ノマドワーカーが一軒家でシェアハウスしてみた。東京都内でシェアハウス運営したときの初期費用・家賃・ノウハウの全貌を大公開!

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こんにちは。旅ライターの伊佐知美です。

この記事は、東京都内・世田谷区にて一軒家を借りて、友人らと自主的にシェアハウスを運営してみた(筆者は家主でした)そのノウハウと、収支についてまとめたものです。

シェアハウスを借りるに至った経緯 〜プロローグ〜

都内一軒家シェアハウス

常日頃思っているのですが、東京で賃貸住宅を借りるって、なかなかのハードルがありませんか?

だって、敷金礼金は必要だし、そもそも契約期間は2年間と中長期が前提だし、家具家電はすべて自分で買い揃えて運びこむのが基本、その上で光熱費も通信費も負担しなければならないなんて。

そういう風に感じてしまうのは、私がいわゆる「ノマドワーカー」「アドレスホッパー」として過ごしてきた時間が長いからかもしれません。

たとえば世界各国の「Airbnb」や、ホステル滞在を続けた場合。

当然家賃にあたる「宿泊費」は支払わなければいけませんが、宿泊費には清掃費や光熱費、通信費が含まれていることが多いです。

最近、国内では新しい多拠点居住サービス「ADDress」が話題ですが、月4万円の固定費にはやはり清掃費や光熱費、通信費が含まれています。

そういった「一時的に拠点を確保する暮らし」に慣れてしまうと、段々以下のように感じ始めます。

賃貸契約って、フットワークが悪くなりそうで怖いし、何よりコスパが悪い気がする……!

これはもしかしたら一般的な感覚ではないのかもしれませんが、少なくともアドレスホッパー全盛期(?)の頃の私は、そう考えるようになっていました。

じゃあ一生、『仮暮らし』とも呼べる一時的な拠点を借りて、移動する生活をし続ければいいのでは?

その意見も、また真実です。

けれど、とはいえ東京って、いまだノマドワーカーにとっては「仕事がたくさん集まっている場所」として大変魅力的な場所でもあり続けています。

その上、私にとっては、東京=人生の半分以上の時間を過ごしている土地なので、「友だちが多く暮らしている馴染みの場所」でもありました。

なので、コスパが悪いと言いつつも、東京を完全に離れると決断するのも、これまたリスキー。

とてもわがままですが、偽らざる正直な気持ちを申し上げると、そういった「どっちも捨てたくない」という状況でした。

そして、そんな私が悩んだ末に選んだのが、「東京都内に一軒家を借りて、友人4人(総勢5人)とシェア。

コスト・リスクを分散させつつ、東京に『固定の家と一時的な拠点の中間』とも呼べる基地を作る」道でした。

つまり「自主的なシェアハウス運営」の目論見です。

三軒茶屋駅周辺で借りていました

この記事を書いている2019年6月時点では、シェアハウスをすでに退去しているので、詳細エリアを明かしてしまいます。

エリアは東京都世田谷区で、最寄り駅は田園都市線の「三軒茶屋駅」でした。

三軒茶屋ってどんな街?

都内一軒家シェアハウス
家の近所の緑道にて

三軒茶屋駅は、渋谷駅から2駅4分の場所にあります。表参道駅も3駅6分。
どちらの駅からも頑張ったら歩いて帰れるし、自転車があれば毎日の通勤だって余裕。

渋谷駅からなら、深夜1時頃までバスが走っているし、タクシーに乗っても1,500〜2,000円程度の立地です。とにかく便利な場所にある、といっていいと思います。

その上、三軒茶屋駅は東急田園都市線と、世田谷線という2路線が走る街。

世田谷区にも関わらず物価は安く、飲食店は「356日毎日お店を変えても、行き尽くせないんじゃないか?」と感じるくらいには乱立しています。

しかもどの店も軒並みおいしくて、「三軒茶屋駅の飲み屋はしご」が、昔から密かな観光ルートとして人気を博しているくらいです。

生活に必要な施設も充実しています。
駅至近に薬局、コンビニ、郵便局、24時間営業のスーパーがあるのは当たり前!

深夜2時まで営業している本屋にジムにヨガスタジオと、なんというか「暮らすのになんの不便もない」と思わせてくれる土地が三軒茶屋という場所なのです。

まぁ、高速道路が駅の真上を通っているので、空気はあんまりよくないんですけれどね……。都会なのでそこは仕方がない。

その分、高速乗り場には数分でたどり着けます。ドライブにも便利な場所ですよ。

どんな家をいくらで借りた?

都内一軒家シェアハウス
入居日当日に撮影した家の様子

64平米・築30年ほどのリノベーション済み物件を、家賃198,000円/月あたりで借りました。

間取りはちょっぴり不思議。一軒家なのですが、もともと二世帯住宅として使われていたらしく、玄関は2つ。

1階と2階で完全に暮らしを分けることができる作りで、キッチン、お風呂、トイレも各階に1つずつ備え付けられています。

なので、物件表記は4DKでしたが、気持ちとしては「4DDKK」ともいうのでしょうか。とにかく4つの仕切られた空間と、玄関とキッチンとお風呂とトイレが2つずつある家、でした。

何人で住んでいた?

都内一軒家シェアハウス
時折みんなで実施した、ゲーム大会

その家に、前半は5人で、後半は4人で暮らしました。

部屋割りは、1人1部屋でキッチンやお風呂、トイレが共同。5人の時は1組がカップルだったので、1人部屋が3つと、2人部屋が1つという振り分けで使いました。

リビングやダイニングスペースは設けず、大抵誰かが旅に出ていたので、空いている部屋をリビングや客間として活用。

一ヶ月あたりの家賃はいくら?

都内一軒家シェアハウス
DIYが全面的に可能だった、私たちの家

5人で暮らしていた時は、「198,000円÷5=39,600円」、4人で暮らしていた時は、「198,000円÷4=49,800円」でしたね。

光熱費については、月の費用を住民で等分しました。

平均すると、1ヶ月あたりの光熱費は30,000円だったので、家賃と合計して、約48,000円〜約57,000円ほどを固定費として支払っていました。

一軒家だったので、夏冬の冷暖房費がかさみましたが…。

東京都内・世田谷区で一人暮らしをしようとすると、家賃だけで月10万円程度必要です。

三軒茶屋駅で暮らすことを考えると、かなりの節約になっていたと思います。

まぁ私たちの場合は、その節約した分をすべて旅行に費やしてしまうのですが……(笑)。

一緒に暮らす仲間は、どうやって見つけた?

都内一軒家シェアハウス

私を含め、立ち上げのコアメンバーであった3名は、もともと共通の友人同士。

初期に立ち上げメンバーとして加わってくれたカップル2名は、筆者の友人でした。

シェアハウスをするにあたって、彼らを引き合わせたという流れです。

やはり類は友を呼ぶのでしょうか。
5人が全員、世界中を旅しながら働いており、時折東京に戻ってきては短期滞在を繰り返す、というスタイルで暮らしていました。

その上、ラッキーなことに「Airbnbやホテル暮らしを続けるより、家賃を払って荷物を固定で置ける場所があったほうが精神的にも経済的にもコスパがよさそう。けれど一人で賃貸契約を交わすほどの情熱は、ない」という状況までもが一致!

だから一緒に暮らすことを、それぞれが即快諾できたのです。

なぜ既存のシェアハウスに入居しなかった?

単純に、そのほうが「楽しい」と思ったからです(笑)。

あとは結成当初、じつは自分たちが暮らすためだけの家ではなく、広く旅人が『帰る場所だと言えるような』、いずれ公に住居人を募集できるシェアハウスに育て、マネタイズしたいという思惑もありました。

なぜなら「ずっと東京に住み続ける」というイメージが湧かないメンバー同士でのシェアハウス結成だったので、いつかはほかの人に住民権を譲っても成り立つようにしたいなぁ、とふんわりと想像していたからです。

つまり「旅人専用のシェアハウス作りの礎を築こう」としたのですね。

こういう思考が当時からあったので、既存のシェアハウス入居ではなく、新しく一軒家を契約する、という行動に出ることにしました。

大変だったこと(デメリット)

先に大変だったことを述べたいのですが(笑)。
率直に言って、大変なことがたくさんありました。

詳しくは、これから紹介しますね。

[1]初期費用がかさんだ

都内一軒家シェアハウス

家賃が198,000円で、敷金礼金がそれぞれ2ヶ月ずつ。

そのほか鍵交換や保険料など諸々を含めて、初期費用は約100万円ほどかかりました。

それを5人でシェアしたので、1人あたりの負担金額は約25万円程度。

一般的にいうと安いほうだと思うのですが、25万円あったら世界一周航空券が購入できるので、旅人にとってはなかなかのインパクトを持った数字となりました(笑)。

[2]ノマドワーカーばかりが集まったので、本格的に家具家電を誰も持っていなかった

都内一軒家シェアハウス

入居日当日、家の前に集合しよう、と決めて集まりました。

でも、待てど暮らせど誰の引っ越し荷物も家に届かず、当日持ってきたリュックと小さなスーツケースだけが、それぞれの荷物だと判明しました。

持っているのはMac Bookや充電器、カメラ等の電化製品が中心で、布団1セットすら家にない光景にはさすがに呆然(笑)。

みんなで近所のホームセンターに布団を買い出しに出かけ、必要最低限の生活用品を揃えるところから生活がスタートしました。

[3]結果として、家具家電・日用品等をそろえる費用もかさんだ

都内一軒家シェアハウス
入居日当日に、家具家電が何もないことに絶望する私たち(布団はさっき買ってきた)

これは暮らし始めてから気がついたことなのですが、初期費用以外に準備すべき生活用品が、人生には多すぎました(笑)。

家具家電はもちろん、調味料やトイレットペーパーなども当然必要。

食器もなければ洗剤もない。
だけれども、何度も繰り返しますが、誰一人として、一つも持っていないんです!(笑)

その上、入居時期は冬だったのに、家にはエアコンが一つも取り付けられていない。

エアコンも購入しなければならなかったのです。これには参った。

Amazonの欲しいものリストを公開して、心優しいたくさんの方に物品をプレゼントしていただきましたが(本当にその節はありがとうございました)、足りないものは当然購入です。

結果として一人あたり追加で8〜10万円ほど、家を整えるために支払ったのではないかと思います。

[4]シェアハウス可の物件探しが難しかった

全員ノマドワーカーで、かつSNSを活発に利用するメンバー同士の入居でしたので、シェアハウスの実施が可能で、かつその活動を公言してよい物件を探す必要がありました。

でも、全員がフリーランス。
物件契約に不利と言われる要素はたっぷり。

正攻法で物件を探しても難航するだけ、と判断して、私たちは知り合いの不動産屋を頼って、シェアハウス実施が可能そうな物件を紹介していただくことで解決できました。

一般的にシェアハウス運営はそこまで歓迎されない出来事、というのが2019年現在の日本の状況かと思いますので、ここも一つのハードルになり得るかと思います。

[5]退去のタイミングを見極めるのが難しかった

都内一軒家シェアハウス

シェアハウス構想に挑戦・実行してみたものの、1年ほど暮らしてみたら、やっぱり少しずつムリが生じてくることが判明しました。

やっぱり、旅が好きなノマドワーカーばかりの家だったので、「家」という形が成立しなかったのですよね。

つまり、半分以上のメンバーがほぼ三軒茶屋に帰ってこない期間があった。

なので、「家賃を毎月支払っているこの状況、正しいのかな〜」と疑問を抱き始めてしまったのですよね。

もちろん友人同士なので、解散という意思決定をすること自体は大変ではなかったのですが、「ではいつまでに退去をすれば全員に迷惑がかからないか」や、メンバーが入れ替わっていたので「敷金の返金はどうするか?」などについて多量の話し合いが必要でした。

その調整に、思いの外時間がかかりましたね。

[6]家具やゴミの廃棄費用が発生した

都内一軒家シェアハウス
退去日当日に、荷物を引き取りに来てくれた友人の車

あれほど頑張ってそろえた家具家電ですが、退去すると決まれば今度は不用品です。

繰り返しますが、ノマドワーカーばかりなので、今度は家具家電を引き取りたいというメンバーが一人もいなかったのです(笑)。

知り合いのシェアハウス運営者や友人宅、ゲストハウスなどにできる限り家具家電や生活用品は譲りましたが、それでも廃棄せざるを得ないものは残りました。

都内一軒家シェアハウス

その処理費用は、業者にお願いして約7万円。

のちに返金される敷金から支払うことにしましたが、ムダなお金を発生させてしまったなぁ、と感じました。

楽しかったこと(メリット)

都内一軒家シェアハウス
筆者の部屋。世界中で買ってきたお土産にあふれていた

これは言わずもがなですが、とにかくノマドワーカー同士で暮らすのは刺激的で、楽しかったです。

孤独を感じがちなフリーランスだけれど、5人も集まると「仲間感」が出てきます。

夜な夜な一緒に働いて、朝も近所のカフェに一緒に仕事をしに出かけたり、雑談したりする時間はかけがえのないものでした。

都内一軒家シェアハウス
朝起きたら、筆者の誕生日にこれがかかっていた

テラスハウスみたいな恋愛沙汰は、残念ながらなかったけれど(笑)。

男女混合の暮らしだったので、似たような男女の共同生活感も味わえました。

何より、移動生活をする中でずっと「旅人同士で家をシェアリングしたら、すべては解決するのでは……?」と思い続けてきたので、挑戦できてよかった、という気持ちです。

結果的に、どうだったか 〜エピローグ〜

ちなみに、シェアハウスを運営してみてかかった費用は以下の通りです。

  • 初期費用:約100万円
  • 家賃:トータル期間の14ヶ月で約270万円
  • 光熱費:トータル期間の14ヶ月で約42万円
  • 諸々諸経費:約40万円(敷金返金を差し引きして)
  • シェアハウス運営経費合計:452万円

これを、5人で割ったとしたら……。

一人当たりの費用は、約92万円。
1ヶ月あたりで割ると、約6.4万円になりました。

一ヶ月あたり6.4万円(初期契約費用や光熱費込み)で、都内の三軒茶屋駅の一軒家に、大好きな友だちと暮らせたら……。

「それはとても、いいんじゃないか!?」と私は思います。
月に10万円が家賃平均だとしたら、3.6万円が浮いて、旅に好きに使える計算!

結果としてですが、私は「ノマドワーカーが都内一軒家で友人らとシェアハウス」。
このプロジェクトに挑戦できて、よかったなぁと感じています。

ライフスタイルにぴったりとはそぐわず、長く続けられなかったのは残念ですが、かつての同居人たちとは「またいつか、世界のどこかで一緒に暮らせる期間が作れたらいいね」などと話しています。

本当に、ほんとうに心から楽しい人生のひと時でした。

「自分たちでシェアハウスを運営する」という選択肢。興味がある人がいたら、ぜひ挑戦してみてほしいなと思います。ではでは、また。

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この記事を書いた人

伊佐 知美

1986年生まれ、新潟県出身のライター・編集者。2016年4月から株式会社Waseiの社員として「世界一周×仕事」の旅に出発。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』編集長、オンラインサロン「編集女子が"私らしく生きるため"のライティング作戦会議」主宰。旅ガイド「ことりっぷWEB」にて「伊佐知美の世界一周さんぽ」連載中。旅と文章とカメラがすき。個人ブログはこちら

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