなくてはなりません。
定期的に旅行や外食を楽しみたい場合やお金がかかる趣味がある場合は、生活費を多めに確保する必要があります。
生活費が少ないほど貯金・不労所得は少なくて済むので、セミリタイアは実現しやすくなりますね。
ただし、事故や病気などで急な出費が発生する可能性があるので、セミリタイア後の生活費は多めに見積もることが大切ですよ。
セミリタイアに必要な貯金額
生活費と同じく、セミリタイアに必要な貯金額も人それぞれです。
ただし、貯金額が多いほど投資に回せるお金も増えるので、セミリタイアしやすくなりますよ。
投資金額と運用利回りによって、資産運用で得られる利益がどのように変わるかをまとめました。
投資金額 | 年利1% | 年利3% | 年利5% |
---|---|---|---|
1,000万円 | 10万円 | 30万円 | 50万円 |
2,000万円 | 20万円 | 60万円 | 100万円 |
3,000万円 | 30万円 | 90万円 | 150万円 |
4,000万円 | 40万円 | 120万円 | 200万円 |
5,000万円 | 50万円 | 150万円 | 250万円 |
6,000万円 | 60万円 | 180万円 | 300万円 |
7,000万円 | 70万円 | 210万円 | 350万円 |
8,000万円 | 80万円 | 240万円 | 400万円 |
9,000万円 | 90万円 | 270万円 | 450万円 |
1億円 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
投資金額・運用利回りが増えるほど、資産運用で得られる利益も増えるのがわかります。
投資金額が1,000万円の場合、年利5%で運用しても利益は年間50万円しかないので、セミリタイアするのは厳しそうですね。
しかし、投資金額が5,000万円あれば、年利3%で年間150万円、年利5%なら年間250万円の不労所得を確保できるため、セミリタイアを実現しやすくなりますよ。
生活費をすべて不労所得で確保する必要はなく、自分のペースで仕事をしてもいいので、状況によっては3,000万円くらいあればセミリタイアできるかもしれません。
上の表を参考に、セミリタイアに必要な貯金額・投資金額を考えてみましょう。
ただし、上の表は税金を考慮しておらず、実際は利益から税金が差し引かれるので注意してくださいね。
セミリタイア後の不労所得を確保する方法
セミリタイアをするなら、仕事をしなくても一定の収入を得られるように、不労所得を確保する必要があります。
資産運用がメインになりますが、キャピタルゲイン(売却益)よりインカムゲイン(配当金・分配金など)を確保するのがおすすめですよ。
ここでは、セミリタイア後の不労所得を確保する方法を3つ紹介しますね。
高配当株・株主優待株
東証一部上場企業の平均配当利回りは約2%で、一般的には配当利回り3%以上の銘柄を高配当株といいますよ。
たとえば、配当利回り3%の高配当株に1,000万円投資すると、配当金は年間30万円(1,000万円×3%)です。
配当金には約20%課税されるので、税金約6万円(30万円×20%)が差し引かれ、最終的な手取り額は約24万円(30万円‐6万円)になります。
高配当株の中には利回りが5%を超えるような銘柄もあり、年1~2回配当金を受け取ることができますよ。
また、株主優待株に投資して、優待券や金券、自社製品などを受け取る方法もあります。
高配当株・株主優待株は個人投資家の人気が高く、下落局面でも株価が値下がりしにくいのもメリットですね。
ただし、利回りが高くても、特定の企業に資金を集中させるのはおすすめしません。
過去には、高配当の超優良株と言われた東京電力ホールディングス(9501)の株価が、東日本大震災をきっかけに大幅下落したことがありました。
「絶対につぶれない」と言われるような大企業でも、将来は何が起こるかわかりません。
高配当株・株主優待株に投資する場合は、投資先を分散して、リスクに備えることが大切ですよ。
REIT(不動産投資信託)
REIT(不動産投資信託)に投資すると、定期的に分配金を受け取れます。
REITの投資先はオフィスビルや商業施設、居住用マンションなどさまざまで、個人では投資できないような大型の不動産にも投資できますよ。
REITの平均分配金利回りは3.73%(2019年7月)で株式より高く、中には5%を超えるような銘柄もあります。
REITに投資する場合は高配当株・株主優待株と同じく、投資先を分散してリスクに備えることが大切です。
個別銘柄より利回りは下がりますが、1本で分散投資できるETFを活用すれば、リスクに備えることができ、銘柄を選ぶ手間も省けますよ。
不動産投資
投資用のマンションやアパートを購入して、家賃収入を受け取る方法もあります。
入居者がいれば毎月家賃収入を得られるので、高配当株やREITよりも安定した不労所得を確保できますよ。
不動産投資は用意できる資金が少なくても、ローンを利用して物件を購入し、家賃収入でローン返済が可能です。
また、家賃回収や入居者募集、修繕などは管理会社に任せられるので、それほど手間はかかりません。
ただし、多額の借金を抱えるのはリスクが高く、入居者がいないと家賃収入を得られないのがデメリットです。
不動産投資は誰にでもおすすめできる方法ではありませんが、成功すれば安定した不労所得を確保できます。
不動産投資に取り組むなら、物件価格が比較的安いワンルームマンションがおすすめですよ。
投資信託の積立投資はセミリタイアには向かない
投資・不労所得と聞くと、もしかしたら投資信託の積立投資を思い浮かべるかもしれませんね。
投資信託の積立投資は将来のための資産形成には最適ですが、セミリタイア後の収入源には向いていません。
セミリタイアをするには、生活費のために不労所得を得る必要があるからです。
投資信託の積立投資は利益を再投資して投資元本を増やし、複利効果で時間をかけて資産を増やしていく方法なので、投資で得た利益を生活費に使えません。
投資信託の積立投資は老後資金や教育費など、将来必要になるお金を準備するために取り組むのがおすすめです。
セミリタイア後の仕事について
セミリタイア後は、無理に働く必要はありません。
最低限の生活費を確保するために、自分のペースで好きな仕事をすれば大丈夫です。
なるべく働きたくないなら、生活費を確保するために最低限のアルバイトだけやるのもアリですよ。
クラウドソーシングを活用すれば、出社せずに自宅で仕事ができますし、ブログやYouTubeで収益を得る方法もありますね。
好きなこと・得意なことを仕事にできると、セミリタイア生活をより楽しむことができますよ。
セミリタイアのメリット・デメリット
セミリタイアのメリットは、時間と心に余裕が生まれることです。
会社員のように毎日決まった時間に出社する必要はなく、仕事をするか休むかは自由に決められますよ。
趣味や好きなことに多くの時間を使えるので、ストレスを感じにくくなります。
一方で、セミリタイアには「社会的信用がなくなる」「孤独を感じる」といったデメリットもありますよ。
仕事をしていないと社会的信用がなくなり、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなったり、家を借りにくくなったりします。
また、友人・知人と生活リズムが合わなくなって疎遠になり、孤独を感じる可能性もあります。
セミリタイアに失敗しないために必要なこと
自由な生活に憧れてセミリタイアをしたのに失敗してしまい、元の生活に戻ってしまう人もいますよ。
ここでは、セミリタイアに失敗しないために必要なことを紹介していきますね。
セミリタイア後の生活費を多めに見積もる
セミリタイアに失敗しないためには、セミリタイア後の生活費を多めに見積もることが大切です。
見積もりが甘いと予想以上に出費がかさみ、貯金がどんどん減ってしまいます。
生活費を確保するために仕事を増やす必要があるため、セミリタイアせずに仕事を続けておけばよかったと後悔するかもしれません。
また、生活費を抑えるために無理な節約をすると、ストレスで体調を崩したり、精神的に余裕がなくなったりする可能性もあります。
会社員の場合は給与から天引きされているので、社会保険料や税金は特に見逃しやすい項目です。
セミリタイアを目指すなら、社会保険料や税金も考慮したうえで、生活費がいくらかかるかを慎重に検討しましょう。
貯金と不労所得をしっかり確保する
セミリタイアするには、貯金と不労所得をしっかり確保することも大切です。
貯金額が多いほど投資に回せる金額も多くなるので、不労所得を確保しやすくなり、セミリタイア後の生活が安定しますよ。
ただし、不労所得を増やしたいからといってリスクを取りすぎると、投資元本を大きく減らしてしまうかもしれません。
セミリタイア生活では、資産を減らさないように守ることも必要です。
貯金額をすべてリスク資産で運用するのではなく、定期預金や個人向け国債などの無リスク資産も活用して資産を守りましょう。
参考:定期預金金利の高い銀行で徹底比較!定期預金の利息と税金が計算できるツールも
自分のペースで仕事をする
セミリタイアを成功させるには、セミリタイア後も自分のペースで仕事をするのがおすすめです。
仕事は生活費を稼ぐ手段のほかに、やりがい・生きがいを感じられるものでもあります。
仕事をして感謝されると、うれしさや幸せを感じるのではないでしょうか。
また、仕事を通して新たな人間関係が生まれ、交流を楽しむこともできます。
セミリタイア後も自分のペースで仕事をすれば、社会とのつながりができ、毎日楽しく過ごせますよ。
生活リズムを整える
セミリタイアをすれば、時間を自由に使えるので、いつ何をするかは自分で決められます。
しかし、生活リズムが乱れると疲れやすく、精神的にも不安定になりやすいですよ。
毎日決まった時間に起きる、暴飲暴食はしない、運動をするなど、生活リズムを整えることを心掛けましょう。
私はフリーランスのWebライターなので、いつどこで仕事をしてもいいのですが、毎日同じ時間に同じ場所で仕事をするのが一番楽だと感じています。
人とのつながりを大切にする
セミリタイアに限ったことではありませんが、人とのつながりを大切にすることが最も重要かもしれません。
セミリタイアすると、周囲の人と生活リズムが合わなくなり、友人や知人と疎遠になってしまう可能性があります。
ひとりが好きならそれほど問題ないかもしれませんが、それでも孤独になるのは避けたいのではないでしょうか。
良好な人間関係を維持するには、定期的に友人に連絡するなど、一定の努力が必要です。
家族を含め、人とのつながりを大切にすることが、セミリタイアの成功につながると私は思います。
さいごに
このページで紹介した通りに計画して実行すれば、定年まで働かなくてもセミリタイアすることは可能です。
セミリタイアするには節約や投資に取り組んで、貯金や不労所得を確保する必要がありますよ。
急にお金を増やすのは難しく、リスクが高いので、結局はコツコツ増やしていくのが一番近道だと思います。
セミリタイアを目指すなら、固定費削減や先取り貯金でお金を貯めて、貯金が増えてきたら手数料が安いネット証券で投資を始めるのがおすすめですよ。