投資信託をやっていると「個別元本」という聞き慣れない言葉が出てきますよね。
個別元本について、知っておかないと困ることがないのか不安になるかもしれません。
そこでこのページでは、そんな個別元本について基本から詳しく紹介していきますね。
さらに、具体的な計算方法や個別元本が上下するタイミングについても詳しく解説していきます。
個別元本についてよく知らないと税金や利益の見方も曖昧になってしまうので、ここでしっかり確認しておきましょう!
個別元本とは?
個別元本とは、保有している投資信託の値段のことです。
買った時にかかった手数料や税金は抜きにして、純粋なファンド(投資信託)の値段を知りたい時には個別元本を見るとわかります。
個別元本と最新の基準価額を見比べて、個別元本のほうが安ければ利益が出ているということです。
逆に、基準価額よりも個別元本のほうが高ければ、現状は損失を出しているという意味になります。
例えば、ひふみ投信の2019年2月8日時点の価格は43,642円です。
もしも、保有しているひふみ投信の個別元本が40,000円なら、3,642円プラスになっているという意味になります。
ただし、売却するなら利益から信託報酬や税金がかかるので、3,642円全部が手元に戻ってくる訳ではないことを忘れないでくださいね!
ちなみに、同じファンドを何度も追加購入した場合には、合計金額を保有口数で割れば個別元本を出すことができますよ。
個別元本の計算方法は?
個別元本は基本的に証券会社などへ問い合わせれば教えてもらえます。
あまり自分で計算することはないかも知れませんが、具体的な計算方法を知っておくと追加購入したい時などに便利ですよ。
具体的な計算式は、以下のとおりです。
さらに、複数に渡って同じファンドを追加購入した時には、以下のように計算してみてくだい。
例えば、あるファンドを最初は基準価額15,000円の時に買い、次に13,000円の時におなじ口数で買い増ししたとします。
この場合の計算式は、15,000円と13,000円の平均になるので、今後は個別元本14,000円でファンドを保有することになりますね。
補足すると、特別分配金とはファンドに利益が出なかった時に個別元本から払い戻しされる分配金のことです。
また、受益権口数とは、投資家が保有しているファンドの口数のことをいいますよ。
ちなみに、ファンドを一部解約しても個別元本は変わらないので安心してくださいね!
平均取得価額と個別元本はどう違うの?
ファンドの残高を見ると、個別元本と一緒に「平均取得単価」という言葉も出てきますよね。
個別元本と平均取得単価の違いを理解していないと、売却時に困ってしまうのでここでしっかり確認しましょう!
まず、個別元本には買った時の手数料と税金は入っていません。
これは、個別元本がファンド保有中に見るべき金額だからです。
個別元本を見れば、余計な手数料や税金は省いた購入時のファンド価格を確認することができます。
また、個別元本は特別分配金の計算でも使われているので重要な数字です。
一方で、平均取得単価には個別元本に加えて買った時の手数料と税金が含まれています。
その理由は、平均取得単価が売却時の税金の計算に使われるからです。
投資信託を売る時にかかる税金は、買った時の手数料と税金まで原価として計算されます。
ファンド保有中は個別元本、いざ売ろうという時には平均取得単価をチェックする必要があり、一見紛らわしいですがそれぞれ大事な役割があるのです。
個別元本が変わるのはどんな時?
個別元本はファンドの保有中、常に一定のままではありません。
以下のような場合は個別元本が変わってしまうので、買ってからも金額をチェックすることを習慣付けてくださいね。
- 特別分配金が出た時
- 追加購入した時
- 普通分配金を再投資した時
特別分配金は個別元本から引かれるものなので、発生すれば個別元本を下げる原因になります。
追加購入とは1つの証券会社の同じコースで複数回ファンドを買うという意味です。
例え同じファンドを買っても、証券会社が違えば個別元本は別々に計算されますし、証券会社が同じでも分配金の受け取りコースが違えば個別元本も変わりますから混同しないように気をつけましょう。
ちなみに、普通分配金を再投資した場合も、追加購入ということになりますから個別元本を変える原因になりますよ。
これがあるため、分配金が出る投資信託はおすすめできません。
個別元本はどこでわかるの?
追加購入や分配金が出るたびに、個別元本を自力で計算するのは面倒ですよね。
以下の方法なら、計算なしですぐに個別元本を確認できますよ!
- 買ったところで聞く
- ネットで見る
- 取引残高報告書を見る
基本的にはファンドを買った証券会社や銀行で、本人確認が取れたら教えてもらえます。
また、ネット証券なら資産状況を確認できる画面を見れば個別元本も合わせて確認できますよ。
さらに、金融機関から定期的に送られてくる取引残高報告書を大事に保管しておけば、過去の個別元本の変化も見直すことができるのでしばらく取っておくのもおすすめです。
お手軽にするならSBI証券や楽天証券などのネット証券を使うのがいいですよ。
シミュレーションで未来の個別元本がわかる!
追加購入をする前に、未来の個別元本を知ることができたら便利ですよね。
スルガ銀行の修正個別元本計算シミュレーションというページなら、現在の投資金額とこれから買う予定のファンド口数から簡単に購入後の個別元本を計算してくれますよ。
あくまでもシミュレーションなので、計算で出た個別元本は参考程度に考えたほうがいいですが、追加購入のタイミングを判断するにはおすすめです。
証券会社に相談するよりも断然早いので、追加購入をしたいと思った時には気軽に活用してみてください。
積立なら個別元本はこまめにチェック!
積立投資信託やつみたてNISAをしている場合は、個別元本が毎月変化することになります。
長期投資では毎回の個別元本の変化に一喜一憂する必要はないですが、基準価額と比べて大きな差が出ている場合は対策を考えたほうがいいですね。
例えば、個別元本よりも基準価額のほうが明らかに上がっていて大きな利益が出ているなら、一旦売却してしまうのもありだと思います。
逆に、基準価額が低すぎてこのまま積み立ててもしばらく個別元本を超えそうにないなら、積立金額を増やして個別元本をより下げるか、損失を最小限にするためにしばらく積立を止めてみるという手もありますよ。
さいごに
個別元本の見方がわかれば運用のバリエーションも広がるので、曖昧な部分は正しく知っておきましょう!
特に平均取得単価と間違えやすいので、それぞれの違いをしっかり確認して区別してください。
個別元本の計算は、自分でスムーズにできれば追加購入したい時に便利ですが、ネットでもすぐにチェックできるので無理して計算式を覚えなくて大丈夫です。
自分に合ったやり方で、個別元本をこまめにチェックしてくださいね!