こんにちは、「あしたはもっと遠くへいこう」の前原です。
海外居住者の日本人は、日本への一時帰国時に消費税を払わずに買い物できるって知っていましたか?
最近は中国人観光客の爆買いが話題ですが、日本で爆買いしている中国人はいくら買っても消費税を支払っていません。
なぜなら彼らが買うおみやげは、日本の免税店で購入しているからなんです。
でも、実は日本人でも海外に住んで一定の条件を満たしていれば、日本への一時帰国時に免税店で消費税を支払わずに買い物できます。
消費税は2019年時点で10%ですから、消費税がそのまま節約できるとなればかなりお得ですよね!
今回は、台湾に住んでいるぼくが、日本へ一時帰国時にユニクロで実際に免税品として購入してみたので、そのやり方をまるごと説明していきます。
※2016年4月時点での情報が含まれます

免税品の仕組みと購入者資格の説明
「え?消費税を払わずに買い物できるなんて、そんなお得な話あるの!?私も購入してみたい!」
日本人でも免税品を購入できると聞いたら、誰でもそう思ってしまいますよね。
でも早まらないでください。
これは日本の法律に則った立派な仕組みですが、誰でも利用できるわけではありません。仕組みを理解することが大切です。
購入手続きを紹介する前に、誰が、どこで、どんな条件で、免税品を購入できるかを説明しますね。
日本国内で免税品を購入できるのは一時帰国した「非居住者」
まず、日本での免税品購入はどんな人ができるのでしょうか?
国土交通省観光庁の免税品説明のホームページを見ると、こんな説明がされています。
「非居住者」に対する販売であること。
「非居住者」とは、外国人をはじめ、日本人であっても一定の条件を満たす者は、非居住者に該当します。
この説明によると、日本国内で免税品購入資格を持っている「非居住者」とは、「現在海外に居住している人間」のことを指します。
外国人だけではなく、現在国外に住んでいる「非居住者」の日本人であれば、一時帰国時に免税品を購入することができるんです。
どうやって非居住者を証明するかというと、国内の免税品店舗で購入する時にパスポートを出して、日本国内の入国スタンプと海外に滞在しているビザを見せる必要があります。
日本への入国時に自動化ゲートを通ってしまうと入国スタンプは押されないので、その点は気をつけなければなりません。
「非居住者」の対象になる日本人の基準とは?
続いて「非居住者」の対象となる対象を詳しく掘り下げてみてみましょう。
「非居住者」とは外国人と、現在海外に住んでいる日本人であることが最低条件です。海外に住んでいる日本人でも一定の条件を満たす必要があります。
国土交通省観光庁の免税品購入のホームページによると、以下のルールがあります。

- 外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
- 2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
- ①及び②に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
- ①から③までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者
もう少し具体的な例を出してみてみると、まず日本の会社で海外の支店に勤務する人や、海外でその国にある企業に勤めている人、国際機関や外国にある事務所に勤めている人が対象になります。
つまり、海外にある会社や国際機関に勤めていれば、日本人でも非居住者と認められ、免税品を購入できますよ。
また海外に2年以上滞在している人や、滞在する「目的」で出た人も対象になります。
あくまで「目的」ですので、免税品を購入しても2年間以上達成できなくても罰則があるわけではありません。
この基準だと留学してる人や永住権で滞在してる人、ワーホリビザで海外へ行く人も対象です。
つまり国外に長期滞在している会社員や留学生、ワーキングホリデーする人は一時帰国の際に免税品を購入する資格があるので、消費税を支払わずに日本で買い物できるんです。
ただ、海外居住者でも日本に半年未満滞在でないと、半年以上は「居住者扱い」になってしまうので注意が必要です。
目安としては一時帰国の際は180日未満の滞在でないといけません。
免税品の購入は、免税許可を取った免税品店でのみ

非居住者の定義がわかったところで、次に免税品を購入する際に気をつけなければいけない購入条件を説明していきますね。
国土交通省観光庁のホームページの「免税店とは?」という説明ページを見ますと、免税品は免税店でのみ購入できると書いてあります。
免税店とは外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる店舗のことです。
例えば、いつも利用してる街のスーパーや普通の店舗などでほぼ免税店の許可を取っていないので、免税店以外で買い物したら消費税は支払わなくてはいけません。
免税品を購入するためには、免税品の看板を掲げた店舗で探す必要があります。
しかし最近では訪日観光客の爆発的増加で、大都市であればコンビニやドンキホーテ、ドラッグストア、家電量販店やユニクロまで免税店の許可を取っているので、本当に多種多様です。
中でも東京や大阪、京都などの観光地として人気ある場所では多く免税品店の看板を掲げたお店が見つけられるので、大都市まで出向くといろんなものが免税品で買いやすいと思われます。

例えば、東京の新宿にあるビックロは中に入ってるユニクロ、ビックカメラ、両方とも免税品店登録されているので、このようなお店を探してみてください。
免税対象の商品は?
そして免税品購入対象の商品説明です。
再び国土交通省観光庁のページにチェックすると、免税対象となる商品は指定されており、またある一定の金額以上を購入しないと免税になりません。
この点は強く意識しておく必要がありますね。

対象物品
通常生活の用に供される物品(一般物品、消耗品)であること。一般物品
- 1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が1万円を超えること。
- 販売合計額が100万円を超える場合には、旅券等の写しを経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存すること。
消耗品
- 1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内であること。
- 非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること。
- 消費されないように指定された方法による包装がされていること。
免税対象の品物は一般物品と消耗品に分けられます。
どちらも購入時の免税対象になる条件と、その後の手続きと守らなければいけないルールが違いますので、違いを知った上で免税品購入しましょう。
免税対象の一般物品と、購入時に気をつけるべき条件![ippanbuppin]()

まず一般物品から説明しますね。
一般物品にあたるのは、主に以下のものです。
- 電化製品
- 時計
- カバン
- 洋服
- 靴
- 着物
同じ日に、同じ店舗で、10,001円以上を購入した場合、免税手続きを経て、免税品として購入することができます。
また、購入後6ヶ月以内にその一般物品を持って海外へ出国することが義務づけられています。
一般物品の良いところは、消耗品と違って出国前に使っても良いという点でしょう。
例えば、アップルストアで免税品のiPhoneを購入した場合、出国前に開封して設定したり、アプリをダウンロードすることができます。
ただし、購入した一般物品を持って出国することが必要です。
自分以外の誰かのために免税品を購入して渡すことは禁じられているので、そこは注意しましょう。
免税対象の消耗品と、購入時に気をつけるべき条件![shoumouhin]()

消耗品に該当するのは主の以下のものです。
- 食品
- 果物
- 化粧品
- 医療品
同じ日に同じ店舗で5,001円以上購入した場合、免税手続きを経て、免税品として購入することができます。
消耗品はお店でビニール袋か段ボールで包装されるので、出国まで開封しないように注意しましょう。
また、包装された消耗品は30日以内に持ち出すことが義務づけられています。
仮に、お菓子などを買って、日本国内で開けて食べてしまったら、免税が認められずにあとで消費税が請求されるので、うっかり開けてしまってはいけません。
注意!免税店での購入時に一般物品と消耗品の合算は認められていない
一般物品と消耗品を合算して購入することは認められていません。
例えば、8,000円の一般物品と3,000円の消耗品を同一店舗で購入しても免税の対象外になります。
一般物品は一般物品でのみ組み合わせて10,001円以上購入、消耗品は消耗品のみの組み合わせで5,001円以上購入しましょう。
以上の注意を守れば、海外に居住している日本人は一時帰国中に消費税を免税して購入することができます。
実際に免税品をユニクロで購入してみた
ここまで説明してきましたが、本当に一時帰国者は条件を満たせば、免税品を購入できるのでしょうか?
やり方を説明されても、実際に購入できるのか例を見てみないと不安ですよね。
現在、台湾でワーキングホリデービザを使って住んでいるぼくが、実際に一時帰国の際に免税品を購入できるか試してみました。
ちなみにぼくが満たしている非居住者の条件は以下のものです。
- 2年以上外国に滞在する目的で出国し、外国に滞在する者
→ 台湾ワーキングホリデービザで現在台湾に滞在中。
現在6ヶ月目ですが、その後も別のワーホリビザを取得する予定なので、合計滞在期間は2年以上になる目的を持っています。
- 条件に該当する非居住者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者
→ あるイベントに参加する目的で、今回日本に10日間くらい一時帰国しました。
基準は満たしていますが、果たして無事購入できるのでしょうか?
では行ってみましょう。
免税品購入の対象店舗のユニクロへ行く![uniqlo-shop01]()

まず免税品を購入するために、免税手続きができるお店に行く必要があります。
今回は横浜ららぽーとのユニクロへ友人と一緒に行ってみました。
店内には免税店の証明となるポスターが張ってあったので、この店舗が免税店資格を持っていることを無事確認して一安心。
ユニクロでは衣服を売っているので、免税品は一般物品に該当します。
なので、免税対象の基準は10,001円以上が最低条件です。
今回ぼくは13,500円分の衣料品をユニクロで購入してみました。
本来なら8%の消費税が付くので、14,580円なのですが、1,080円分の消費税は免税して付かないはずです。
どうなることやら……。
ドキドキでレジに向かいました。
ユニクロの免税専用レジにて![uniqlo-tax-free-casher01]()

レジにて店員さんに「商品を免税品として購入したい」と伝えると、免税品専用のレジに案内されました。

たしかに通常のレジとは別の場所にTax Free Counterの表示されたレジがあります。

ぼくは非常に内心ビクビクしていて、カウンターで会計していても非常に不安でした……。

レジにてかごから商品を出し、店員さんに小計をしてもらうと……、

おお、ちゃんとレジで13,450円の表示がされています!
ちゃんと免税になりました。

この店舗での会計は現金だけではなく、クレジットカード、取り扱っているギフトカードも使えるようです。
ぼくはVJAギフトカードと現金で払ってみましたよ。
また、ららぽーと内の店舗だったので、免税品でもポイントが付くと説明されました。これはうれしいですね。


レシートもこの通り。ちゃんと税抜きで会計できました。
免税品の購入記録票を受け取る
会計は済みましたが、これで免税品の購入が終わったわけではありません。
輸出免税品購入記録票を店舗で作ってもらい、こちらの写しを出国時に税関で見せる必要があるんです。

レジの店員さんにパスポートの提示を求められたので、パスポートを出しました。
合わせて在留資格の証明を求められたので、パスポートに貼ってあった台湾ワーキングホリデービザを店員さんに見せました。
日本への帰国スタンプもこの時提示します。


その後、無事に証明として認められたので、輸出免税品購入記録票の写しをもらい、パスポートに貼り付けられました。

また、出国時の注意説明が書かれたプリントももらったので、こちらをよく読んで出国しなければないと知ります。
出国時には、なるべく手持ちで免税品を持って、パスポートに貼られた輸出免税品購入記録票を税関に見せる必要があるようです。

ともあれ、無事に免税品が購入できたので、ユニクロの入り口でガッツポーズです!
出国時の空港での免税手続きをしてみた

そして台湾への出国当日。
ぼくは免税品を携えて、千葉県の成田空港までやってきました。
いよいよ免税品購入の最後のステップとなる税関での免税手続きです。
空港でやることは、出国ゲートをくぐって荷物検査後にある税関まで免税品を持っていくこと。そして、輸出免税品購入記録票の写しを提出することです。
では、行ってみたいと思います。
空港のチェックインカウンターに行く![narita-airport-counter03]()

まず、空港のチェックインカウンターに行きます。
チェックインカウンターは、預け荷物と呼ばれるスーツケースなどを預け、パスポートを提示して航空券を発券してもらう場所です。
ユニクロの免税品購入の際に受け取った紙を読むと、「購入した免税品は携帯してください!」と書いてあったので、スーツケースの中には免税品を入れずに出国ゲートへ持っていきます。

左がチェックインカウンターで預けるスーツケースで、右が出国ゲートへ持っていく購入した免税品のユニクロの袋。

まだ税関を通してないので、ちゃんと手荷物として免税品は自分で管理します。
もしなんらかの理由でスーツケースの中に免税品を預ける場合は、チェックインカウンターと出国ゲートをくぐる前に空港内の税関で輸出免税品購入記録票の写しを提出する必要があるので、気をつけなければいけません。
出国ゲートをくぐって、荷物検査を受ける
では次です。
免税品を持って出国ゲートの先にある税関へ向かいます。
こちらは直接免税手続きとは関係ないですが、免税品の中に危険物が入ってないかチェックされるので、余計なモノを紛れ込ませないようにしたいところです。

無事終了!
こちらも問題なく手荷物検査完了しました。
税関に書類提出後、出国手続きをして免税品の持ち出し手続き完了
免税品の購入手続きの完了させるためには、購入時にもらった輸出免税品購入記録票の写しを税関に提出する必要があります。
成田空港の税関は出国ゲートをくぐった後の、手荷物検査を受けた直後の場所にありました。
この後、出国審査をして出国スタンプを押してもらう必要があります。

出国審査場所は撮影禁止区域だったので、出国審査を受けたカウンターの外から撮影したのですが、税関のカウンターは手荷物検査を受けた出口から左に沿った場所にありました。
ぼくの場合はパスポートを見せると、輸出免税品購入記録票の写しを税関の人に外され、購入した免税品の中身を見せることなく手続き終了。意外とあっさりしてて拍子抜けしました。
というわけで、免税品の購入手続きはこの時点で全部終了です。
まだ台湾の家に帰るという仕事が残っていましたが、免税品の購入の手続きは日本国内から出国してしまえば完了するので、ここまでが手順の全てということになります。
さいごに

その後、ぼくは成田空港から台湾行きの飛行機に乗りました。

そして無事台湾の家に免税品を持ち帰ることができたので、ちゃんと日本での一時帰国の際に免税で購入することを体験できました。
実際に試してみると、会計時の免税品購入手続きに5〜10分程度の時間がかかるだけだったので、その時間分で消費税が浮くならとてもお得だと感じた今回の免税品購入です。
日本政府からも公的に認められている制度で、近年は訪日観光客の増加と共に免税店も爆発的に増えて買いやすくなっています。
だから、該当する海外に住んでいる日本人は使わないともったいないと感じました。
もし、一時帰国することがあれば、免税店でまとめ買いして、消費税を節約しながら買い物してみるのがいいですよ。
ぼくが買い物したユニクロで安くする方法はこちらで。
おまけ:海外に住むのに便利なカードは?
海外生活の中で、クレジットカードは欠かせません。
いろいろなトラブルから身を守るためにも海外で役立つクレジットカードを持っておくのがおすすめです。
ぼくの体験記や使っているカードは以下のページで紹介していますよ。