ベア型ファンドとは?買える商品の一覧を証券会社ごとに紹介・買う時のポイントや注意点まとめ

齋藤 めぐみの画像

投資信託をしていると、ブル・ベアという言葉を見ますよね。

特に、日経平均のベア型ファンドは、持っているだけで株安のリスク回避になりますよ!

このページでは、そんなベア型ファンドの特徴や注意点をわかりやすく解説していきます。

マニアックなファンドですが、知識だけでもしっかり抑えておきましょう!

ベア型ファンドとは?買える商品の一覧を紹介

ベア型ファンドとは?

ベア型ファンドは、下落相場のときに利益が出る投資信託です。

近年では、ETFでも取り扱われるようになり、株式市場でも売買できるようになりました。

ただ、「どうして、相場が下がっているのに利益が出るの?」と疑問に思いますよね。

利益が出る理由は、ベア型ファンドが先物取引や信用取引を利用しているからです。

先物取引や信用取引では、売るところから取引をスタートできます。

対象銘柄を高く売ってから安く買い戻すという特殊な取引をおこなうことで、下落相場でも利益を出せるのです。

ちなみに、ベアという呼び方は、熊が前足を振り下ろして攻撃するしぐさが由来になっていますよ!

ベア型ファンドの特徴は?

ベア型ファンドには、一般的な投資信託にはない特徴があります。

  • 株価が下がっているときに上昇する
  • 市場より大きく値動きする
  • 倍率が選べる

株価が下がっているときに上昇する

先ほど書いたように、ベア型ファンドは、対象銘柄の株価が下がるほど利益になります。

このような値動きをするファンドは、他にはありません。

当然ですが、普通、ファンドは市場の動きと連動していますよね。

「ベア型ファンドはマニアック」とも書きましたが、まさに唯一無二の特徴を持つファンドです。

そんな独自性が投資意欲をくすぐるので、一部の投資家の間では根強い人気を誇っていますよ!

市場より大きく値動きする

ベア型ファンドは、市場の値動きに対して2~5倍の成果を目指して運用されています。

例えば、3倍のベア型ファンドを買って、その後、10%前後の株価変動があったら下のようになります。

株価変動運用成果
10%上昇約30%マイナス
10%下落約30%プラス

要は、倍率の分だけ市場と逆の値動きをするのです。

良くも悪くも値動きが大きいので、ベア型ファンドはハイリスク・ハイリターンな投資商品ですね。

倍率が選べる

倍率は、ファンドによって違います。

中には、3.5倍や4.3倍など小数点がついているファンドもありますよ。

投資対象もファンドによって違うので、多くの証券会社から比較・検討してみてくださいね!

そうなると、具体的に、どんなファンドがあるのかが気になりますよね。

次の項目で、詳しく解説しますよ!

会社別ベア型ファンド一覧

ここからは、証券会社や銀行ごとにどんなファンドを揃えているのかをまとめています。

すでに投資信託の口座を持っているところなら、すぐにベア型ファンドを買うことができますよ!

楽天証券・新生銀行

楽天証券新生銀行のベア型ファンドは、今のところラインナップが全く同じです。

ファンド倍率対象
SBI日本株3.7ベアIII3.7倍日本株
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株
日本トレンド・セレクト リバース・トレンド・オープン1倍日本株
日本債券ベアファンド(5倍型)5倍日本債券

全4本のうち、3本が日本株、1本が日本債券が投資対象になりますよ。

倍率が1倍の日本株ファンドもあるので、できるだけリスクを抑えたいときにおすすめですね。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券も、楽天証券・新生銀行と3本中2本が被っていますね。

ファンド倍率対象
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株
楽天日本株3.8倍ベア3.8倍日本株
SBI日本株3.7ベアIII3.7倍日本株

唯一、違うのは「楽天日本株3.8倍ベア」だけです。

ジャパンネット銀行

ジャパンネット銀行は、1つしかベア型ファンドがありません。

ファンド倍率対象
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株

「楽天日本株トリプル・ベアⅣ」は、多くの証券会社で扱っていて安心感がありますね!

auカブコム証券

auカブコム証券には、他の証券会社にはないファンドもありますね。

ファンド倍率対象
SBI日本株3.7ベアIII3.7倍日本株
楽天日本株トリプル・ベアⅢ3倍日本株
スーパーボンドベアオープン34倍日本債券
日本債券ベアファンド(5倍型)5倍日本債券

日本債券のファンドが2本もあるので、リスクの許容度に合わせて選びましょう。

ソニー銀行

ソニー銀行のラインナップも、楽天証券・新生銀行と似ています。

ファンド倍率対象
楽天日本株3.8倍ベア3.8倍日本株
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株
日本トレンド・セレクト リバース・トレンド・オープン1倍日本株
日本債券ベアファンド(5倍型)5倍日本債券

違うのは、「SBI日本株3.7ベアIII」の代わりに「楽天日本株3.8倍ベア」を扱っているところですね。

LINE証券

2018年にできたばかりのLINE証券にも、ベア型ファンドはありましたよ!

ファンド倍率対象
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株

とはいえ、ジャンネット銀行と同じく、「楽天日本株トリプル・ベアⅣ」一択となっています。

これから選択肢が増えることに期待したいですね。

SBI証券

SBI証券のベア型ファンドは、種類が豊富ですよ!

ファンド倍率対象
SBI日本株3.7ベアIII3.7倍日本株
SBI日本株3.8ベア3.8倍日本株
楽天日本株3.8倍ベア3.8倍日本株
楽天日本株トリプル・ベアⅣ3倍日本株
日本株ダブル・ベアファンド2倍日本株
日本債券ベアファンド(5倍型)5倍日本債券
スーパーボンドベアオープン34倍日本債券

他にも、SBI証券には、北米・欧州・アジア・オセアニア地域のベア型ファンドもありますよ!

大和証券

大和証券は、国内ものは1つだけです。

ファンド倍率対象
ベア2倍日本株ポートフォリオⅤ2倍日本株

ただし、海外ものなら3種類もありますよ!

大和証券でベア型ファンドを買うなら、国内外を投資対象にして選ぶといいですね。

ベア型ファンドの注意点は?

ベア型ファンドはハイリスクな商品なので、必ず事前に注意点を確認しておきましょう。

  • 必ずしも指数と一致しない
  • 損失も倍率で大きくなる
  • 長期保有には向かない
  • 信託報酬が割高

必ずしも指数と一致しない

ベア型ファンドの運用成果は、指数との連動を目指すというところがポイントです。

絶対に指数と同じ動きをするというわけではないので注意しましょう。

値動きが一致しない理由は、下のようなものが投資期間中に入ってくるからです。

  • 手数料
  • 配当
  • 金利
  • 約定日や受渡日による日程のズレ

さらに、後で詳しく触れますが、ベア型ファンドは長期保有するほど基準価額が下がるという特徴を持っています。

ベア型ファンドを買ったら、できるだけまめに投資対象の指数と見比べておきましょう。

損失も倍率で大きくなる

ベア型ファンドのメリットは、倍率の効果で大きく値上がりするところです。

しかし、裏を返すと、少し指数が上がっただけでも値下がりが大きくなってしまいます。

そういう意味で、ベア型ファンドはハイリスク・ハイリターンな投資商品です。

利益が大きくなるところだけを見てしまいがちですが、大きな損失を出す可能性も考えて、購入を検討しましょう。

しかし、信用取引や先物・オプション取引とは違って、投資金額以上の損失は出ません。

もちろん、追加保証金の心配もありませんよ。

ベア型ファンドは、信用取引などに比べたら、ローリスクとも言えますね。

長期保有には向かない

ベア型ファンドは、短期保有向けの商品です。

長期で保有することはおすすめしません。

なぜなら、長く持つと、基準価額が少しずつ下がっていくという特徴があるからです。

ベア型ファンドを買うなら、具体的に「いつ売るか?」を決めてからにしましょう!

信託報酬が割高

ベア型ファンドは、信託報酬が普通よりやや割高な傾向にあります。

全体的に、投資信託のコストが安いことで有名な楽天証券ですら、こんな感じです。

ファンド信託報酬
SBI日本株3.7ベアIII0.913%
楽天日本株トリプル・ベアⅣ1.023%
日本トレンド・セレクト リバース・トレンド・オープン1.012%
日本債券ベアファンド(5倍型)0.572%

さすがに、1%を超えると「高いな…」と思ってしまいますよね。

ハイリターンが見込める商品なので妥当なコストですが、やはり買い手としては、信託報酬は安いに越したことはありません。

ベア型ファンドを買う時のポイントは?

先ほどの注意点を見て、「じゃあ、どんな時にベア型ファンドを買えばいいの?」思いますよね。

もちろん、投資は自己責任なので、断定的なことは言えません。

しかし、私が考える「こうするといいかも」程度のポイントは紹介したいと思います。

ベア型ファンドを買う時の参考にしてくださいね!

  • 指数が下がりそうな時に、買う
  • 最初は、倍率の低いファンドを選ぶ
  • 大金を入れない
  • 売るタイミングを決めておく
  • ノーロードのファンドを選ぶ
  • 信託報酬の安いファンドを選ぶ
  • NISA口座を使う
  • 値動きをまめにチェックする

指数が下がりそうな時に、買う

投資信託にしては面倒ですが、ベア型ファンドを買う前には必ず、今後の指数の値動きを予想してみましょう。

ベア型ファンドは短期保有向けですから、長期的に値上がりを待つわけにはいきません。

となると、自分なりに考えて「今後、数年以内にきっと指数は下がるだろう」と思えるものに投資しなければいけませんよね。

もちろん完璧に当たることはあり得ません。

それでも、自分でしっかり考えて保有することが大事になります。

また、専門家の意見に流され過ぎないように注意しましょう!

投資は自己責任が大原則で、予想が外れても誰かのせいにはできませんからね。

最初は、倍率の低いファンドを選ぶ

ベア型を買うなら、はじめは倍率の小さいファンドがおすすめです。

2倍や3倍のファンドがいいですね。

一方、5倍など倍率が大きめのファンドは、日々の値動きも大きくなるので気持ちも不安定になりがちです。

倍率が大きなベア型ファンドを買うなら、何度もベア型を売買して慣れてきてからチャレンジしてくださいね!

大金を入れない

ベア型ファンドは、長期的に国や企業の成長に投資するファンドではありません。

一時的な指数の値下がりを見込んで売買するものなので、他の投資信託とは分けて考えましょう。

そのため、資産を全てベア型ファンドにしてしまうのはあまりにもハイリスク過ぎます。

ベア型ファンドは、資産のごく一部をリスクヘッジ目的で保有するのがおすすめですよ!

売るタイミングを決めておく

何度も書いてしまいましたが、ベア型ファンドは短期向け・事前予想が大原則の商品です。

売るタイミンも、もちろん買う前から具体的に決めておく必要がありますよね。

できれば、1~2年以内に売って欲しいです。

明確な理由があるならそれ以上長くてもいいかも知れませんが、基準価額が下がるリスクが大きくなっていくことを理解しておきましょう。

ノーロードのファンドを選ぶ

今や、だいたいの投資信託はノーロードですよね。

ベア型ファンドも例外ではありません。

ただし、ごくまれに購入手数料がかかるものもあるので、確認はしっかり行いましょう。

信託報酬の安いファンドを選ぶ

購入手数料はかからないファンドでも、信託報酬には注意が必要です。

信託報酬が無料はファンドは、ないと思っていいでしょう。

絶対に払わなければいけない費用なら、できるだけ安く抑えたほうが利益も増えますよ!

どんなファンドでも、買う前には必ず説明書をよく読んで、信託報酬の割合を確認してくださいね。

ベア型でおすすめなのは、信託報酬が1%未満のファンドです。

NISA口座を使う

ベア型ファンドでも、NISA口座を利用できますよ!

特殊な商品だからといって、間違って特定口座で買わないように気をつけてくださいね。

税金を無駄に取られないように、ベア型もしっかり非課税枠で保有しましょう!

値動きをまめにチェックする

ベア型ファンドは、値動きが激しく大きな波がある商品なので、できるだけまめに値動きをチェックして欲しいです。

ただし、急に上下したからといって急いで売買する必要はありません。

基本的には、購入当初に決めたタイミングを信じて冷静に判断してください。

急激な変化があったら「どうしてこうなったのかな?」と分析して、その後の運用に活かすという姿勢がいいと思います。

ベア型のETFもおすすめ

ここまで、投資信託のベア型ファンドについて詳しく説明してきました。

しかし、投資信託だけではなく、株式でもベア型の商品を売買することができますよ!

ちなみに、株式市場では、ベア型のことを「インバース型」といいます。

株式市場で買えるインバース銘柄は、国内ものだけでもこんなにあって選択肢が多いですね。

銘柄倍率対象
TOPIXベア上場投信1倍TOPIX
ダイワ上場投信-TOPIXインバース(-1倍)指数1倍TOPIX
TOPIXベア2倍上場投信2倍TOPIX
ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数2倍TOPIX
NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信1倍日経平均
日経平均ベア上場投信1倍日経平均
ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス1倍日経平均
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信2倍日経平均
日経平均ベア2倍上場投信2倍日経平均
ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス2倍日経平均
楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型2倍日経平均
ダイワ上場投信-JPX日経400インバース・インデックス1倍JPX日経400
JPX日経400ベア上場投信(インバース)1倍JPX日経400
NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信1倍JPX日経400
ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックス2倍JPX日経400
JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース)2倍JPX日経400
NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動型上場投信2倍JPX日経400

ETFなら、株式と同じ時間内で自由に売買できるのが大きなメリットになりますね。

しかも、投資信託より信託報酬が安めに設定されているところも、おすすめのポイントです!

実は、私もETFでベア型を持っていました。

もともと、オリンピック前後の株価下落を狙って昨年から仕込んでいたのです。

保有銘柄の最近の値動きを見てください。

ベア型ETFの値段推移

2020年3月、日経平均が16,000円代まで大きく下がりました。

それに連動して、このベア型ETFは、値段が急に上がっていったのです。

この急上昇はかなりレアケースなので、ベア型を持っていれば必ずこうなるわけではありません。

しかし、「こういうこともある」ということで、夢がある商品ですよね!

ただし、ETFは、株式のルールで買い手が極端に少ないと売りたくても売れないことがあります。

確実な売買を望むなら、投資信託でベア型ファンドを買ったほうがいいですよ。

さいごに

ベア型ファンドは、高リスク商品ですが、すでに持っている投資商品のリスクヘッジになるのでおすすめです。

注意点をあらかじめ確認していれば、追加保証金のある信用取引のように大きな損失は出ません。

たくさん買わなくてもいいので、一部の資産をベア型もしくはインバースにするだけで安心材料になりますよ!

この記事を書いた人

1990年生まれ。2児の母。社会保障・資産運用・ドラッグストアのお得な活用術をご紹介。銀行勤務で培った知識と、実践している投資の経験から、役立つ情報をお届けします!