「23歳で月100万稼いだけど、全然幸せじゃなかった」プロブロガー・八木仁平(やぎぺー)

大学時代にはすでにブログだけで生活できるだけの収益を生み、現在まで新卒フリーランスとして活躍しているプロブロガーのやぎぺーさん。運営ブログは「やぎろぐ」。

ネット上の発信している内容や炎上しがちな様子を見ていると、敵が多そうなやぎぺーさんですが、応援している人は驚くほどたくさんいます。

僕自身、この日初めてゆっくりお話を聞かせてもらうまでは「なんでみんなやぎぺーさんを応援するんだろう?」と半信半疑だったというのが正直なところ。

しかし、お話をうかがったら、いつの間にかやぎぺーさんのことを応援したい気持ちに包まれていました。

高校時代にバドミントンでインターハイに出場し、早稲田大学を出て、就職することなくフリーランスの道へ。これを聞いただけでは順風満帆のように思えますが、どうやらそうでもないそうです。

「お金を稼いだだけでは幸せにはなれない」という、23歳で月に100万円以上を稼ぐブロガーの心の内に迫ります。

やぎぺーさんインタビュー

インタビュー日:2016年11月19日(土)

やぎぺーさんアイキャッチ

キャンピングカー生活後のこと

── あるときツイッターを見ていて、(ノマド的節約術の主宰の)松本さんもやぎぺーさんのことを応援している様子で。

やぎぺー:
ありがたいです。

── 炎上したり、過激な発言もしたりするのに、様々な方に応援されている方だなって思っていたんです。松本さんと会ったのはブロガー合宿ですよね?

やぎぺー:
そうですね。四国の香川でやっているブロガー合宿で初めてお会いして、最近は1ヶ月くらい前にお会いしました。

── そのときは、すでにキャンピングカーはなかった感じですね。

やぎぺー:
そうですね。1回目は「キャンピングカー買うぜ!」って言っていたときで、2回目はもうなかったです(笑)。

── ブログエントリは読ませてもらったんですけど、キャンピングカーの生活ってどうでしたか?

やぎぺー:
いや、キツかったですね。カッコいいなと思って憧れだけで始めてしまったんですけど、実際にやってみたら過酷でした。僕は家に引きこもっていたいタイプなので、自分とは合わないなって、本当に始めてすぐ気づきました(笑)。

── すぐだったんですね(笑)。いつも、「人生で買った一番高いものは?」って聞いているのですが、やっぱりキャンピングカーですか?

やぎぺー:
そうですね。キャンピングカー生活は始めてすぐに、いつ辞めるのがスッキリするのか、きまりがいいのかなあって考えていました。

── 社交的なタイプではないってことですかね?

やぎぺー:
自分からどんどんしゃべるタイプじゃないですね。家に引きこもっているのが一番幸せなタイプ。

── でも、オタクっぽいタイプでもないですよね?

やぎぺー:
オタクでもないんです。

── ネット好きですか?

やぎぺー:
そうですね。ネットは好きですね。

ネットを見て・・・。人と話すのも好きなんですけど、1日2時間くらいでいいかなってタイプです(笑)。

── ずっと人と一緒にいるのはしんどいっていう。

やぎぺー:
その他の時間はひとりの時間をもって、自分の中で考えを煮詰めたり、ブログを書いたりしているのが好きですね。

大学時代にブログを始めた

── もともとブログを始めたのは、就活の役に立ったらいいなと思ってなんですよね。

やぎぺー:
そうですね。大学生の頃、最初はIT企業に就職したいなと考えていて。大学3年の5、6月ぐらいに、大学のサークルがひと区切りつきました。

そのときに、自分のアピールポイントって、大学時代に100回やったヒッチハイクとサークルしかないぞって思って、これはヤバそうだなって思ったんですね。

そうやって思った当時はバイトとかほぼしていなくて、仕送りで生活してたんです。それでお金に対するすごいコンプレックスがあるんですけど。

周りの友人たちは、バイトで月に10万とか稼いでるんですよ。僕は最初にやった居酒屋のバイトで「うわーバイト向いてねえな」と思って2ヶ月くらいで辞めちゃって。

── いわゆる普通の仕事に馴染めなかったんですね。

やぎぺー:
そうだと思います。そのあとコンビニやって2ヶ月でクビになって。その後も派遣とかやってたんですけど、うまくお金を稼ぐことができなくて。

で、親からの仕送りで質素に暮らしていました。だから、結構お金への欲望が強かったんですよね。

あるとき、おじに喝を入れられて。20万くらいのMacBookを「買ってくれない?」って頼んだんです。

そうしたら「お金を稼ぐのがどんだけ大変か知らねーだろお前」みたいな感じで、めちゃくちゃ叱られて。めっちゃへこんだんですけど。

それでお金を稼ぐのって大変なんだって気づいて、自分で稼ぐ力をつけなきゃヤバいわって考えになったんです。今はブログで自分で稼げるようになって、その自信はつきました。

── で、サークルが終わると。

やぎぺー:
サークルが終わって、就活のために意識高い活動をしてみようって思って、ITベンチャーでインターンを始めて。

Airbnb(民泊サービス)を使って、外国人向けの家を貸したりとかもしていました。

── どこを貸してたんですか?

やぎぺー:
高田馬場で、自分の部屋とは別に借りていました。

── へぇ、すごい!

やぎぺー:
和室を、めっちゃおしゃれに改造して、すごく人気の部屋になっていました。で、同じ目的で、ブログも始めたんです。

やっていく内に、ブログが一番性に合ってるなって思って。就活でも話せそうだし、ずっと続けようと思ったのが始まりですね。

ひとつのことに集中できる環境をつくるのが得意

── Airbnbもそうなんですけど、自分でビジネスをつくってやりたいみたいな気持ちはもともとあったんですか?

やぎぺー:
憧れはもともとありましたね。父も自営業だし、親戚にも自営業が多くて。会社に入って働くというイメージはもともとあまり湧いてなかったですね。

── ご出身は高知ですよね?

やぎぺー:
実家は、高知ですね。高知市の真ん中で、中心街ですね。田舎町だけど、便利なところですよ。

車で5分以内のところに、TSUTAYAもヤマダ電機もイオンもあります(笑)。

── 大学で東京に出てきた感じですか?

やぎぺー:
そうですね。

── 何かやりたいこととかあったんですか?

やぎぺー:
漠然と、このまま高知で小さく終わるのはいやだなって思っていました。東京か、もしくは大阪とか神戸に出たい気持ちはありましたね。

受験して、早稲田大学と神戸大学に受かって。だったら東京楽しそうだから、早稲田に行ったほうがいいんじゃないかな、くらいの気持ちでした。

── 中高生のときはどんな感じの人だったんですか?

やぎぺー:
部活ばっかりやってました。バドミントン部で、ずっとキャプテンでした。

中高一貫で、エスカレーターだったんです。中学から高校2年まで、ひたすらバドミントンやっていたので、勉強はできなかったです。部活を引退してから勉強を始めたんですけど。

── じゃあ、受験勉強だけがんばって、早稲田に入れたってことですよね?

やぎぺー:
はい。なんかうまくいきました(笑)。

やぎぺーさん4

── 受験もそうだし、ブログも始めてから早い段階で収益化できたというのは、なんかコツがあるんですか?

やぎぺー:
今言われて一個思ったのは、それのことしか考えない環境を強制的につくるのは得意ですね。

部活のときだったら、家に帰ってもバドミントンのテレビをずっと流れてる状態にしていました。

学校に行っても机の中にバドミントンの雑誌入ってて、授業中も読んでるみたいな。

そんな感じで、ブログのときも、バイトも一切しないでブログ以外のことを考えなくていい状況をつくっていました。

友だちも、ブログの友だちとしか会わないとか。

── そういうやり方は、どこかで学んだんですか?

やぎぺー:
自然とそういうふうにやってましたね。意識的にやるようになったのは最近です。

── それこそブログとか?

やぎぺー:
ブログですね。時間のかけ方を工夫しないと、勝てないと考えて。

ブログで稼いでも、悔しい思いのほうが大きい

── 集中してるときは買いものとかしないんですか?

やぎぺー:
買いものしないですね。どうでもよくなります。1年くらい前は一番ブログにのめりこんでいた時期で。

そのときは服もワンパターンで、ユニクロのデニムに無印のシャツしか着ないっていう制限を自分に課して。服を考える時間は無駄だと思っていました(笑)。

とにかくブログ周りのことに時間を使って、時間とお金は全部そこに注ぐ、っていうやり方はクセになってます。

── 収入面で言ったら、同世代の早稲田を出て大企業に行った友だちよりも、全然稼いでいるわけじゃないですか。

やぎぺー:
はい、全然稼いでます。

── そこは比べたりしないんですか。「俺、勝ってるわー」って。

やぎぺー:
正直に言うと少しは優越感ありますけど、あんまり意識してないですね。

そのときやっていること以外どうでもいいタイプなので、ブログをやってるから、勝負するのはブログをやっている人たち。

「イケハヤさん、月に◯百万稼いでんのか」って思うので、どちらかと言えば悔しいですね。

悔しがるやぎぺーさん

── 大学のときにブログを始めて、就活もされたんですよね?

やぎぺー:
普通にいろいろ受けて、3社くらい内定もらって。で、一個ここ行くぞって決めてて、だけど今年の1月ぐらいに、やっぱいいやと思っちゃいました。

── 結構行きたい企業に内定をもらってた感じですか?

やぎぺー:
そうですね。IT企業なんですけど。もともといつか独立したいと思っていたので、そこでエンジニアやろうと思って。

── そこで、どういう心変わりがあってブログで食っていこうとなったんですか?

やぎぺー:
ブログでいこうって思ったときにみんなに言われたのが、「二足のわらじを履けよ」ということだったんですね。

── 働きながら、ブログで稼げばいいじゃないかと。

やぎぺー:
「働きながらブログやるのって、絶対いいよ」みたいな。そのときすでに、ブログで月30万は稼いでいました。

その収入があって、並行して会社員の収入も得られるなら、それが絶対に一番いいよっていろんな人に言われたんです。

でも、繰り返しになっちゃいますけど、僕は何かひとつのことに集中してないと気持ち悪くて。

── なるほど。

やぎぺー:
はい。力を分散するのがあんまり好きじゃないんで。そのときはブログの楽しさに気づいてて、続けたいなという気持ちが大きかったんです。

今はファッションに集中したい

── ブログは自分にとってやっていてめちゃくちゃ楽しいものですか?

やぎぺー:
はい、楽しいですね。目標を立てて、突き進んでる瞬間が好きなんです。そうしてないと、楽しめない。

── 結果よりも過程というか、突き進んでる状態が好きなんですか?

やぎぺー:
そこですね。結果も求めるんですけど。結局は振り返ってみるとあの過程が楽しかったなと思えることが好きですね。

ブログにのめり込んでいくと、世界がよりくっきり見える感じがどんどんしてきて。バドミントンも一緒で、熱中していると、競技の中で解像度がどんどん上がってくのが楽しい。

楽しい部分はそこかなあ。そこが楽しいっていうのと、単純に自分が、毎朝目標があってイキイキしてる状態が楽しいって感じですね。

── ちなみに今は、ひとつ集中してハマっているのはブログなんですよね?

やぎぺー:
そうなんですけど、今は転換期ですね。ブログ熱が少し落ち着いていて、ファッションにハマってます。

── ファッション?

やぎぺー:
最近は服ばっかり買ってて。「服、上下これしかいらねー」とか言ってたんですけど、楽しいなと思い直して(笑)。3日に1着くらいのペースで買ってます。

── めちゃくちゃ買ってますね(笑)。

やぎぺー:
服をたくさん買いたいし、いろんなの着てみたいという欲求がすごくあって。

── ファッションがもともと好きだったんですか?

やぎぺー:
そうでもなくて、今初めてハマってる感じです。今までは、そこそこおしゃれだったらいいなっていう感じだったんですけど。

人が知らないような、もっとレベルの高いファッションをしたいという欲求がありますね。解像度を上げたいというのもあります。

メンズファッションのおしゃれさを、理論的に分析して説明するメルマガを書いてるMBさんという方がいるんですけど。

その方の発信している内容を見ていると、ファッションにおいて自分とまったく違う世界が見えてるなって感じられて。

おもしろそうだなと思って、今はその気持ちを突き詰めたいです。すぐ始めてすぐ辞めるタイプなのでどうなるかわかりませんけど(笑)。

キャンピングカーのときもそうだったんですけど、キャンピングカーのことを全部調べて、ちょっとキャンピングカー界でちょっと有名になるか!みたいに最初は思うんです。

やぎぺーさん6

── 今の話で言うと、キャンピングカーもファッションも、今はブログが起点という軸があるじゃないですか。そうじゃなくて、「ブログをやめて、アパレルブランドを立ち上げます」とか、そういう可能性もありますか?

やぎぺー:
んー・・・今は考えられないですけど、他にやりたいことが見つかって、ブログをほとんど更新しない状況になることは、ありえると思います。

── ファッション分野で何をやるかとか、どうなっていきたいとかは今はまだないですか?

やぎぺー:
まだ全然ないです。ホントに、ここ3週間くらいの話なので(笑)。ファッション専門のブログも立ち上げたので、ちょっと書いてみようかな、という段階ですね。

月に100万円稼いでも幸せでないことに気づいた

── 学生時代ってモテてましたか?

やぎぺー:
結構モテてました。

── 今よりですか?

やぎぺー:
そうですね。中学のときとかめっちゃモテてましたね。一時期は、クラスのモテランキング1位みたいな状態もありました。

── バドミントン部効果ですかね?

やぎぺー:
それはあんまり関係ないですね。勉強はみんな頭いいんで差にならないんですけど、身長ももともと高くて、中学に入った時点で170くらいありました。

── 記事を読んでいる方は、やぎぺーさんが普段発信されているブログの文体もあって、今すごく自信満々にしゃべっているように感じられると思うんですよ。

やぎぺー:
そうですよね(笑)。

笑うやぎぺーさん

── 実際は・・・言い方が難しいですけど、腰が低いというか、自信満々な感じでもないじゃないですか。そのギャップがおもしろいなと思って今お話を聞いていました(笑)。

やぎぺー:
はい(笑)。

── むしろ自信なさ気じゃないですか。自己肯定感は高いんですか?

やぎぺー:
高くないです。むしろ低いですね。

── なぜか聞くのもおかしいと思いつつ質問なのですが、なんで低いんですか? 今までお聞きした話で、低くなる要素が一個も感じられなかったんですけど(笑)。

やぎぺー:
たぶん僕は、褒めて育てられたタイプなんですね。「これができたらえらい」「受験勉強で結果が出せたらえらい」とか。

自分でも「結果を出してるからえらい」って考えます。自分の奥にそういう考え方が刷り込まれてるんだろうなって最近気づきました。

何かを成し遂げてる状態に価値があるって思ってるんですよね。

── 最近、何かきっかけがあって気づいたんですか?

やぎぺー:
ブログやってて気づきましたね。何かに向かってがんばって結果を出してる状態がえらくて、それが自分で自分を認められる条件なんだって思って。

大学1年から3年くらいのときは、サークルしかやってなかったんで、めちゃくちゃ自分に対して不満があったんです。

── 大学のときもバドミントンのサークルですか?

やぎぺー:
そうですね、サークルもバドミントン続けてて。特に勝つぞっていう目標もないんですよね。

練習も別に一生懸命やっていたわけではなくて、サークルでワイワイして、夜になったら高田馬場でアホみたいにお酒飲んでただけでした。

その途中でなんかやんなきゃって思ってヒッチハイクやったり、ブログやったりして、就活前の話につながります。

だから、何かしら自分がハマってないと怖いという強迫観念はありますね。

── 逆に、大きな失敗とかしたことはあるんですか?

やぎぺー:
失敗かあ。高校のバドミントンの部活は、最後の大会で全然結果出せなくて、めちゃくちゃトラウマですね。

── それで自分に対して「ダメじゃん」って思ってるということ?

やぎぺー:
ダメじゃんってなりましたね。もう絶望的でしたね、あれは。そのときのことについては、一緒に頑張ってたバドミントンの仲間にも話せないですし。

── あのとき負けちゃったよね、みたいな話?

やぎぺー:
あのとき自分が結果出せなかったっていうのは誰も触れてこないし。自分の中でも、できれば葬り去りたい過去ですね。それから逃げるために受験勉強をがんばったというのもあります。

── 自分ではどうなんですか?「なんにもなくてもオッケーって思えるようになりたい」という気持ちはあるんですか?

やぎぺー:
あります。なんにもなくてもオッケーになったら、たぶんもっと幸せなんだろうなっていうのは思いますね。

自分で言うのもおかしいですけど、僕自身はちゃんと結果出してると思うんですよ。ただ、それに対しての幸せ度が低いです。

バドミントンでインターハイ行ってるし、早稲田出てるし、ブログで100万稼いでるし、客観的に見たら、挫折知らずの超スーパーマンなんだろうなって。

でも自分の中では全然満足いってなくて、幸福度は高くないんです。根本的な問題が、たぶんまだどこかに残ってるんだろうなって感覚はあるんですよね。

── 原因がわからないんですよね? そもそも「原因」とかじゃないのかもしれませんけど。

やぎぺー:
子供のときからずっとですね。いろいろ本を読んで考えるんですけど、まったくわからないです。

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── 20代で月に100万稼いでいる人ってほとんどいないわけじゃないですか。ざっくり言いますけど普通に考えたら「超すごい人」ですよね。

やぎぺー:
お金に対するコンプレックスがあったのでブログも最初は「月収100万」ってカッコいいなと思って、100いけばもしかしたら自分が納得できて幸せになれるんじゃないかと思ってたんですよ。

でも、半年前ぐらいに月100万にいったときに、「あれ、100いっても全然幸せじゃないぞ」って思って、お金を稼ぐことじゃないんだなって思いました(笑)。

── すごい話ですね・・・。

やぎぺー:
100万いってから数ヶ月は、「でも俺、稼いでるし、えらいんだぜ」みたいに思い込もうとしてたんですけど、いまいちうまくいかなくて。

大学時代はお金がなかったので、お金で幸せになれるんじゃないかなって思ってたんですけど、全然でしたね。

── 今はそんなにお金使ってないですよね?

やぎぺー:
そんなに使ってないです。

── 何かに使おうとか考えたりするんですか?

やぎぺー:
もともと考えていて、だからこそキャンピングカーを買ってみたんですよ。350万くらいしました。

今は、好きなだけ使えるんだから、好きな洋服をたくさん買ってみようという状態ですね。

── 具体的に将来自分はこうなりたいとか、こうやって世の中から見られたいっていう理想はありますか?

やぎぺー:
「自由で楽しそうな人」に見られたいですね。「なんにも縛られてないよね」みたいになって、チヤホヤされたいです(笑)。

── なるほど・・・でもそれって、考え方によってはある意味、達成されてませんか?

やぎぺー:
そうですね。

── 会社にも行かないし。たとえば通勤の満員電車とか、お金があまりないとか、世の中の若い人が抱えてるストレスとは無縁なわけじゃないですか。

やぎぺー:
何かがあれば幸せが得られるっていう発想自体が間違ってるのかなとはなんとなくはわかっているんですけど。

でも、そこから逃れられない自分がいる、みたいな感じですね。たぶん何か求めてもダメなんですよね。

── たとえば・・・修行をしようとか考えたことないですか?

やぎぺー:
あはは(笑)。修行ですか?

── それこそお遍路とか・・・インドに行くとか(笑)。ノマド的節約術の取材で、生きてきた中でどうやってお金と向き合ってきたか様々な人にお話をうかがっているんですね。

やぎぺー:
はい。

── 世界を旅した人とか、途上国の子どもを見て影響を受けたとか、そういう方が多いなって思うんですよ。世界を見て人生観が変わったという話。

やぎぺー:
たしかに。あんまり考えたことありませんでした。インドの修行とか楽しそうですね。

── 自分がそういうネガティブなところを乗り越えたら、どうなると思いますか? 楽しみですか?

やぎぺー:
やばそうですね。想像しただけで、超気持ちよさそう。うん、なんとか乗り越えたいですね。

── みんなが思ってるところとは全然違うところで戦っているんですね。今日聞いたような話ってブログにあんまり書かれないですよね?

やぎぺー:
ブログではなかなかうまく出すのが難しいんですよね。ブログで書いても、伝わりにくいと思うんですよ。

「そうは言っても、どうせブランディングの一環なんでしょ? ダメなところ出して」って思われそうだなって考えちゃいますね。

── ありがとうございます。めちゃくちゃおもしろかったです。

やぎぺー:
おもしろいですか? そう言ってもらえると嬉しいです(笑)。

── 次のステップが楽しみですよね。やぎぺーさんはこれからどうなるんだろう、って勝手に考えちゃうし、応援したくなりました(笑)。

やぎぺー:
戦い続けるのか、どこかで自分を許してあげるのかわからないですけど・・・許してあげたいですね。何か原因みたいなものがあるのか、自分の記憶の中にはないので自分では今はわからないですけど。

もっと奥まで見てくれる人に見てもらわなきゃダメなのかな、とも思いますね。だから、インドの修行とかホントに行こうと思いました(笑)。

── ぜひ。ブログに書いていただけたら、必ず読みます。

【編集後記】インタビューした感想

やぎぺーさんが帰ったあとの取材先風景

普段のやぎぺーさんのブログを読んでいるだけでは感じ取ることのできない、意外な一面を垣間見れるインタビューでした。

「結果を出しているのに、幸せ度が低い」

最初にそう聞いたときは、正直なところ頭に?マークが浮かびました。やりたいことをやって、試行錯誤してできるようになって、若くして成功と呼んでもいいような結果に結びついているやぎぺーさん。

それでも「幸せじゃない」「自分を許してあげたい」と語るその表情は真剣で、だからこそ、周りにいる多くの人がやぎぺーさんのことを応援したくなるんだと思います。

やぎぺーさんが今後どのような人生を歩んでいくのか、陰ながら楽しみにしています。

▶やぎぺーさんのツイッターアカウントはこちら

この記事を公開してから半年後の2017年6月に、やぎぺーさんは以下の記事を書かれていました。
参考:お金を貯めてはいけない理由。お金は好きな人に「次は君の番!」って言って気軽にパスして行くもの

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

フリーの編集・ライター・PR。「灯台もと暮らし」編集部。1985年、神奈川県小田原市生まれ。高校卒業後、レコード店員、音楽雑誌編集者、webディレクター、web編集者を経て、個人事業主に。お金の価値観は「使って回そう」。ノマド的節約術では主にインタビュー記事をつくっています。