戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)・戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)がほしい場合、「役所の窓口へ行けばいいんだろうな」と考えることが多いかと思います。
でも日ごろの家事や仕事で忙しく、窓口に行けない場合もありますよね。
そんなときは、戸籍謄本・戸籍抄本の郵送取り寄せを利用するのが便利です。
このページでは、郵送取り寄せの方法や気になる料金について紹介します。
郵送で戸籍謄本・戸籍抄本を取り寄せる方法
戸籍謄本・戸籍抄本は郵送でも取り寄せることができます。
窓口へ行く時間がない場合、便利に使えていいですよね。
ただし取り寄せまでに日数がかかるので、急ぎの場合は向いていません。
僕は岡山市に住んでいるので、一例として岡山市での取り寄せ方法を紹介しますね。
詳しいやり方は、住んでいる自治体によって違う可能性があるので問い合わせてみるのが、よいかと思います。
郵送取り寄せの際には、『戸籍事項証明書等郵送請求書』を書く必要がありますよ。
また自筆での請求書でも問題ありません。
▼ざっくりとした手順は以下のとおりです。
- 戸籍事項証明書等郵送請求書もしくは、自筆の請求書を記入する
- 返信用封筒に返信用切手を貼る
- 郵便局で必要な枚数分の「定額小為替」を購入する
- 本人確認書類のコピーをとり同封する
- 指定の住所に送る
戸籍事項証明書等郵送請求書の書き方
岡山市の戸籍事項証明書等郵送請求書は、ダウンロードすることができます。
これを郵送請求に使うわけですね。
▼戸籍謄本が欲しい場合の記入例は以下のとおりです。
▼戸籍抄本が欲しい場合は、その隣の欄ですよ。
この『戸籍事項証明書等郵送請求書』は、申請の種類により1年~10年間保存されます。
印刷する場合、感熱紙などの長期保存に耐えられない紙への印刷は避けたほうがよいです。
自筆請求書で取り寄せる場合の請求書の書き方
戸籍事項証明書等郵送請求書を利用せず、自筆の請求書で戸籍謄本・戸籍抄本を郵送取り寄せすることもできます。
自筆請求書の場合、以下の項目を記入しましょう。
- 何が何通必要か(例:戸籍謄本を1通)
- 本籍(番地まで正確に記入)
- 筆頭者の氏名(筆頭者とは:戸籍の最初に名前が載っているひと)
- 請求理由及び使用目的(何か参考になる情報がある場合は、この項目に備考として記入)
- 請求者の住所、氏名、押印
- 請求者と戸籍の筆頭者との続柄
- 日中に連絡のつく電話番号(携帯電話等)
郵送取り寄せに必要なもの
戸籍謄本・戸籍抄本を取り寄せる場合に必要なものは以下のとおりです。
- 請求書(戸籍事項証明書等郵送請求書もしくは自筆請求書)
- 請求者本人を確認できる書類のコピー
- 手数料分の定額小為替
- 返信用の切手と封筒
『請求者本人を確認できる書類』といっても、どんなものがあるのか気になりますよね。
それは以下のものですよ。
- 運転免許証
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード(マイナンバーカード)など写真付きの官公庁発行の書類
- 健康保険証などの場合は複数の書類
定額小為替は最寄りの郵便局で購入しましょう。必ず無記名の状態で同封する必要があります。
また、返信用封用には返信用の切手を貼り、自分の郵便番号・住所・氏名をあらかじめ書いて同封するのがていねいでいいですよ。
切手の貼り方について
封筒に切手を貼る場合、切手の貼り方も意識しておくとさらにていねいでいいですよね。
そこまで気にしすぎる必要はありませんが、切手の貼り方にもマナーがありますよ。
戸籍謄本・戸籍抄本を代理人が郵送請求する場合の委任状の書き方
戸籍謄本・戸籍抄本の請求は原則として本人または配偶者、直系の親族からに限ります。
家族などが代理で郵送請求する場合は委任状が必要です。
そして本人の場合と同じく、今度は『代理人の本人確認書類』が必要となります。
本人確認書類の種類は以下のとおりです。
- 運転免許証
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カード(マイナンバーカード)など写真付きの官公庁発行の書類
- 健康保険証などの場合は複数の書類
委任状を書くときは、必ず本人(戸籍謄本・戸籍抄本を取りたいひと)が直筆で記入し、原本を提出しなければなりません。
記入する用紙は、便せんでも大丈夫ですよ。
▼ただし、以下の3つの要件を充たす必要があります。
- 本人の住所・氏名(署名)・生年月日、本人の登録印鑑
- 委任事項(本人が何の手続を代理人に頼んだか)がわかるような一文
- 代理人の住所・氏名・生年月日
▼以下は戸籍謄本記入例です。戸籍抄本の場合は、戸籍謄本と書かれているところを『戸籍抄本』と書き換えましょう。
郵送取り寄せした場合の費用
戸籍謄本・戸籍抄本を郵送で取り寄せる場合の費用がいくらになるのか気になりますよね。
手数料は、窓口取得やコンビニ取得と同じで450円です。
▼ただし他にもかかる料金がありますよ。
項目 | 料金 |
---|---|
戸籍謄本・戸籍抄本 | 450円 |
返信用切手 | 82円 |
定額小為替の発行料 | 100円 |
合計 | 632円 |
あと郵便局にて定額小為替を買わなければならないので、少し手間です。
郵便局の貯金窓口へ行き『450円分の定額小為替をください』と言えば、発行してもらえますよ。
戸籍謄本・戸籍抄本の請求に当たっての注意事項
戸籍謄本・戸籍抄本を請求するにあたり、気を付けなければならない点があります。
まずは請求にあたり、『戸籍事項証明書等郵送請求書』に理由を明記しなければなりません。
▼請求理由には以下の3つがあります。
- 権利の行使・義務の履行のために請求する場合
- 国または地方公共団体の機関に提出する場合
- その他の理由で請求する場合
それぞれの理由を選択するだけではなく、詳しい内容も書かなければなりません。
理由 | 詳しい内容 |
---|---|
権利の行使・義務の履行のため | 内容とその権利行使または義務履行のために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由を詳細に記入 |
国または地方公共団体の機関に提出 | 提出する国または地方公共団体名を記入。機関へ提出を必要とする理由も記入 |
その他の理由 | 方法とその利用を必要とする理由 |
請求理由を担当者が確認し、請求書に記載された内容から請求内容が明らかでない場合は、資料の提供を求められることもあります。
明確な理由で請求し、戸籍謄本・戸籍抄本を取得した場合はなんら問題がありません。
ですが不正な理由で取得した場合には、30万円以下の罰金刑の罰則がありますよ。
正しく利用したいものですね。
さいごに
戸籍謄本・戸籍抄本の郵送請求は、少し時間がかかることと定額小為替を用意しなければならないことがわかりました。
手元にちょうど450円分の定額小為替があればよいのですが、そんなことはそうそうないですよね。
郵便局の窓口へ買いに行かなければなりません。
郵便局と同じ方向に役所窓口がある、郵便局までの距離と役所窓口への距離が同じくらいなどの理由があった場合は、役所窓口で請求するのが早いと思います。
郵送請求は、どうしても郵送じゃないといけない!という理由があるときに使いたい手ですね。
おまけ:戸籍謄本・戸籍抄本取得の別手段を紹介
▼『役所の窓口で取得』や『コンビニで取得』することができますよ。手順など詳しいことを紹介しています。