移動する同棲カップルに聞く!異なるふたりの「ちがい」に対する考え方と楽しく暮らすためのお金の使い方

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友人に誕生日プレゼントを買ってあげてみたら、想像以上に喜んでくれたり、恋人をサプライズで旅行に連れて行ったら、何年経っても「あのときは嬉しかった」なんて言ってくれたり。

自分の時間を楽しくするためにお金を使うことはもちろん素晴らしいのですが、誰かとの時間を充実させるためにお金を使うのも、きっとすごくいいものです。

今回、ノマド的節約術のインタビューを受けてくださった稲沼竣(@ShunInanuma)さんと前田麻衣(@maimai_221)さんカップルは、移動する同棲生活を1年半経験したのち、現在はシェアハウスにて同棲生活を継続しています。

海外旅行にも頻繁に行くというアクティブなおふたりにお金の使い方をお伺いしていくと、誰かと過ごす時間の充実度は、お金の使い方によって変わるものなのだろう、と感じました。

同棲をしているひと、パートナーがいるひと、自分以外の誰かと楽しいひと時を過ごすことを望んでいるひとは、ぜひこのまま読み進めてみてください。

竣さん、麻衣さんの過去から現在に到るまでのストーリーに沿いながら、「かけがえのないひととの時間を楽しくするために大切にしたいお金の使い方」をご紹介していきます。

稲沼竣さん、前田麻衣さんインタビュー

得意なことは相手に任せる。それが時間とお金の節約、ふたりの時間の充実につながる

── 移動する同棲夫婦の存在は知っていましたが、移動する同棲カップルは新しいなと思って。しかも今おふたりは、シェアハウスに住まわれているんですよね。

前田麻衣(以下、麻衣):
そうです。

旅するエッセイスト、フォトグラファーの伊佐知美さんがお声がかけをしてくれたことがきっかけで、2018年から旅人の住むシェアハウス「えいとびたー」に入居が決まりました。

現在は、ひとつ屋根の下で男女5人で生活をしています。

稲沼竣(以下、竣):
東京、大阪、福岡で移動する同棲生活を1年半やったのちのシェアハウスだったので、それまでとはふたりでいる時間のバランスが逆転しましたね(笑)

今は、ふたりの時間ってほとんどないんですけど、僕らは国内だけでなく、よく一緒に海外旅行に行ったりもするので、そこでバランスは取れるのかなって思っています。

まさに今日から数日後には、ふたりでベトナムのダナンに行くんです。

麻衣:
移動する同棲生活の「海外版」みたいな形でね。

だから、それぞれの仕事も持って行くし。

今回のダナンは、旅行というよりは日常に近い感覚ですかね。実際にあっちで10日間暮らしてみるという試みです。

── そんな新しいスタイルの同棲を実現するおふたりが、お金の使い方で心がけていることをお聞きしていきたいと思います。まずは、それぞれの自己紹介からお願いします。

竣:
91年生まれの東京出身の脳内アーティストです。脳内アーティストという肩書きは、頭の中で考えた面白い企画をアーティストとして表現していくということから由来しています。

僕の経歴は、大学中退後、独学でデザインの勉強をしてデザイナーとして独立、2017年に合同会社IMAGINALを起業しました。

現在は、最近リリースしたランダムグルメアプリ「SHACA SHACA!!」に力を入れています。

麻衣:
私も竣とおなじ92年生まれの東京出身です。

旅行が好きという気持ちから大学卒業後は旅行代理店に就職して、去年の3月まで代理店で働いていました。

そこからフリーランスになって、1年くらい前からananwebで移動する同棲生活の連載をやらせてもらうことになったことをきっかけに、書き仕事をはじめ、現在はライターとして活動しています。

── 竣さんはデザイン会社の代表をされていて、麻衣さんは元旅行代理店のOLで現在はライター。いきなりなのですが、おふたりが移動する同棲生活をはじめたきっかけはなんだったのでしょう?

竣:
きっかけというか、ふと「カップルのベストプレイスを探してみよう」と思って麻衣に打診してみたんですよ。カップルのベストプレイスを探してみたくなったんです。

そしたら麻衣が承諾してくれて。移動する同棲生活は最初は、Airbnbで都内の住んでみたい街に数週間滞在することからスタートしました。

麻衣:
そのあと、移動する同棲生活のラブホ編を東京で30日間、大阪、福岡で10日間ずつ経験しました。

移動する同棲生活のラブホ編の構想はもともとあって、「こんなことを自主企画でやろうと思っているんだよね」と、以前ananwebで連載していたことのある知人の前で話していたんです。

そうしたら、「それ、おもしろそうだからananwebに言ってみようか?」という話に発展して、そこからうまく連載まで形に運べました。

── カップルのベストプレイスを探す旅なんて、最高におもしろい企画だと思います。ベストプレイスを探すということで、行き先、泊まる宿はとても肝心だと思うのですが、そこはどちらが決めているのですか?

竣:
基本、麻衣ですね。それは海外旅行のときでも国内での同棲生活も。

僕は決算係です。いつもボタンを押す瞬間に集中しています。

── なるほど、旅の舵取りは麻衣さんで、決算は竣さんという役割分担なんですね。

竣:
麻衣はもともと旅行代理店勤務だったから、安くて楽しい場所を選ぶのが本当に上手なんですよ。だから僕は、そこを彼女に任せてる。

こうやって得意なこととそうじゃないことで役割分担ができるのは、6年半付き合っているカップルだからできることだと思います。

麻衣:
今度行くダナンも、ふたりで往復5万なんです。

── ふたりで5万・・・! それは、麻衣さんにプランを任せたくなる竣さんの気持ちがわかりますね!

ひとりの旅とふたりの旅行で、お金の使い方が全然ちがう

── そもそもおふたりは、いつ頃から付き合っているのですか?

麻衣:
大学からです。なのでもう、付き合って6年半かな。

私たちはどっちも大学1年生の頃に学校のプログラムを使ってアメリカに留学しているんです。

そのときはまだ、付き合ってなかったけど、帰国してから付き合いました。付き合ってすぐ、竣がやめちゃったけど(笑)

── 竣さんが大学を辞めたのはどんな理由からですか?

竣:
留学して、単位がゼロだったからです。

── なるほど・・・それは、海外の生活が充実しすぎていて、ということですかね?

竣:
いや、お母さんがいなかったからですね。お母さんがいなかったから朝が起きれなかったんです。

麻衣:
「竣、単位がゼロだったんだって」って、ちょっと噂になってましたもん(笑)。

── その、竣さんはどうして海外に留学しようと思ったんですか?

竣:
まぁ、そう思いますよね。

留学しようと思ったのは、単純に高校生の頃、どうやったら自分の視野が広がるのか考えたときに浮かんだのが「海外に行くこと」だったから。

昔からやったことないことに興味があったんです。経験のないことって新鮮で、アガるじゃないですか。だから特別、海外が好きだったとか、留学した先になにかを描いていたとかではないですね。

単純に海外に見たことのない知らない世界が広がっているって思っていたから留学したんです。

── なるほど。でも今、麻衣さんと旅を継続しているということは、海外は竣さんにとってアガるツールであったということですか?

竣:
日本ではできないような体験ができるという点では、海外はアガりますね。でもそれは、麻衣とじゃなくてもアガれるんです。

僕はどこに行っても、ひとりでも、国内でだって正解を見つけることができるから。

── 竣さんの思う、旅の正解ってなんでしょう?

竣:
エネルギーに満ちあふれられることです。

すっごく嬉しかったり、すっごく驚いたり、すっごくハラハラしたり。思い出に残っていることって全部、エネルギー量が高かったときのことなんですよ。

エネルギーを生み出す方法は簡単です。必要以上に体を動かしてみたり、知らない人に話しかけたり、微笑みかけたり。そうすると、なにかしら予想外のことが起こるじゃないですか。

── たしかに、予想外のことってエネルギーを使いますし、記憶に残る気がします。

竣:
そういうおもしろいことをやりたくて、「ボープランの旅」というのをやっています。

棒が倒れた方に車で進む旅なんですけど、それを地元の友だちと2年連続でやっているんです。他にも、いいねの数だけ進み、リツイートの数だけ人に話しかける「Twitter電車旅」とか。

それは結果的に、金銭面でかなりの損失を食らいましたが(笑)。とにかく、僕にとってはそういう誰もやったことのない、いくらお金がかかるのかもわからないものが、旅ですかね。

麻衣との海外は、そういう面では旅ではないかな。

麻衣:
そうだよね、私も竣とは旅というより旅行をしているんだと思う。

主に私がプランを立てているというのもあるけれど、最初から、どこに行くかと、どれくらいお金を使うかはある程度決まっているから。

── おふたりは旅と旅行を明確に分けられているんですね。

竣:
これは僕の自論なんですけど、旅は内側に向かうもので旅行は外側に向かうものなんですよね。

内側っていうのは、自分の心の中のことで、なにかを通しての気づきとか、変化とか解釈に向き合うのが旅。旅行は、どこに行くとか、なにを食べるとか、なにをするとか、自分の外側に求めることだと思っています。

麻衣:
そこは、私も似たような価値観です。

竣との海外は、お互いにリッラクスしたいとか楽しい思いをしたいとか、欲求が明確にあって、それを叶えるためにお金を使っています。

だから、リラックスしたいときにはけっこういい値段のホテルもとるし、楽しく遊び尽くしたいときにはツアーも予約する。

その場でやりたいって思ったことは、全部やっている気がします。

竣:
ハワイに行ったときはそうだったよね。

現地で車と、バイクと、自転車に乗って市街地をぐるぐる観光した。あれは、その場でテンションが上がってやろうよってなった気がする。

麻衣:
そうそう。

本当はもっと安く済ませる方法も知っているけれど、そのときにしかない時間を楽しむために、経験にはお金を出し惜しみたくないなって思っています。

竣:
旅は無計画だからお金がかかるし、旅行はその時間を充実させたいからお金がかかる。

旅と旅行、どっちがいいとか全然なくて、ただ麻衣とは旅行があってると思うだけです。

同棲カップルがあえてシェアハウスに住むワケ

── ここまでお話を伺って、竣さんも麻衣さんも、いかにふたりの時間を楽しくするかにお金を使っている印象でした。そんなおふたりが、シェアハウス「えいとびたー」に住むことになったのは、どんな理由からでしょう?

麻衣:
都内でのAirbnb生活、そして東京、大阪、福岡での移動する同棲生活を通して気づいたのは、やっぱり私たちは地元も東京だし、東京に住みたいんだっていうこと。

── たしかに、えいとびたーの住所は東京ですもんね。カップルのベストプレイスは東京という結論に落ち着いたと。

麻衣:
でも、移動する同棲生活での気づきはそれだけじゃなくて。

私も竣も、住む地域は変えているんだけど、結局1日のうちのほとんどパソコンと向き合ってしまっていたんです。だから、なんというか、ただ風景だけが変わっていただけだったんですよね。

ずっと現地の人と交流することもなかったんですけど、福岡に行ったときに移動する同棲生活ではじめてゲストハウスに連泊しました。ゲストハウスなのでスタッフさんと、他のお客さんとも仲よくなって最後の晩に一緒に飲みに行くことに。

その晩が、えいとびたーに住むことになったきっかけかな。

竣:
みんなと一緒にお酒を交わす麻衣が、まぁ楽しそうな顔をしていてね。

「ああ、こういうのがいいんだな」って思ったんです。ただパソコンを触るんじゃなくて、現地のひとと交流したりとか、たまに誰かとお酒を飲んだりとか、そういう余白を持とうよって話になって。

そんなところに、シェアハウスの住人にならないかってお誘いがあって、ぴったりだなということで、えいとびたーに住むことに決めました。

── ずっと、ふたりで楽しいをつくってこれたにも関わらず、あえて誰かと暮らすことで毎日がもっと充実するだろうと思われたんですね。

竣:
正直、僕はどっちでもよかったんですよ。

このまま麻衣とずっとふたりでも、疑問を抱かなかっただろうし。

── そういう部分で、ふたりはぶつかったりしないんですか?

竣:
麻衣と僕は全然ちがうんですよ。趣味趣向も違うし、お金の使い方も全然ちがう。

だから意見が食い違うことはありますよ。だって、僕は生まれてから貯金できた記憶がないんですよ。

子どもの頃からお金をもらったら、もらったぶんだけ使い切っていたし。

── 麻衣さんは?

麻衣:
私は、貯金していましたね。貯金残高少ないと不安だから、あんまり手をつけることもなかったかな。

たしかに私と竣はあんまり似ていなくて意見が割れることもよくあるけど、でも、そのたびちゃんと話し合っています。

竣:
それがいいと思うんですよ。

人間それぞれ、どんなに似通った価値観を持っていたって、ちがう生き物じゃないですか。それを了解した上で、話しあえるかどうかがだいじだと僕は思います。

話し合うときも、感情的になりすぎず、相手を思いやって意見を言うことが大切で。

僕らはお互いにそれができるから、6年半、移動しながら一緒にいられたのだろうし、これからもそうやって続いていくんだろうと思います。

麻衣:
そうですね。

まだまだこれからも、ふたりでいろんなところに行きたいですしね。

インタビューした感想

竣さんと麻衣さんとは、お互いに旅行が好き。けれども、普段のふたりの趣味趣向やお金の価値観はまったく異なります。

でも竣さんも麻衣さんも、そのちがいを理由に相手を責めたり、距離をとったりすることは決してありません。だってふたりは、互いのちがいを了解したうえで、「話し合える」ということに関係性の素晴らしさを感じているから。

友人でも恋人でも、だれかと親しい関係になると「ちがい」というものがどんどん見えてきます。それをどう捉えるかで、お互いの関係はよくも悪くもなるのだろうな、と今回の取材を通して思いました。

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この記事を書いた人

小山内 彩希

編集者・ライター。1995年生まれ、秋田県能代市出身。株式会社Wasei「灯台もと暮らし」編集部。野球しながら植物を育てています。

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