マネーライターとして雑誌やテレビに出たこともある、ライターのなつみとです。
家計簿はこれまで10年以上、紙のノートやエクセル、アプリなどいろいろ試してきました。
現在はマネーフォワードというソフトで自動管理しているだけで、家計簿をつけるという行為をほとんどしなくてもお金の管理ができるように。
そんなわたしも、昔は家計簿のつけ方で悩んだことがありました。
難しい、続かない、お金も貯まらない……という悩みを抱える人はとても多いんですよね。
家計簿のつけ方がうまくいかないのは、自分に合った方法を見つけられていないからではないでしょうか。
そもそも家計簿をつける目的を見失っていませんか?
何のために家計簿をつけるのですか?
この記事では家計簿のつけ方を複数紹介します。
自分に合った方法を見つけてくださいね!
ちょっとその前にまず、「家計簿をつける目的」について整理させてください。
目的がわかっていないと家計簿をつける意味がないので・・・!
以下の「家計簿をつける目的」について簡単に確認すれば、自分にあった家計簿のつけ方が見つかりやすくなりますよ。
目的がわかっていないと家計簿をつける意味がない
家計簿をつける目的はいろいろだと思いますが、大きく分けると3つになります。
「家計改善」「お金の記録」「現状把握」です。
多くの方は、1つめの「家計改善」が目的のはずです。
平たく言うと「ムダ使いをやめてお金を貯めたい」ということになるでしょうか。
家計簿をつけることによってお金の使い方についての問題を発見し、改善していく……それが目的で家計簿をつけているわけですね。
2つめは、純粋に「お金の記録を残しておきたい」という目的です。
あとで気になったときに見返せるようにしておきたいということですね。
3つめは、資産状況を把握する、といった目的です。
計画通りに資産が増えているか、支出が増加傾向になっていないか、などを定期的にチェックするわけですね。
資産状況を確認する中でもし問題が見つかれば1つめの「家計改善」が必要になります。
家計簿をつける目的がどれなのかによって、最適な家計簿のつけ方は異なります。
ここからはそれぞれの目的に沿った家計簿のつけ方を紹介しましょう。
まずは1つめの「家計改善目的」の家計簿のつけ方。
「お金の記録」もしくは「現状の把握」が目的の方は、該当箇所まで飛ばしてもらってOKですよ。
家計改善が目的の家計簿のつけ方
家計改善、もう少しストレートに言うと「ちゃんと貯金したい!」という目的。そのための家計簿のつけ方は、以下のポイントが重要です。
- 短期間でいいので細かく記録する
- かならず「振り返り」をする
- かならず「改善案」も考える
この3つのポイントを守っていれば、家計簿は紙のノートでもエクセルでも、アプリでもかまいません。
また「レシートを貼るだけ!」のような家計簿でもOKです。
個人的にオススメなのは、「紙のノートにレシートを貼る」方法です。
さっそくやり方を紹介しますね!
紙のノート+レシートで家計簿をつける方法
用意するのは以下の3点です。
- B5サイズのノート
- セロハンテープ
- カラーペン
ノートにレシートを貼り付けていくだけなのですが、このとき、レシートは重ねないでください!
レシート全体が見えるように貼るのがコツです。
ノートに収まりきらないほど長いレシートは折り目を入れて対応してください。
レシートを重ねずに貼るのは、チェックしやすくするため。
レシートを重ねて貼っていると見返すのが面倒になりますよね。
必ず、レシート同士が重ならないように貼ってください。
レシートを見ながら無駄をチェックしよう
家計改善のために家計簿をつけるのであれば、必ず「振り返り」をしてくださいね。
そのためにレシートを貼り付けているのですから。
1つひとつ、何を買ったのか振り返って、「これは要らなかったな」と思えるものに印をつけていきましょう。
マーカーで線を引くだけで十分です。
ひととおりマーカーを入れ終わっても、まだ終わりではありません!
無駄を見つけたら改善策を考えよう
無駄遣いだと思うところにマーカーをつけ終わったら、もう一度見直しましょう。
今度は1つひとつの無駄ではなく、「どういう傾向があるか」「どういう無駄が多いか」といったことを意識してみてください。
気づいたことがあれば、どんどん書き出してみましょう。
気づいたことを書く場所はノート内のページでもいいですし、メモ用紙を用意しても、スマホのメモでもかまいません。
そして最後に、「同じような無駄遣いを繰り返さないためにどうすればいいか?」という対策を考えましょう。
たとえばお菓子を買いすぎているのであれば、「どうしてお菓子を買ってしまうんだろう?」「本当に必要だろうか?」「自分へのご褒美だとしてももう少し頻度を下げてもいいんじゃないか」などと考えてみます。
そして、「スーパーやコンビニでお菓子を買うのは辞めて、たまにケーキ屋さんで買うだけにしておこう」などと、自分なりの改善策を決めます。
これを繰り返していくうちに、レシートの振り返りをしなくても家計が改善されていくはずですよ。
はじめは週に1回程度作業しよう
レシートを貼ったり振り返りをしたりといった作業は、週に1回だったり月に1回だったりと決まっていなくても大丈夫です。
時間があるときにレシートを貼り、気が向いたときに振り返りをする、という程度でいいかと思います。
ただ慣れるまでは、「週に1回○曜日に作業する」などと決めておくのがオススメです。
決めておくだけでは忘れるので、カレンダーの通知を設定しておくなどして、習慣化してくださいね。
エクセルやアプリの家計簿が向かない理由
エクセルやアプリの家計簿だと、購入したものを1つひとつすべて入力しなければ意味がありません。
でも、そんな途方もない作業をするのはしんどいと思いませんか?
もしかしたら今は「それでもエクセルで管理したほうがきれいだし、ちゃんとできると思う」と考えておられるかもしれません。
残念ながら、家計簿にしろダイエットにしろ、はじめは気合い十分なんですよね。
でも徐々に、面倒くささが勝ってしまって、三日坊主になってしまうんです。
(わたしはダイエットでいつもその失敗をしています)
だからなるべく手間のかからない方法を選択するべき。
レシートを貼るだけだとはじめは少し物足りないかもしれませんが、慣れてきたら「これでよかった」と思うはずですよ。
ログとしての家計簿のつけ方
「あとで調べることがあるかもしれないからきちんと記録しておきたい」という目的で家計簿をつける場合、また違ったアプローチになります。
前項の「家計改善」に比べると、こちらのほうが楽です。
記録するだけですからね。
お金の記録として家計簿をつけるときのポイントは
「記録する方法・場所はきちんと決めておく」
という1点のみです。
たとえばですが、「今月はノートに手書きして、来月はアプリで・・・」というように、記録する方法がコロコロ変わってしまうとせっかくの記録が迷子になってしまいます。
「あれ?どこに記録したっけ?」とわからなくなってしまっては記録する意味がないので、はじめに記録する方法・場所だけは絶対に決めておいてくださいね。
以下から、どういう方法・場所があるのか、例を紹介します。
現金の収支を記録する場合
まずは現金の収支について記録する方法です。
- 手書きor手打ちで記録
- レシートを保存←オススメ!
「手書きor手打ち」とはつまり、ノートに手書きしたり、エクセルやアプリに手入力すること。
お金の記録という以上は買ったものひとつひとつを記録すべきですが、とてつもない手間がかかります。
それならレシートをとっておくほうが断然楽ですよね。
レシートのない収入・支出に関しては別途メモを残しておく必要がありますが、それぐらいの手間ならマシだと思います。
レシートの保存は、「レシートを貼るだけの家計簿」を買ってきてもいいし、レシートの読み取りアプリを使ってもいいでしょう。
ただ個人的には、封筒にバサッと入れておくだけでもいいと考えています。
要はお金の記録が残っていればいいんですよね。
今後本当に見返すことが出てくるかどうかもわからないのに、あれこれ手間をかけるのは時間がもったいないように思います。
もし「無駄遣いが無いか毎月見返したい」と思われるのであれば、それは前項の「家計改善」が目的になっていますので、そちらを読んでくださいね。
銀行口座やクレジットカードの履歴を保存する場合
現金と違い、銀行口座やクレジットカードなどは取引履歴(明細)が残ります。
これをそのまま保管しておけばいいのですから、あまり手間はかかりません。
ただ注意したいのは、「保存する場所」です。
紙で管理するのかPDFファイルとして保存するのか?
毎月バラバラになっているとせっかくの記録が行方不明になってしまうかもしれません。
紙で保存する場合、ネットバンクなど、データのものはプリントアウトしなければなりません。
参考:コンビニでネットワークプリントを使ってPDF印刷する全手順・使い方まとめ
逆にデータで保存する場合、郵送されてくる紙の明細はデータ化しなければなりません。
CamScannerというアプリを使えば、撮影した文書をデータ化してくれます。
PCに保存するためには、わたしはDropboxで共有しますが自分宛てにメールするのでもいいでしょう。
こんな感じでデータ化できて、共有や送信も簡単です。
個人的にはデータで残すほうが好きなのですが、このあたりは好みもあるので紙かデータか、やりやすいほうを選んでくださいね。
アプリで記録する方法
アプリですべての収支をひとまとめに管理する方法も紹介しますね。
基本的には、銀行などの取引履歴を自動で読み込んでくれる家計簿アプリを使うことになります。
わたしはマネーフォワードを使っていて、銀行やクレジットカード、電子マネーなどの情報は自動で読み込んでくれるのでかなり楽です。
現金については手入力が必要ですが、レシートの読み取り機能もあります。
自販機での買い物など、レシートが無い買い物だけ手入力すればOKですね。
アプリを使う場合、はじめの登録作業や設定が面倒ではありますが、その後はほとんど自動で記録してくれるのでとても楽ですよ。
ただし、長期間保存したい場合、有料プランに登録しなければならないこともあります。
※マネーフォワードは1年以上保存するには有料プランにしなければなりません。
現状を把握するための、家計簿のつけ方
3つめの目的です。
現状を把握するために家計簿をつけるなら、1つひとつの収支を細かく記録する必要はなく、ざっくりとお金の流れが分かるようにしておけば大丈夫です。
実際にわたしがしていた方法を紹介しますね。
紹介するのは以下の2つです。
- ノートやエクセルで管理する方法
- アプリで管理する方法
ノートやエクセルで管理する方法
わたしは手書きよりもエクセル派なのでエクセルの場合で紹介しますが、紙のノートでも同じように書けばいいですよ。
現状を把握するために、こんなエクセル家計簿を作っていました。
1か月分の収支や予算などが1枚にまとまっています。
左上は収入。
我が家は妻であるわたしがフリーランスのため複数の収入源があり、合計金額に加えて内訳も記していました。
その下は予算です。
家賃などの固定費はその金額を、変動する金額についてはだいたいの予算を入力します。
これで、収入に対してお金を使いすぎていないかチェックするわけですね。
次に支出ですが、引き落としのものと、現金管理のものに分けていました。
まずは引き落とし。
これは、その月にどの銀行からいくら引き落とされるのかを記録するものです。
次に現金管理。現金でやりくりするお金を一覧にしています。
基本的には「財布」と書かれているところが現金でやりくりする生活費なのですが、それ以外にも細かく費目を分けて管理していました。
「医療費」や「夫美容・服飾代」といった費目については基本は積立で、余れば翌月に繰り越していきます。
月ごとにバラつきがあるような費目はこのように積み立てながら使っていましたよ。
引き落とし、現金管理の合計の下にあるのが「小遣い」の欄です。
我が家は夫婦ともに収入に波がある仕事なので、小遣いも変動制にしていました。
収入合計から上記の支出合計を引いて、その余りが夫婦の小遣いです。
当時は、残金の52%を夫の小遣いに、48%をわたしの小遣いにしていましたよ。
入力する項目は多いですがエクセルなら、自動で計算してくれるようにしておけばかなり楽です。
手書きのノートだと少し大変かもしれません。
でも日々の記録をする必要はなく月に1回の作業でいいですし、現状を把握するという目的は十分に果たしてくれますよ。
エクセルで家計簿をつけるなら、ノマド的節約術が公開している無料の家計簿テンプレートもおすすめです!
アプリで管理する方法
次にアプリで家計簿をつける方法です。
現状を把握するための家計簿をアプリでつけるのは、とっても楽!
細かい収支を入力しなくてもいいからです。
わたしはマネーフォワードというサービスを使っていますが、ほぼほったらかしです。
参考:家計管理にかける時間を30分の1にするやり方と必要なアプリ・考え方をまとめました
銀行やクレジットカードなどさまざまな履歴を自動で取得してくれるので、自分で作業するのは現金の支出ぐらい。
それもわたしは、生活費としておろした金額をそのまま「生活費」として計上してしまうので、買い物ごとに入力する手間がありません。
つまり、お金を引き出して財布に入れた時点で「支出」の扱いにしてしまうということですね。
この方法だと家計簿を「つける」という感覚はほとんどありません。
もちろんクレジットカードや電子マネーを多用しているからこそできることではあります。
でもかなり楽なのはたしか。
家計改善ができていて、たまに家計の状況をチェックする程度でいいなら、この方法がオススメです。
わたしも現在はこの方法で家計簿をつけていますよ。
さいごに
家計簿にもいろんな種類があり、「どれを選べばいいのかわからない!」と迷ってしまう話をよく聞きます。
でも大事なのはどの家計簿を買うかより、「家計簿をつける目的をはっきりさせること」ではないでしょうか?
何のために家計簿をつけるのかさえはっきり分かっていれば、あとは自分に合った方法を選ぶだけ。
今回は市販の家計簿以外の方法を紹介しましたが、市販の家計簿を使う際にも、目的をはっきりさせてから選ぶと失敗しにくくなるはずですよ。
ノマド的節約術では、家計簿のテンプレートもありますので、それを使って家計簿をつけるのもおすすめです。
今現在、「お金がない!」という場合は以下の記事も参考にしてください。