仕事を始めた場合、待ち遠しいのが給料日ですよね。
僕も初めてアルバイトをしたときは、指折り数えて楽しみにしていたものです。
実際に働く前、たとえば給料日について以下のようなことが気になりませんか?
- 給料日はいつ?
- 給料日が土日祝日に重なると前日になる?後ろにずれる?
この記事では、素朴な疑問から給料日の一般的なことを元給料計算担当者の僕が紹介していきますね。
給料の支払いについての法律上の規制
少しだけ、給料のことについて紹介します。
▼給料明細をみると、たとえば以下のような項目がありますよね。
- 基本給
- 通勤手当
これらの名前や金額について、会社は自由に決めることができるんですよ。
なぜかというと、私的な法律関係を規制する大原則である『契約自由の原則』にもとづいているからです。
つまり、給料日についても『月末締め翌月10日支払い』のように、自由に決められます!
働くことも実は契約の1つです。
入社する前に、会社と『雇用契約書』を結びますよね。
自由に金額を決められるといっても、『最低賃金』以上の報酬を提示しなければいけません。
また、入社時には以下のようなことを社員へ説明しなくてはいけませんし、『就業規則』という会社の規則で規定する必要があります。
- 給料の計算方法(残業代など)
- 支払時期(給料日)
給料について説明もないし就業規則なんてない、という会社の場合は避けたほうがよさそうですね…。
なお、10人未満の会社では就業規則を作成する義務ががないので、「うちにはない!」という場合もあるので注意が必要です。
給料の支払いルール
給料の支払いについては、労働基準法で定められる5つの原則があります。
- 通貨払いの原則
- 直接払いの原則
- 金額払いの原則
- 毎月1回以上払いの原則
- 一定期日払いの原則
給料日に関係がありそうなのは、4番目の『毎月1回以上払いの原則』と5番目の『一定期日払いの原則』ですね。
▼毎月1回以上払いの原則は、以下のような内容ですよ。
毎月とは暦月のことで、年俸制であっても毎月1回以上支払う必要がある。
求人情報に年俸制と書かれていても年に1回ではなく、12分割された金額(給料)が毎月入ってきます。
▼一定期日払いの原則は、以下のような内容ですよ。
でもだいたい、『月末締め翌月10日支払い』のようにわかりやすく決められていますよね。
昔の給料日と現在の給料日
先ほど、給料は『毎月1回以上払いの原則』があるとお伝えしました。
毎月支払うということは、どこかで区切って計算をしなければなりませんよね。
それが、給料計算の締切日です。
たとえばですが『月末締め翌月10日支払い』の場合、締切日は『月末』になります。
昔は『20日締め当月25日支払い』が多かったそうですよ。
締切日と給料日の間が5日間しかないですよね!
給料計算していた身からすると、「そんな短期間にできない!」と思ってしまいます。
現在の給料は手渡しではなく、金融機関(銀行など)からの振込を利用するため、締切日から支払日まで余裕を持たせておくところが多いです。
その理由としては振込データを3~4営業日前までに、銀行へ渡しておく必要があるからといわれています。
▼僕の前職は、以下のように『月末締め翌月20日支払い』でした。
営業会社だったので、毎月営業成績によって給料査定の変更があり、給料(基本給)が上がったり下がったりしていたんですよね。
そのため、月末に締めてからの給料計算が大変でした。
給料計算をしていた側からすると、翌月20日支払いはありがたかったですよ。
締切日と支払日を、会社が自由に決められるという裏側には、こんな理由があったりもします。
逆に1年に1回(多くは4月)にしか給与査定がない会社の場合は、毎月基本給が変わる事もないので計算が楽です。
そんな会社は、締切日から支払日までが短い性質があります。
よくある給料日
給料日は、それぞれの会社によって違います。
でも特徴はあるんですよ。
それが、『五十日(ごとおび)』というものです。
耳馴染みのないことばですよね。
▼五十日(ごとおび)とは、以下の日付のこと。
- 5日
- 10日
- 15日
- 20日
- 25日
- 30日
給料日って、『5日』とか『20日』って多くないでしょうか。
だいたい5の倍数に固まっているんですよ。
もちろん、会社が好きな日付を決める事ができるので、『3日』という会社もあるかもしれませんね。
転職をした場合、前職では『5日』が給料日だったのに、転職先では『25日』になることがあります。
以前より給料日が20日も先になるので、生活費のやりくりをよく考えなくてはいけませんよね。
給料日が土日祝日に重なると前日になる?後ろにずれる?
毎月の給料日が5日だと仮定します。
2018年5月5日は土曜日。
この場合、給料日は前倒しになるでしょうか?
それとも後ろにずれるでしょうか?
正解は、どちらもあり得ます。
というのも、この部分も会社が自由に決めていいからなんですよ。
▼前職の場合、雇用契約書には以下のように書かれていました。
給料日が前倒しになると、なんだかうれしいですよね。
▼先ほどの例で説明をすると、前倒しになった場合は5月2日(水)が給料日となります。
▼後ろにずれた場合は、5月7日(月)ですね。
前倒しになる場合と、後ろにずれる場合を比べると5日間も違います。
どちらにしても5月中に給料はもらえますが、口座振替に影響が出そうですよね。
給料日のタイミングが前から後ろかによって、水道光熱費などの振替のことも考えることも必要です。
また、クレジットカードの支払いがこの時期の場合は悩みが増えてしまいます。
お盆の給料日はどうなるの?
日本には、お盆の時期がありますよね。
日付としては、だいたい8月10日~8月15日くらいを思い浮かべるのではないでしょうか。
給料日に設定される「五十日」の10日と15日が含まれていますよね。
お盆休みを設定する会社もあるので、たとえば会社が毎月10日や15日に給料日を設定していた場合、振込がどうなるのか気になるところです。
この場合も、会社の給与規定によって「前倒し」になるか「後回し」となります。
たとえば、2019年8月10日を見てみると土曜日のため、それぞれの振込日を見ると以下のとおりです。
給与規定 | 実際の振込日 |
---|---|
前倒し | 2019年8月9日(金) |
後回し | 2019年8月13日(火) |
後回しの場合、いつもより3日間も遅くなってしまうので、お盆中のお金の用意に困ってしまいそうですね。
お盆は、何かとお金を使うこともあるかもしれないので、事前準備が必要ですね。
アルバイトやパートの給料日はどうなの?
給料計算の都合上、多くの場合に給料日は正社員と違いはなく、同じ日になっています。
別々だと給料計算がたいへんなんですよね…。
でもたとえば、以下のようなこともありますよ。
- 正社員は5日が給料日
- アルバイトは20日が給料日
雇用形態によって給料日を分けている会社も、もちろんあったりするんですよ。
これも会社は自由に決めることができます。
僕の経験ですが、まったく別業種の会社がグループとして加入したとき、雇用形態によって給料日が違うことにビックリした覚えがあります。
買収した会社の給料日が違ったらどうなる?
これも僕の体験談です。
先ほど少しお話ししましたが、まったく別業種の会社がグループとして加入したことがありました。
その会社の給料日は『月末締め翌月10日』で、僕がいた会社の給料日は『月末締め翌月20日』だったんです。
10日も違いますよね。
後々の給料計算を考えて、20日に統一することを決めました。
新たに加わった会社の社員は、給料日がいきなり10日から20日に延びると、生活費のやりくりや水道光熱費等の振替に影響がでますよね。
そこで半年の期間をかけて、段階的に給料日を20日に近づけていったんですよ。
- 最初の2ヶ月は今までとおり10日
- 次の2ヶ月は15日
- 最終の2ヶ月で20日
徐々に慣れていってもらった感じですね。
会社がすることといえば、社員に告知をして就業規則を変更すれば大丈夫です。
たまたま給料計算の締切日が一緒だったからよかったものの、違っていた場合はもっと苦労しそうですね。
さいごに
給料日は会社が自由に決めてよいことになっています。
その会社で社員として働く時は、給料日がいつになっているかなど、会社の決まり事をキチンと確認することが大切です。
最初にもらう『雇用契約書』や『労働条件通知書』などには、文字がたくさん書いてあり読むのが嫌になりそうですが、絶対に読んでおいたほうがいいですよ。