国民年金を2年前納するメリット・デメリット・確定申告するときの注意点まとめ

自営業者になると、毎年・毎月のように国民年金の支払いがありますよね。

どうせ国民年金を支払わないといけないのであれば、少しでも安くできたらいいと思うのではないでしょうか。

国民年金は前納する仕組みがあり、6ヶ月・1年・2年の前納に対応しています。
単純に割引率だけで見ると、2年前納がもっともお得です。

お得そうに見える国民年金の2年前納ですが、メリットばかりではなくデメリットもあるもの。

そこでこのページでは、国民年金を2年前納するときに気をつけておきたいことをまとめて紹介していきますね。

国民年金を2年全納するメリットデメリット

国民年金の2年前納の金額と割引率の比較

まずは2年前納するメリットの割引額について見ていきますね。

6ヶ月前納・1年前納と支払額を比較してみました。

振替方法1回あたりの
納付額
割引額割引率2年分に換算
した割引額
2年前納377,350円15,650円約4.14%
1年前納191,970円4,110円約2.14%8,220円
6ヶ月前納96,930円1,110円約1.14%4,440円
平成30年度の振替方法別割引額と割引率

こうやって見ると、2年前納することで、約1ヶ月分の支払い額を節約できます。

割引率も4%を超えており、明らかにお得ですよね。

国民年金の前納はクレジットカード払いにも対応

2年前納するときの支払方法は以下の3種類に対応しています。

  • 現金払い
  • 口座振替
  • クレジットカード払い

クレジットカード払いに対応しているのが大きな魅力です。
一括払いしかできないため、ポイントだけが確実に貯まりますよ。

楽天カードやPayPayカードだと1%のポイントが貯まりますよね。
そうすると、2年前納することで合計5%以上の割引になります。

マイルを貯めているのであれば、ANAカードJALカードもおすすめです。

クレジットカード払いについて詳しくは以下のページで。

口座振替の支払金額が最安

ただし、クレジットカード払いよりも安くなるのが口座振替での支払いです。

クレジットカード払いで貯まるポイントやマイルを抜きにした支払い金額だけで見ると、口座振替のほうが安いですよ。

ただ、2年前納だと支払金額がかなり大きくなるため、クレジットカードで貯まるポイントやマイルも考えると口座振替よりもクレジットカード払いのほうがおすすめではあります。

引き落とし日は4月末

口座振替・クレジットカード払いのどちらを選んだとしても、2年前納分の国民年金は4月末に引き落としされます。

どちらの場合も銀行口座にちゃんとお金を入れておきましょう。

クレジットカード払いにして、ネット銀行から引き落としするようにしておけば、ネット銀行の特典でポイントが貯まるところもあります。

個人的にはクレジットカードの引き落としを楽天銀行にして、楽天ポイントを少しでも増やせるようにしていますよ。

申し込み期限は毎年2月末まで

もし2年前納を利用したい場合は、毎年2月末までが申し込み期限となっています。

国民年金(日本年金機構)のページから書類を印刷して、必要事項を記入して手続きを済ませましょう。

国民年金を2年前納するデメリット

明らかにお得に思える国民年金の2年前納ですが、メリットばかりではなくデメリットもありますよ。

デメリットを知った上で2年前納を使うかどうか判断しましょう。

1年目に全額社会保険料控除になる

2年前納した場合、前納した金額すべてがその年の社会保険料控除として計上することができます。

1年目はその分所得を押し下げることができるので、税金支払を安くできますね。

その代わりに2年目は0円になるので、その分所得が高くなってしまいます。
所得が右肩上がりで増えていて、所得が税率が変わるボーダーラインを超えてしまうとかえって損になりますね。

今年よりも来年のほうが収入が下がりそうなのであれば、2年前納は明らかにおすすめですが、来年のほうが収入が増えるのであれば、必ずしも2年前納がお得とはいえません。

とはいえ、未来のことはコントロールできるものではありません。難しい問題です。

所得が毎年同じぐらいか、前納する年だけ多くて翌年は下がるという場合は、確実に前納した方がお得ですよ。

控除額を1年ごとに分割することもできる

2年分一気に社会保険料控除する場合はデメリットもありますが、この問題はカンタンに解決できます。

単純に1年ごとに分割して社会保険料控除するようにすればいいだけです。

そうすることで単純に国民年金の支払額を節約だけできるようになり、ほぼ100%お得になりますよ。

参考:2年分の国民年金保険料を前納した場合 – 国税庁

確定申告するときは2年分書いておこう

先ほども紹介しましたが、国民年金を2年分前納してまとめて控除したい場合は、確定申告のときの社会保険料控除のところに2年分の金額を記入するようにしましょう。

今年は所得が多くなることがわかっているのであれば、2年分計上できることで、節税効果も大きくなりますよ。

逆に所得が下がる場合は節税効果が下がってしまうため、先ほども紹介した通り、無理に2年前納する必要はないかと思います。

今後の所得が読めない場合は、2年前納にした上で、控除額を1年ごとに分割しておきましょう。

余裕があるなら付加年金も併用しよう

国民年金を支払うのであれば、月400円プラスして将来もらえる年金額を増やせる仕組みの付加年金を使うのもおすすめです。

年金受給できるようになったら2年で元が取れますからね。
私も個人事業主の頃は付加年金を利用していましたよ。

将来が不安ならiDeCoも検討しよう

国民年金だけでは将来が不安と思うかもしれませんね。
それならば、自分で年金を用意するのが一番です。

確定拠出年金(iDeCo)を使うことで、自分で毎月年金の準備ができますよ。
もちろん私も利用しています。

iDeCoは掛け金が全額所得控除になって節税にもなりますし、60歳以降に引き出して年金代わりにできるため、早いうちから老後に向けて備えられますよ。

どこの証券会社や銀行を使えばいいのかについては、以下のページが詳しいです。

さいごに

国民年金の2年前納は支払額が明らかに減るため、メリットのほうが大きいです。

ただ、デメリットもあることを知っておき、それも踏まえた上で利用するようにすれば、よりお得に使えますよ。

どのみち支払わないといけない国民年金を少しでもお得に支払うようにしておきましょう!

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この記事を書いた人

このサイト「ノマド的節約術」の運営者。節約アドバイザー・クレジットカードアドバイザー。会社を辞めて子どもが産まれるタイミングで家を買いました。収入ゼロから始まった節約生活の日々で身に付けたお金の知識を紹介しています。そもそも論から考えるミニマリスト的な節約術、クレジットカード、ポイントやマイル、株主優待、投資信託、移動を安くする方法に詳しいです。

松本 博樹のプロフィール