住民税とは?計算方法や支払い時期、仕組みについて分かりやすく解説

こんにちは!
住民税が高くてうんざりしているライター、なつみとです!笑

会社員であれば所得税と同様にお給料から天引きされることが多いのですが、わたしは個人事業主なので、天引きではなく自分で支払わなくてはなりません。

住民税って所得税より高くて、「どうしてこんなに高いんだろう?」「もしかして計算が間違っているのでは?」と不安になってしまうほど。

でも、住民税の計算方法や仕組みについて知っていればそんな不安も解消されるのではないでしょうか?

このページでは、住民税の仕組みや計算方法、支払い時期等について解説しています。

住民税が高くてうんざりしている人には特に知っておいてほしい知識ですよ!

住民税とは?計算方法や支払い時期、仕組み

住民税とはどういう税金のこと?

住民税の通知書イメージ

まずは、住民税の基礎知識からいきましょう。

簡単にいうと、住民税とはこういう税金です。

  • 所得税と同じで「所得にかかる税金」
  • 国ではなく住んでいるところに対して支払う税金
  • 計算方法は所得税に似ているが少し違う
  • その年の住民税を翌年に支払う

会社員なら年末調整で、個人事業主等なら確定申告で、所得税の金額が決まりますよね。

住民税も同じように、所得に応じて税額が決まります。
計算方法も所得税に似ていますが、少し違いますよ。

所得税と違うのは、「支払い先」と「支払う時期」。

所得税は国に対して支払いますが、住民税は住んでいる都道府県と、市区町村に対して支払います。

たとえばわたしなら、京都市在住なので、「京都府」と「京都市」に支払うことになります。

また支払い時期ですが、「2018年の所得にかかる住民税を2019年に支払う」のが特徴です。

所得税の場合、会社員等で源泉徴収されている人は「2018年の所得にかかる所得税を2018年に支払い、年末調整等によって過不足があれば年明けに調整される」ので、支払うタイミングが異なりますね。

住民税はいつ・いくら・どうやって払うのか

住民税に限らず、税金の計算って本当にややこしいですよね・・・。
所得税もそうなんですが、ある程度の専門知識がないと計算はかなり難しいです。

そこで、ここでは簡単に、住民税の仕組みについて「いつ・いくら・どうやって」支払うのかを紹介しますね。

住民税はその年の所得にかかる税金を「翌年」に支払う

前述のとおり、住民税を支払うタイミングは、「所得があった年の翌年」です。

今年支払っている住民税は昨年の分、というわけですね。

退職などで収入が落ちたとしても、住民税は容赦なく請求されます。

とくにフリーランスなどで収入に波がある人の場合は、たくさん稼いだ翌年は注意しておきたいですね・・・。

住民税の税額は課税所得金額の10%ぐらい

住民税を支払う必要がある人は、所得税も支払っていますよね。
年末調整や確定申告を終えた時点で、所得税の金額が判明しています。

所得税の金額だけでなく、「課税所得金額」も、源泉徴収票や確定申告書に載っていますよ。

課税所得金額に所得税率をかけることで所得税がいくらになるかがわかるというわけですね。

住民税のだいたいの金額は、「課税所得金額×10%」です。

自治体により微妙に異なるのですが、多くの自治体では「課税所得金額の10%ちょい」になりますよ。

たとえば課税所得金額が150万円だったとしたら、翌年に支払う住民税はおおよそ15万円ぐらい、ということになりますね。

※課税所得金額とは、年収からさまざまな所得控除を差し引いたあとの金額のことなので、年収の金額よりだいぶ少なくなります。

※いわゆる住宅ローン減税など、「税額控除」がある人の場合は、「課税所得金額×10%」から税額控除を引いた金額が、住民税の金額になりますよ。

住民税の支払い方法には「普通徴収」と「特別徴収」がある

会社員の場合、お給料からの天引きで住民税を支払っていることもあるのですが、それを「特別徴収」と言います。

逆に、払込用紙や引き落としにより自分で住民税を支払っている場合は「普通徴収」ということになります。

「会社に内緒で副業をしていても、住民税の支払い額で副業がバレる」と聞いたことがありませんか?
副業収入の確定申告をおこなう際に、住民税の支払い方法を「普通徴収」にしておくことで、会社にバレるのを防げると言われていますよ。

個人的には、特別徴収を実施している会社でわざわざ普通徴収を選べば、経理の人は違和感を持つしどっちみち副業を疑われるんじゃないかな、なんて思ってしまいますが・・・。

***

ここまで紹介した住民税の概要をまとめると、こんな感じです。

住民税は、その年の課税所得金額のおよそ10%の金額を、翌年に支払う。
支払い方法は、「普通徴収」と、給与から天引きする「特別徴収」の2種類がある。

さてここからは、住民税の詳しい計算方法についても紹介しておきますね。
ややこしい計算も入ってくるので「もっと詳しく知りたい!」という方だけ読んでいただければいいと思います^^;

住民税の詳しい計算方法

ざっくりと言ってしまえば住民税の金額は上記で説明した通りなのですが、より正確に知りたい場合の計算方法も紹介しておきますね。

住民税を計算するときの流れはこんな感じになります。

  1. 所得金額を調べる
  2. 所得控除の金額を調べる
  3. 課税所得金額を計算する
  4. 調整控除額を計算する
  5. 住民税額を計算する

※基本的な計算方法の仕組みは所得税も同じですが、所得控除の金額・税率が違います。
※「調整控除額」というのは所得税にはなく、住民税の計算だけに登場するものです。
※最終的な税額を計算する際の「税率」と「均等割額」は自治体ごとに微妙に異なるので、お住いの自治体の税率をご確認ください。

所得金額を調べる

会社員などでお給料をもらっている人は「給与所得」になるのですが、給与所得はこのように計算します。

給与所得=その年の収入-給与所得控除

給与所得控除の金額は以下の表に当てはめて計算してくださいね。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

わたしは個人事業主なので、給与所得ではなく「事業所得」になります。
事業所得金額は以下のように計算しますよ。

事業所得=その年の収入-必要経費

ほかにも「利子所得」「雑所得」「一時所得」などいろんな所得の種類があるので、何か該当する場合はそちらも計算しましょう。

複数の所得がある人はそれらをすべて足して「総所得金額」を調べてくださいね。

所得控除の金額を調べる

合計所得金額が判明したら、今度は所得控除について調べましょう。

所得控除とは「配偶者控除」や「医療費控除」などのことですが、いろんな種類があるので、以下の一覧を参考に計算してみましょう。

まずは、金額が固定もしくは「支払った金額すべて」など、わかりやすいものだけを表にしたので、こちらの中から該当するものを合計しておいてください。

※詳しい条件等についてはお住まいの自治体の公式サイト等を参考にしてください。

所得控除の種類 対象となる人 所得控除額
基礎控除 全員 33万円
勤労学生控除 条件を満たす勤労学生 26万円
寡婦・寡夫控除 寡婦もしくは寡夫 26万円
特別寡婦・寡夫控除 条件を満たす寡婦・寡夫 30万円
配偶者控除(一般) 条件を満たす配偶者がいる人 33万円
配偶者控除(老人) 条件を満たす配偶者がいる人 38万円
社会保険料控除 社会保険料を支払っている人 支払った金額すべて
障害者控除 条件を満たす障害者を扶養している人 26万円
障害者控除(特別) 条件を満たす障害者を扶養している人 30万円
障害者控除(同居特別) 条件を満たす障害者を扶養している人 53万円
小規模企業共済等掛金控除 該当する人 支払った金額すべて

次に、区分や計算が少しややこしい所得控除を紹介しますので、こちらも該当するものについて計算してください。

配偶者特別控除

「配偶者控除」の対象とならない場合でも、配偶者の所得に応じて「配偶者特別控除」が使えることがあります。

配偶者の所得 住民税控除額
380,001円~399,999円 330,000円
400,000円~449,999円 330,000円
450,000円~499,999円 310,000円
500,000円~549,999円 260,000円
550,000円~599,999円 210,000円
600,000円~649,999円 160,000円
650,000円~699,999円 110,000円
700,000円~749,999円 60,000円
750,000円~759,999円 30,000円
760,000円以上 0円

扶養控除

以下に該当する扶養家族がいる場合は、扶養控除が使えますよ。

控除の種類 住民税
一般(16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満) 330,000
特定親族(19歳以上23歳未満) 450,000
老人(70歳以上、同居老親等) 450,000
老人(70歳以上、その他) 380,000

生命保険料控除

生命保険に加入している人が対象です。
契約時期により計算方法が変わる点に注意してくださいね。

平成24年1月1月以降に契約した【新契約】は「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3種類それぞれで、以下の表に沿って計算し、合算します。

支払った保険料の金額 生命保険料(個人年金保険料)控除額
12,000円以下 全額
12,001円~32,000円 (支払金額)×1/2+6,000円
32,001円~56,000円 (支払金額)×1/4+14,000円
56,001円以上 28,000円

平成23年12月31日以前の【旧契約】は「一般生命保険料」と「個人年金保険料」の2種類があり、それぞれについて以下の表に沿って計算して合算します。

支払った保険料の金額 生命保険料(個人年金保険料)控除額
15,000円以下 全額
15,001円~40,000円 (支払金額)×1/2+7,500円
40,001円~70,000円 (支払金額)×1/4+17,500円
70,001円以上 35,000円

生命保険料控除について、詳しくは以下の記事で解説していますよ。
参考:【保存版】生命保険料控除とは?年末調整や確定申告で得するための計算方法と仕組みについて徹底解説

地震保険料控除

地震保険に加入している人が対象の所得控除です。

支払保険料金額 控除額
50,000円以下 支払保険料金額×1/2
50,000円超 25,000円

旧長期損害保険料のみの場合は以下の表を見てください。

支払保険料金額 控除額
5,000円以下 支払保険料金額
5,001円~15,000円 支払保険料金額×1/2+2,500円
15,000円超 一律10,000円

医療費控除

医療費控除は、総所得金額が200万円以下と200万円超で計算が異なります。

【総所得金額が200万円以下の人】
医療費-保険等で補てんされた金額-総所得金額の5%

【総所得金額が200万円超の人】
医療費-保険等で補てんされた金額-10万円

※医療費控除の上限額は200万円です。

雑損控除

災害等で資産に損害を受けた場合に受けられる控除です。

以下の、いずれか多いほうが雑損控除となります。

  • 損害金額-保険等で補てんされた金額-総所得金額の10%
  • 災害関連支出-5万円

該当する所得控除がすべてわかったら、それらを合計してくださいね。

課税所得金額を計算する

総所得金額と所得控除が判明したら、次は「課税所得金額」を計算します。

課税所得金額=総所得金額-所得控除の合計額

ここまできたら簡単ですね!

調整控除額を計算する

住民税特有の仕組みなんですが、「調整控除額」というものがあります。

合計課税所得金額が200万円以下か200万円超かで計算が異なりますよ。

まず、合計課税所得金額が200万円以下の場合は以下のいずれか小さいほうの、5%です。

  • 人的控除額の差額の合計金額
  • 市・県民税の合計課税所得金額

次に合計課税所得金額が200万円超の場合は以下のとおりです。

{人的控除額の差額の合計金額-(合計課税所得金額-200万円)}×5%
ただし、計算結果が2,500円未満のときは、2,500円。

住民税額を計算する

いよいよ、住民税額の計算をしますよ!

ここまできたら、計算は簡単です。

ただし、自治体によっては若干数字が異なります。
ここでは、標準的な税率・均等割で計算しています。

市区町村民税=合計課税所得金額×6%+3,500円
都道府県民税=合計課税所得金額×4%+1,500円

そして、上記2つを合算してから、調整控除額を差し引きます。

住民税額=市区町村民税+都道府県民税-調整控除額

さらに、寄付金控除や配当控除といった「税額控除」に該当する場合は、ここで算出した住民税額から、さらに控除することができますよ。

また、実際に上記の計算をする際には、市区町村と都道府県に分けずに、いきなり「合計課税所得金額×10%+5,000円」と計算するほうが手っ取り早く簡単なので、わたしは普段そうています。

さいごに

税金ってなにかとややこしくウンザリしてしまいますが、住民税も例にもれず、本当にややこしいですよね・・・。

でも、住民税は稼げば稼ぐほど税額が高くなりますし、できれば仕組みや計算方法を知っているほうが、働きながら調整もしやすいと思います。

正確に計算しなくても、おおよその金額がわかるだけでも家計の見通しも立てやすいので、ぜひこの記事を保存して活用してくださいね!

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

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