PASPY(パスピー)は、広島県内の主要な私鉄・バス・フェリー・ロープウェイなどで利用できる交通系電子マネーです。
PASPYは、SuicaやICOCAなどのように、事前にカードへチャージしておけば、PASPY対応の交通機関利用時に専用端末にPASPYをかざすだけで、自動で運賃が支払われますよ。
しかもPASPYを使って乗車すると、運賃割引などのお得なサービスもあるんです。
そんな便利なPASPYですが、どんな種類があるのか、どこで購入できるのかなどが気になるのではないでしょうか。
そこでこのページでは、PASPYの種類や購入の仕方、チャージ・使い方、お得な割引などを紹介しますね。
PASPYについて
PASPYは2008年に誕生しました。
PASPYという名前は、英語のPASS(パス)とHAPPY(ハッピー)を組み合わせたもので、SPYの部分はSPEEDY(スピーディー)も意味しています。
なお、PASMOと名前が似ていますが無関係です。
▼PASPYが使える場合、車両の側面などに、以下のようなPASPYマークがついていますので、目印にしてくださいね。
また、PASPYを取り扱っている駅やバスセンターなどの窓口にも、PASPYマークがついていますよ。
PASPYが使える事業者・エリア
なおPASPYは、広島県内のすべての事業者が使えるわけでなく、おのみちバスなどのようにPASPYが使えない事業者もあるので、事前に確認してくださいね。
PASPYに対応している事業者・路線は、PASPYの公式サイトを参照しましょう。
またPASPYが使える業者の中でも、PASPY非対応の路線もありますよ。
高速バス路線は一部のみ利用可能で、多くの高速バス路線では利用できません。
ちなみに、広島県内はJR西日本が通っていますが、JR西日本の路線でPASPYは利用不可能ですよ。
広島県境をまたぐバス路線の場合
岡山・島根・山口県境付近にあるバス事業者の中には、広島との県境をまたいだ路線を運行している事業者があります。
岡山県井笠地方の井笠バスカンパニー、島根県石見地方の石見交通、山口県岩国市のいわくにバスなどです。
その場合、広島県側をメインに運行している路線のみがPASPYに対応していますよ。
ただし、いわくにバスは山口県内のみの一部路線でもPASPYが利用できます。
ほかの交通系電子マネーの相互利用について
PASPYは、現在ほかの交通系電子マネーのエリアでは使用することができません。
逆に、PASPYの利用エリア内で使用可能な交通系電子マネーは、以下の通りです。
なお、ほかの交通系電子マネーを利用した場合はPASPYで受けられる運賃割引は適用されません。
現金で乗車した場合の運賃と同じ額となります。
PASPYの種類一覧
PASPYには、いくつかの種類がありますよ。
PASPYの種類は以下の通りです。
- 無記名PASPY
- 記名式PASPY
- 記名PASPY
- こどもPASPY
- 割引PASPY
- PASPY定期券
つぎは、それぞれのPASPYについて順番に解説していきますね。
無記名PASPYについて
無記名PASPYは、名前の通りカード表面に氏名が記載されないタイプのPASPYです。
そのため、氏名や住所等を書類に記入して提出する必要がありません。
すばやく発行されるのが無記名PASPYの特徴です。
無記名PASPYの利点は、購入者以外でも使用できること。
家族や社員間でPASPYを共有したいときなどに最適ですよ。
デメリットは、紛失などによる再発行ができないことですね。
紛失には十分に注意しましょう。
記名式PASPYについて
記名式PASPYは、カード表面に氏名が記載されるタイプのPASPYです。
氏名のほかに性別・購入年月日・発行事業者名・記号がカードに記載されますよ。
記名式PASPYには、「記名PASPY」「こどもPASPY」「割引PASPY」の3種類があります。
▼「記名PASPY」は一般用の記名式PASPYですよ。
3種類の記名式PASPYのメリットは、紛失しても再発行ができることですね。
安心感はありますが、再発行には専用の手続きをする必要がありますで、紛失には注意してくださいね。
記名式PASPYのデメリットは、カードに書かれた氏名の本人(購入者)以外は使用できないことです。
また、申込書類に必要事項を記入して提出する必要があるため、無記名PASPYに比べると発行時の手間がかかります。
さらに、こどもPASPYの場合は健康保険証等の公的証明書、割引PASPYの場合は療育手帳・身体障害者手帳・保健福祉手帳を提示する必要がありますよ。
こどもPASPYについて
こどもPASPYは、こども運賃の適用を受けられるPASPYです。
小学生までが利用対象で、満12歳の誕生日経過後の3月末まで使えますよ。
期限後は、一般の記名PASPYに変更することもできます。
割引PASPYについて
割引PASPYは、療育手帳・身体障害者手帳・保健福祉手帳を持つ場合が対象です。
使用すると、運賃が半額に割引されますよ。
割引PASPYの有効期限は、購入から2年間です。
そのため、期限前に更新する必要がありますよ。
3種類とも、氏名や住所などを専用の申し込み用紙に記入して提出する必要があります。
また、バス・広島電鉄の電車でPASPYを使用して降車する際には、カードのタッチとともに各手帳を運転士に提示してくださいね。
PASPY定期券について
PASPY定期券は、名前の通り定期券機能をもったPASPYです。
さらに、通常のPASPYと同じようにチャージをすることもできます。
チャージをしておけば、定期券区間は定期券として利用でき、さらに定期券区間外で利用した場合にチャージ額から定期区間外の運賃が支払われますよ。
PASPY定期券は、記名式PASPY同様に、紛失などによる再発行が可能です。
また、カード表面に記されている氏名の本人(購入者)しか利用できません。
購入時には、申込書類に必要事項を記入して提出します。
なお、定期券のみを払い戻して、記名PASPYとして利用を継続することもできますよ。
PASPYの購入方法・手順
PASPYの種類のつぎは、PASPYの購入方法について紹介していきますね。
PASPYは種類によって購入方法が異なるので、種類ごとに説明しますよ。
なお、全種類に共通してデポジット(預かり金)の500円が必要ですが、あらかじめ購入額に含まれています。
デポジットは、解約したら返金されますよ。
無記名PASPYの購入方法
まず、無記名PASPYの購入金額ですが、2,000円〜20,000円の範囲で自分の希望の額を決めることができます。
設定できる金額は1,000円単位ですよ。
また、金額にはデポジット(預かり金)の500円が含まれています。
無記名PASPYが購入できる場所は、以下の通りですよ。
- 各事業者のPASPY取り扱い窓口(窓口はPASPY公式サイトを参照)
- バス・広島電鉄の電車内(2,000円のみ)
- アストラムライン(広島高速交通)の駅窓口
- アストラムラインの駅にある自動券売機(10,000円以下のみ)
無記名PASPYは、購入できる場所が多いのが特徴です。
場所によって、購入できる金額が異なるので、気をつけてくださいね。
バスや広島電鉄の電車内で購入するときは、乗務員にPASPYが欲しいことを告げましょう。
ただし、安全のためバスや電車が停車中のときでしか対応できませんよ。
記名式PASPYの購入方法
つづいて記名式PASPYの購入方法について紹介しますね。
記名式PASPYの購入金額ですが、3種類の記名式PASPYとも同じです。
自分の希望の額を2,000円〜20,000円の範囲で決めることができます。
設定できる金額は1,000円単位ですよ。
また、金額にはデポジット(預かり金)の500円が含まれています。
無記名式PASPYと同じですね。
記名式PASPYが購入できる場所は、以下の通りです。
- 各事業者のPASPY取り扱い窓口(窓口はPASPY公式サイトを参照)
- アストラムライン(広島高速交通)の駅窓口
▼記名式PASPYを購入するには、申込用紙に必要事項を記入して、窓口に提出します。
さらに、こどもPASPYを購入するときは公的証明書(健康保険証等)、割引PASPYを購入するときは療育手帳・身体障害者手帳・保健福祉手帳を窓口に提示してください。
PASPY定期券の購入方法
つぎは、PASPY定期券の購入方法を紹介しますね。
PASPY定期券は、すでに記名式PASPYを持っている場合、記名式PASPYに定期券機能を追加する形で購入することもできます。
PASPY定期券の購入ですが、新規購入と継続購入の2種類がありますよ。
継続購入とは、すでにPASPY定期券を持っていて、期限となる前に継続をすることです。
まず、新規購入のやり方を紹介しますね。
PASPY定期券を新規購入できる場所は、以下の通りです。
- 各事業者のPASPY取り扱い窓口(窓口はPASPY公式サイトを参照)
- アストラムライン(広島高速交通)の県庁前・新白島・大町・広域公園前駅の各窓口
▼PASPY定期券を新規購入する場合は、専用の申込書に必要事項を記入して窓口に提出します。
また、通学でPASPY定期券を使用する場合は、学校の証明書も必要ですよ。
そして、PASPY定期券の継続購入ですが、購入できる場所は以下の通り。
- 各事業者のPASPY取り扱い窓口(窓口はPASPY公式サイトを参照)
- アストラムライン(広島高速交通)の県庁前・新白島・大町・広域公園前駅の各窓口
- アストラムラインの駅にある自動券売機(区間・種類が変わらない場合のみ)
継続購入の場合も、新規購入と同様に専用の申込書に必要事項を記入して窓口に提出してくださいね。
自動券売機で継続購入する場合は、申込書は不要です。
また、自動券売機では一部のPASPY定期券は継続購入できません。
詳細はPASPY公式サイトを参照してください。
払い戻し・解約・再発行の方法
さいごに、払い戻しや再発行をする方法を紹介しますね。
なお、無記名PASPYの再発行はできません。
払い戻しと解約は無記名PASPYも記名式PASPYも可能です。
払い戻し・解約・再発行をするには、各事業者のPASPY取り扱い窓口へ行きましょう。
▼専用書類に必要事項を記入して、窓口に渡しましょう。
このとき、カードの種類にかかわらず公的証明書の提示が必要ですよ。
事前に用意をしておきましょう。
PASPYの使い方
つづいて、PASPYをバスや電車などでの使い方を紹介しますね。
なお、フェリーやロープウェー、一部の小規模なバスなどは利用方法が異なることがあります。
乗車するとき
バス・広島電鉄の電車の場合は、車両の入口に入ってすぐのところに、PASPYのカードリーダーがあります。
PASPYのマークが目印です。
▼カードリーダーにPASPYをタッチしましょう。
「ピッ」という音が鳴りますよ。
アストラムライン(広島高速交通)の場合は、駅の自動改札機についているカードリーダーに、PASPYをタッチしてください。
降車するとき
バス・広島電鉄の電車で降車する場合は、出口の近くにカードリーダーがあります。
入口と同じく、PASPYのマークが目印ですよ。
▼出口のカードリーダーにPASPYをタッチして降車します。
「ピピッ」という音が鳴りますので、確認して降車してくださいね。
アストラムラインの場合は、降車駅の自動改札機のカードリーダーにPASPYをタッチしましょう。
PASPYの残額がなくなったらチャージが必要
PASPYを購入したときは、すでに一定金額がチャージされた状態ですので、すぐに使用できます。
しかし、PASPYに残額が不足した場合は、自分でチャージする必要がありますよ。
PASPYをチャージできる場所や、チャージの方法などについては、以下のページを参考にしてくださいね。
PASPYの割引サービス
PASPYを使ってバスや電車などに乗ると、PASPYならではの割引サービスを受けることができますよ。
順に紹介していきますね。
運賃が最大10%引きになる
PASPYを使ってバスや電車に乗ると、通常の運賃から最大10%が自動で割引されます。
なお端数が出る場合は、10円単位に切り上げられますよ。
ただし、PASPY対応高速バス路線など、一部では運賃割引がない区間もあります。
また、相互利用により他社の交通系電子マネーを利用した場合も、割引は適用されません。
乗り継ぎ割引
PASPY対応の交通機関にPASPYを使って乗車し、別のPASPY対応交通機関に乗り継いだ場合、乗り継ぎ後のPASPY対応交通機関の運賃が20円(小児・割引運賃適用者は10円)割り引かれますよ。
乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ前の交通機関を降車して1時間以内に乗り継がないと適用されません。
乗り継ぎ割引が適用されるおもな乗り継ぎの組み合わせは、以下の通りです。
- バスからバス
- 広島電鉄の電車(路面電車ふくむ)からバス
- アストラムライン(広島高速交通)からバス(フィーダーバス)
なお、一部対象外の路線もあります。
路面電車乗換サービス
広島電鉄の路面電車にPASPYを使って乗車したとき、指定した駅(電停)で別路線の電車に乗り換えると、乗り換え後の電車の運賃が無料になりますよ。
乗り換えは、降車前の電車とちがう行き先の電車でないといけません。
また、乗り換えは降車後30分以内でないと乗り換えサービスは適用されませんよ。
乗り換えサービスの対象となる指定の駅は以下の通り。
- 的場町(まとばちょう)
- 八丁堀(はっちょうぼり)
- 紙屋町東(かみやちょう ひがし)
- 紙屋町西(かみやちょう にし)
- 本通(ほんどおり)
- 十日市町(とおかいちまち)
- 土橋(どばし)
- 皆実町六丁目(みなみまち ろくちょうめ)
- 広電本社前(ひろでん ほんしゃまえ)
- 日赤病院前(にっせき びょういんまえ) ※広島港方面のみ
- 宇品二丁目(うじな にちょうめ)
さいごに
広島県、とくに県庁所在地の広島市にはビジネスや観光などで訪れることがあるかもしれません。
広島市街地は、路面電車(広島電鉄)やアストラムライン(広島高速交通)、バスといったたくさんの交通機関があります。
そんなときに、PASPYがあると簡単でスムーズに移動ができるので、おすすめですよ。