携帯電話のユニバーサルサービス料とは?毎月2〜3円請求される仕組みや改定される時期について紹介

毎月の固定費を削減するため、様々な料金明細を見返してみると、たまに「これって何の料金なんだろう?」と思う項目があったりしますよね。

例えば携帯電話の利用明細。

契約している回線業者や利用状況を問わず、毎月必ず、ひとつの番号ごとに数円の金額が請求されてくるユニバーサルサービス料がまさにその代表ではないでしょうか。

契約するときに何かユニバーサルサービスと呼ばれるオプションをつけた覚えもない。毎月数円の請求っていったいなんなんだろう。

今回はそんなユニバーサルサービス料について、解説していきます。

ユニバーサルサービス料について

ユニバーサルサービス料は支え合いの制度

はじめにざっくりと説明してしまうと、電話におけるユニバーサルサービス料とは・・・

加入電話や公衆電話、緊急通報といったサービスを維持するための費用の一部を、加入者に負担してもらうというものです。

電話会社と契約して自宅に引き込む加入電話、電話BOXなどに設置されている公衆電話、110番や119番といった緊急通報。

これらは生活において地域を問わず、公平に使うことができないと困ってしまうサービスですよね。

こういったサービスのことをユニバーサルサービスと呼びます。

電話に関してのユニバーサルサービスは現状、東西のNTTが法令に基づいて提供義務を負っています。

都心部や居住者の多い地域では、サービスの維持費用をまかなえるだけの収益があるので大きな問題はありません。

ですが、例えば離島や山間部など、利用者が少ない地域に関しては、どうしても維持費用が収益よりも少ないという赤字構造になってしまいます。

以前は赤字の部分を、利用者の多い地域で発生した収益で補填していました。

しかし現在は、電話のサービスを提供する事業者が東西のNTTだけではなくなりました。

分かりやすい例のひとつがNTTドコモやau、ソフトバンクといった携帯キャリアですね。

事業者が増えると競争が起き、加入者が分散します。

するとNTT自体の収益は減ってしまいますので、補填するための費用をまかなえなくなりますよね。

事業者としてはもちろん赤字は避けたいところですが、一方でサービスが終了となってしまうと、そこに住む人たちが加入電話を契約できない、緊急通報が利用できない、といった状態に。

これでは生活に大きな影響が及んでしまいますよね。

そこで、この赤字部分の補填にあてる費用の”一部”を、競争している事業者に負担してもらおうということで創設されたのがユニバーサルサービス制度です。

ユニバーサルサービス制度では、携帯キャリアのようなNTTにとっての競争相手となる事業者に費用の一部を拠出することを定めています。

ただし、この費用を事業者が直接負担するのか、加入者に負担してもらうのか、の裁量は各事業者に任せられているんですよね。

現在は、ユニバーサルサービスを最終的に利用するのは契約者ということもあり、携帯キャリアではこの費用を利用者に負担してもらう運用としています。

それが毎月必ず料金明細で見かけるユニバーサルサービス料です。

1つの電話番号ごとに毎月数円と一見小さな金額ですが、携帯キャリアでは数千万単位の契約者を抱えています。

単純に掛け算すれば、とても大きな金額になることがわかりますよね。

整理すると、生活に必要なサービスの維持費用の一部を、みんなで少額ずつ負担しあい、支え合いで維持していこうというのがユニバーサルサービス料であるといえます。

このユニバーサルサービス料は、楽天モバイルLINEモバイル、イオンモバイルといった格安SIMのサービスでも発生しますよ。

ユニバーサルサービス料が必要な理由

金額は年に2回見直しがされる

2016年5月時点におけるユニバーサルサービス料は1つの電話番号あたり2円

この金額設定は年に2回の頻度で、定期的に見直しが行われています。

直近では2016年7月利用分、つまり8月に請求される料金から、2円から3円に変更されることが決定しました。

こちらは既に各キャリアからもアナウンスがされています。

参考:報道発表資料 : 「ユニバーサルサービス料」の改定について | お知らせ | NTTドコモ

参考:「ユニバーサルサービス料」の改定について | 2016年 | KDDI株式会社

参考:「ユニバーサルサービス料」の改定について | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ

金額の算出は、補填に必要となる金額を、契約されている番号の数で割るような方法で行なわれています。

そのため、仮にサービス維持にかかる費用が毎年大きく変わらないとすれば、契約者数が増えるほど、1電話番号あたりに請求される金額も少なくなりますね。

今回は1円増えてしまいましたが・・・。

020から始まる電話番号だとユニバーサルサービス料が無料になる場合も

2〜3円かかるユニバーサルサービス料ですが、020から始まる電話番号でかつデータSIM(SMSなし)の場合は無料になります。

毎月2〜3円ではありますが、それが安くなるのはありがたいですね。

格安SIMを使っているときにさらにお得になるケースがあるというのを知っておきましょう。

さいごに

ここ数年は1つの電話番号あたり2~3円となっているユニバーサルサービス料。

とても少額で、あまり気にする必要もないと感じてしまいますが、内容を理解しておくことで、気持ち的にもスッキリしますよね。

MNPなどの乗りかえで契約するキャリアが変わっても、制度自体は基本的に変わりません。

ずっと使える知識ですので、何となくでも覚えておきましょう。

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この記事を書いた人

スマホをはじめとする「ガジェット」に関心が強いフリーランスのブロガー/ライター。海外からの個人輸入を通じて気になる製品をおトクに入手する方法を追いかけるかたわら、購入費用の捻出に活きる“日常での節制・節約”を日々勉強中です。得意分野の「モバイル関連」情報をメインに、実体験から得た知識・経験をわかりやすく噛み砕いてお届けします。