阪神電車の回数券廃止後の代わりは?安く乗る方法を解説

こんにちは、回数券ラバー山﨑謙です。

2019年10月の「節約ちゃんねる」では回数券について熱弁。

財布の中からトランプのように回数券カードを出し、運営の松本さんとMCのさがやんがひくくらい回数券を活用していました。

ところが世相の影響により鉄道利用が激減。

収入増と合理化を見越してか、関西の京阪電鉄を皮切りに各地で回数券の廃止が相次いでいます。

そしてついに私がメインで使っている阪神電車でも、2022年9月30日をもって回数券の発売が終了してしまいました。

▲駅に貼られている回数乗車券発売終了のお知らせ
▲駅に貼られている回数乗車券発売終了のお知らせ

購入月の翌月から3ヶ月の有効期限があり、2022年12月31日までは使えるので、おおよその使う回数を計算して、買いだめをしてきましたが、2023年1月からは完全に回数券のない状況になります。

定期券ほど乗らないけど、回数券使い切るくらいは乗っていた山﨑が、今後回数券なしでどうお得に乗ろうとしているのか。3つの方法をまとめてみました。

お得に乗る方法その1.PiTaPa利用額割引

私は阪神沿線に住んでいることもあり、阪急阪神のクレジットカード「STACIAカード」を持っています。

▲山﨑が持っている「エメラルドSTACIA PiTaPa VISAカード」

回数券で乗らない区間は、このSTACIAカードについている後払い式のICカード「PiTaPa」で乗っています。

なんと言っても便利なのが、京阪神エリアでは私鉄・JR問わずいちいちチャージする必要がないこと。

利用した1ヶ月分がまとめられ、翌々月に請求が来ます。

そのさい、事業者ごとの割引を自動(※一部登録が必要なものもあり)でやってくれるんですね。

これ全国でやってほしいと思うくらい便利でお得です。

▲とある月の山﨑のPiTaPa利用明細。JR・阪神・大阪メトロで割引があるのがわかる。
▲とある月の山﨑のPiTaPa利用明細。JR・阪神・大阪メトロで割引があるのがわかる。

阪神電車の場合、同月内に同じ運賃区間の11回目以降の運賃を10%引きしてくれますよ。

なお、元町-西代の神戸高速線は割引の条件は同じですが、阪神本線・阪神なんば線・武庫川線とは運賃体系が違うので、別計算となります。

阪神電車で利用する分には、PiTaPaを持っていれば自動で割引をしてくれるので、登録は必要ありません。

お得に乗る方法2.阪神電車ICOCAポイント還元サービス

「阪神電車ICOCAポイント還元サービス」は、回数券の廃止にともない、2022年9月からはじまったICOCA向けのポイント還元サービスです。

▲回数乗車券発売終了のお知らせとポイント還元サービスの案内ポスター
▲回数乗車券発売終了のお知らせとポイント還元サービスの案内ポスター

一部駅に設置されているICカードトレイが付いた券売機で登録をすれば、登録した月の月初からの乗車分についてポイントが付与されます。

ポイントはPiTaPa同様、同月内に同じ運賃区間の11回目以降の運賃の10%が付与されます。

こちらも元町-西代の神戸高速線は別計算となります。

貯まったポイント翌月の15日以降に券売機でチャージすることができますよ。ポイントの期限は付与月を含んだ3ヶ月後の末日で、10円以下の端数は切り捨てとなります。

PiTaPaは1円単位で割り引いてくれるので、ここの部分は若干のデメリットとなります。

お得に乗る方法3.ポイントが付くクレジットカードでチャージできるICカードを使う

関西で発行されているICカード「PiTaPa」と「ICOCA」の弱点は、クレジットカードでのチャージができないことです。

PiTaPaはクレジットカードに紐付いてはいますが、乗車分に関してクレジットカードのポイントは付きません。

また券売機や駅のきっぷうりばで手に入れられるICOCAはクレジットカードとの紐付けができません。

クレジットカードでチャージできる交通系ICカードの代表的なものにJR東日本の「モバイルSuica(Apple Pay・Google PayのSuicaを含む)」、関東私鉄各社の「モバイルPASMO(Apple Pay・Google PayのPASMOを含む)」、そしてJR西日本の「SMART ICOCA」があります。

ただし通常の決済ではポイントが付くクレジットカードでも、交通系ICカードへのチャージではポイントが付かないものもあるので注意が必要です。

交通系ICカードへのチャージでもポイントが付く主なクレジットカードは以下のとおりです。

  • エポスゴールドカード・JQ CARDエポスゴールド(0.5%〜2.0%)
  • ビューカード(Suica・モバイルSuicaへのチャージで1.5%)
  • リクルートカード(1.2%)
  • PayPayカード(1.0%)

エポスゴールドカード・JQ CARD エポスゴールドに関しては通常チャージで付くポイントは0.5%ですが、「選べるポイントアップショップ」で「モバイルSuica」もしくは「JR西日本」を選ぶことにより1.5%、さらにクレジットカードの年間利用額に応じて最大2.0%まで還元率を上げることができますよ。

チャージでもポイントが付くクレジットカードを紐付ければ、同じ運賃区間に乗らなくても、チャージした分にポイントが付くのでその分お得になります。

一番お得なのはポイントが付くクレジットカードでチャージしたSMART ICOCA・2023年に出る予定のモバイルICOCAにも期待

お得な方法を3つご紹介しましたが、1と3の組み合わせができる「SMART ICOCA」が一番お得です。

▲SMART ICOCA

また2023年にはスマートフォンで使える「モバイルICOCA」のサービスも開始予定です。

「SMART ICOCA」へチャージするにはJR西日本の駅にある券売機や精算機、チャージ機で「クイックチャージ」する必要があり、定期券はJR西日本の駅や券売機でJR西日本の路線を含んだ区間でないと発行できないなどの制限があります。

「モバイルICOCA」のサービスがスタートすれば、チャージは場所問わずスマホ上で可能になるでしょうし、私鉄区間のみの定期券も載せられるはずです。

「モバイルICOCA」のサービス開始までは、クレジットカードでチャージできる「SMART ICOCA」を手に入れておきましょう。

阪神電車ICOCAポイント還元サービスの登録方法

阪神電車でICOCAによるポイント還元サービスを受けるためには、駅の券売機で登録が必要です。

登録した月の月初にさかのぼって適用されるので、同月内であればすでに乗った分もポイント還元の適用対象になるので安心ですね。

登録は一部の駅に設置されているICカードトレイがある券売機で行います。

それ以外の券売機では登録できないので気をつけてくださいね。

▲ICカードトレイがついた新型券売機
▲ICカードトレイがついた新型券売機

2021年9月23日現在、ポイント登録できる新型券売機は、大阪梅田・野田・尼崎・武庫川・甲子園・今津・西宮・芦屋・魚崎・御影・神戸三宮・元町・高速神戸・新開地・西九条の各駅に設置されています。

設置駅は今後拡大される予定です。

では登録方法を見ていきましょう。

▼1.新型券売機画面の右上「チャージ・ICOCAポイント・履歴を確認する」をタッチ

▲1.新型券売機画面の右上「チャージ・ICOCAポイント・履歴を確認する」をタッチ
▲1.新型券売機画面の右上「チャージ・ICOCAポイント・履歴を確認する」をタッチ

▼2.右側の「ICOCAポイントの利用・登録・履歴を確認する」をタッチ

▲2.右側の「ICOCAポイントの利用・登録・履歴を確認する」をタッチ
▲2.右側の「ICOCAポイントの利用・登録・履歴を確認する」をタッチ

▼3.登録したいICOCAをトレイに置く

▲3.登録したいICOCAをトレイに置く
▲3.登録したいICOCAをトレイに置く

▼4.「ICOCAポイントの利用登録をする」をタッチ

▲4.「ICOCAポイントの利用登録をする」をタッチ
▲4.「ICOCAポイントの利用登録をする」をタッチ

▼5.利用登録の確認事項を読んで「同意する」をタッチ

▲5.利用登録の確認事項を読んで「同意する」をタッチ
▲5.利用登録の確認事項を読んで「同意する」をタッチ

▼6.名前を入力(無記名ICOCAの場合)

▲6.名前を入力(無記名ICOCAの場合)
▲6.名前を入力(無記名ICOCAの場合)

▼7.生年月日を入力(無記名ICOCAの場合 ※画面下のテンキーは使えません)

▲7.生年月日を入力(無記名ICOCAの場合 ※画面下のテンキーは使えません)
▲7.生年月日を入力(無記名ICOCAの場合 ※画面下のテンキーは使えません)

▼8.電話番号を入力(※テンキーは使えません)

▲8.電話番号を入力(※テンキーは使えません)
▲8.電話番号を入力(※テンキーは使えません)

▼9.入力内容の確認して「確定」をタッチ

(控えが出ないので、画面を撮っておくと安心です)

▲9.入力内容の確認して「確定」をタッチ
▲9.入力内容の確認して「確定」をタッチ

▼10.登録完了。ICOCAをトレイから取る。

▲10.登録完了。ICOCAをトレイから取る。
▲10.登録完了。ICOCAをトレイから取る。

以上で登録が完了です。

阪神のポイント還元サービスに登録すれば、今後始まる阪急・能勢電鉄・山陽電鉄のポイント還元サービスにも自動登録

阪神電車の駅でポイント還元サービスの登録をしておけば、今後開始予定の阪急・能勢電鉄・山陽電鉄のポイント還元サービスにも自動で登録されます。

一方、すでにポイント還元サービスを行っている以下の各社とは連携されていないので、これらの路線でポイント還元サービスを受けるにはそれぞれの路線の駅やネットでの登録が必要です。

  • JR西日本(中国ジェイアールバスの山口エリア、近江鉄道バス・湖国バス、松江市交通局、一畑バスを含む)
  • 京阪電鉄
  • 京阪バス(京都京阪バスを含む)
  • 神戸新交通(ポートライナー・六甲ライナー)
  • 神戸市バス・山陽バス

反対にこれらの路線でポイント還元サービスに登録していても阪神・阪急・能勢電鉄・山陽電鉄ではポイント還元がされません。必ず登録が必要なので注意しましょう。

条件が厳しく月11回同一区間に乗車しないと割引・ポイント還元はなし

阪神の回数券は割引率9.1%の普通回数券、平日昼間と土休日に使える割引率16.7%の時差回数券、土休日に使える割引率28.6%の土休日割引回数券がありましたが、そのすべてが発売終了。

PiTaPaの利用額割引、ICOCAポイント還元サービスの割引率は曜日や時間帯に関係なく、普通回数券と同じ11回乗車で0.91%、時差回数券と同じ12回乗車で1.67%、土休日割引回数券と同じ14回乗車で2.86%と微々たるものになってしまいました。

しかも有効期限最大4ヶ月弱あった回数券に対して、PiTaPaの利用額割引もICOCAのポイント還元も1ヶ月単位での計算。

2ヶ月から4ヶ月かけて6回〜14回乗っていた人はまったく恩恵が受けられなくなりました。

となるとやはりクレジットカードでのチャージでポイントが貯まる「モバイルSuica」や「SMART ICOCA」での乗車が0.5%から2%と微々たるものですが、お得になりそうです。

ひょっとしたら「同じ運賃区間を月11回乗ってた」ってこともあるかもしれないので、ポイント還元サービスにも登録できて、クレジットカードでのチャージでポイントが貯まる「SMART ICOCA」を使うのが、2022年10月時点で一番いい選択になると思います。

回数券の発売終了は残念ですが、PiTaPaの利用回数割引、ICOCAのポイント還元サービス、クレジットカードでポイントが付く交通系ICカード、3つのうち自分に合うもので地道に節約していきましょう。

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

「豊かな移動」を突き詰める移動自体を楽しむ人。小学生のときにゆうちょの定額貯金の存在に気づいたわりには、その後お金の使い方に苦労。今はさまざまなクレジットカードや予約サービスを活用し、移動費の節約や料金をかけずにゆったり移動する「豊かな移動」を志向。2023年からは「移働家」として家なし生活してます。