「眉を分析して顔のコンプレックスを魅力に」新しい美容家を目指す、竹内梨紗さん

みやじままいの画像

突然ですが、「美しい顔」ってなんでしょう?

人は左右の顔が均等に近いほど「整っていて美しい」と感じるのだそうです。

そして、表情のバランスを決めるのに重要なパーツが実は「眉毛」。


「骨格と表情筋に合わせて眉毛を整えることで、驚くほど顔の印象を変えることができます。

顔のコンプレックスが解消されることで心も前向きになれる。眉にはそんな可能性を感じています」

そう語るのは、自由が丘で「眉&まつげ専門サロン Riico(リーコ)」をひとりで経営する竹内梨紗(たけうち りさ)さん。

数ある美容施術のなかで、なぜ眉毛に注目するようになったのか、お話を聞いてきました。

竹内梨紗(たけうち りさ)さんインタビュー

眉が変われば内面も変わる。眉の分析には、単なる美容ではない深いものを感じた

── 「眉毛」の専門店ってめずらしいですね。どのような施術をするんですか?

竹内さん:
そうですよね。まつ毛パーマやエクステなど、まつ毛の専門店は多いですが、眉毛はまだ少ないですね。

私がお店で提供しているのは整顔眉学(せいがんまゆがく)に基づいた「整顔美眉(せいがんびまゆ)」という施術です。

── 整顔眉学?

竹内さん:
眉を整えて「なりたい顔」に導くということです。

まず、お客さま一人ひとりの骨格や筋肉の癖を分析し、同時にコンプレックスに感じている部分の原因を探ります。

さらに「なりたい顔」や「理想のイメージ」をお聞きして、それを元に眉を整えていきます。

 

── 眉毛を変えるだけで、なりたい顔になれちゃうんですか?

竹内さん:
もちろん整形のように、まったく違う顔に変えることはできないんですけど。

ただ、顔の印象ってパーツのバランスで左右されるので、結構印象は変わりますよ。

絵を描くことを考えるとわかりやすいかも。目は同じでも眉毛をつり上げれば怒ってみえるし、下げれば悲しそうに見える。

眉毛って、顔の印象を司っていると言っても過言ではないんです。

▲左右の顔は目と口のパーツはまったく同じ。眉毛を変えるだけで、怒り顔と泣き顔、まったく違う表情になる

 

── ・・・なるほど! たしかに。

竹内さん:
パーツの形、大きさ、位置、人の顔はみんな違います。

なので、うちでは眉型プレートを使って誰でも同じような眉毛にする、といったことはしません。

正面左右から写真を撮って顔を分析して、お客様のなりたい顔のイメージを聞きながら、本来持っている顔の魅力を最大に引き出せるよう、オーダーメイドで眉の形を作ります。

── 実は私、眉毛がコンプレックスなんです。子供の頃ケガをして毛が生えてこない場所があるのと、それを気にして眉毛を触るクセがあって、悲しいくらいゲジゲジ眉で・・・。

竹内さん:
見せてもらっていいですか? あぁ、なるほど。眉毛がまばらな部分はありますが、ウブ毛も毛量もあるので、ワックス脱毛を使った眉形成技術を使えば左右差が整えられますよ。

なりたい顔のイメージとかありますか?

── ちょっと雄々しい顔なので、女性らしい優しい感じになれたらうれしいですね。

▲左がBefore、右がAfter。眉の形を整えつつ、まわりのうぶ毛はワックスを使い丁寧に除去。眉を変えただけで顔のほかのパーツや表情も変わって見える。

 

── たしかに印象が全然違う! 眉がアーチ型になったことで、目も大きくなったように見えますね。実際の自分の眉の生え方とは違うので、これは自己流よりもプロに任せたほうがよさそう。

竹内さん:
そうですね。誰もが左右の顔って違うんですよ。みやじまさんの場合は、左側の顔のほうが少し上がっている。
なので眉の作り方で、その左右差を埋めていくんです。

── これ、女性だけじゃなくて、男性のお客さんでも利用できそうですね。

竹内さん:
もちろん男性にもおすすめです。たとえば、大事なプレゼンや商談を控えたビジネスマンの方には「自信のある顔立ち」に見えるように眉毛をデザインするとか。

人は無意識に見た目から受け取る情報がとても大きいんですよね。

同じ言葉でも「どういう人が話すか」で説得力が変わります。

── これまで見ないように避けて通ってきた眉毛が、こんなに大事なパーツだったとは。

竹内さん:
わたしも整顔眉学に出会ったときに、単なる美容ではない、もっと深いものを感じました。新しい技術だな、と。
単に見た目を美しくするだけではなく、人の内面も変える力があるように感じたんです。

お金を稼ぐことに追い詰められた美容師時代の経験が、今に活きている

── 竹内さんがこのお店を開くまでのお仕事の経緯を伺ってもいいですか?

竹内さん:
私はもともと美容師だったんです。母親も町の美容師をやっていたので、小さい頃から美容の現場を見て育ちました。

高校を出るときにちょうど「カリスマ美容師ブーム」だったというのもあって。憧れもあったので自然な流れで美容の世界に飛び込みました。

── 美容師さんも人の見た目を変えるお仕事なので、今とつながっていますね。

竹内さん:
そうですね。とても素敵な仕事なのですが、私にはハードな生活でした。

朝は7時から練習、お店が9〜21時まで開いていて、閉店後も片付けとまた練習、といった日々で。

毎日毎日いつも眠くて、トイレで5分寝たり、休みの日に友だちと遊んでても寝ちゃったり・・・。

── 話には聞いていましたが、そこまでハードとは・・・!

竹内さん:
入った美容院が、稼ぐための教育に力を入れていたからというのもあると思います。

指名をとったら○円、お店の商品を売ったら○円、配ったチラシが戻ってきたら○円、という感じで作業ごとの売り上げがすべて全員に可視化されていたんです。

上司からは「数字は嘘をつかない。分析しなさい」とよく言われていました。

当時は常に数字に追い詰められていたけど、自分でお店を持つようになった今はその頃の経験が活きているので感謝しています。

── 長い労働時間に加え、数字のプレッシャーは体にも心にも堪えそうです。

竹内さん:
それでも7〜8年は働いたんですが、やっぱりしんどくて。

そのころちょうどまつ毛エクステが流行りだした頃だったので、お店に入って歩合制でまつエクの仕事を始めました。

そこでは楽しく3年ほど働いていたのですが、ある日、知り合いから「タイでまつエクサロンをオープンしたいから現地スタッフへの技術指導をしてほしい」という話をもらったんです。

条件面を自分で交渉して、ふたつ返事でタイに飛びました。

── ここでいきなり海外! フットワークが軽いですね!

竹内さん:
面白そうだなと思ったのもあるし、「いい経験になるよ」とまわりに勧められたから、というのもあります。

実際、タイでの生活はすごく楽しかったです。現地のスタッフは明るくていい子ばかりだったし、タイの働き方的に残業もほとんどないので、時間にもすごく余裕がありました。

副業にチャレンジして、「個人でビジネスをする」可能性に気づいた

── これまでのせわしない生活から一変したんですね。

竹内さん:
でも、ないものねだりじゃないですけど、暇になると何かやりたくなるんですよね(笑)。

そんなとき、たまたま日本から遊びに来た友だちが、タイで雑貨や洋服を仕入れてメルカリで売っていたんです。

ちょうどフリマアプリが流行りだした頃で。

「これなら私にもできるかも!」と思い、市場に行って服や雑貨を買い付けて、インスタグラムでオンラインショップを始めました。

── それはまた全然違うジャンルの副業ですね。

竹内さん:
それが結構売れたんですよ!
中でも水着が売れました。

この副業は、今の店舗運営にもつながるような学びも多かったんです。

── 具体的にどんなことですか?

竹内さん:
SNSでの物の見せ方ですね。

たとえば小物を仕入れるときに、実際よく売れる色は黒や茶色だけど、それだと絵が映えないので、赤とか差し色のものを入れておくと全体のレスポンスが上がる、とか。

あとは商品の見せ方の部分で、ついデザイン的にかっこいい英字を入れたくなるけど、読む側からするとストレス。だから全部日本語でしっかり説明を書く、とか。

投稿ごとに反応がわかるので、試行錯誤しながらブラッシュアップしていきました。

── それはまさしくマーケティングですね。

竹内さん:
そうですね。SNS発信の仕方は、今のお店の運営にも活きています。

今、広告費は一切かけていなくて、自分でインスタグラムを使ってPRしています。

── 副業体験から得たものが本当に大きかったんですね。

竹内さん:
副業をやってみて「今の時代は個人でも稼ぐチャンスがあるな」と思い始めました。

もうひとつ大きな学びは、物やサービスを売るにはタイミングが大事だということ。

たとえば今からタピオカ屋を始めようと思ってももう遅い。新しいものを見つける嗅覚が必要です。

── それでいうと、「眉毛のサロン」にはその嗅覚が働いたってことですね。

竹内さん:
そういうことです。結局タイには2年ほどいて、帰国したときには「もう会社員として働くのはやめよう」と決めていました。

何か新しい自分の武器を持ちたいと思い、ネットで情報収集していたところ、眉形成技術のパイオニアであるJAPAN BROWTIST SCHOOLと出会ったんです。

竹内さん:
眉毛で顔の印象が変わる、ということを知っている人はいても「どうやったら、どう見えるのか」体系だてて勉強している人はほとんどいないんですよね。

眉の専門家「ブロウティスト」を目指すことで、他店との差別化ができると感じました。

自分へ投資をして、複数のスキルを持つ「新しい美容家」になりたい

── 実際にお店を出してみてどうですか?

竹内さん:
実店舗がある、というのはひとつ大きな信頼になるのだと実感しています。

最近は美容雑誌などで眉毛の特集を見ることも増えたし、眉への関心が高まっているのを感じます。

竹内さん:
昔は「アムロちゃん(安室奈美恵さん)みたいな眉毛になりたい」とみんなが細眉にしていたけど、今は、インスタで丁寧に情報発信している人にファンがついていたりしますよね。

インターネットを使って、それぞれの人が自分に必要なものを自由に選んで取り入れている。信用の置き場所が変わったと思う。

「だれかを真似する時代」から「自分らしさをカタチにする時代」となった今は、マニュアル通りの大型サロンよりも、一人ひとりに丁寧に向き合える個人店にチャンスがやってきたように感じるんです。

── 将来的にはこうしていきたい!というのは何かありますか?

竹内さん:
さらに何か違うジャンルの技術を掛け合わせて「新しい美容家」になりたいです。ひとつの技術だけにとどまらず、スキルを掛け合わせてオンリーワンの美容家になれたら。

美容のジャンルじゃなくてもいいと思うんです。「眉毛が作る表情」からさらに発展させて、話し方や仕草を研究するとか。

ほかの人と組むのも面白いなと思います。たとえば結婚相談所の方と組んで、パートナーの方と会う前に眉毛のデザイン提案を提供するとか。

── それ、よさそうですね! 第一印象が特に大事な場面ですし。

竹内さん:
様々な分野のプロの方と組むことで、さらに新しい可能性が広がりますよね。だから今は次に何を勉強しようか模索中です。

今は自分への投資、勉強にお金を使いたいと思っています。

美容師時代は会社からセミナー費を出してもらえたのに「休みの日に行くの面倒だなぁ」なんて思ってました。その頃の自分を叱りたいですね、今ならよろこんで受けるのに。

【編集後記】インタビューを終えて

ハードな美容師時代を乗り越えて独立した竹内さん。

軽やかに新しいことにチャレンジする柔軟さがあり、常に未来のことを考えて手を動かしている人だと感じました。

変化の大きい今の時代。個人で稼いでいくには、自分自身も変化し続けることが必要。

わたしも自分のできること、していきたいことを見直したいと思います。

この記事を書いた人

編集者・ライター。雑誌出版社に勤務していましたが、取材で訪れたタイ・バンコクの街に一目ぼれをし、即移住。現地のフリーペーパー編集部で3年半働き、今は帰国してフリーランスに。人生において毎日の生活をおくる「場所」がとても大切だと考えていて、いつも最高の住みかを探しています。将来はバンコクにも自分の居場所(ゲストハウス)を作りたい!