【対談】「病気になったのもラッキーだった」プロブロガー・ヨスさんの楽観主義のススメ

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今回は、月間100万PVを超える人気ブログ「ヨッセンス」を運営する香川のプロブロガー・ヨスさんと、ノマド的節約術主宰の松本との対談をお届けします。

ヨスさんは1976年に香川県で生まれ、デザインの専門学校に進学。アメリカにある姉妹校に交換留学生として行くことを決め、同じ香川県出身のパートナーと出会います。

その後、ウェブショップの店長の仕事を経て、バセドウ病になったことをきっかけにブログにのめり込み、現在ではブログで生計を立てられています。

ベッドの上でブログを本格的に始めたヨスさんは、PVやお金を稼ぐことではなく、「便利だと思ったことを他の人にも教えてあげたい」という動機でたくさんのエントリを書いたそうです。

生きているとたくさんの重要な選択に迫られ、ついつい眉間にシワを寄せて悩んでしまいますが、まずは楽観的になって自分にとって楽しい答えを選んでみることが大切なのかもしれません。

ヨスさん×ノマド的節約術松本対談

インタビュー日:2016年2月7日(火)

ヨスさん松本さん対談1

ふたりの出会い

── 改めてなんですけど、おふたりはどういう経緯で知り合ったんですか?

ヨス:
私は松本さんのこと、だいぶ前から知っていましたね。

松本:
僕もヨスさんのこと知っていましたよ(笑)。

ヨス:
2013年の夏くらいかなあ。その頃には知っていますよ。

松本:
僕は「Yahoo!経路案内」の記事でヨスさんのことを知って。

「Yahoo!経路案内」のことを自分で書こうかなと思って検索したらヨスさんの記事が出てきて、めっちゃわかりやすく丁寧に書いてあったから「この人すげえ」って思ったんですよ。

ヨス:
そうそう。たしか松本さんが「見習わないとなあ」みたいなことツイートしてくれて、それで松本さんのことを知ったんですよ。

この人めっちゃ嬉しいこと書いてくれてる!って思って、松本さんのサイトを見にいったら「なんかマニアックな節約術というテーマのブログ書いてるやん」って思って(笑)。

松本:
当時はiPhoneとかMacのブログが多かったですからね。その中で「節約」というテーマはマニアックだったかもしれない(笑)。

ヨスさん松本さん対談2

ヨス:
私、特に当時は他の人のブログとか読むことが少なかったんですよ。自分の友達とか、自分のことをリツイートする人のブログをのぞくくらいで。

それで、初めて松本さんを知ったんです。

松本:
僕もそのツイートをするまでは、ヨスさんのこと全然知らなかったんですよ。

ヨスさんの「教えたい欲」

ヨス:
私はもともとはライフハック系のブログをやっていて、Windowsを使っていたので、Windowsのツールについて書いたりしていて。

Windowsはいろんなツールを使いこなしたらすごく使いやすくなるんですよ。でも、みんなMacのことばかり書いていて。

Windowsについて書いている人は、すごくマニアックなことばかりで一般ユーザーにとってわかりにくいことばっかり書いていたんですよ。

このツールを使ったらもっと便利なのになんでみんなわかりやすく書いてないんだ!って当時は思っていて、それを自分が書きたいって思ったんですよ。

たとえばGoogle Chromeも初期の4記事目とかには書いたんですけど。でも、一般の人ってそもそもChromeを使っていないし、知らないじゃないですか。

だからChromeの魅力をもっと教えてあげたいなみたいな欲で、そんな記事ばかり書いていたんですよね。

松本:
ヨスさんは教えたい欲がすごいから。

ヨス:
それはなんで書くのかって言われたら、お金のためではないですし、PVのためでもないです。教えてあげたい欲求があるからなんでしょうね。だからオンラインサロンもやっているんですけど。

最初にブログを始めたきっかけがバセドウ病で入院した時だったんですよ。

── そうですよね。プロフィール拝見しました。

参考:香川県のブロガー ヨスです!

ヨス:
それで、やることがなかったんです(笑)。その半年前にブログのヨッセンスっていうドメインは取得していたんですけど、それは前の会社を辞めてフリーランスになったからで。

病気になってラッキーだった

── フリーランスは、ウェブ制作ですよね?

ヨス:
ウェブ制作の、コーディングとかデザインをやっていたんです。

松本:
そうだったんですね。

ヨス:
でも正直、あんまり向いてないなと思いながらやっていたんですよ。その時に自分のブログもやりたいなっていうのがあったんで、ドメインは取っていたんです。

でも、1日目に自己紹介みたいなページをつくって、なんか飽きたんですよね(笑)。

それで4ヶ月間放置していて、バセドウ病になって入院して、他にやることなくなったんでブログを思い出して書き出したのが本当のスタートなんですよ。

だからあの時、病気になったのはラッキーやなあって今は思っています。

── ラッキーと言えてしまうのはカッコいいですね。それは何年くらいのお話ですか?

ヨス:
2013年の2月くらいなんですけど。でも、病院にいるのでしばらくは安静にしないといけない状況だったんですよ。

つまり、働けない状況で、自由にブログ書いていいよっていう状況が与えられたんですよね。

ブログ書きたいっていう気持ちはあったので、「お金のことも何も考えずにひたすら書く時間が与えられた」って思って書き出しました。

それで、教えるのも好きだから何も考えずに書いていて、書き続けて今に至ります。

仕事を辞めたときに不安はなかった

ヨスさん松本さん対談3

── 松本さんが仕事を辞めた時に家を買っちゃって、家計が大変で節約というテーマに辿り着いたストーリーのように、病気になっちゃたから収入が途絶えてっていう心配もありましたか?

ヨス:
それがね、あんまり考えていなかったんですよ。当時、子供が3人いたのにあんまりお金のこと考えなかったんですよねぇ。

松本:
幸せなことですよ。でもそれはお金があったからですか?

ヨス:
貯金はコツコツ貯めていたのがあったので1年くらいはなんとかなるって気持ちはありました。

不思議ですよね。普通だったらめっちゃ焦ると思う。楽観的なんでしょうね(笑)。

次に何をしようかと考えずに辞めたんですよね。でもそれは松本さんも一緒でしょう(笑)。

松本:
いやいや、でも僕はめっちゃ悩んだからなあ。仕事が嫌だから辞めたかったわけではないんですか?

ヨス:
私、飽きっぽい性格なので、飽きてしまったんです。商品を売るのも毎年同じ季節になると同じような企画で、同じサイクルで売り出したりするんですよ。

ブログも最初はライフハック的な記事ばかり書いていたけど、それも飽きてしまって、うどん屋さんのこと書いたりとか。

だから、私自身がブログに投影されているんでしょうね。飽きっぽい性格が・・・笑えるくらい計画性ないですから(笑)。

松本:
それで上手くいってるのがすごい。

ヨス:
悲観的にならないだけなんですよ。楽観的なんです。

「楽観的」を語るヨスさん

松本:
ヨスさんからネガティブな言葉聞いたことないですからね。「もうダメかも」とか「悩んでる」とか。

ヨス:
「大丈夫、大丈夫」しか言わない、楽観主義者です(笑)。そんな頃に染谷さんが書いた『ブログ飯』に出会って・・・。

── えっ、ヨスさんも『ブログ飯』を読んだのがブログにハマるきっかけなんですか?

ヨス:
あの本に、当時の私を肯定してくれるようなページがあって。

「とにかく好きなことやったらええんや」みたいに解釈したんですけど。それで自分も「とにかく書いていたらええんや」という結論になって、自分を肯定できたんです。

書いていたらなんとかなると思っていました。

松本:
結果的に、なんとかなってるわけですもんね。

── そこで書き始めて、そのままプロブロガーといいますか、ブログの収入で生活できるようになっていくんですか?

ヨス:
徐々にですけど、そうなりました。とは言っても、最初の1年くらいはサラリーマンの月収にも届かないくらいです。

2年目には新卒のサラリーマンの月収くらいはいったんだったっけなあ。

── 「俺すげー!稼げるようなったー!」とかはありましたか?

ヨス:
そんなになかったんですよ。もちろん最初にアドセンスで月1000円くらいになったときは「マジか。好きなこと書いてるだけなのにお金になったー!」っていう感動はありました。

正直、どのくらいがすごいとか基準が自分の中になくて。PVも5万PV、10万PVっていっても、多いのか少ないのかよくわからなかったんですよ。

でも、言われても比較しなかったかもしれないですね。自分は自分だと思って。

── ウェブ制作に関しては、自分はそこまで得意じゃないって思っていたわけですよね。

ヨス:
うん、もっと自分にフォーカスしているほうが好きなんですよ。自分の城をつくるっていうか、他人のためにつくるのがあんまり合わなかった。

松本:
ヨスさんは性格的にそんな感じするな。いい意味で子どもっぽいというか。

ヨスさんのことを語る松本さん

ブログは自分に向いていると感じた

── それに対してブログはどうでしたか?

ヨス:
あっ、ブログは向いているなって思いましたね。自分のためのブログならすごく楽しく感じます。

他の人のブログ見ても、絶対自分のほうがわかりやすく書けるっていう自信は最初からありました。

むしろなんでみんなこんなに下手なんだろって思っていました(笑)。なんでこんなわかりにくいんだろうって。

── それも何か根拠があったんですか?

ヨス:
単純に読んでみてわかりにくいから(笑)。いやでも私ね、理解力は人よりすごく低いんです。

文脈がちゃんとないと人の話を理解できないんです。そういう理解力の欠如から、どうすればわかりやすく書けるのかってことを考えるようになって。

わからない人の気持ちがわかるから、わかりやすいく文章を書けるのかなって思います。それは、松本さんも同じじゃないですか?

松本:
僕はプログラミングのことを調べていて、全然書いてあることがわからなかったから自分で書き始めましたね。似た感覚だと思います。

勉強していて「こんなの嫌やなあ」って思って、自分が書くときはわかりやすく書こうみたいなところから、ブログもそういうところを意識して書くようになりましたね。

ヨス:
ブログってわかりやすさが一番大切って思います。検索して、行き着いた先がわからないことばっかりだと、「また検索かい!」って思うんで。

松本:
昔のほうが、今よりもそういうの多かったと思いますね。

ヨス:
昔の方が、ブログと日記が近かったんでしょうね。私は、自分のブログのことを情報サイトって思っているくらいですね。

ヨスさん松本さん対談6

── フリーランスになる前は承認欲求みたいなものってあったんですか?

ヨス:
前の会社は、ウェブ店長をやっていたんです。で、まあまあ売上も立てていました。

店長としてやっていて、メルマガもほぼ毎日書いてました。「店長さん店長さん」って多少ですけど、ちやほやされて。

前の会社のお客さんが、私のブログを読んで「店長さんですよね?」ってメッセージをくれたこともあります(笑)。

── その時代からファンが付いていたんですね。

ヨス:
今思えば、メルマガの中でブロガーみたいなことをやっていたんでしょうね。

ブロガーとしての歴史はまだ4年なんですけど、その前に7年間店長やっていたんで、それもウェブのキャリアとして積み重なっているんだと思います。

── 当時の経験が今に活かされているんですね。

ヨス:
それはあると思いますよ。

松本:
ヨスさんって、普段はどういうスケジュールで過ごしているんですか?

ヨス:
朝は5時くらいに起きてます。夜は9時に寝ます。5時にパソコンの前に行ってオンラインサロンの企画を考えたり投稿したりして、6時半頃まで仕事していますね。

そのあと子供が起きてきたら、世話したり学校行かせて。子供がいなくなったら仕事に戻って、ふらっとここ(善照寺)にきたり(笑)。

ヨスさん松本さん対談7

ヨス:
家に1日いるのが好きなので、そんな変化に富んだ生活はしていないですね。飽きたら午後くらいに家を出ることもありますけど。

昔は家事を全部やりながら隙間を見つけてブログやっていたんですけど、4月にうちのパートナーが仕事を辞めたから、記事の更新頻度が上がりましたね。

楽観的のススメ

── さっき「自分は楽観的だ」というお話がありましたけど、ヨスさんは昔から楽観的だったんですか?

ヨス:
ちっちゃい頃から運がいいという自覚はあったんですよ。

でも、高校時代は全然おもしろくなかったな。ちなみに松本さんは学校生活って楽しかったですか?

松本:
中学の時は全然楽しくなくて、高校の時は楽しかったです。中学の頃は、授業終わったら走って帰るくらい好きじゃなくて、でも高校行ったら変わろうと思って意識を変えたんですよね。

商業高校に行ったんですけど、部活やったり勉強やったりして、優等生になりたいなって思っていた。そしたら成績がよくなったから、成功体験になって自信になりましたね。

高校生になると、がんばったら割と正当に評価されるのでそれがよかった。100点とったら5をもらえる絶対評価だから。やればやった分だけ評価されるから精神的に楽になったのかな。

ヨス:
自信がついて性格が変わったんですか?

松本:
今から比べるとまだ高校生の頃はネガティブだったと思いますけど、中学の頃よりはだいぶ前向きになったと思います。今はもっと、だんだんポジティブになってますね。

ヨス:
20歳くらいの頃、デザインの学校に通っていたんですけど、学校が姉妹協定をやっていたのが、アメリカ、ニュージーランド、シンガポールだったんですよ。

松本:
ニュージーランドとアメリカで迷ってたんですよね?

ヨス:
そうなんです。手書きのイラストがすごく好きで勉強していて、ニュージーランドに行きたかったんですけど、学科がコンピューターグラフィックしかなかったので、アメリカを選んだんです。

計画的じゃなくて流れに身を任せるところはありますね。でもそのおかげでパートナーにも出会えました。楽観主義ですね、ラッキー。

松本:
僕は周りに多いんですよ、「自分は運がいい」っていう人。運が悪い人は、自分で「運が悪い」と決めてしまっているってことですよね。

ヨス:
運がいいと思っている人は、ダメだった時に「自分の力不足だった」って思うじゃないですか。運のせいにしないっていうか。うまく行ったことだけ運のせいにする。

さっきも言いましたけど、自分がバセドウ病になって入院した時に、「自由な時間ができてラッキー」って思ったんですよ。

でもそれは「最悪や」って思う人ももちろんいますよね。でも起こった事実は同じだから、ラッキーって解釈したほうが、私はおもしろいと思います。

ヨスさん松本さん対談、最後の一枚

この記事を書いた人

フリーの編集・ライター・PR。「灯台もと暮らし」編集部。1985年、神奈川県小田原市生まれ。高校卒業後、レコード店員、音楽雑誌編集者、webディレクター、web編集者を経て、個人事業主に。お金の価値観は「使って回そう」。ノマド的節約術では主にインタビュー記事をつくっています。