Hareca(ハレカ)は、岡山県内の主要なバス路線・路面電車で利用できる交通系電子マネーです。
SuicaやICOCAなどと同じく、事前にカードへお金をチャージしておけば、Hareca対応のバス・路面電車利用時に読み取り機にカードをかざすだけで、自動で運賃が支払われますよ。
しかも、Harecaを利用すればするほどお得な「プレミア」などのサービスもあります。
でも、Harecaについて気になることもあるのではないでしょうか。
- Harecaがどの路線やエリアで利用できるのか
- Harecaにはどんな種類があるのか
- Harecaはどこで買えるのか
そこでこのページでは、Harecaの種類や作り方・使い方・お得なサービスなどを紹介しますね。
Hareca(ハレカカード)とは?岡山県内の主要バス路線・路面電車で使える電子マネー
Hareca(ハレカカード)は、交通系電子マネーの一種です。
岡山県内の主要なバス路線や路面電車の運賃支払いに利用できます。
ほかの電子マネーと同様に、カードにお金をチャージして使いますよ。
支払うときも、読み取り機にカードをかざすだけです。
Harecaは2006年に誕生し、その後利用できる路線を拡大していきました。
ちなみにHarecaという名前は、岡山県の別名「晴れの国」と「カード」の造語ですよ。
Harecaに対応するおもな事業者・路線
Harecaは、岡山県内のすべてのバス路線に利用できるわけではありません。
Harecaが利用できる路線の車体には、Harecaのステッカーが付いているので、乗る前に確認しましょう。
なお、路面電車は岡山電気軌道が運行する2路線しかなく、2路線ともHarecaが利用可能ですよ。
▼Harecaが利用できるおもな事業者と路線は、以下の通り。
事業者 | 導入路線 |
---|---|
岡山電気軌道(路面電車) | 全線 |
岡山電気軌道(岡電バス) | 路線バス全線、岡山空港リムジンバス |
両備ホールディングス(両備バス) | 路線バス全線 |
宇野自動車(宇野バス) | 路線バス全線 |
下津井電鉄(下電バス) | 路線バス全線、瀬戸大橋線高速バス、岡山空港リムジンバス |
中鉄バス | 岡山市内の一部路線 |
東備バス | 路線バス全線 |
井笠バスカンパニー(井笠バス) | 一部路線でHareca定期券の定期機能のみ使用可能 |
Hareca区間で相互利用できる電子マネー一覧
Harecaでは、一部事業者の一部区間に限り、ほかの交通系電子マネーの相互利用が可能ですよ。
▼相互利用のできるHareca導入事業者と路線は、以下の通り。
事業者 | 利用可能路線 |
---|---|
岡電 路面電車 | 全線 |
岡電バス | 路線バス全線 |
両備バス | 路線バス全線 |
下電バス | 路線バス全線 |
中鉄バス | 国道53号線のみ |
相互利用可能な区間がわかったら、つぎは相互利用できる電子マネーの種類が気になります。
▼相互利用ができる区間のバスの車体には、相互利用可能な電子マネーの種類が貼ってあります。乗る前に確認してみてくださいね。
▼Harecaの相互利用可能区間で使えるHareca以外の電子マネーは、以下の通りですよ。
なお、相互利用できるのは運賃の支払いのみです。
Harecaの区間で、ほかの電子マネーへのチャージはできません。
Harecaの種類一覧
Harecaがどんなカードなのかがわかったら、つぎにHarecaの種類について紹介しますよ。
Harecaには、以下の3種類があります。
- 無記名Hareca
- 記名式Hareca
- Hareca定期券
順に見ていきましょう。
「無記名Hareca」は手軽に利用できる
「無記名Hareca」は登録なしで利用できるの点がメリットです。
販売額は2,000円(税込)のみで、デポジット500円が含まれ、初回利用額は「プレミア」サービスの影響で「1,500円×8%=120円」が加算され、1,620円となりますよ。
「プレミア」については、あとで紹介しますね。
金額の種類は2,000円のみですが、車内でも販売されているので、すぐ買って使える手軽さが無記名Harecaのポイントです。
「記名式Hareca」は紛失しても再発行可能なので安心
「記名式Hareca」は、発行可能事業者のHareca対応窓口で購入できます。
購入時に、自分の氏名や住所などを書類に記入して、利用者登録する必要がありますよ。
▼カードの表面には、登録した氏名が記載されます。
購入時に手間がかかるぶん、記名式Harecaは紛失しても再発行できるのがおおきな強みです。
ただし、再発行手数料がかかるのと、デポジットの500円を再度支払う必要があります。
無記名Harecaには大人用と小児用があって、小児用は小人運賃で支払われますよ。
「Hareca定期券」は定期区間以外で記名式Harecaとして使用できる
「Hareca定期券」は、Harecaに定期券の機能追加したものです。
通常の定期券と同じく、有効期間内は一定区間を乗り放題となります。
カードの表面には、登録した氏名と区間・期限が記載されますよ。
Hareca定期券のメリットは、定期区間外では記名式Harecaと同じように、チャージして運賃を支払うことができることです。
さらに、Hareca定期券も記名式Harecaと同じように再発行が可能です。
また、期限が切れたHareca定期券は、記名式Harecaとして利用もできますよ。
逆に記名式Harecaに定期券機能を付けてHareca定期券にすることも可能です。
Hareca定期券にも大人用と小児用があって、小児用は小人運賃となります。
Harecaの購入方法と手順について
Harecaの種類を紹介したあとは、Harecaの購入の仕方を紹介しますね。
Harecaは購入できる事業者や、購入できる場所が決まっています。
順に紹介していきますよ。
Harecaが購入できる事業者は4社のみ
Harecaは、導入事業者すべてで購入できるわけではありません。
▼Harecaが購入できる事業者は、以下の4社ですよ。
- 岡山電気軌道(路面電車、岡電バス)
- 両備バス
- 下電バス
- 宇野バス
Harecaを購入すると、カードに発行事業者の名前が入っています。
そのため、他社のカードを発行することはできません。
たとえば、両備バスで「下電バスの名前が入ったカードが欲しい」といっても発行はできませんよ。
ちなみに、宇野バスのみオリジナルデザインのHarecaカード(宇野バスHareca)を発行しています。
宇野バスに、他社の名前が入ったHarecaカードと持っていくと、無料で宇野バスHarecaに変えてもらえますよ。
Harecaが購入できる場所は限られている
続いてHarecaが購入できる場所について紹介します。
Hareca発行事業者でも、購入できる場所は決まっているので、事前に確認しましょう。
▼事業者別のおもなHarecaの購入可能場所は、以下の通り。
事業者 | 購入可能場所 |
---|---|
岡山電気軌道 (路面電車、岡電バス) | Harecaマークが掲示されている窓口 路面電車の車内・路線バスの車内(無記名のみ) |
両備バス | 両備バス岡山駅総合案内所 倉敷駅案内所 天満屋チケットセンター 両備観光センター(岡山観光センターなど一部を除く) 路線バス車内(無記名のみ) |
下電バス | 岡山駅バス案内所 本社バス事業部 興除営業所 児島営業所 倉敷駅前案内所 |
宇野バス | 宇野バス本社(表町バスセンター内) 岡山駅案内所 路線バス車内(無記名のみ) |
下電バスのみ、バス車内でHarecaを購入できません。
また、ほか3社のバス・路面電車車内で購入できるHarecaは、無記名Harecaのみですよ。
無記名Harecaの購入方法・手順について
購入できる事業者や場所がわかったら、購入の仕方が気になりますね。
ここからは、Harecaの購入の方法や手順を紹介します。
まずは、無記名Harecaの購入についてからです。
▼無記名Harecaの購入の手順は以下の通り。
- 事業所の窓口、または路面電車・バス車内で運転士に無記名Harecaが欲しいことを伝える
- お金(2,000円)を渡す
- Harecaカードを受け取る
なお、運転士に話しかけるときは、安全のため、必ずバス・路面電車が停車しているときにしましょう。
記名式Harecaの購入方法・手順について
つぎに、記名式Harecaの購入の方法や手順を紹介します。
▼記名式Harecaを購入するときには、窓口で顧客登録申込書を書いて利用者登録をする必要があります。そのため、車内で購入することはできません。
▼記名式Harecaの購入の手順は、以下の通り。
- 窓口で記名式Harecaが欲しいことを伝える
- 氏名・住所・電話番号・生年月日・性別・Eメールアドレスなどを申込用紙に記入して、窓口に提出
- 購入金額分のお金を渡す
- Harecaカードを受け取る
- カード表面の自分の氏名が正しいか確認する
なお、登録した内容が変わった場合は、すみやかに窓口に連絡しましょう。
Hareca定期券の購入方法・手順について
さいごに、Hareca定期券について紹介します。
▼Hareca定期券も、購入するときに窓口で定期券申込者を書いて、利用者登録する必要があります。車内で購入することはできません。
▼Hareca定期券の購入の手順は、以下の通りです。
- 窓口でHareca定期券が欲しいことを伝える
- すでに記名式Harecaを持っていて、記名式HarecaをHareca定期券にしたい場合は、手持ちの記名式Harecaカードを窓口の係員へ渡す
- 氏名・住所・電話番号・生年月日・性別・Eメールアドレス・利用区間・期間などを定期券申込用紙に記入して、窓口に提出
- 必要金額分のお金を渡す
- Harecaカードを受け取る
- カード表面の自分の氏名や区間・期間などが正しいか確認する
Hareca定期券の場合も、登録した内容が変わった場合は、窓口に連絡してくださいね。
岡山電気軌道の岡電グッズショップのオンラインショップでも購入可能
インターネット経由で、Harecaが購入できると便利ですよね。
岡山電気軌道が運営している「岡電グッズショップ」では、無記名Hareca(大人用:2,000円)を購入することができます。
▼支払方法は以下の2種類です。
ただし利用するためには、代金引換・現金書留ともに、送料がかかります。
配送地域 | 送料 |
---|---|
中国・関西・九州 | 900円 |
四国・中部・北陸 | 1,000円 |
関東・信越 | 1,100円 |
北東北・南東北・沖縄 | 1,300円 |
北海道 | 1,600円 |
また代金引換には、代引手数料もかかってしまいますよ。
商品の合計金額 | 代引手数料 |
---|---|
10,000円未満 | 324円 |
10,000円以上~30,000円未満 | 432円 |
30,000円以上~100,000円未満 | 648円 |
100,000円以上~300,000円未満 | 1,080円 |
よほどのことがない限り、窓口などで購入するようがいいです。
Harecaの使い方
Harecaを作ったら、どうやってHarecaを使うのかが気になりますよね。
Harecaの購入方法のつぎは、Harecaの使い方について紹介します。
Harecaは残額が少なくなったらチャージして使う
Harecaを使ってバス・路面電車の乗り方を紹介する前に、Harecaのチャージについて紹介します。
Harecaは、事前にカードにお金をチャージして利用しますよ。
チャージされている金額分、運賃を支払うことができます。
チャージ残高が少なくなったときは、再びカードにお金をチャージしましょう。
なお、初回購入時は最初から一定額がチャージされた状態なので、チャージ不要です。
初回チャージ額は、購入金額で異なりますよ。
乗車するとき
ここからは、バスや路面電車に乗るときのHarecaの使い方を紹介しますね。
▼バスの乗車口の横に、Harecaの読み取り機があります。
▼路面電車の場合も、乗車口の横に読み取り機があります。
バスや路面電車に乗るときに、Harecaを読み取り機にかざしましょう。
ピッという音が鳴り、残額が表示されます。
このときに、もしも残額がわずかだった場合は、車内でお金をチャージしてくださいね。
降車するとき
つぎに、バスや路面電車から降りるときの使い方を紹介しますよ。
▼バスの降車口・運転席横の運賃支払い箱のところに、Harecaの読み取り機があります。
▼路面電車の場合も、降車口のところにHarecaの読み取り機があります。
降りるときに、降車口の読み取り機にHarecaをかざしましょう。
ピピッという音が鳴って、支払った運賃額と、カードの残額が表示されます。
以上で、Harecaを使ったバス・路面電車の利用は終わりですよ。
Harecaのお得なサービスについて
Harecaには、利用するとお得なサービス制度があります。
順にお得なサービスを紹介しますね。
「プレミア」サービスで利用可能金額が8%分増加
はじめに「プレミア」サービスから紹介します。
プレミアは初回購入時、またはチャージをおこなったときに、利用可能金額が8%分増加するサービスです。
2,000円のHarecaを買った場合、デポジットが500円なので、利用金額は本来なら1,500円ですが、8%分加算されて1,620円分利用できます。
またチャージを2,000円おこなったら、本来は2,000円が利用金額ですが、8%増加した2,160円分の利用ができますよ。
めちゃくちゃお得ですよね!
なお、Harecaを解約した場合に戻ってくるお金は、プレミア分は含まれず本来のチャージ額となります。
「利用総額プレミア」サービスで毎月1回利用金額が増加
Harecaにはプレミアのほかに「利用総額プレミア」とうサービスもありますよ。
利用総額プレミアは、前月(1日〜末日)のバス・路面電車の利用総額に応じて、次月の初回チャージ時に限り加算されます。
なお利用総額は発行事業者だけでなく、Hareca導入事業社全体でHarecaを利用した総額ですよ。
▼利用総額プレミアについての詳細は以下の通りです。
利用金額 | 付与される金額計算 |
---|---|
1,000円以下 | なし |
1,010円〜7,000円 | (利用金額-1,000)×2% |
7,010円〜9,000円 | (利用金額-7,000)×6% |
9,010円〜11,000円 | (利用金額-9,000)×8% |
11,010円以上 | (利用金額-11,000)×10% |
プレミアの金額は、段階的にプレミアが発生して、累積していきます。
総額が7,000円を超えたところで、まず2%(120円)のプレミアが発生。
その後、利用総額が9,000円・11,000円を超えるごとにそれぞれプレミアが発生していきます。
末日までに累積したプレミアの総額が、次月の初回チャージのときに、チャージ額に加えられますよ。
たとえば、1ヶ月の利用総額が13,000円の場合は、以下のようになります。
利用金額 | 付与金額計算式 | 付与金額 |
---|---|---|
1,000円以下 | なし | 0円 |
1,010円〜7,000円 | (7,000円-1,000円)×2% | 120円 |
7,010〜9,000円 | (9,000円-7,000円)×6% | 120円 |
9,010円〜11,000円 | (11,000円-9,000円)×8% | 160円 |
11,010円~13,000円 | (13,000円-11,000円)×10% | 200円 |
合計 | 600円 |
合計600円が、次月の初回チャージに「総額利用プレミア」として加えられます。
このサービスも、お得ですね。
「乗り継ぎ割引」でバスからバスへの乗り継ぎがお得に
「乗り継ぎ割引」はHarecaを利用して、路線バスから別の路線バスへ乗り継いだときのサービスです。
乗り継いだあとのバスの運賃を大人20円・小人10円割引されますよ。
乗り継ぎは、30分以内におこなわないと割引対象となりませんので、注意してくださいね。
なお、乗り継ぎはHareca対応路線からHareca対応路線に限ります。
また路面電車や一部のバス路線は対象外です。
記名式Harecaだけのサービス「誕生日割引」
「誕生日割引」は記名式Harecaだけのサービスです。
記名式Harecaの申込書類に記入した誕生日から3日間、Harecaを利用するごとに大人50円・小人20円が運賃から割り引きされますよ。
Harecaは最終使用日から10年で失効
Harecaは最終使用日から10年で失効します。
Harecaを使って乗車したり、チャージをしたり、有効期限を更新したりした日から10年たつとHarecaの利用はできなくなってしまうんですよ。
失効したHarecaのチャージ残高やデポジット金額は返金してもらうことはできません。
失効したら損ですので、Harecaを使わなくなったら早めに払い戻しや解約をしましょう。
Harecaの払い戻しや解約の方法については、以下のページを参考してくださいね。
さいごに
岡山県、とくに岡山市周辺は古くから交通の中心のため、大小のバス事業者がたくさんあります。
さらに路面電車もあって、バスや路面電車の移動は、意外とややこしいです。
そんなときに、Harecaを使えばスムーズに利用ができるうえ、小銭を用意する必要がないので効率的ですよ。
しかも、プレミアのようなHarecaを使うとお得なサービスもあるのでおすすめです。
岡山でバスや路面電車を利用する機会が多い場合は、ぜひHarecaを使ってみてください。