結婚式のときには、事前に招待状を贈ったり、当日には席札や席次表を用意したりしますよね。
こういった紙のものを「ペーパーアイテム」と言います。
ペーパーアイテムは結婚式場で手配すると高額になることも多いので、節約したいなら手作りするのがおすすめです。
ペーパーアイテムの持ち込みに関しては持ち込み料がかからないところも多いので、ぜひ手作りに挑戦してみましょう!
このページでは、ペーパーアイテムを手作りする方法について、詳しく解説していきます。
※価格はすべて2016年当時のものです。
ペーパーアイテムの相場を知っておこう
まず、ペーパーアイテムを結婚式場で手配した場合にいくらかかるのか、相場を知っておきましょう。節約する上での基準となります。
ゼクシィによると、各ペーパーアイテムの1セットあたりの全国平均は以下の通りです。
- 招待状:386円
- 席次表(メニュー表含む):581円
- 席札:160円
また、芳名帳も準備しなければならないのですが、こちらは1冊あたり2,000円程度かかり、新郎側と新婦側で2冊用意すれば4,000円ほどかかります。
参考に、結婚式の参列者の人数は70名程度が平均。
わたしの結婚式も招待客は70名でした。
わたしが実際に用意した数を全国平均で計算した場合、総額ではこれぐらいになります。
夫婦で出席される場合は、招待状と席次表は2人で1つになります。
- 招待状:386円×66セット=25,476円
- 席次表:581円×65セット=37,765円
- 席札:160円×72枚=11,520円
- 芳名帳:2,000円×2冊=4,000円
- 合計:78,761円
また、実際にわたしたちが結婚式を挙げた会場では、全国平均よりも価格設定が高かったです。
- 招待状:1セットあたり432円×66セット=28,512円
- 席次表:1セットあたり756円×65セット=49,140円
- 席札:1枚あたり216円×72枚=15,552円
- 芳名帳:1冊あたり2,000円×2冊=4,000円
- 合計:97,204円
でも、わたしはこれらのペーパーアイテムを手作りして持ち込みにしたので、実際にかかった金額は以下の通りです。
- 招待状:9,781円(1セットあたり148円)
- 席次表:12,204円(1セットあたり188円)
- 席札:864円(1枚あたり12円)
- 芳名帳:540円
- その他小物:1,740円(スタンプなどで)
- 総額:25,129円
式場で手配した場合と比べると、72,075円の節約になりました。
ペーパーアイテムは全部手作りしなくてもいい
「ペーパーアイテムを持ち込みにして節約する」と言っても、選択肢は以下の3つがあります。
- 自分ですべて手作りする
- 手作りキットを買って作る
- 格安の業者に依頼する
一つひとつ説明しますね。
自分ですべて手作りする
わたしがとった方法がこれです。
用紙選びやデザインから、すべて自力で行いました。
とは言え、文面やイラスト等の素材は無料でダウンロードできるテンプレートがたくさんあります。
【メリット】
安い!
こだわりのデザインが実現する
【デメリット】
手間がかかるし、Wordの知識やプリンタが必要
手作りキットを買って作る
東急ハンズなどに行くと、招待状等の手作りキットが販売されています。
もちろん、Amazonや楽天市場などのネット通販でも売っていますよ。
キット専用のテンプレートがダウンロードできる商品も多く、そういったものならダウンロードしたものに名前や日付のところだけ編集して印刷するだけになりますよ。
【メリット】
節約になる上、難しい知識がなくても作れる
【デメリット】
PCやプリンタが無いとできない
格安の業者に依頼する
Wordがまったく触れない方や、プリンタが無い方の場合は格安業者に依頼するのがおすすめです。
プリンタが無いぐらいなら、この機会に買ってしまうというのもアリですけどね。
安いプリンタとインクを買っても、会場で手配するのに比べれば節約になりますし。
こちらもネットで検索すれば、ペーパーアイテム作りを代行してくれる業者がたくさん見つかります。
作成枚数に応じて割引もあるので、式場で手配するのに比べれば節約になりますよ。
【メリット】
楽に節約できる
【デメリット】
式場手配に比べて大幅に安くなるわけではない。おそらく1~2万円の節約にはなる?
ペーパーアイテムをゼロから手作りする方法
わたしはすべて自力で作成したので、その方法を紹介していきますね。
手作りキットを使う人でも、印刷の仕方やセットの仕方など参考になると思いますよ。
ペーパーアイテムを手作りする手順は以下の通りです。
- 大まかなデザインを考える
- 材料を手配する
- デザインする
- 印刷する
- セットする
大まかなデザインを考える
まずは、どんなペーパーアイテムを作りたいのか考えましょう。
こだわり派の人だと風変わりなデザインのものを選んだりもしますが、わたしはオーソドックスなものにしました。
※ 招待状には、他に封筒・返信用はがき・ふせん・シールが必要です
この段階で、外紙の色を決めてしまいましょう。
ペーパーアイテムのテイストは揃えた方が統一感が出るので、招待状のデザインを考える段階で席次表などすべてのデザインをだいたい決めておくといいですよ。
材料を手配する
どんな形のものにするのかを決めたら、材料を手配しましょう。
東急ハンズだとたくさんの紙が売っていますし、スタンプやシール等必要なものはすべて揃います。
わたしのおすすめは、紙図鑑というサイトです。
手作りキットも売っていますし、単品での販売もおこなっています。
20枚単位で購入しなければならないのでもったいない感じもしますが、店頭で販売されているものよりも種類が多いですよ。
しかも、1枚予備で入っているので実際には21枚です。
紙図鑑の良いところは、はじめにサンプルが請求できること。
資料請求すると、名刺サイズの紙見本や招待状のサンプルなどが送られてきます。
トライアルキットも入っているので、実際にプリンタにセットしてうまく印刷できるかも試せます。
ここでつまずいてしまった場合は「やっぱり業者に頼もうかな」などと方向転換もしやすいですね。
ただ、わたしは紙図鑑以外で手配したものもあります。
封筒は事務用品を普通に買ったほうが単価が安かったですし、シールはハンズで可愛くて安いものを選びました。
スタンプもロフトで好きなものを選んで買いましたよ。
参考に、わたしが手配したものを紹介しておきますね。
- 招待状用の外紙170kg(A5ワイド):4セット
- 招待状用の中紙103kg(A5):4セット
- 返信用はがき163kg:4セット
- 地図用の紙 163kg:4セット ※はがきサイズの紙
- 席次表用の外紙170kg(A4ワイド):4セット
- 席次表用の中紙146kg(A4):4セット
- カラーゴムS 30m:5つ(二重にして使いました)※招待状&席次表に使う
- 席札用の紙163kg(B5):1セット
- 芳名帳用の中紙90kg(A5):1セット
※ 紙の「○kg」というのは紙の厚さを表します。
※ ふせんは受付やスピーチの担当者にのみ付けたので、中紙の余りで対応できました。
招待状の中紙は片面印刷なので薄めの紙でもいいですが、席次表の中紙は両面印刷にしたので厚めの紙にしました。
本当は招待状に地図も掲載したかったのですが、式場から「地図は別で付けてください」と言われてしまったので、別途付ける形になりました。
地図のサンプルは式場でいただけたので、それをコピーするだけでできましたよ。
席札用の紙は、わたしはコンパクトにしたかったのでB5用紙を4つ切りにする方法に。
※紙図鑑にはちゃんと席札用サイズのものも販売されています。
芳名帳の表紙は、招待状の外紙の余りを使いました。
1つ失敗したな、と思ったのは、外紙の色です。
濃いレッドを選んだので、普通のスタンプインクでは発色が悪いんですよね。
濃い色でしっかり発色するインクじゃないとダメだったので、ちょっと高いスタンプ台を買うことになりました。
スタンプを押したいなら、外紙は薄い色を選んだほうがいいです。
印刷のデザインを決める
材料の手配が済んだら、すぐさま細かいデザインに取り掛かります。
Wordでデザインを作ることになりますが、無料のテンプレートをダウンロードすれば簡単にできますよ。
わたしは、紙図鑑のテンプレートを選び、自分で微調整をして使いました。
文面も、季節に合ったものを検索すればあとは名前や日付などを変えるだけでOKですよ。
用紙サイズや印刷の向きなどの設定をしっかり確認し、デザインを作ってください。
一通りデザインが完成したら、必ずプランナーさんに確認してもらいましょう。
文章のおかしいところが無いか、日付や式場の住所が間違っていないか、自分では見落としているところもあります。
わたしは、メールでプランナーさんに送って確認してもらったので、プランナーさんが修正した上で修正版を返送してくださり大変助かりました。
印刷する
デザインの最終確認が済んだら、いよいよ印刷です。
家庭用のプリンタでは一気に70枚なんてとても印刷できないので、20枚ずつぐらいで小分けにしておこないます。
また、本印刷に入る前に必ず予備の紙でテストプリントしてくださいね。
Word側の設定が間違っていれば設定を変更しなければなりませんし、もし、テスト印刷の時点で仕上がりが汚ければプロパティを「きれいに印刷」に変更した方がいいでしょう。
招待状をセットする
招待状のセットが一番大変でした。
招待状のセットは以下の手順でおこないます。
- 招待状本体のセット
- スタンプの押印
- ふせんの用意
- 封筒の宛名作成
- 切手貼り
- 封かん
招待状本体のセット
印刷した中紙と、表紙になる外紙を、それぞれ2つ折りにしていきます。
2枚をまとめるためにカラーゴムなどで縛るので、カラーゴムを適切なサイズに切っていく作業も必要です。
ちなみに、カラーゴムは招待状サイズや席次表サイズにあらかじめカットされたものも売っています。
わたしは節約のために自分で用意しました。
それぞれのカラーゴムの長さは、だいたいこれぐらいです。
- 招待状(A5用紙):37cm
- 席次表(A4用紙):54cm
細いカラーゴムは、一重だとちょっと頼りない印象になったので、わたしは二重にして使いました。
もしくは、はじめから太めのカラーゴムを使ったり、リボンや麻紐を使う方法もありますよ。
切ったカラーゴムを二重にして端をくくる、という作業を一通り終えたら、最後に重ねた外紙と中紙にひっかけていく作業をします。
スタンプの押印
招待状や席次表の表紙には、よく「招待状」とか「Invitation」とか書かれていたり、おしゃれな柄が印刷されていたりしますよね。
手作りだとそこまで凝ったことはできないですし、おしゃれな感じに興味が無かったということもあって、わたしはワンポイントとしてスタンプを押すことにしました。
スタンプのほか、エンボス加工やステンシル加工、クラフトパンチなど、ペーパーアイテムをおしゃれにする加工テクニックはいろいろあります。
手先が器用な方や時間をかけられる方は検討してもいいでしょう。
ふせんの用意
ふせんとは、「挙式にもご出席賜りたく ○時○分までにお越しくださいますようお願い申し上げます」などと書かれた小さな紙のことです。
これを全員に付けるのは面倒なので、わたしは集合時間は招待状に印刷しただけにし、別途一言添えたい人にのみ、ふせんを付けました。
ふせんを付ける人はこんな人です。
- 受付をしてもらう人(30分前に来てもらうよう連絡する)
- スピーチや余興をしてもらう人
- 乾杯や主賓挨拶をしてもらう人
わたしは上記に加えて、当日友達のヘアセットなどをしてくれる予定の友人にも集合時間のふせんを付けました。
全部で10枚程度なので、A4の余り紙を使って作りました。
封筒の宛名作成
封筒の宛名は、手書きにするか、印刷にするかを考えなければなりません。
基本的には「手書きのほうがいい」と考えられているようです。
わたしは印刷にすればいいやと思っていましたが、プランナーさんからの「待った」が入り、夫婦でそれぞれの分を手書きすることになりました。
文字に自信がない人は、あらかじめWordで宛名のレイアウトを作っておくのがおすすめです。見本を見ながら書けば、普段よりキレイに書けるはずですよ。
わたしは、筆ペンを買った上で1時間ぐらいいろんな文字を練習してから取り掛かりました。
招待状を手渡しする人には、住所は書かないのがマナーです。名前だけ書いてくださいね。
切手貼り
返信はがきと封筒に切手を貼ります。返信はがきは63円切手ですが、封筒に貼る方は84円切手では足りないことがあります。
豪華な分厚い招待状を作った場合や定形外になるほど大きな招待状になる場合は切手の料金が変わるので、郵便局のサイトもしくは郵便局で確認してくださいね。
切手を大量に貼るのは大変な作業ですが、少しでも楽に作業するなら、スポンジを使うのがおすすめです。小皿に小さく切ったスポンジを乗せ、水に浸しておきます。
繋がったままの切手を1枚だけ水に濡らして貼りつけ、指で固定しながらピッと切り取ると効率が良いですよ。
また、切手にはシールタイプのものもあります。
これなら台紙から剥がして貼るだけで済みます。
封かん
封筒に必要なものをすべて入れたら、封筒を閉じていく作業をしてください。
ただシールを貼るだけでは郵送時に開いてしまうこともあるので、しっかり糊付けしていきましょう。
便利なのは、テープのりです。
これなら糊付け作業の効率がアップしますよ。
糊付けした上から、封かん用のシールを貼ったら完成です。
手渡しする場合は、封かんもしません。
封筒に入れたままの状態で渡しましょう。
手渡しにしたほうが丁寧ですし、切手代の節約にもなります。
近々会う予定がある人だけでも、手渡しにするのがおすすめですよ。
招待状以外のペーパーアイテムも解説
ここまでは主に、もっとも手間のかかる招待状について解説してきました。
ここからは、招待状以外のペーパーアイテムについてもご紹介しますね。
- 席次表
- 席札
- 芳名帳
席次表
席次表は、基本的な作りは招待状と同じです。
用紙サイズが違うことと、わたしの場合は中紙を両面印刷にした、という違いがあります。
内側の見開き部分に席次表、外側にはメニュー表とプロフィールを付けました。
席次表のレイアウトも無料テンプレートをダウンロードすると早いです。
わたしは自力でデザインしましたが、Wordが使える人なら問題ないはずですよ。
こちらも、細かい書き方に式場ごとの決まりがある場合もありますので、必ずプランナーさんにチェックしてもらってから印刷に入りましょう。
また、出席者はぎりぎりで変更になる可能性もあるので、直前まで印刷しないほうが無難です。
席札
席札は、B4サイズの紙に4名分を印刷して、自分でカットしました。
以前、職場でお客様に配布するクーポンをこうしてカットしていた経験があったので、ずれたりすることなくキレイに切れましたよ。
職場などにペーパーカッター(裁断機)があって使うことができるなら、そのほうが便利だろうと思います。
あらかじめ席札サイズにカットされたものを使う場合は、はがきサイズのものがおすすめです。
それよりも小さい「二つ折り名刺サイズ」になると、家庭用のプリンタではうまく印刷できない可能性があるからです。
また、席札の印刷をする場合は「差し込み印刷」が便利です。Excelで作った名簿の名前リストをそのまま読み込ませる方法です。
これならいちいち名前を入力していかなくていいですし、あとは微調整するだけなので早いです。
参考:差し込み印刷のやり方
芳名帳
芳名帳は市販のものだと2,000円ぐらいしますが、買うのはもったいないです。
たいていは取り外し可能なリフィル形式になっていて中の紙だけを受付に置くので、豪華な表紙は必要ないんです。
わたしは招待状の外紙で余ったものを4枚用意し、表紙には「GUEST BOOK」とだけ印刷しました。
中身は自分でてきとうにデザインして作りました。
あとは2穴パンチで穴を空けて、リボンでくくれば完成です。
ちなみにリボンは、自宅にあったものを使っただけなので0円です。
芳名帳は一番作るのが楽で、所要時間は10分ぐらいだったと記憶しています。
手作りするだけの時間があるかも考えよう
ペーパーアイテムを手作りするとたしかに節約になりますが、手作りするための時間や労力が必要です。
忙しい人は、安易に手を出さない方がいい可能性もあります。
わたしの場合、仕事自体は忙しかったものの、フリーランスで自宅で仕事をしているため、空き時間を使って効率的に進めることができました。
日中ずっと仕事をしているわけではなく、疲れたらぼーっとしたり、だらだらしていることもありますから、その時間を有効活用した、というわけですね。
ペーパーアイテムを手作りにすれば大きな節約になります。
しかし、誰にでもできるわけではありません。
- 時間が作れる人
- Word・Excelなどの操作ができる人
- プリンタがある人
- 不器用ではない人
PC操作が多少できる人なら、その都度調べながら作っていくこともできると思います。
わたしももともと高いスキルはありませんが、調べたり、MOS資格を持っている夫に助けてもらったりしながら作成しました。
もちろん、手先がある程度器用かどうかも重要です。
とは言っても、「不器用ではない」というレベルで十分でしょう。
わたしも絵を描いたりするのは好きでも、三次元の造形になると苦手ですし、手先が器用というほどでもないのですが、なんとかなりました。
ただし、器用さに自信がないなら難しいデザインを取り入れないこと。
オーソドックスな形ならネット上でテンプレートや見本がたくさんあるので、難なく作れるはずですよ。
すべての準備にかかった時間は20時間ほどです。
面倒ならお店を利用しよう
やっぱりペーパーアイテムを手作りするのが面倒という場合は、専門店を利用するのがいいですよ。