こんにちは。鉄道の旅が好きな山﨑謙です。
山陽新幹線を走る各駅停車の「こだま」。
各駅停車といっても、新幹線なので新大阪ー博多の所要時間は約5時間です。
さすがに通しで乗るのには向かず、短距離利用が主となるので、自由席が主体の列車となっています。
一方で指定席は「バリ得こだま」などの安価商品があるため席の争奪戦が激しく、自由席の争奪戦となる「のぞみ」「ひかり」「みずほ」「さくら」とは正反対です。
ここでは山陽新幹線「こだま」自由席の覚えておきたい上手な乗り方と楽しみ方を紹介していきますね。
山陽新幹線の「こだま」と東海道新幹線の「こだま」はまったく別物
東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線にも「こだま」は走っていますが、これから紹介する山陽新幹線の「こだま」とはまったく別物です。
▼山陽新幹線の「こだま」は8両編成(写真は700系ひかりレールスター・他に500系とN700系)
▼東海道新幹線の「こだま」は16両編成(700系とN700系)
東海道新幹線の「こだま」については別記事を用意していますので、そちらをチェックしてくださいね。
山陽新幹線の「こだま」は8両のうち5両が自由席車両でグリーン車はない
山陽新幹線の「こだま」は1号車から3号車と7号車と8号車までの5両が自由席車両です。
- 「こだま」の自由席:1号車-3号車・7号車・8号車(←博多 東京→)
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4号車・5号車・6号車が指定席で、自由席が圧倒的に多いので混雑を気にせず乗れますね。
なお、山陽新幹線「こだま」に使われる500系と700系にはグリーン車はありません。
早朝と深夜のごく一部の列車に「みずほ」「さくら」用のN700系が使われる時のみグリーン車が連結されています。
なお723・725・821・823・825・722・764・766・768号は4号車も自由席。
721・853・855・859・863・850・856・858・862号は全車自由席となります。
また当面の間、843・847・849・854・856・858号の7、8号車は指定席となります。
山陽新幹線の「こだま」自由席車両の座席数を把握しておく
「こだま」各車両の座席数は以下のとおりです。
500系 | 700系 | |
---|---|---|
1号車 | 53席(※1) | 65席 |
2号車 | 100席 | 100席 |
3号車 | 78席 | 80席 |
(4号車) | (78席) | (80席) |
7号車 | 51席 | 50席 |
8号車 | 55席 | 52席(※2) |
4号車は基本指定席 (※1)座席がない列車もあり (※2)自由席として実際に使えるのは36席 |
車両によって座席数に差異がありますが、奇数号車にはトイレと洗面台が、1号車にはさらに運転席があるため座席数が少なくなります。
また7号車の座席数が中間車の割に少なくなっていますが、7号車はトイレと洗面台がある上に喫煙ルームと車内販売の準備室(「こだま」での営業はなし)があるため、その分座席数が少なくなっていますよ。
700系の7号車・8号車は幅広2列シートなので狙い目
「こだま」のうち700系で運行される列車はもともと「ひかりレールスター」として運行されていたこともあり、7号車と8号車は指定席車両と同じ幅広2列シート(サルーンシート)になっています。
▼1号車〜3号車の3列+2列のシート
▼4号車〜8号車のサルーンシート
700系に乗る時は競争率は激しくなりますが、7号車と8号車を利用しましょう。
なお8号車は52席ありますが16席分が4名用のコンパートメント席(個室)となっており、この部分を使用することはできません。
よって36席しかないので、確実に乗りたい場合は早めに乗車口へ向かいましょう。
山陽新幹線の「こだま」にはコンセントと喫煙スペースがない
山陽新幹線ならではの注意点としては、座席にコンセントがないことと、車内に喫煙できるスペースがないこと。
700系車両の一番前と一番後ろに1ヶ所ずつコンセントがある車両もありますが、それ以外の席にはまったくありません。
また車内に喫煙できるスペースがないので、列車通過待ちの停車時間の間に駅ホームにある喫煙コーナーを利用しましょう。
12時〜15時台の新大阪ー岡山は「ひかり」が「こだま」代わりになる
山陽新幹線区間の「こだま」は日中1時間に1本走っています。
ところが12時〜15時台、新大阪から岡山の間に「こだま」は走っていません。
この間は東京から来る岡山行きの「ひかり」が新大阪から岡山までの各駅に停まり「こだま」代わりになります。
各駅に停まりますが「ひかり」扱いなので、自由席は1号車から5号車です。
車内販売がないので、停車時間が長い駅と売店のある駅を覚えておく
「こだま」には車内販売がありません。
列車内に飲み物の自動販売機もないので、あらかじめ乗車するまでに買っておくか、途中駅で買う必要が出てきます。
途中駅で買う場合は、「のぞみ」や「みずほ」「さくら」が通過するのを待つ間に慌ただしくホームに降りて買うことになります…と書きかけたのですが、すべての列車を調べていたら、山陽新幹線はびっくりするほど停車時間の長い駅が多く、慌ただしくしなくてもいいことがわかりました。
▼手作業で調べた山陽新幹線「こだま」の停車時間(○は5分以上停車)
東海道新幹線が3分〜7分に収まっているのに対して、山陽新幹線は10分〜15分の停車時間がめっちゃあります。しかも1つの列車で何回も。
さらに衝撃的だったのが、こだま755号の広島での停車時間がなんと27分!!
停車時間27分って何…。
しかもこの列車はその前の岡山でも26分停車するので、この2駅の停車時間だけで1時間弱…。
買いに行くも何もホーム下の改札内のお店でなんか食べられそうですね。
山陽新幹線は改札内に売店のない駅が多い
停車時間はありあまるほどあるのですが、別の問題があります。
それは山陽新幹線には改札内に売店のない駅が多いということ。
山陽新幹線の駅構内の売店はJR西日本の子会社4社が地域別に行っていて、それらのホームページをチェックしてみたのですが、改札内に売店があると確認できたのは、全19駅のうち新大阪駅・新神戸駅・姫路駅・岡山駅・広島駅・小倉駅・博多駅のみ。
その後調べてみたところ、福山駅・徳山駅・新山口駅のホーム下コンコースの改札内にセブン−イレブンが、三原駅のホーム下コンコースには弁当業者「浜吉」の売店(弁当以外も売っている)があることがわかりましたが、それでも残りの8駅の改札内には売店がありません。
▼福山駅の「セブン−イレブン」
▼三原駅の「浜吉」の売店
山陽新幹線で改札内に売店があって停車時間も長い駅
山陽新幹線で改札内に売店のある駅は以下の11駅です。
このうち新神戸駅はホームが1本しかないため、停車した列車はすぐ出発してしまいますし、姫路駅や小倉駅も停車時間の短い列車が多く、利用は難しくなってしまいます。
反対に停車時間が長くなる駅は以下のとおりです。
(※)新倉敷と広島は新大阪方面行きのみ
改札内に売店があって、停車時間が長くなる駅を選べばいいので、以下の4駅をターゲットにするといいですよ。
自由席ならではの醍醐味!列車を降りてホーム下のカフェや飲食店を楽しむ
山陽新幹線の自由席特急券は後戻りせず改札を出なければ、乗り継ぐ列車数に制限はありません。
ならば列車を降りてしまいましょう!
停車時間が長い列車も多いので、同じ列車に戻ってきてもいいのですが、岡山駅と広島駅にはホーム下のコンコースにカフェやちょっとした飲食店があるので、そこを使うのもありですよ。
▼岡山駅改札内コンコースにある「cafe Muscat」
ただし、山陽新幹線の「こだま」は基本的に1時間に1本しかないので、次の列車に乗るタイミングを逃さないように利用しましょう。
岡山駅・広島駅以外でホームに降りて楽しめる駅
さて同じ列車に乗ってても駅ごとに10分〜15分停まってしまう山陽新幹線の「こだま」。
さすがに長時間停車が続くと、いくら鉄道好きな私であっても飽きてきます。
でも列車からホームに降りて楽しめる駅がいくつかありますよ。
福山駅は福山城が臨める
福山駅は福山城のすぐ近く。
上り新大阪・東京方面行きのホームからは福山城を眺められます。
▼福山駅上りホームから眺める福山城
三原駅は駅構内に三原城の天主台跡がある
三原駅も三原城のすぐそばで敷地を突っ切って新幹線のホームがあります。
上り新大阪・東京方面のホームからは天主台跡を見下ろせますよ。
▼三原駅上りホームから眺める天主台跡
天主台跡は一般開放されていますが、改札外なので行くことはできません。残念ですが眺めましょう。
徳山駅には無料充電スポットがある
徳山駅はとくにみどころはないですが、無料充電スポットがあります。
山陽新幹線の「こだま」車両には原則としてコンセントがありません。
700系一番前と一番後ろの席の1ヶ所ずつにコンセントがあるだけ。
なので5時間ネット見たり、電子書籍読んだり、写真撮ったりしていると危機的状況に陥ります…。
徳山駅のホーム下コンコースには充電スポットがあり、無料でコンセントが利用できます。
改札内にカフェ等はありませんが、セブン−イレブンがあるので、ここで休憩がてら充電をするのもいいですね。
▼徳山駅コンコースにある無料充電スポット
新下関駅は何もないけど壇ノ浦の戦い感のある待合スペース
新下関駅のホーム下コンコースは飲料の自動販売機しかありませんが、壇ノ浦の戦いを模した装飾がされています。
ソファがちょっといいやつでした。
▼新下関駅の待合スペース
その地域にしかないものを買う
また各駅によってその地域にしか売ってないものもあります。
売っているものは以下のページで確認しましょう。
駅によってはお弁当の売店もあり、これも各地域によってまったく異なるので、食べ比べてみるのも楽しいですよ。
▼福山駅上りホームにある「浜吉」の弁当売店
山陽新幹線のホーム上またはコンコースにある地域の会社が運営している駅弁の売店は以下のとおりです。
※利用する際は営業時間が通常の売店より短いことが多いので注意しましょう。
なお、駅弁売店ではないものの地域会社の駅弁を取り扱う改札内の店舗は以下のとおりです。
さいごに
山陽新幹線「こだま」の自由席の上手な乗り方と楽しみ方を紹介しました。
- 1号車から3号車までと7号車から8号車までが自由席なので比較的自由に座れる
- 700系の7号車と8号車はシートが広めで乗り得
- 岡山駅・三原駅・広島駅・徳山駅なら売店があり、停車時間が長い列車が多い
- 後戻りせず改札を出なければ何列車乗り継いでもOK
- 列車を降りて改札内にあるお店を楽しむなら岡山駅か広島駅で
- その地域にしかないものを買って楽しむ
これだけ覚えておけば、長い乗車時間も楽しく過ごせますね。
比較的自由席が座りやすい「こだま」ですが、もちろん混雑時には座れないこともあるので、その場合は指定席を押さえましょう。
とくに年末年始・お盆などの多客時は「のぞみ」「ひかり」「みずほ」「さくら」に乗客が集中し、逆に「こだま」の普通車はガラガラだったりするので狙い目です。
東海道・山陽新幹線の予約サービス「スマートEX」なら自由席料金に+α、「エクスプレス予約」なら自由席と同じ金額で指定席に乗れるので覚えておくといいですよ。
なお、東海道新幹線区間に設定されている「EXこだまグリーン早特」や「EXこだまファミリー早特」は山陽新幹線区間では設定されていないので気をつけてくださいね。