わたしは、高校・大学と奨学金を利用しました。
夫も、大学では奨学金を利用していました。
正確な金額は分からないのですが、2人合わせて200万円超の負債が残っていたことは確かです。
今や、大学生の2人に1人が奨学金を利用しているとも言われています。
欧米の奨学金制度とは違い、日本の奨学金は「貸与型」。つまりお金を借りているだけですから、社会人になったら返還していかなければならず大変ですよね。
奨学金の返還自体は長期間に渡って返還することが認められているため、さほど苦しいわけではないのですが、わたしは繰上返還をおすすめしたいです。
このページでは、わたしが繰上返還した理由と、繰上返還するためのお金の貯め方について紹介していきますね。
有利子の奨学金は早く返した方がいい
奨学金と言ってもいろいろありますが、定番はやはり日本学生支援機構の奨学金でしょう。旧・日本育英会です。
日本学生支援機構の奨学金には有利子(第一種)と無利子(第二種)の2種類があり、特に早めに返還すべきなのが有利子の奨学金です。
その名の通り利子がつく奨学金のことで、返還中はずっと利子が増えていきます。
夫が利用していたのがこの有利子の奨学金。
利子分がもったいないので、わたしは一刻も早く完済したいと考えていました。
早めに返済することで得られる経済的な安心と精神的なゆとり
奨学金を早めに完済してしまうことには、こんなメリットもありますよ。
- 経済的に安心が増す
- 精神的なゆとりもできる
経済的に安心が増す
奨学金を繰上返還すると手元のお金が減ってしまうので不安に思われるかもしれません。
でも、負債は無くなるわけですから、今後の生活は楽になるはずです。
返還月額は借りていた金額にもよりますが、我が家の場合はわたしの分も合わせると毎月3万円程度の返済をしていました。
月々の返済がなくなればそれだけ毎月の生活にゆとりが出てきます。
生活にゆとりができれば貯金もしやすくなりますよね。
精神的なゆとりもできる
「負債が無い」という状態は、精神的な安定にもつながります。
特にわたしは、借金がかなり苦手です。
ローンを利用すること自体を否定しているわけではありませんが、なるべく利用したくないですし、もし利用するにしても、かなり短期間で完済してしまうタイプです。
奨学金と言えば聞こえはいいものの、実態は借金であり、ローンなんですよね。
個人的には、20歳前後の若者に数百万円の借金を背負わせるというこの奨学金制度は大嫌いです。
当時の自分自身の無知にも、周りの大人たち(教員など)の無知にも、腹を立てています。
できれば、当時のわたしにお金をかけずに進学する方法を教えてあげたいと思っているほどです。
奨学金の返済がなくなったというだけで、心がかなり軽くなりましたよ。
貯金を崩してでも繰上返還すべき!
「奨学金を繰上返還したら貯金がなくなっちゃう!」という方も多いかと思います。
奨学金に限らず、借金があるなら「貯金と返済どちらを優先すべきなのか」ということを考えたことがあるのではないでしょうか?
わたしは、「絶対に返済が先!」と考えています。
「貯金をゼロにしてしまうのはリスクが大きい」と考え貯金をある程度しつつ返済するという人もいるのですが、わたしは貯金をゼロにしてでも返済した方がいいと思うのです。
理由は以下の3つです。
- 貯金の利息と借金の利息の差
- 信用情報を守る
- 家計管理が楽になる
借金の利息は大きい
お金を貯めても、大した利息が付かないことはよくご存じですよね。
最近の普通預金金利は0.02%程度。
定期預金でも0.1%からせいぜい0.5%ぐらいでしょう。
一方、借金に付く利息はかなり多いです。
カードローンなんかだと10%以上の年利のところが多いですよね。
日本学生支援機構の奨学金の場合、直近(2019年11月時点)の年利は利率固定方式で0.143%、利率見直し方式で0.003%となっています。
ところが、現在返還中の大半の人は、1%を超える利率が適用されています。
2%近い利率の人もいるはずです。
貯金でもらえる利息よりも、借金のために払う利息の方が多いのは明らかです。
さっさと返済してから貯金したほうが、どう考えてもお得ですよね。
信用情報を守る
信用情報とは、ローンやクレジットカードの利用に関する情報のことです。
どこでいくら借りているか、延滞していないか、などの情報のことを、信用情報といいます。
信用情報機関にはそういった情報が登録されており、新たにローンを組むときなどにはローン会社が信用情報機関に照会し、審査の参考にしています。
日本学生支援機構で奨学金を借りているだけでは信用情報機関に登録されることはありませんが、3か月以上の延滞があると信用情報機関に登録されます。
普通に返済していれば特に関係はないものの、万が一返済が滞る事態が起こってしまった場合、自分の信用情報に傷をつけてしまうことになりますよね。
また、今後万が一、延滞以外の情報、つまり「この人は奨学金をいくら借りていますよ」といった情報も登録されるようになる可能性も無いわけではありません。
そうなると普通に返済していても新たな借り入れができなくなってしまう恐れもありますよね。
だから、わたしは早めに返してしまったほうがいいと考えています。
家計管理が楽になる
負債がある家計は、管理がしづらいものです。
家計管理が苦手な人は特に、知らず知らずのうちに家計が苦しくなってしまうことが多く、負債のせいで家計管理もうまくできなくなります。
負債がなくなればその分だけ管理もシンプルになるので、家計管理が楽になりますよ。
一括返済のための資金は一気に貯めよう
「わたしも、奨学金の残りを一括返済してみようかな?」そう思ったら、すぐ行動に移しましょう。
すでに貯金がある方なら、あとは一括返済の手続きをして振り込むだけです。
ちなみに、日本学生支援機構であればWEBサイトからの申し込みもできますよ。
一括返済できるほどの貯金が無いという人は、まずはお金を貯めましょう。
この際、「コツコツ貯める」のではなく、「一気に貯める」ことをおすすめします!
地道にコツコツ貯める方が無理な節約をしなくて済みますが、一気に貯めてしまった方があとあと楽だからです。
もちろん金額にもよりますが、「長くても半年あれば貯まりそうだ」という場合は一時的に節約を徹底して、一気に貯金してしまいましょう。
有利子の奨学金はこまめに繰上返還するのもOK
有利子の奨学金であれば、少しでも残高を減らしたほうが返済は楽になっていきます。
その都度手続きは必要ですが、「10万貯まるごとに繰上返還する」などこまめに繰り上げていけば、それだけ支払う利息を減らせますよ。
無利子の奨学金は一括返還すべし
日本学生支援機構の無利子の奨学金で、なおかつ2004年度までの受給者であれば、報奨金制度があります。
金額は受給年度によりますが、わたしの場合は10%です。これは借入金額に対して10%ではなく、一括返還した金額に対して10%です。
つまり、仮に100万円を一括返還した場合、報奨金として10万円を受け取れる、というわけです。
こまめに返還するより、残高分を一気に貯めて、一括で返還してしまった方が受け取れる報奨金が多くなりますよ。
奨学金など負債は早く返してしまおう
わたしは、奨学金の返済がなくなったことで本当に家計が楽になりました。
夫の小遣いも増額できるし、自分の小遣いもちょっと増額できますしね。
もちろんそれだけでなく、それまで繰上返還のために貯めていたお金を、純粋な貯金に使えるようになるというのも大きなメリットです。
車が欲しい、マイホームが欲しい、海外旅行に行きたいなど、楽しいことのために貯金ができるというのは本当に素晴らしいことです。
それ以上に、やはり気持ちの軽さが心地いいですよ。
負債があると、普通に生活していても心の隅にずーんと負債のことが重りのようにぶら下がっている感覚がありました。
いつもより給料が増えても「返済にまわさなきゃ」と思いますし、欲しいものがあっても「今は買えない」と我慢しなければなりません。
こういったちょっとしたことが積もり積もると結構なストレスにもなっていたように思います。
もちろん、のんびり返しても問題はありませんが、わたしと同じように「負債があると心が重たくなる感覚がある」という人には、繰上返還するのはすごくおすすめですよ。