「お金を使わなくても挑戦できるチャンスって意外にある」恋する旅ライター・小林香織

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“恋する旅ライター”を名乗るフリーライターの小林香織さんは、エンタメ好きだったことからアイドルのグッズ製作会社に就職。

その後、数々の転職を繰り返して、ライターの道へと進みます。

家が貧しくて、驚くほど狭い家で育ったと語る姿は、その内容とは裏腹に明るくて、目の前にいる人に元気を与えてくれるような存在だと感じました。

小林さんは貯金や節約をきっちりするタイプではないと言っていましたが、お金を使わなくても挑戦できるチャンスって意外にあると言います。

2017年10月から、セブ島へ語学留学に行くそうなのですが、ライターのスキルを活かして参加することで必要資金を抑えられたとのことでした。

「お金を使わずにできる方法を探す」という、そのマインドの秘密を探ります。

恋する旅ライター・小林香織さんインタビュー

インタビュー日:2017年8月17日(木)

小林さんアイキャッチ

家が貧しくてサンタさんが来なくなった

── 最初に自己紹介をお願いしたいのですが、事前に簡単にお話をうかがった際に「家が貧しかった」という話を聞いて。

小林:
そうですね(笑)。

── お金に対する考え方が今日の取材のテーマなので、その辺りについて教えてもらえたら嬉しいなと思ってます。

小林:
はい。埼玉県出身で、今も埼玉に住んでいます。

うちは5人家族で、父母と私と妹弟です。一般的な家庭ではあるんですけど、家はものすごく狭かったです。「こんなとこに5人で住めるの?」みたいな(笑)。

家を出るまでずっとちっちゃい、2Kのアパートに住んでいました。駅から近くて、利便性はよかったんですけど。

両親は自営業で一緒に働いてたんですけど、明らかに儲かってるときとそうじゃないときがあって。

── お仕事は何をされていたんでしょう?

小林:
運送業ですね。小学生中学生くらいになると自分ひとりの部屋が与えられることが多いと思うんですけど、子ども部屋さえなかったです。

「玄関を開けたら、部屋が全部見える」みたいな家でしたしね(笑)。

高校を卒業して、すぐに実家を出ました。

アルバイトで貯めた資金しかなかったので、すごくボロいアパートに住んでましたね(笑)。

── 家を出ることを、ご両親は反対しませんでしたか?

小林:
されなかったです。というのは、近所に引っ越したから。

実家から歩いて5分くらいのところだったので、お互いの家にすぐ行けるし、連絡も取り合ってました。

幼少期のお金ないエピソードで言うと、「サンタさんが来なくなった」のはショックでしたね(笑)。

小1くらいのときはディズニーのお絵描きセットをもらった記憶があって。

小林さん横顔

── その頃はまだおもちゃが届いてたんですね。

小林:
安いけど・・・がんばってくれたんだと思います。2年生くらいから届かなくなって。サンタさん宛の手紙を枕元に置いておいたけど、そのままみたいな(笑)。

── 手紙の回収すらされない(笑)。

小林:
親たちはどう思ってたのかわからないけど、私は「うちだけサンタさんが来ない!」ってすごく言ってた記憶があります。

「人は人、うちはうち」っていつも言われてました。そう言うしかなかったんでしょうね。そこからサンタさんは来ないものになりました。

高校時代にバイトで貯めたお金を両親に貸してあげた

── 中学高校くらいでは何か変化ありましたか。

小林:
中学までは自分でバイトもできないので、ちょっと貧乏で、好きなものがあまり買えなかった記憶があります。

たまに売上がよくてボーナスが出たときに、「買っていいよ」と言われて服とか買えるという感じで。普段は質素でした。

小林さん4

── 高校に入ったらバイトしましたか?

小林:
そうですね。お金が欲しかったので、すぐにスーパーでアルバイトして。土日がっつりシフトに入ってたので、高校生にしては割とお金があったかもしれません。

ただ、家計的にはそのとき相当ひどかったみたいで、親に20万くらい貸したことがあって。

バイトで稼いである程度余裕があったので、詳しいことは聞かずに貸して、数年越しに返してもらいましたね(笑)。

企業メディアの専属ライターからフリーライターに

── 高校を卒業するタイミングでひとり暮らしを始めたということでしたが、小林さんは何で稼いでいたんですか?

小林:
仕事を始めました。経歴がですね、転職回数が多いんですけど。最初は、アイドルのグッズ製作会社に入りました。

大好きなアイドルの近くで仕事をしたいという気持ちが強くて、正社員になって4年半勤めました。

そのあとADを半年、音楽関係の会社で制作デスクを4年半、さらに派遣社員を2年、アニメグッズ製作を1年です。

そのあとにウェブメディアの専属ライターを1年9か月やって、フリーライターになりました。

小林さん考える表情

── ウェブメディアの専属ライターをやるまでは、文章を書く仕事は一切していなかったんですか?

小林:
全然してなかったですね。何度か転職を重ねて、自分は何がしたいんだろうって考えたときに、強いメッセージを伝えられる仕事が好きだなって気づいて、「宣伝会議」の編集・ライター養成講座に通い始めたんです。

専属ライター期間は、ビジネス系のメディアで主にコタツ記事を書いていました。

── そこからいきなりフリーライターになれちゃうってすごいですよね。

小林:
専属ライター時代に副業として、個人でインタビューの仕事を請けていたので「もしかしていけるかな?」と考えました。

本当にダメだったら就職しようと思ってたんです。独立したのは2016年1月ですね。

社会人になってお金の価値観が変わった

── 「恋する旅ライター」はどういう経緯で掲げたんですか?

小林:
旅の仕事が何かしたかったんですけど、ただの旅ライターだとおもしろくないかなと思って。

ある人の人生のストーリーにときめくとか、場所にときめくとか、そういう解釈で「恋する」を付けています。

── 旅は最近だとどちらに行かれましたか?

小林:
ここ一年くらいだと、沖縄と島根、福岡にタイとか。だいたい一週間から10日くらい。現地でおもしろい人たちを見つけて、取材させてもらうこともあります。

社会に出たときに、最初のグッズ製作の仕事ではすごく稼いでいたので、お金に対する価値観が大きく変わってしまって。

使ってもなくならないので、お金を使うことにブレーキがかからなくなったんです。

ファッションとか美容とかにお金をかけたり、ちょっとだけ興味を持った映像製作のスクールに通ってみたりとか。

あとは、両親をいいレストランに連れていってあげたり。

やりたいことがあったらとりあえずやってみるし、欲しいものがあったらとりあえず買うみたいな。

それこそ、その頃はブランド物とかもいろいろ持っていて。でも大して使わなかったものも多く、もったいなかったなって。

もっと経験に使えばよかったなって思ってます。経験なら、あとで自分の資産になるので。

当時に戻れるなら、長期で海外留学するか世界一周しますね。

特にフリーになってからは、人と違う経験が個性になって、そこから仕事につながるんだって知って、余計に経験が大事だと考えてます。

あとは、ものを買うんだったら、ずっと愛用できて、私がその物の何をどう好きなのか、語れるものが欲しい

── 具体的にはどんなものですか?

小林:
日本人女性が立ち上げた「RICCI EVERYDAY」というブランドの、アフリカの布でつくられたバッグがお気に入りです。

それほど高いものではないんですけど、ウガンダのシングルマザーがハンドメイドでつくっているんですね。

そういう背景も説明できるし、「だから私は好きなんだ」って説明できるものを持ちたいなって思うようになりました。

「RICCI EVERYDAY」のバッグ
「RICCI EVERYDAY」のバッグ

お金よりも「充実感」を大切にしたい

── 今後の目標とか、こういうふうに生きていきたいという理想ってありますか。

小林:
あんまり理想がなくてですね(笑)。計画性とかなくて、直感と感覚で生きてきたし、生きていきたいというのはあります。

海の近くに住みたいとか、なんとなくは思いますけど。漠然と「都心のマンションって感じじゃないなぁ」って考えたりとか。

あとは、できる限り見たことがない場所に行きたいという気持ちは強いです。

その時々に、行きたいと思った場所に行ける状態にはしていたいですね。

タイのチェンマイのカフェにて
タイのチェンマイのカフェにて

── そのためにお金をいっぱい稼ぎたいと考えることはあまりなかったんですか?

小林:
あんまりないですね。なんでだろう。貧乏な家庭に育ったからですかね。お金を使うセンスもあんまりないと思っていて。そこは磨かなきゃいけないとも思ってるんですけど。

私が使うんだったら、うまく使える人がお金を持ったほうがいいかなと思います。もっとうまく使える人が世の中を上手に回してほしい。

私自身は、最低限、自分がやりたいことをできるくらい、行きたいところに行けるくらいあればよくて。

欲を言えば、家族を海外旅行に連れて行けるくらいの余裕があったらいいなと思いますね。

でもお金を稼ぎたいというよりは、今、自分が楽しんでいるか、充実しているかが大事なんです。自分がやりたいことをやれてるかとか。

── すごくいい話ですね。今あるものを、きちんと肯定してあげるっていう。「足るを知る」というか。

小林:
貪欲じゃないだけですね(笑)。

でも仕事面では、ライターだけじゃなくて、メディアと連動したイベント企画とか、コミュニティづくりをやっていきたい気持ちはあります。

それが私の個性とかウリになっていけばいいかなという感じです。もちろんライターの仕事は、軸として残していきたいんですけど。

── 自然体ですよね。

小林:
世間から評価されたいみたいな欲が低すぎて、大丈夫かなって思うときもありますけど。

そういう欲があったほうが、応援されやすいと思うんですよ。

仕事をいただいたみなさんに貢献したいという気持ちは強いんですが。私は、がんばってるように見せるのがすごく苦手で・・・がんばってないのかもしれないですね(笑)。

小林さん笑顔

ライターとしてセブ島へ語学留学に行く

小林:
あっ、目標、ひとつありました。今度、フィリピンのセブ島に語学留学にいくんです。6週間セブ島に滞在して英語を学んで、その様子を媒体で書くことが決まっているので、それはがんばりたいですね。

旅行じゃなくて海外に住んでみたかったので、なるべく負担なく住める、しかも住みやすい国ってどこかなって考えていたんですけど、たまたま縁があったので。留学レポートを毎週アップしていくような内容です。

── それは、お金はかからないってことですか?

小林:
滞在費と学費が基本無料で、食費とかも全部ついてきます。教材費とか航空券とか、一部自己負担もあるんですけど。負担はかなり小さいですね。

昨年小林さんが訪れた沖縄の竹富島の大好きな風景
昨年小林さんが訪れた沖縄の竹富島の大好きな風景

お金を使わなくても挑戦できるチャンスって意外にある

── お金がないから挑戦できないとか、やりたいことができないという人がいたら、何かアドバイスできそうなことはありますか?

小林:
フィリピン留学もそうなんですけど、チャンスって意外と身近なところに転がってると思うんです。

自分が知らないだけでそんなにお金をかけずにできる方法があったりとか。だから、一旦探してみて欲しいです。周りの人に聞いてみるとか、ネットで調べるとか。

私は留学に行くかはっきりとは決めてない段階で、とりあえず調べたり、聞いてみたりしていたんです。

そしたら、一芸留学枠みたいなものがあることを知って、本来は10数万のお金がかかるものが無料になるっていうことだったので、それだったらやってみようかなと思えたんですね。

── 留学だったら、「何十万貯めないとできない」とか「今の給料じゃ無理」って最初から諦めちゃうことが多いかもしれないですね。

小林:
ライターを始めてから、「なんとかなる」みたいな楽観主義者の人たちと出会う中で、自然とそういうお金の価値観になったのかもしれないです。

お金を全然持っていないのに世界一周に行っちゃうとか。100万円貯めて世界一周に行って、そのあとのことは何も考えてなくて、どうするの?って感じで。だけどとりあえず世界一周行っちゃったみたいな。

先日取材した、ヘアカットしながら世界一周して、帰ってきて高円寺に美容院をオープンした「旅人美容師」の桑原淳さんという方もそんな感じだったんですけど。

参考:「僕たちは何者にも染まらない」旅人美容師・桑原淳×旅ライター【好きを追求するフリーランスのガチトークVol.2】

小林さん6

小林:
世界一周と同時に始めたブログから集客できて、めちゃめちゃお客さんが来て本も出したり。人生がそこで変わった人なんですけど。

帰国後に美容院をオープンしようと思っていたけど、その資金のことなんて何も考えないで旅に出て、でもヘアカットしながらちょっとだけお金もらってたから、意外と手元のお金が減らなかったそうなんです。

「あっ、やってみなきゃ案外わからないものなんだ。心配しなくてもどうにかなるかもしれない」って、周りの人から教えてもらったかもしれないですね。

【編集後記】インタビューした感想

何かを始めるときに「お金がないから挑戦できない、やりたいことができない」と考える人は多いかと思います。

そんな考え方に対し、小林さんが言っていた「自分が知らないだけでそんなにお金をかけずにできる方法があるかも」という言葉は、とても力強いです。

「貯金しないとできない!」「今の給料じゃ無理」と最初から諦めるのではなく、何事もまずは方法を探ってみたり、人に聞いたりして、解決策を探していくことが大切だなと、改めて感じました。

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ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

くいしん

フリーの編集・ライター・PR。「灯台もと暮らし」編集部。1985年、神奈川県小田原市生まれ。高校卒業後、レコード店員、音楽雑誌編集者、webディレクター、web編集者を経て、個人事業主に。主にカルチャー、音楽、生き方、働き方、ローカル、暮らし、メディアについて執筆。

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