公私ともにお世話になっていて、ゾロアスタという屋号で個人事業主として活動されている高橋智広さん、あかねさん夫婦にインタビューして、仕事に対する考え方やお金に対する考え方、これからのことを伺ってきました。
高橋さん夫婦には、ノマド的節約術のデザイン(2014年4月リニューアル版)を手伝っていただいた経緯があります。
問い合わせで、このテンプレートはどこのものですか?
という質問があったり、見やすいですね、という好評をいただいたりしているので、こちらとしても本当にありがたいと思っています。
そんな高橋さん夫婦から仕事に対しての素敵な考え方を聞くことができましたので、紹介していきますね。
仕事の話、家庭の話、そしてお金に関する話題という流れで展開していきました。
インタビュー企画をなぜしているかについてはこちら。
参考:ノマド的節約術でインタビュー企画を始めた理由
高橋さん夫婦のプロフィールと略歴
高橋 智広 (たかはし ともひろ)
ゾロアスタ代表。
1977年生まれ。
高校時代からパソコンにのめりこみ、コンピュータ専門学校を卒業後、人材アウトソーシング、データバンク、通販会社、営業商社、建築会社を経てフリーランスに転向。
20年以上積み重ねてきたPCスキルと、人見知りから来る「絶対に売り込まない」マーケティングスタイル、下積み時代に培った200種類を超える(軽作業~販売応援)などの現場経験を拠り所にした発想力、問題解決能力が主な武器。
最近では、幼少期のファミコンや自然の中で培った遊び心をプラスし「働くことの楽しさ」を追求している。
自分が応援したいと思える相手や紹介者に限定したクローズドな取引を中心に、知る人ぞ知るIT用心棒として関西圏で暗躍中。
おもいやりマシーンというブログも。
高橋 あかね (たかはし あかね)
1974年生まれ。
20代はスノーボードに没頭し奔放な生活を送る。
その後の就職先でのホームページリニューアルがきっかけでウェブの魅力を知り勉強を始める。
職場の倒産、結婚、引越しなどでウェブの仕事は宙ぶらりんのまま時を過ごすが、2013年に再びデザインの仕事に関わるようになる。
夫の開業をきっかけにもっと真剣にデザインとと向き合うことを決意。
「ヒト・モノ・コト」が繋がるをコンセプトにウェブや紙媒体のデザインのを手掛ける、食べることとインテリアをこよなく愛する食いしん坊デザイナー。
インタビュー
インタビュー日:2015/5/18
智広さんの自己紹介と仕事について
── 今日はよろしくお願いします。では、まず最初に自己紹介をお願いいたします。
高橋智広(以下:智広)
高橋智広です。
昭和52年生まれで今年(2015年)の9月で38歳になります。
仕事はWebマーケティングとITサポートをしています。
── 38歳に見えないですよね!
智広:
よく言われます。
そして、よく年下にタメ口をたたかれます(笑)
仕事は顔見知りからの依頼や紹介、商工会議所経由などで入ってくる感じです。
売れないサイトを見て、どうすれば売れるようになるかを診断したり、必要に応じてリニューアルのお手伝いをしています。
あとは、お世話になっているお店の販促をお手伝いして、例えばメニューや名刺をより良くするための手直しさせていただいています。
── 売上アップのお手伝いという感じでしょうか?
智広:
そうですね。
売上アップのための仕組みづくりをしています。
── 智広さんがイマイチ何をされているのか分からなかったですが、少しイメージがつかめました。
智広:
自分の仕事はあまりオープンにせず、クローズにして、あまり積極的に仕事をもらわないようにしています。
問い合わせには真摯に対応しますが、その後仕事を請けるか請けないかは慎重に判断します。
例えば名刺ひとつ作るにしても、依頼者の活動に「共感できない」と思ったら、お断りしてますね。
感情移入できてないのに仕事を担当するのは、なんか失礼な気がしますし「売上が欲しいから仕事を請ける」というのはやりたくないんです。
── 今回ネット上に話が出ますが、大丈夫ですか?
智広:
好感度が下がったとしても、それでいいと思っています。
自分が何を望んでいて、何を望んでいないのかを伝える方が大切なので。
独立して間もない頃は、仕事があった方がいいだろうなと思ってか、周りも気をつかってくれてたと思います。
相見積もりだと、とりあえず声を掛けてあげようというような話になるし、自分がやるべき仕事ではないと思うので、それならその話がない方がいいですね。
── 今もそのスタイルを貫かれてるのですか?
智広:
その方が仕事が楽しいですね。
自分が感情移入・応援できない人の売上を伸ばすことができるのかなって考えると、難しいです。
相手のことを何も知らないのに売上を伸ばすことはできないですよね。
── 仕事を通して、相手を応援してあげたいという気持ちですか?
智広:
そうですね。それがお互い一番大事ですね。対等な立場にもなれますし。
相手に対する愛着があるからこそ、一緒に頑張ろうという気持ちが出てきます。これがないとダメですね。
仕事をやらされているように感じてしまって、自分のパフォーマンスが発揮できないです。
お金のための仕事にしたくない気持ちがあります。
── 最初からそういうスタンスでしたか?
智広:
そこはあまり考えてなかったですね。
単価も悪くない仕事をしていた時ですが、ふと、自分がやらなくてもいいのではないか?と思うようになってきました。
はじめからその結論が出ていたわけではなくて、「なんでこの案件は面白くないのだろう?」と思うことがあった。
例えば、人となりを知っている方からいただいたサイトデザインやロゴ制作の仕事は楽しくできていました。それは結構楽しいんですよね。
納期では悩んだりもするんですが(笑)
完成してサイトに反映された時の達成感がすごくありますね。
そういった仕事はすごい前向きな気持ちで取り組めます。
ただ、下請け的な仕事になると、お客さんのことを何も知らなかったりするし、知りたくても知れないこともあるので、そういうのは、少し違うなと思うようになりました。
要件の時点でおかしいと思っても、自分でコントロールできないんですよね。
依頼者からの指示通りに納品するのが目的になってしまうと、誰がやってもほとんど同じですし、見えている問題点をスルーしてこなす仕事ってお客さんのプラスにならないと思うんですよね。
それが悪いとは思わないですが、自分にとって、もっと大事な仕事に時間を費やしたいと思っています。
あまり乗り気のしない案件を請けて、それで自分の時間がふさがってしまった場合、もし他にお手伝いできる人が紹介できるとすれば、その人の仕事を取ってることになってしまってお互いに損ですよね。
紹介できれば、僕は僕でやりたい案件を受注する可能性があったのに。
そういう経験を経て、慎重になってきました。
── 自分が大切に使いたい時間はどんなことでしょうか?
智広:
楽しい案件(仕事)ですね。
長くお付き合いできると、1回だけでなく、「その後どうですか?」というのを直接声掛けできるじゃないですか。
── お客さんとお会いして、話してという感じでしょうか?
智広:
Facebook率が高いので、メッセンジャーを送ったりとか。
── Facebook経由で仕事が来るのですか?
智広:
Facebookでつながっている人のイベントで知り合った人と意気投合して、仕事につながるケースが多いです。
── そういえば、僕と高橋さんの出会いもFacebookでのイベントがきっかけですよね。
智広:
そういえばそうでしたね(笑)
このような感じで仕事につながっているのがいくつかあります。
決して多いわけではないけど、生活はできるぐらいにはなりました。
これは大口取引のおかげなのですが。
── これは前に勤めてた会社ですよね。
智広:
独立してから1年経ちましたが、恵まれすぎている感じです。
── 恵まれているのは、高橋さんの人柄だと思いますよ。
高橋あかね(以下:あかね)
仕事の話なんですけど、3~4年ぐらい前に、私に独立したいとハッキリ言ってきました。
その時はすごい人見知りで、コミュニケーション能力とかもまだまだで、ぎこちないところがあったんですよね。
独立するのには反対しないけど、人付き合いとかいろいろなことをもう少し勉強してから独立して欲しいとお願いしました。
そういった話し合いをしてた頃に、前の会社に勤めることに。
話し合ったことで旦那さんも「勉強する」ということで納得した経緯があります。
智広:
その時から積極的にコワーキングスペースに通うようになりました。
人付き合いを増やそうと思って、楽しそう・面白そうな方がいるところに出掛けるようになりましたね。
あかね:
仕事もめっちゃ頑張ってたと思う。
── その頃、コワーキングスペースなどでよく会いましたよね。
智広:
あの頃がピークでした(笑)
でも、2年前はサラリーマンを辞めようとは思ってなかったんですよね。
そのままでも良ければずっと社員でもいいぐらいの気持ちでした。
結局、自分がサラリーマンに向いてないことに気付いてしまったんですよね。
在宅もOK、副業も認めてもらって、待遇がとても良いのにも関わらず・・・。
── 週3回とかですよね。
智広:
そうそう、でもサラリーマンに向いてない(笑)
組織は売上を上げるために一丸とならないといけないんですよね。
でも、みんながみんなそういう訳ではなかった。
いろいろな人がいるのは良いことだと思いますが、この時「自分は組織向きの人間じゃないな」と痛感しましたね。
反対であっても、自分の意見を通してくれるならいいけど、「やります」「がんばります」といっても、やらなくて足を引っ張られることに対して理不尽な思いをしたことがありました。
僕が頑張っても自分の給料が伸びないですし。
なんかモヤモヤしないといけないし、それならば自己責任で仕事をしたいと思うようになり、それが決定打となって独立しました。
僕がサボって、それでご飯が食べれなくなったら、すごくシンプルなことですよね。
自分が頑張ったらいいやんっていう話です。
いろいろ未来を考えた時に、自分の力ではどうにもできないことで悩まないといけないのが、すごく嫌で。
あかね:
昔は自分の価値観や正義感に合わないこと、例えば、押し売りのセールスなどをどうやってなくすか、みたいなことを考えている比重が大きかった気がするんですけど、今はそれよりも頑張っている人を応援したいという気持ちに変わってきてるよね。
マイナスのところに目を向けるのではなく、プラスのところをよりプラスにしていくことにすごく意識が変わってきたと思います。
智広:
自分が悪いと思うことがなくなって欲しい気持ちは今もありますけどね(笑)
── 僕から見ても、マイナスのところに意識が向きすぎているのではないかというのはなんとなく感じてました。
あかね:
ブラックとかグレーなことも大嫌いやからね(笑)
── 気持ちはすごく分かりますけどね。
あかね:
それが今はプラスの方になってきてるのが、すごくいい傾向だなと思います。
プラスのことを考えた方が楽しいじゃないですか。
── 前向きに考えている人と仕事すると、こちらもやる気が出ますよね。
智広:
夜に気持ちよく寝れますしね(笑)
── 寝れないことがあったんですか?
智広:
5~6年ぐらい不眠症の時期があったんですよね・・・。
その頃に、毎日2,000文字以上のブログを書いてたりしましたね。
それは闇ブログですが(笑)
闇ブログを書いてた頃が一番コメントが多かったです。
でも、あれは負のスパイラルやから続けたらアカンと思いましたね。
── 今は残ってないんですか?
智広:
今はもうサイト自体がないです。ダウンロードはしてるかもですが。
── コメントが来るってことは、共感する人が多いんですね。
智広:
どういうキーワードで流入してくるんやろ?みたいなね(笑)
── そういうキーワードを入れるってことは疲れてそうですよね。
あかねさんの自己紹介と仕事について
── 遅くなりましたが、あかねさんも自己紹介をお願いいたします。
あかね:
高橋あかねです。
私はデザインの仕事をしています。
昔のことから話すと・・・
私は20代の頃、ふらふらとしてたんですよね。スノボに没頭して山ごもりしたり。
その後、28歳でやっと就職しました。
── 何のお仕事をされてたのですか?
あかね:
ビジネスホテルとヒーリングサロン(岩盤浴とアロマテラピー)のフロントの仕事です。
その後、ある時にWebの仕事を知る機会があったんですね。
サイトリニューアルに立ちあいました。
── それはホテルの仕事ですか?
あかね:
いえ、その時はサロンのフロントをしていました。
すごい赤字の店だったんですけど、1年で黒字に戻そうという計画で、その一環でサイトリニューアルがあったんです。
全然Webのことを知らなかったんですけど、リニューアル後、既存のお客様に「今まで検索しても出てこなかったのに、これで友達に紹介しやすくなった」とか「電話が繋がりにくいからサイトで予約できて便利」と喜んでもらえて、さらに新規のお客様も増え、Webの影響力を知りました。
赤字は最終的に黒字になりましたよ!
── すごい!
あかね:
Web上でお客さんの要望に応え喜んでもらうことが、接客に似ているなと思ったんですね。
なので、デザインがどうのではなく、お客さんに喜んでもらえる仕事って、接客って目の前だけでサービスすることではないと気付きました。
これ、いけるんじゃない、好きなんじゃない?
と思うようになって、サロンの仕事を退職したあと、失業保険で職業訓練校に通うことになりました。
それが2007年です。すごい遅い出発ですね。
── 今って、そういう話をよく聞く気がします。
あかね:
卒業後、すぐに就職できたのですが、6ヶ月でその会社が潰れてしまって、結局実務を積まないまま結婚して、大阪から(兵庫県)加古川に引っ越してきました。
その後は、派遣とか短期の仕事をいくつかしながら主婦をしていました。
実際にデザインの仕事としてスタートしたのは、2年前の2013年になってから。
── 2年前ということは、cocowa(松本の屋号)のロゴを考えていただいた時って、始めて間もない頃だったんですね。
あかね:
そうですね。あの時は本当に嬉しかったです。
智広:
他にも、前の勤め先でロゴの提案して、採用されたことがありました。
社員2人と妻のデザインで合わせて3つの案を作ってもらったけど、結局妻のデザインが採用されたということがありましたね。
社員さんは凹んでましたけど(笑)
── 採用されるってすごいですよね。
あかね:
自分でもびっくりしました。
その前に東北の地震に関連する派遣の仕事をしていたのですが、契約が切れたあと専業主婦に戻るのではなく、仕事したいな、って思うようになりました。
その時は事務だったんですけど、事務じゃないな、やっぱりWebやってみようって。
でも今のままだと技術力が足りないと思って、もう1回Webの職業訓練校に通いました。
38歳の未経験者が仕事に就くのは大変で苦戦していた時に、運良く旦那さんの元上司から声をかけてもらって、パートですが、デザインの仕事をすることができたんです。
初めの一歩となった大切な場所なので、とても感謝しています。
さらに旦那さんが開業してからは私がどう生きていくかで大きく変化した一年でしたね。
── そうだったんですね。2014年4月からのノマド的節約術のデザインはお二人が作ってくださって、とても感謝しています。
あかね:
ただ、1年前の私は今とは全然違ってたんですよ。
「私なんか・・・」と自信のかけらも持ってなかったんです。
なので、仕事と真剣に向き合うことは大きな決断でした。
決意できたのは、言葉では感謝しきれない2人の大きな存在があります。
1人は旦那さん。
私には仕事が向いているからと、急かす訳でもなく根気よく背中を押し続けてくれました。
2人目はお世話になっているライフプランナーの徳永良太君。
「本気で取り組むなら、仕事のことを教える」と言ってくれて、9ヶ月もの間毎週朝活を開き「仕事への姿勢と取り組み方」の大切さを教えてくれました。
彼がいなければ私は今の楽しさを感じることはありませんでした。
遅いスタートで、まだまだ未熟な考えですが、年齢は関係なく、いつからでもスタートは切れると確信したので、少しずつ成長を重ねているかな、と思います。
自分が今デザインをしているきっかけは、人に喜んでもらいたいっていうことなので、好きな人を応援して、力になって一緒に成長できるようなことをしたいです。
── 智広さんの考え方に近いですよね。
あかね:
そうですね。だからこそ旦那さんと一緒に仕事をしようと思えました。
ワクワクするようなことをしていきたいですね。
100人の人と1回ずつ仕事をするのではなく、10人の人と10回仕事をする、長く仕事をしていけたらいいな、と考えています。
── 夫婦だからか考え方が近いですよね。
共働きするようになってからの夫婦の関係について
── 2人とも働いていますけど、夫婦としての関係に変化はありましたか?
智広:
僕は意識的に距離をとるようになりましたね。
妻がパートに出てた頃は、同じフロアで仕事をしてました。
でも、妻がパートをやめたあとは、1階と2階で分かれて仕事をするようになりました。
顔を合わせすぎると、コミュニケーション過多になるんじゃないかって思って。
多いこと自体は悪くないと思うんですけど、依存されるのがあまり好きではなくて、自分でできることは自分でして欲しいと思ってます。
夫婦の役割上しないといけないことをしますけど、聞かなくても調べたら分かることは聞かないで欲しいかな・・・。
自分で調べたらなんとかなるのに、同じ場所にいるがためにお互いの時間をそこで減らしてしまうのが嫌だなと思ったりしますね。
そっけないリアクションをして、そこで揉めたりしてしまうので、それを避けるために、別の部屋で仕事をするようにしています。
── 仕事の時と家庭の時って感じが変わりますか?
あかね:
全然違います(笑)
一見ぼーっとしてるように見える時があるのですが、仕事のことを考えてるのか単純にぼーっとしているのかどうかが分からないんですよね。
しゃべりかけて怒られる時と怒られない時の差って、見た目ではわかりづらいので困ります。
仕事モードに入ってる時は「あん?」って言われたりとか、スルーされたりもしました。
え、10分前は普通に話してくれてたのに・・・みたいな。
今は作業をしているフロアが違うので、聞きたい時はFacebookのメッセンジャーを利用して、OKなら話し合うようにしています。
智広:
集中している時は雑音が入らないようにしています。
話しかけられても、集中してるから聞こえてない時もありますね。
── たまたま考えてることが違うだけですよね。それでお互いが嫌いになるとかはまずないですし。
あかね:
そうですね、それはないですね。
── いつも仲良しに見えますけど、揉めることあるんですか?
あかね:
めっちゃあります!
何回も揉めて、そのたびにとことん話して、その過程があるからこそ仲良しなんだと思います。
ケンカした時に、どちらかがさじを投げると、もっと揉めることはなくなるけど、溝ができてしまうと感じました。
なので何日か後に、揉めたことに対してしっかり向き合うようになりました。
あえて、あとで時間をとって、あの時どう思ってたのかを聞くようにしています。
納得できなくても、考え方を理解することはできるので、溝があまり大きくならないです。
仲良く見えるのは、会話をよくしているからだと思います。
智広:
過去に何度か揉めることがあって、そこから話し合いする時に家庭内でアポをとるようになりました。
これ、結構大事ではないかと思っています。
こちらからしたら、いきなり言われると不意打ちされるのと同じみたいなものなので・・・。
── でも、あかねさん的には今すぐ話したいですよね。
あかね:
私の中では1週間蓄積されて、休みになったし、時間あるからいいやろう、みたいな感じで言ってました。
智広:
会議みたいなもんですね。
夫婦共働きでのお金の管理について
── 2人で仕事していると収入も増えると思いますが、それぞれお金の管理はどうされてますか?
あかね:
私は数字とかお金とかホントに苦手で・・・今は旦那さんに任せています。
旦那さんがサラリーマンをしてた時は、家計簿を書いてたので、ざっくりとしたお金の流れは把握しています。
今は青色専従者給与が生活費になって、それでやりくりしてください、という感じです。
今は家計簿を書いてないですけど、書いてた頃の流れで、ざっくりとした予算が分かってるので安心感がありますね。
智広:
こちらが渡した給料に関しては、妻がどう使おうとこちらは気にしない、干渉しないスタンスです。
経費が出たら、それは経費で上げてもらうにしてますけどね。
── 家の中が会社みたいなものですね。
── お金の管理って難しそうなイメージがありますけど、そのことでお互い話し合うことはありますか?
あかね:
お金のことではケンカしないですね。
うるさく言うほど旦那さんはお金を使わないだけです。
智広:
あまり浪費ぐせがないですね。
むしろ貧乏症になっているぐらい(笑)
あかね:
要らないものをお互いに買わない性格なんですよ。
もし、買いたいものがあれば、「買ったら~!」みたいな感じですね。
「え、まだお金使うか~」って思ったことはないです。
智広:
仕事頑張ってないのに、給料上げてっていう話になったら揉めるけど、普段はお金のことでケンカになることはないですね。
20代後半で持ち家に。でも住宅ローン控除での失敗があった
── 今の家って、持ち家ですよね?
あかね:
旦那さんと、付き合う時には既に今住んでいる家がありました。
お母さんと一緒に住んでて、その頃は、「お邪魔しまーす!」という感じで遊びに行ってましたね。
── 若くして家を持ってたということですよね。
智広:
20代後半の時に。
── すごい!
あかね:
旦那さんの家族は、小さい頃から転勤族であちこちを転々としてました。
何十年か経って、お母さんだけが地元の島根に戻ったけど、あまり空気が合わなくて、肩身狭い思いをしたそうです。
その結果、お母さんを呼んで、一緒に住もうということで家を買ったそうです。
私から見ても親孝行な息子だと思います。
でも、1年後に結婚して、別々に暮らしてるんですけどね(笑)
同時期に旦那さんの妹も結婚して、子供ができたこともきっかけで、母は妹のところに引っ越しました。
智広:
その前に一旦3家族が住む話があったのですが、さすがにそれは無理だったので、僕が引っ越したんですね。
その時に転居届を出してしまったがために、住宅ローン控除が受けれなくなって、100万円ぐらい損してしまいました。
住所変えてしまうと、自分の家という扱いではなくなってしまうみたいで・・・
あかね:
転勤などの特別な事情でもなく、住民票を移すと、住んでないという扱いになって対象外になるみたい。
智広:
でも、今は個人事業主なので、家賃の按分(あんぶん)で少しは元が取れるので良かったですけどね。
やっと返ってきた〜と思って、お金に関するモヤモヤがちょっと落ち着きました。
── 家賃が経費にできると大きいですもんね。
智広:
そのことが一番お金のことでモヤモヤしました。
ただ、転居しただけで100万円以上損した、そんなバカな・・・みたいな。
知らないって怖いな・・・って改めて思いました。
期間限定の楽天ポイントを1万円ほど損して勉強になった話
── 他にも知らなくてお金を損したことってありますか?
智広:
しいて言うなら、楽天の期間限定ポイントが10,000円ほどあったのに期限切れで消滅してガックリしたことでしょうか。
1万円か~って思った。
忘れられない思い出になってます。
── 1万円あれば結構いろいろ買えますもんね。
智広:
少なければ、ポイントだけで買うのが難しいですけど、1万円もあれば、ポイントだけでいろいろ買えますからね・・・。
その影響で、腹いせも込めていっとき楽天カードを使うのをやめました。
結局、アプリで通知してもらうようにすればいいって気付いたんですけどね。
── そんなことできるんですね!
智広:
e-NAVIのアプリを入れて、ポイントの有効期限を通知してもらうようにしています。
── 結構マメですね。
智広:
その損失が勉強料でしたね。
そのおかげで習慣が変わったし、カード明細をかなり見るようになりました。
あと、漢方スタイルクラブカードも使っていますが、使用金額をなるべく2,000円単位に近付けるように心がけています。
※ 漢方スタイルクラブカードは2,000円ごとにポイントが貯まる仕組み。
── カードって他に何か使われてますか?
智広:
au PAY プリペイドカードですね。
あとイオンカード。イオンで買い物する時に使っています。
── au PAY プリペイドカードいいですよね。2015年になってどうですか?
智広:
最近はちょっとケチっぽい感じかな。
セブンイレブンとか、還元率が高いところでだけ使うようにしています。
── 前がお得過ぎましたからね・・・。
※ 2014年はauじぶん銀行からのチャージで5%上乗せだった。
── 最近また少しお得になりましたね。auじぶん銀行に預けてると、ポイントがもらえたり・・・
あかね:
あとはノマド的節約術をきっかけに知ったnanacoを税金の支払いに使っています。
智広:
自動車税とか固定資産税とか。
でも、住んでいる加古川は国民健康保険料の支払いに対応していないんですよね。
窓口でコンビニ払いができないか聞いたら、準備はしてるけど、3~4年ぐらいかかるって言われました。
市町村によって違うみたいです。
水道代も違うそうですね。
── 神戸市は水道代のクレジットカード払いに対応してますよ。でもここ5年ぐらいの話ですが。
智広:
公共料金の支払いをクレジットカードにして、少しでも節約するのって大事だと思いますね。
買い物するよりも大事だと思います。
あかね:
毎月のことやもんね。1回やったら考えなくていいし。
智広:
値引きと一緒。
普段のお金の使い方は仕事への投資が多い
── 普段はどんなことにお金を使っていますか?
智広:
だいたい仕事のことに使っています。交通費とか。書籍代とか。
最近は妻のノートパソコンを買いましたね。
あかね:
仕事に関する投資は、積極的に使おうとしています。
パソコンもスペックのいいものを買って環境を整えました。
デスクトップでも不満がなかったけど、フリーになって外に出る機会も増えてきたんですよね。
それならノートパソコンもあった方がいいということで、投資の意味を込めて買いました。
あとは、気になる勉強会があれば、行くようにしています。
── よく出掛けてるイメージがありますよね。
智広:
面白い人に会いたいというのがあります。
自分から営業はしないので、一緒に何かしたいと思える人に会えればいいな、と思っていますね。
あかね:
私はまだ経験が浅いので、すごいな、いい仕事してるな、素敵だなと思える人と会えることで勉強になります。
そういった方たちを見ることで、何歳からでも始められるなと思うようになりました。
私にはできない・・・と思う自分が過去にはいたけど、今はそう思うことがなくなりましたね。
そう思うぐらいなら、今からでもできるよね、って思います。
── やってみないと分からないですよね。
あかね:
意外とできちゃったり(笑)
できないこともたくさんありますけどね。
できることをよりできるようにしたり、できないことは少しでも勉強したりしています。
智広:
ほとんど、仕事に関することにしかお金を使ってないかも。
お茶とコーヒーが好きなので、そこにはお金をかけている
あかね:
最近は仕事の関係で外食することも増えたかも。
うちは高級志向ではなく、2人とも家ごはんが好きですね。
お茶とかコーヒーとかにはお金をかけてるかも。
先日、台湾に行ったのでお茶を買ったり、コーヒーも好きな豆を探したり、ミルで1回1回挽いたりして楽しんでます。
── お茶とかも含めて食費は月いくらぐらい掛かりますか?
あかね:
うちはお米代が要らないので、その分安いんですよ。
旦那さんの親戚から送ってもらってるので、すごく助かってます。
智広:
多分2~3万ぐらい。
あかね:
いや、2万はないわ~。
結婚したてのすごい貧乏な頃は、15,000円ぐらいだったんですよ~。
智広:
さすがに心も貧しくなりそうだったかな(笑)
あかね:
旦那さんは、環境のいい会社に勤めてたけど、給料はかなり安かったんですよ。
手取り14万ぐらいで生活しとってんな。
── それは厳しいですね。
あかね:
でも、仕事仲間には恵まれてたので、仕事を続けてましたけどね。
私は仕事するのに疲れてたのもあって、節約生活ができると思ったので専業主婦を選びました。
その頃、すごい切り詰めていたんです。
その1~2年ぐらいの生活があったりするので、別に節約とか切り詰めることに対しての抵抗はないですね。
美味しい紅茶・コーヒーを飲みたいと思って外に行ったら、2人で1,000円とかするじゃないですか。
けど、いい豆買って、家で飲んだら10分の1とかで済むでしょ。
なので、家で美味しく楽しく過ごす方法に関しては少しお金をかけているのかもしれません。
智広:
お客さんが来た時にも使えるのが大きいですね。
あかね:
友達とかに「加古川で美味しいところどこ?」って聞かれても全然知らないんですよ(笑)
あわあわする。
「じゃあ、うち来る?」みたいなね。
お酒は2週間に300円程度しか掛かってない
智広:
あと、お酒を飲みな行かないのも大きいかも。
あかね:
あ、お酒弱いからね。
智広:
あれ、めちゃめちゃお金飛んでいきますからね。
── お2人とも飲まないんですか?
智広:
缶ビール2本ぐらい飲んだら十分。
2本もめったに飲まないけど。1本ぐらい。
半分を分ける感じ。2週間で300円ぐらい。
2週間で2人で1本飲むぐらいのペースですね。
そのあと仕事できるぐらいにしか飲まないです。
あかね:
私は半分飲んでも寝るけどね(笑)
お酒には全然お金を使わない。
車は移動手段としてしか考えてないので、あまりお金が掛からない
あかね:
移動手段として車を持っているけど、車に対する興味が2人ともあまりないんですね。
車は乗れたらそれでいい。車が好きで乗ってるわけではないので。
2人で移動する時、車の方が安い時は車、電車の方が安い時は電車という使い分けをしていますね。
── 珍しいですよね。車があれば、何でもかんでも車にしちゃいそうですけど。
あかね:
車を運転してると移動の時に本が読めないし、それが一番嫌なんです。
もし電車で行けるなら電車の方がうれしいです。
── 車だと時間の使い方が限られますもんね。
気にいったり、こだわりのモノには値段を気にせず買う
あかね:
ソファとか家具とかずっと使うものに関しては、値段で決めるのではなく、気にいったモノを選ぶようにしています。
── 僕も似た考え方です。
あかね:
服は古着屋でもいい。
── それならお金掛からないですよね。
あかね:
靴に関しては、高くはないけど、気にいったところで履き心地のいい靴を買うようにしています。
── 靴もずっと履くものですからね。
智広:
投資傾向が強いよね。
あかね:
あ、シャンプー。あと石鹸。
ラウリル硫酸Naが体に良くないと知ってから、せっけんシャンプーを使ってましたたけど、髪がゴワゴワして自分に合わなかったので、成分も使い心地も良いものにしました。
智広:
添加物とかが体に吸収されてしまうのがよくない感じよね。
出先で使うものに対しては気にしないけど、毎日使うものに対してはこだわろう、となりました。
↑現在利用中のシャンプー↑
いろいろ気にはするけど、過敏にならないことが大事で、ヒステリーになるのは良くないと思っています。
── 毎日使うものはできるだけいいものって思いますよね。
将来の自分はどうありたいか?
── 最後の質問になります。この先、どう生きていきたい、どんな自分になっていたいというイメージはありますか?
智広:
今と同じなんですけど、公私ともに気の合う人・共感できる人と一緒に仕事していきたいと思っています。
── 仕事も生活も一緒みたいなものですもんね。
智広:
僕は、人見知りで趣味も偏ってるので、そんな人間でも自分のあり方さえ整えて、自分ができることを知って、自分がどういうことをすれば誰かの役に立つのかを発信していきたいと思っています。
僕がうまくいくことで、周りの同じような人たちを勇気づけることができますよね。
個性の1つという捉え方もできますので、人見知りな自分を悪く見る必要はないのかなと思うようになりました。
── ありがとうございます。勇気がもらえる意見ですね。僕も人見知りな性格なので。
あかね:
旦那さんと松本さん、ちょっと似てる空気があるね。
── あかねさんはどうでしょうか?
あかね:
今考えているところなんですけど・・・。
自分が死ぬ時に、周りに好きな人たちに囲まれていたいと思っています。
自分がワクワクすることってなんだろうって考えた時、好きな人が笑ってたり、喜ぶことでした。
未来に向かって突き進んでいる人や、頑張っている人が好きなんです。
なので、面白い人だったり、いいモノだったり、すごいコトが、必要な人のもとへと伝わって繋がっていくような仕事がしたいです。
その為には、本当に大切なことをちゃんと引き出して表現する必要があるので、もっともっと勉強しなければなりませんが。
自分の腕を磨いていけば、周りの人たちも喜んでもらえるよね、って。
喜んでもらえたら私はもっとうれしいよね、というのがサイクルになっています。
結局誰かに喜んでもらえるために勉強したり仕事するのは、自分のためです。
── 人のために頑張るというよりも、自分がうれしい気持ちになるからですよね。
あかね:
そうなんです。
行き着くところは自己満足なんですよ。
── 今が一番楽しいのでは?
あかね:
楽しいですね!
苦しい時もありますけど。
自分の能力的に思ってることが出せなかったり、作れなかったりするので、そういうのはちょっと苦しいと思う時もあります。
── そういうストレスは健全な感じがしますね。
あかね:
それがストレスではないと思えるようになったら、もうちょっと成長できたと思えますね。
── 確かに。今日はどうもありがとうございました!
取材してみての感想
高橋さん夫婦とは、2012年の夏頃に私の家で企画したイベント(SIAM SHADEのライブDVD鑑賞会)で知り合いました。
そこから始まって、何度かコワーキングスペースなどで顔を合わせるようになり、今は家族ぐるみでのお付き合いがある感じですね。
インタビュー中にも出てきましたが、お二人には、ノマド的節約術のデザインをお願いした経緯もあります。
ノマド的節約術だけでなく、cocowaのロゴ、神戸北ぶらり歩きのロゴ、プラレールのサイトのロゴ、ふらっとのロゴとサイトデザインも高橋さんの作品で、私や他の方がコーディング・プログラミングをするという形で作り上げてきたものです。
改めてインタビューしてみて、今まで聞いたことのない、それまでの考え方や生き方に触れることができました。
仕事に対する考え方は、私自身もほとんど同じように思っていて、すごく共感できます。
改めて今後も仲良くしていければと思いましたね。
仕事に対する考え方、お金との向き合い方の両方から、得られるものがあるのではないでしょうか。
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インタビュー企画をなぜしているかについてはこちら。
参考:ノマド的節約術でインタビュー企画を始めた理由