【対談】そこで出会った人々とは、不思議といろんなことが起きる。愛媛県松山道後のゲストハウス「じょじょに」の魅力とは?

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愛媛県松山道後のゲストハウス「じょじょに」のオーナー高木さんにお話をうかがった以下の記事。

後半では、ノマド的節約術主宰の松本との対談をお届けします。松本がゲストハウス「じょじょに」に宿泊したのは、今回の取材旅行で8回目。ふたりが語り明かした夜は数知れず・・・。

ふらっと」をきっかけにした出会い、「とっとりずむ」が生まれるきっかけになった話、危機感について、何度もじょじょにに訪れてしまうのはそこにコミュニティがあるから?など、3時間ほどに及ぶ対話の一部をまとめました。

前半の高木さん単独記事とは変わって、より個人的な、それぞれの想いを聞いています。

じょじょに・高木さん×ノマド的節約術松本対談

インタビュー日:2017年12月2日(土)

ノマド的節約術主宰・松本博樹
ノマド的節約術主宰・松本博樹

メールのお問い合わせがきっかけで「じょじょに」に泊まってみようと思った

高木:
この取材の企画が持ち上がったきっかけを知りたくて、くいしんさん(※本記事の筆者)と松本さんのやり取りのメッセージを見せてもらったんです。くいしんさんのお知り合いがゲストハウスの開業を考えられていて、最近ゲストハウスに興味が湧いて、話を聞いて記事にしたいと。

── そうなんですそうなんです。

高木:
取材対象者として、僕の名前を挙げてもらえたのは、なぜだったんでしょう?

松本:
それはもう「高木さんだから」としか言えないんですけど(笑)。そもそも僕はそんなにたくさんゲストハウスのオーナーさんと知り合いってわけでもないし。やっぱり、経営者として実際に結果を出してるのもあるし。

開業したいという人がいたら「高木さんに相談したほうがいいんじゃないかな」と思いました。

── なるほど。では最初は松本さんと高木さんの出会いから聞いていきたいです。

高木:
旅の途中で松山に来られたとき、宿泊場所として、うちを選んでいただいたんです。

松本:
そう、松山いくならここ(じょじょに)に行こうと思って。

── それはなぜですか?

松本:
高木さんからのメールですね。僕は「ふらっと」という全国のゲストハウスを紹介するサイトも運営しているんですけど、2014年9月だったかな。「愛媛県松山で、じょじょにというゲストハウスをオープンします」という内容のメールをくれたんですね。

その頃って、まだ掲載依頼やお問い合わせなんか全然なかった頃だったのですごくうれしかったのを覚えてます。文章もすごく丁寧だったので、松山に行く機会があったら必ず泊まろうと思ってました。

高木:
ゲストハウスのオープン時にメールを送って、来ていただいたのは2015年2月でしたね。

松本:
めちゃくちゃ寒かったのを覚えてます。それが最初です。

実は最初は会わないつもりだった?

高木:
予約は名前だけですので、お問い合わせでやり取りした方がどんな方かって、当日までまったくわからないんです。

── 「松本」という苗字しかわからない状態だったんですね。

高木:
そうなんです。2月って、大学が春休みにはいるので、割と繁忙期なんですね。だからほぼ満室の日が続いていたんですけど、たまたまそんな中に、予約が松本さんひとりだけって日があって。谷間の日みたいな。

満室続きでちょっと疲れていたのもあって、僕は「今日はお客さんひとりだから、もしあまり話したがらないような感じの方だったら休もう」と思っていて。むしろ「そうだったらいいな」くらいに考えてました(笑)。

── しゃべらない予定だったんですね(笑)。

高木:
で、来たのが松本さん。とってもおとなしそうな人なわけじゃないですか。「あっ、あんまりおしゃべりとか好きじゃなさそうだな」って勝手に判断しました(笑)。

ゲストには住所や職業をカードに書いてもらうんですけど、松本という名前で、自営業で、ちょっとだけ世間話をして「Web関係なんですね」っていう話をして、お部屋に案内しました。

で、松本さんは、ちょっと温泉と食事行ってきます、とか言って、出かけたんです。僕は僕で早く寝ようと思っていたから、もう、会わないでおこうと思っていて。

── 会わないつもりだったってすごいですね(笑)。

高木:
だいたいお客さんは3時間前後で帰ってくることが多いから、早くて22時頃かなと思って、21時くらいに片付けていなくなっておこうと思ったんですね。そしたら松本さんが20時過ぎには帰ってきちゃったんです。

── 帰ってきちゃった(笑)。

高木:
そうしたら、僕もやめればいいのに、話をどんどん聞いちゃって(笑)。「Web関係ってどういう感じの仕事なんですか?」「Webサイトはどういうものを運営しているんですか?」って掘っていって。

松本:
そこで「実は・・・ふらっとっていうサイトってご存知ですか」「あっ、ふらっとって、あのゲストハウス紹介のやつですか」みたいな。

高木:
そこで、さっきのお問い合わせの話になって「丁寧なメールをいただいたからきたんですよ」と松本さんに言ってもらえて、嬉しくなって、僕、そこで火がついたんです。

そこからいろいろ話して、Webメディアのビジネスとしての仕組みとか、ノマド的節約術を始めたきっかけとか、全部教えてもらったんです。結局、しゃべり終わったのは深夜3時です(笑)。

松本:
普段は絶対にそんな夜更かししないんですけど(笑)。

じょじょにの風景

松本さんのプロ意識を感じたエピソード

高木:
そのときにひとつ嬉しかったことがあって。

「すべての本棚を図書館に」というキャッチコピーの「リブライズ」というWebサービスがあるんですけど。

みんな、本棚もってるじゃないですか。松山中の個人が所有している本を集めたら、松山中央図書館より本の数は多いわけです。

「これをみんなでシェアして、仮想図書館みたいにしたらおもしろくない?」っていうWebサービスを、松本さんが教えてくれたんですね。

自分の本棚に入ってる本のバーコードをスキャンして、データをサイトの中に簡単に取り込める。僕はすぐに興味を覚えたんですけど、バーコードリーダーなんか持っていなかった。

そうしたら、松本さんが「僕、いらないバーコードリーダーあるんで、旅行終わったら送りますよ」って言ってくれて。そんなのだいたい、社交辞令のことも多いじゃないですか。言うだけ。でも、松本さんはホントにすぐバーコードリーダーを送ってくれました。

松本:
そんなことありましたね(笑)。

高木:
もうひとつ印象的だったのが、松本さんの仕事の早さです。朝、お見送りして、松本さんは愛媛県南部の八幡浜という港町からフェリーで大分に行くというスケジュールだったんですね。

で、だいたい今は八幡浜へ向かうバスにいるんだろうなっていう時間のときに、松本さんの書いた記事がふらっとにアップされてて。今バスの中にいるはずなのに「松山から八幡浜への行き方」みたいな記事がアップされてたんです。

八幡浜へのバスに乗る方法を書いた記事が、バスに乗ってるはずの時間に上がってるってすごいなと思って(笑)。

「えっ、こんなペースで記事を書いてるの?」って衝撃だったんです。松本さんがやってることは、その日お話を聞いて頭では理解できたんですけど、実際にこれをやるっていうのは、絶対に自分ではできないなと思いました。

じょじょにが「とっとりずむ」を生むきかっけに

── 鳥取のWebマガジン「とっとりずむ」もじょじょにがきっかけで生まれたんですよね?

松本:
さっけーがブログを始めるきっかけにはなってるかもしれないですね。

(※さっけーさんとは 1990年生まれ、鳥取在住のローカルWEBメディア「とっとりずむ」運営者。マジック歴10年。鳥取でブロガー兼マジシャンとして活動している)

参考:とっとりずむ
参考:さっけーさん

高木:
松本さんが2015年3月、2回目に泊まりに来ていただいていたときに、仕事を辞めて日本一周の旅をしていたさっけーくんがチェックインしてきたんです。

さっけーくんは、自己紹介で「マジシャンをやってます」と言ってました。

その晩、宿泊者みんなで、いろいろ自分の仕事なんかを話していた中で、さっけーくんが「ブログでお金を稼げるんですか?」って素朴な疑問を聞いたんです。

松本さんは自分からは多くは語らないから、僕が代わりに「いやいや、稼げるどころじゃない」「こういう仕組みなんだ」と。

── 高木さんが教える役割だったんですね(笑)。

高木:
それから、さっけーくんはブログの運営をゼロから始めて、今じゃ鳥取Webメディア界の顔ですよね。

── そうですよね。僕も鳥取県のプロジェクトですごくお世話になって。

高木:
たまたまここで松本さんに知り合って、ブログで食べるっていう世界を知って、今があるわけですよね。

じょじょにの本棚

松本さんが感じる“危機感”ってなんですか?

高木:
松本さんに聞きたいことがあって。この間もツイッターに「焦りしかない」と書いてたし、たびたび「もっともっと稼がないと」みたいなことを言うじゃないですか。

常に「危機感がある」ということを言ってますよね。その危機感の源泉を聞いてもよいですか。

松本:
どうなんやろ・・・。数字が自分の思ってるスピードでサイトが成長してないときがありますからね。そういうときには、やっぱり焦りますよね。

高木:
以前、なんで松本さんはお金をしっかり稼ぎたいのか聞いたことがあるんです。その答えは、「この人を応援したいなと思うときに、お金があったら応援できるから」ということでした。

それこそOMIYA!は今はまだ赤字だけど、あれをやっているのは、いろんな人と仕事ができて、ライターさんにお金を払って、応援できるからだと。

だからOMIYA!はまだ利益が出てなくても、ノマド的節約術で稼いだお金をOMIYA!に投資するんだ、と。このためにがんばってる、もっともっと応援したい、だから稼ぎたいんだっていう話でしたよね。

松本:
それは、そうですね。

高木:
じゃあ、お金がなくなっても、今と同じようにいろんな人を応援したいなと思いますか?

松本:
うん。お金以外の手段もありますからね。僕は、もともとお金なかったんで、なかったときから応援してたと思うんですよ。だから、その時代に戻るだけじゃないかなあ。自宅を住み開きして、場所を提供したりとか。

高木:
ああー、そうか。

松本:
人をつなぐようなことはお金なかったときからやっていたし。それを家でやってただけなんで。だからそんなに変わらない気はします。選択肢は減ると思いますけど。

仮にホントにお金なくなったら、周りの人には、仕事を紹介するつもりでいます。仕事ある人を紹介していったら、くいっぱぐれづらくなるじゃないですか。

── そういう方法もあるんだとしたら、必ずしも危機感を抱く必要はないんじゃないですかね?

松本:
やっぱり、お金がなくなってもやれることはもちろんあるんですけど、お金がないとできないこともあって。

たとえばOMIYA!は、多言語で展開していったりとか、システムをもっといい感じにしたりとか、ライターさん増やしたりとか。それこそネットショップができたらいいなとか、やりたいことがたくさんあるんですよ。

そうするとやっぱりお金もかかるし、人もいる。それをやるためにはやっぱりちゃんと結果出し続けないとできないことなんで。

── それで危機感があるんだと。

高木:
お金がなくても誰かを応援したい気持ちは変わらないし、応援する方法はあるんだけど、お金がないと実現できない夢があるってことですね。

松本:
そうそう。やりたいことをし続けるために、危機感を持っているのかもしれないです。自分の生活だけ考えたらなんてことないんですけど、お金のせいでできることが少なくなっちゃうのはやっぱりいやですね。

じょじょにの絵

松本が繰り返し繰り返しじょじょにを訪れる理由

── 松本さんは、今日でじょじょには何回目ですか?

高木:
今回取材してもらうに当たり、事前に調べたんですけど、通算8回目、15泊目でした。2017年は5回で、11泊です。

── 松本さんが、そこまで何度もじょじょに通う、その一番の魅力ってなんなんですか?

松本:
もちろんそれは、高木さんがいるからですよ。

── 冒頭でもお話しましたけど、「ゲストハウスのオーナーに話を聞いてみたいと思っていて」と松本さんに企画を提案したら、すぐに「じゃあ高木さんに」という話になったんですね。

松本:
そうですね。

── で、実際、じょじょににここ数年で8回も来ていると。そこまでの高木さんの魅力って、松本さんにとってはなんなんですか?

松本:
やっぱり松山にいるみんなと仲良くなれるのはうれしいですよね。それはもちろん高木さんも含めてね。みんな顔見知りになってますしね。

高木:
松本さんが来てくれるとなったら、松本さんを“出汁”にして人を呼ぶわけです。「松本さんっていうすごいブロガーが泊まりに来るけど、遊びに来ない?」って(笑)。ふつうじゃ聞けないような、貴重な話が聞けるよ、と。

そうするとみんなが「行く行く」と言ってくれます。松本さんは2泊か3泊してくれることが多いんですけど、初日はだいたい地元の人たくさん集めて20人規模くらいの交流会をするんです。

県外からも、Webメディアやブログ、松本さんに興味ありそうなリピーターさんに声を掛けると、わざわざ泊まりに来てくれる方もいます。

── ゲストハウス紹介サイト、FootPrintsのだりさんも書いてましたし、僕も今日来て思ったんですけど、じょじょににはコミュニティが出来てますよね。声をかけたら親しい仲間が集まってくる。これはすごいなあと思いました。

参考:じょじょに 道後温泉近く!ありたい暮らしをみんなでつくる宿

高木:
なんでこうなったかって、僕もよくわかってなくて、むしろ知りたいですね(笑)。

── それだけ人が集まるというのは、やっぱり高木さんの人間としての魅力であるところが大きいんだなーと今日お話を聞いて思いました。

松本:
じょじょにで出会った人とは、一緒に仕事をすることになったりとか、さっけーみたいにブログを始めてくれる人がいたりとか、不思議といろんなことが起きるんですよ。

2017年は特にそういうことが多かったので、2018年以降もじょじょにでの出会いから何か新しいものが生まれたらいいなって思ってます。今後ともよろしくお願いします。

高木:
こちらこそ、引き続きよろしくお願いします!

【編集後記】インタビューを終えて

じょじょにの本

お話をうかがって、高木さんは対話の達人だと思いました。

前編で触れたように、インドでタージマハルを目の前にしながらも観光せず、そばにいる人と朝まで語り明かしてしまうような人。

人の話を聞く姿勢は、常に本気。その姿勢を見て、インタビュアーである僕も背筋が伸びるような思いでした(実際にインタビューや人に話を聞くことについて、たくさんの話をしました)。

僕自身もまた機会をつくって、じょじょにに泊まりにいき、高木さんと語り合いたいと思ってしまう・・・そんな気持ちにさせてもらえて、とても大切な時間を過ごせた取材でした。

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ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

くいしん

フリーの編集・ライター・PR。「灯台もと暮らし」編集部。1985年、神奈川県小田原市生まれ。高校卒業後、レコード店員、音楽雑誌編集者、webディレクター、web編集者を経て、個人事業主に。主にカルチャー、音楽、生き方、働き方、ローカル、暮らし、メディアについて執筆。

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