IPO株(新規公開株)は、上場後に株価が値上がりする可能性が高く、投資家に人気がありますよ。
IPO株が利益を得やすいことは知っていても、どうやって購入すればいいのかわからないかもしれませんね。
また、買い方は知っていても、売り方がわからないと利益を得ることはできません。
そこでこのページでは、IPO株の購入から売却までの流れや注意点など、IPO株の買い方・売り方をまとめて説明していきますね。
IPO株の購入から売却までの流れ
IPO株の買い方・売り方について詳しく説明する前に、IPOの全体像を確認しておきましょう。
IPO株の購入から売却までの基本的な流れをざっくりとまとめました。
- 証券会社で口座開設する
- ブックビルディング(IPO抽選)に参加する
- 当選していたら購入手続きを行う
- 上場日以降に売却または長期保有する
IPOを取り扱う証券会社で口座開設すると、IPO株のブックビルディングに参加できます。
ブックビルディングとは、証券会社がIPO株の仮条件(価格)を投資家に提示して、IPO株の公開価格を決定する方法のことです。
投資家はブックビルディングに当選すると、IPO株を公募価格で購入できますよ。
購入したIPO株は、上場日以降ならいつでも売却可能です。
IPO株は初値(上場後に初めて決まる株価)が公募価格を上回る確率が高いので、初値で売却する投資家が多いですね。
配当や将来の株価上昇を狙う場合は、初値で売却せずに長期保有するのもひとつの方法です。
ブックビルディングに参加する
IPO株を購入するには、証券会社でブックビルディングに参加するのが一般的です。
ブックビルディング期間中に申し込みをすると抽選対象になり、当選していれば公募価格でIPO株を購入できますよ。
▼たとえば、SBI証券のブックビルディング申込画面はこんな感じですね。
資金不要で申し込める証券会社もありますが、多くの証券会社では、ブックビルディングに申し込む時点で購入資金を口座に入金しておく必要があります。
また、たとえ当選しても、受付期間内に購入手続きをしないと当選が取り消されてしまうので注意してくださいね。
購入したIPO株は上場日までに証券口座の保有株式に反映され、上場日以降は取引時間内であれば、通常の株式と同じようにいつでも売却できますよ。
ブックビルディングの参加方法や抽選方式、当選後の購入手続きは証券会社によって違うので、利用する証券会社の手続きの流れを事前に確認しておくことが大切です。
資金や取引実績があれば店頭窓口でも購入可能
IPO株を購入するには、ブックビルディングに参加して当選を目指すのが一般的ですが、証券会社の店頭窓口で購入する方法もありますよ。
野村證券や大和証券などの大手総合証券では、割り当てられるIPO株の80%~90%を、取引実績のある投資家に店頭で配分します。
そのため、大手総合証券に口座開設し、まとまった資金を預け入れて取引実績を作れば、店頭窓口で購入することも可能です。
状況によっては、ブックビルディングに参加するよりIPO株を購入できる可能性が高くなりますね。
しかし、担当営業員との関係や取引実績を作る必要がありますし、手間もお金もかかるので、個人的にはおすすめしません。
店頭窓口での購入は、あくまでもまとまった資金がある方向けの方法です。
IPO株はNISA口座でも購入できる
IPO株は特定口座だけでなく、NISA口座でも購入できますよ。
多くの証券会社では、ブックビルディングに当選して購入手続きをするときに、特定口座とNISA口座を選択できるようになっています。
NISA口座は株の売却益が非課税になるので、IPO株を売却して利益を得られれば、税金分だけ手元に残る金額が増えてお得ですよ。
もしNISA口座でIPO株を購入するなら、ブックビルディングに参加する前に、NISA口座でIPO株が購入できるかを確認しておきましょう。
IPO株を上場後に購入する「IPOセカンダリー投資」も狙ってみよう
IPOセカンダリー投資とは、IPO株を上場後に購入して利益獲得を目指す投資方法です。
ブックビルディングになかなか当選できず、IPO株を購入できない場合は、IPOセカンダリー投資に取り組むのもひとつの方法ですよ。
IPO株は上場後の株価の動きに特徴があるので、うまく取引できれば売却益を得られます。
また、投資対象をIPO株に絞ることができるので、銘柄選びがラクなのもメリットですね。
しかし、IPOセカンダリー投資は投資判断が難しく、常に株価を気にしなくてはならないデメリットもあります。
IPOセカンダリー投資に取り組む場合は、損失が出ても生活に支障がないように、投資額を少額に抑えて取引しましょう。
IPO株は初値で売却するのがおすすめ
公募価格で購入したIPO株は、長期保有せずに初値で売却するのがおすすめですよ。
IPO株の初値は、公募価格よりも値上がりする可能性が高いからです。
2018年の実績では、IPO株の約90%は初値が公募価格より値上がりしました。
また、IPO株を初値で売却する場合は、上場日の取引が始まる前に成行(なりゆき)で売り注文を出しておくだけでいいので、売りどきを判断する必要がないメリットもあります。
成行とは、値段を指定せずに注文することです。
成行で売り注文を出しておけば、そのときに価格が最も高い買い注文と自動的に売買が成立しますよ。
売り注文を出せるようになる時間は証券会社によって違いますが、早い会社なら上場日の前営業日の夜から手続きできます。
上場日に初値が決まらない場合の注意点
人気が高いIPO株の場合は、売り注文より買い注文が圧倒的に多くなり、上場日に初値が決まらないことがあります。
初値が翌営業日に持ち越されると、初日の売り注文は失効し、初値が決まるまで成行注文が禁止されますよ。
上場日に初値が決まらない場合は、翌営業日にあらためて指値で売り注文を出し直す必要があるので、手続きを忘れないように注意してくださいね。
IPO株の長期保有はおすすめしない
公募価格で購入したIPO株の長期保有はおすすめしません。
初値で売却すれば高い確率で利益を得られますし、多くの投資家は初値で売却するため、初値が決まった後は株価が大きく下落することが多いからです。
また、IPO株は上場後しばらく値動きが荒くなり、株価が安定するまで時間がかかります。
▼2018年12月19日に上場したソフトバンク(9434)の株価は、上場直後に大きく値下がりし、値動きが安定するまで少し時間がかかっていますね。
▼2018年6月19日に上場したメルカリ(4385)のように、株価が下がり続けている銘柄もあります。
IPO株を長期保有したい場合は、初値で売却して株価が安定したところで買い戻すのがおすすめですよ。
さいごに
IPO株は、公募価格で購入して初値で売却すれば、高い確率で利益を得られます。
人気が高いのでなかなか当選しないのがデメリットですが、リスクが低く、初心者の方でも取り組みやすい投資方法です。
IPOを取り扱う証券会社に口座開設すれば、ブックビルディングには簡単に参加できますよ。
今回紹介したIPO株の買い方と売り方を参考に、ぜひIPO投資に取り組んでみてくださいね。