翻訳業から整体師へ。自分がしていて幸せだと感じる仕事との出会い方 – 万力春乃さんインタビュー

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からだに疲れ、たまっていませんか?

私も・・・疲れが・・・たまっています・・・。

そんなときにお世話になるのが、整体師というお仕事。

「みんながもっと元気にやりたいことをできるように、からだの問題を解決するお手伝いをしたい」

そうやって語る万力春乃(まんりき はるの)さんは、店舗を持たないフリーの整体師です。

万力さん自身も、新卒のときに始めた翻訳業の仕事をがんばりすぎて、眼精疲労が悪化。その会社を退職してから、からだと向き合うようになったそう。

その後、翻訳業の仕事を経て、整体師へと転職。

今では、あまりにも施術することが幸せすぎて「対価をもらっていいのかな」とモヤモヤを抱えているんだとか。

「仕事の対価をもらうことに悩む人がいるなんて!」と思った私は、悩みが生じた背景や、自分がしあわせだと感じている仕事で働くことについて、聞いてみることにしました。

万力春乃(まんりき はるの)さんインタビュー

万力さんアイキャッチ

モヤモヤしたら、即変える

── 現在の整体師のお仕事を始めた経緯を教えてください。

万力:
もともとは、からだのことにまったく興味がなかったんです。

整体師になる前は、文学作品の翻訳家になることが夢でした。

両親が英語教師で、母が熱心に英語を教えてくれたことや、海外に留学した経験がきっかけです。

大学では語学を専攻していたのですが、翻訳家って専門知識が必要なので、専門学校を出た実績があったほうがいいんです。

だから専門学校に通いたくて、大学卒業後はまず働いて資金を貯めるべく就職します。

新卒では、船の設計会社の新しく立ち上がる翻訳事業部に入ることになりました。

本来なら、翻訳事業はきちんと経験を積んだ人じゃないと採用されないことが多いです。

ただその会社は、新しい部署だったこと、周りの同僚たちも同世代5人だったこと、そして私自身が、地方ではなかなかいない4ヶ国語を話せるスキルを持っていたので、通ったんです。

── 4ヶ国語もしゃべれるんですか!

万力:
はい。英語、ドイツ語、フランス語、日本語の4つです。

仕事はとても楽しかったのですが、新人で仕事量の加減がわからなかったこともあって、たくさん残業してがんばりすぎてしまいました。

大学時代から、海外向けの旅行メディアで、日本の観光情報を翻訳するアルバイトをしてたんですけど。副業でそのバイトも続けてたんですね。

そうしたら3ヶ月も経たないうちに、眼精疲労が悪化して、パソコンのモニターを3分すら見つめられないほどになってしまったんです。

ここにいては本当にやりたいはずのことをやるまえに目と体をダメにしてしまうと思ってやめました。

万力さん2

万力:
その後、地元の広島から福岡に引っ越して、フリーランスで翻訳仕事をしていました。その頃、当時の友人が、交通事故で亡くなってしまって。

すごくショックを受けたのですが、そのとき、「自分もいつ命を失うかわからないから、やりたいことはやっておこう」と思ったんです。

だから、よりやりたい翻訳の仕事が多い東京に上京しました。

東京では、エンタメ系の翻訳業務がしたいなあと就職活動をして、テレビ番組の制作会社に入社して、通訳として関わり始めました。

── すごい。

万力:
日本に来る外国人旅行者に、空港でインタビューをして、その旅行に着いていくという人気番組です。

── あっ、その番組知ってます!

万力:
旅行者と番組制作サイドを橋渡しする通訳の仕事はとても楽しかったです。

しかし、とても特殊な番組だったので、それ以外の仕事がしづらくなってしまって。

成田空港で旅行者に出会って、翌日は一緒に北海道、というようなスケジュールは頻繁にありました(笑)。

万力さん3

万力:
そのころ、インバウンド向けの対策を考える企業が増えてきたこともあって、ビジネス通訳の仕事をいただくことが増えたんですね。

でも、ある一定以上の規模やレベル感を求める企業とのお仕事の場合、やっぱり、専門学校を出ていないと仕事をもらえないことも多くて。

第一線で活躍している翻訳・通訳の方は、やはり、専門学校で専門知識を学んだ方ばかりなんです。

実力や実績が伴わなくて受けたい仕事をなかなか受けられない状況になってになって、やっぱり学校に行くのか考えました。

でも、それには資金が足りない。「だったら、お金を稼ぎつつもう1つ興味があったことをしよう」と考えて、映像制作の会社に入って、字幕の翻訳業務を始めました。

だけど、この仕事は、届けた人の感想が自分に返ってくることがほとんどないんです。

「自分の仕事は、本当に人を喜ばせているのだろうか?」と、また悩み始めてしまって・・・。

人をネガティブからポジティブに変える仕事

万力:
そうやって悩んでいた時期に・・・やっと、からだに関わるきっかけにたどり着きます(笑)。

ある日、Facebookで見かけた女性編集者の光野桃さんが執筆された本「感じるからだ ~からだと心にみずみずしい感覚を取り戻すレッスン~ (だいわ文庫) 」に登場していたさいとうまちさんという方に出会いました。

万力さんが整体をしているところ

万力:
さいとうまちさんが開催されているワークショップに参加した人って、初めて来た人は、最初はおどおどしていたり、声も小さかったり、おとなしく引っ込み思案な雰囲気を持っている人が多かった。

でも、ワークショップが終わると、事前の雰囲気が嘘のようにキラキラした目で、ほがらかに感想を話すようになっていたんです。

そのとき、からだの動かし方を変えるだけで、心も変わるんだと気づきました。

暗い顔をしながら来た人が、明るい顔をして帰っていく。

「私、これがやりたいんだ!」って思いました。

「自分でもやりたい」と、まちさんに相談したら「友達に声をかけてやってみたら」と。

── 「小さく始めてみたら」と、アドバイスをくれたわけですね。

万力:
はい。背中をおしていただきました。

身近にからだを酷使している職業の人が多かったから、少しずつ自分でワークショップをするようになりました。

並行して、からだのことを学べる講習会に参加するようになり、現在、私がやっている「なでたりゆらしたりする痛くない手法」の整体にやっとたどり着きましたね。

今、整体師として活動を始めて、2年半くらいです。

万力さんが整体をしているところ2

勝手に期待を背負わなくていい

── 万力さんの今までの経歴を聞くと、常に自分が本当にしたいこと・やるべきことはなんだろうと、考え続けているように思いました。

万力:
無いものねだりなのかもしれないですけど(笑)。

私は、両親が英語教師でしたし、母に英語を教わっていました。

留学もしたし、「語学を仕事にしなきゃいけない」と親から期待されているんだって、勝手に思いすぎていた時期がありました。

だから語学に関わる仕事を選んできたのですが、まちさんと出会って、本当にやりたいことを見つけられたんです。

その背負っていたものは、自分で勝手に課していたものだと、降ろしてもいいんだと気づけたんですよね。

── 今の万力さんは、余計な期待を背負っている感じしないです。

万力:
今はしあわせですね。ありがたいと思っています。

誰を喜ばせているのかわからない仕事をしていたときは、本当にモヤモヤしていて。

「私は、直接、人を喜ばせたいんだ!」とわかってから、気が楽になりました。

だけど、やるからには成果を出さなきゃいけない、とは思っていますね。

── 成果って、具体的にいうと、どういうことでしょう?

万力:
整体師の視点で言えば、痛みに悩んでいる方が施術に来たら、解決してあげたり、原因を判明させるお手伝いをすることもそうですし。

個人的な視点でいうと、きちんと整体師の仕事だけで生活できるようにする、ということですね。今は、他にも仕事をしている状況なので。

対価としてお金をもらっていいのか?

万力さん6

── 整体師という仕事の魅力はなんですか。

万力:
整体をしていると、自分自身、とてもしあわせになるんです。

だから、整体を受けに来てくれる人たちに対して、「施術させてくれて、貴方のからだの悩みを解決させてくれて、本当にありがとう!」という思いがあります。

整体師はたくさんいる中で、私を選んで、忙しい中でも時間を使ってくれていると思うので。

だから、自分が整体をさせてもらっていることがしあわせすぎて、お金をもらっていいのか?と考えてしまうことが、最近の悩みです(笑)。

特に難しいと感じるのが、関係性の深い人たちに施術したとき。

はじめましての人や会社からは対価をいただくことは、あまり抵抗はないんです。

だけど、1回施術すると、仲良くなって「私がからだの悩みを解決してあげたい」人たちになる。

相手の時間ももらっているし、さらに施術すると私はしあわせ。

だから、「私は、こんなにしあわせをもらっているのに、さらに対価のお金までもらってもいいのだろうか?」ってモヤモヤするんです(笑)。

── どうやったら今のモヤモヤを解決できそうか、考えることありますか?

万力:
どうせなら、宝くじがバーンって当たるか、パトロンに投資してもらって、私は生活にゆとりがある状態で施術したいですよね!(笑)。

── それは、みんな思っているでしょうね(笑)。目標とかありますか?

万力:

もっとたくさんの人にからだとの向き合い方を伝える方法を見つけたいです。

1対1で誰かを幸せにするのは人数がかなり限られてしまうので今そこに課題を感じています。

みんながもっと、元気に、やりたいことをやっていられるように。

どこか痛いとイライラするじゃないですか。私は、それってもったいないことだと考えています。

だから、これからも、そういったからだの痛みや悩みを解決するお手伝いをしていきたいです。

【編集後記】インタビューを終えて

万力さん7

万力さんは、自分のことを「おせっかいなんです」と言います。

出会った人すべての健康を心配して、解決しようと取りくむ姿をみて、私は「愛が深い人だな」と思いました。

「施術をするとしあわせ」と言う彼女にとって、整体師は「天職」なんだろうと思います。

自分がしあわせだと感じる仕事に出会う。

そのためには彼女のように、やりたいことに真摯に向き合い、考え続けてみること。まずはそこから始めてみるとよさそうです。

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この記事を書いた人

すずきよぴこ

コミュニケーションプランナー、ライター。次の70年に何をのこす?がコンセプトの「70seeds」編集部。1985年茨城県生まれ。昭和女子大卒業後、ダイヤモンド卸、Webクリエイティブ企業の管理部門を経て、PRプランナーを志す。主に、ローカル、ソーシャル、ものづくり、アート、VR等について執筆中。

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