買取の裏側から環境・地域・社会貢献まで!バリューブックス上田原倉庫で査定から販売の流れを見てきました

まきはら とよかずの画像

こんにちは!
スマートフォンだけなく、インターネット上で利用できる便利なサービスにも関心の強い、ライターのまきはらです。

オンラインでの本の買取サービス「バリューブックス」や「Vaboo(バブー)」はご存知ですか?

ノマド的節約術でも、過去に利用したことがあり、そのときは高く買い取ってもらえました。

これらのサービスを運営する、株式会社バリューブックスさんの倉庫に先日実際にお邪魔し、取材させていただく機会がありました。

オンライン買取といっても、実際に買取依頼した本がどのような流れで「査定 → 買取 → 販売」と流れていくのか、なかなか見ることができませんよね。

今回は、そんな取材で見てきた裏側を紹介していきます。

バリューブックスについて

バリューブックスがスタートしたのは2007年。
今年でちょうど10年目を迎えました。

現在は長野県上田市内に3箇所の倉庫を構えて買取・販売を実施しています。

買取は自社サイトから、販売はAmazonのマーケットプレイスからと、利用者側から見ればいずれもインターネット上で手続きが済むことが大きな特徴です。

少量でもそこそこの重さになる本であるだけに、自宅で発送から受け取りまでできる点はとても魅力的ですよね。

▼今回最初にお邪魔したのは上田原倉庫。
倉庫から徒歩30秒ほどで電車の駅があるという、中で働く人にとってもうれしい環境になっていました。

バリューブックス上田原倉庫

この上田原倉庫では150名弱が雇用されていて、1日に約50名ほどが勤務しています。

3倉庫(秋和、上田原、岡)合わせた雇用者は300名以上とのことなので、上田原倉庫だけでその半数の人たちが働いていることになります。

そんな上田原倉庫ではバリューブックスやVabooから買取申込された本などが毎日何度も運ばれていました。

▼毎日届く本の量は、上田原倉庫だけでも8トントラック1台分に相当するのだとか。かなりの量ですよね。

バリューブックス上田原倉庫の内部

なお、上田原倉庫では、Amazonに出品後に購入された商品の発送作業も行なっており、そちらも1日に5,000点以上が出荷されています。

Amazonマーケットプレイスで本を販売している会社の中では、トップの販売数を誇るそうですよ。

さらにすごいのは、倉庫から出荷されていく量よりも買取依頼品として届く本のほうが多いということ。

▼倉庫内の大部分のスペースは買取された本、CD、DVD、ゲームなどがサイズごとに整理され、丁寧に収納された棚がずらりと並ぶ圧巻な光景になっていました。

バリューブックス上田原倉庫の内部
バリューブックス上田原倉庫の内部

実際に査定風景を見学させてもらいました

実は今回取材にするにあたり、事前に私もバリューブックスに買取を申し込んでみました。

▼送った本は、下の写真の通りです。

バリューブックスで書籍買取を依頼

▼倉庫に届いた本はまずはじめに申込者が何箱で送ってきたのかを確認し、箱が全て揃ってから査定をはじめていきます。

査定のため書籍を箱から取り出す

コミックやライトノベルなど巻数が揃った本を買い取る場合はセット買取で価格が上がるため、そこを漏らさず査定できるようにするためなのだそうです。

▼箱が全て揃ったら、セットとなるものがないかを確認した上で査定をスタート。

査定作業用の作業台

本の査定価格はすべてプログラムされた専用のシステムが計算してくれます。

価格はすべてデータベースに登録されており、市販の本には必ず付いているISBNを使って査定を実施。

作業をする担当者はこのバーコードをひとつずつ読み取っていきます。

▼ここでの担当者の仕事はISBNの読み取りと、もうひとつが本のコンディションの判断。

本査定中の様子

これは長年にかけて多くの本をチェックしてきた作業リーダーのアドバイスを元に、担当者が目視で柔軟に判断していきます。

コンディションについてはランクを入力するのみで、その内容によって査定額は自動で計算されますよ。

金額を”直接”担当者が設定するということはないため、担当者ごとの判断による査定価格のバラつきは出ない仕組みとなっています。

判断基準には「背表紙にキズが入っていたらワンランクダウン」などの厳格な基準は設けていないのですが、これはなるべく買取ができるようにという考えによるもの。

厳格に基準を設けてしまうと、そのポイントしか減点対象がない、他の点ではきれいな状態なのに買取ができないというケースも発生してしまいます。

それを無くし、できる限り買取価格として値段が付けられるようにしているそうですよ。

また、コンディションの判断に迷ったら「良いコンディション」として判断し、買取を実施しているそう。

査定風景を見学し話を聞く中で、要所に買取依頼をする利用者にとってうれしい心遣いを感じました。

▼今回は5冊以上で配送料が無料になるとのことで、家の中にあった読了本を5冊買取してもらいましたが、査定作業は非常にスムーズ。ものの数分であっという間に終わってしまいました。(今は1箱送料500円引かれる)

本査定中の様子

査定し終わった本は一度仮の保管棚に移され、査定結果をメールで連絡し、了承を得ることができたら在庫の棚へと移動するとのこと。

査定が済んだ本

わずかながら、中にはコンディションの関係などでどうしても査定額が低くなってしまい、返送を希望されるケースも。

▼ただ、ここで驚きだったのが、返送時は新しい箱に丁寧に梱包しなおして送り返してくれるということ。もちろん返送料も無料です。

返送品は新品のダンボールにて梱包
返送品は新品のダンボールにて梱包

買取前の預かり品とはいえ、ここまで丁寧に扱ってもらえるとわかると、査定結果によって買取をお願いするか考えようという場合でも安心してお願いすることができますよね。

個人的にもとても好感を抱いたポイントのひとつでした。

バリューブックス・Vabooでなるべく高く買い取ってもらうためのコツ

実際に査定風景を見学し、話を伺う中で「なるべく高く買い取ってもらうために意識したいコツ」にいくつか気が付きましたので、紹介しておきますね。

巻数が少しでもまとまっているものはセットで売る

主にコミックやライトノベルなど、巻数が多いものについてのことです。

巻数が少しでも揃っている本は、まとめて一度に買取してもらったほうがより高い値段をつけてもらえる可能性があるそうです。

この話を聞いて「歯抜けはだめなんだろうなぁ・・・」と思っていたのですが、聞いてみるとそうでもないのだとか。

というのも、バリューブックスでは現在発売されている巻数に対して、何冊抜けがあるかをチェックしているんですよ。

例えば現在30巻まで発売されているコミックがあったとして、「1~28巻」までの28冊がセットになっているものと「1~24巻、27~30巻」で28冊のセットになっているものは、同じ「28冊セット」として扱ってもらえるんです。

昔のコミックでコンディションもあまり良くないと、どうしても1冊数円という買取値になってしまうこともあるのですが、セットで揃っているとそれだけで高めのセット価格が適用してもらえる可能性があるのだとか。

これを聞くと、なるべくセットで買取を依頼したほうが良いのは間違いないですよね。

なお、バリューブックスでは買取依頼をする際には、送る本のタイトルや揃っている巻数などの細かい情報は入力する必要がありません。

買取を依頼する本の情報として登録するのは送る箱数のみ。
つまり、送った本がセットとして揃っているかは倉庫に本が届いて、箱を開けて初めて分かることになります。

ですので、特にセット品を送る場合は「セット品は1つの箱に入れる」ということを意識してみましょう。

こうしたちょっとした意識でも、より取りこぼしなく気づいてもらえ、結果的に高く買い取ってもらえる可能性が高くなりますよ。

まとめておくことでバリューブックスの方の作業時間も短縮されます。

価値のありそうな非売品は別のお店を利用する

バリューブックスでは買取品を査定する際、本に付いているISBN(国際標準図書番号)のバーコードを読み取ります。

これは逆にいうと、ISBNが付いていない本は査定ができない=買取ができないということでもあります。

ここで意識したいポイントは、非売品だけど価値が高いと思われるものは、あらかじめバリューブックス以外のサービスで買取をお願いするほうが賢いということです。

例え市場での価値が高い本でも、ISBNがないものであればバリューブックスでは買取ができません。

ですので、ISBNがないけれど買取などでお金に変えたいものははじめからヤフーオークションなどで販売する、といったことを考えておくのがよいでしょうね。

書き込みや端折りあとがある本もダメ元でお願いしてみる

本のコンディションという意味でわかりやすいポイントのひとつに本自体への書き込み、あるいは端折りあとといったものがあります。

こういったことがされている本は売れないだろうなぁ・・・とつい買取依頼も試さずに廃棄してしまっていませんか?

バリューブックスでは書き込みや端折りあとがある本でも、その本自体の価値が高かったり、その他のコンディションが悪くなければ買い取ってもらえる可能性があるんです。

中でも驚きだったのは、参考書や問題集などは稀に、あえて書き込みがされているものを問い合わせて購入する人もいるということ。

確かにはじめから答えが書き込んである本は人によっては便利に使える可能性がありますよね。完全に目からうろこでした。

自分自身で価値がないと思っている本でも、人から見ればまた異なった価値があるケースも、というひとつのよい例ですよね。

どうせ廃棄するつもりであったのならダメ元で。
家に眠っている使用済みの参考書、問題集などもバリューブックスに送ってみるとうれしい結果になるかもしれませんよ。

ただ買う・売るだけじゃない。環境・社会・地域貢献にも積極的

ついつい買取・販売だけに目が行きがちですが、実はバリューブックスでは環境や社会、地域への貢献にも積極的です!

例えば買い取ったものの、どうしても販売ができなくなってしまった商品。
一般的には古紙回収にまわしてリサイクルといった流れになりそうなものですよね。

でもバリューブックスではそういった本も可能な限り、”本を必要としている人”へと届けるプロジェクト「ブックギフトプロジェクト」に利用しています。

ブックギフトプロジェクトはフリースクールや学校、保育園、養護施設、老人ホーム、介護施設、病院、NPOといった本を必要としてくれるところに無償で本を提供しています。

現在では長野県と東京都を中心に、40を超える提供拠点に展開。

また買取額を買取申込者ではなく、買取申込者が指定した団体へ寄付することができるプロジェクト「caribon(チャリボン)」も業界として初めて導入しました。

社会的な課題解決に取り組むNPOや学校、自治体といった団体へ寄付することで社会にも大きく貢献しています。

これまでこのチャリボンを通じて寄付した総額は2億円を超える(!)とのことで、古本の買取から生まれたお金と考えると、その規模の大きさ・件数の多さがわかりますよね。

さらに上田市内にはバリューブックス初となる実店舗「NABO(ネイボ)」も営業中。

落ち着いた雰囲気でのんびり読書を楽しむもよし、毎日開催されている楽しいイベント目当てに通うもよし。地域の人が集まる憩いの場も提供しています。

バリューブックス 上田市 ブックカフェ NABO

さいごに

ただ本という”モノ”を売り買いするのではなく、本という”価値”をできる限り生かし、環境・地域・社会に貢献していきたいという強い気持ち。

こういったものを今回取材させていただく中で強く感じました。

買取や査定の内容を知って安心して本を預けることができると感じられることはもちろん、自分の手元では不要になった本の価値をできる限り探してくれる。

こういった背景も知ると、読み終わった本を手放す時の寂しい気持ちもポジティブに変わりますよね。

自分にとってはもう価値がなくなってしまった本でも、誰かにとっては魅力的な1冊である

そんなことを考えつつ、バリューブックスを利用して前向きに本を整理してみるのもよいのではないでしょうか。

参考:バリューブックスの買取サイトはこちら
参考:Vabooの買取サイトはこちら

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

スマホをはじめとする「ガジェット」に関心が強いフリーランスのブロガー/ライター。海外からの個人輸入を通じて気になる製品をおトクに入手する方法を追いかけるかたわら、購入費用の捻出に活きる“日常での節制・節約”を日々勉強中です。得意分野の「モバイル関連」情報をメインに、実体験から得た知識・経験をわかりやすく噛み砕いてお届けします。