こんにちは、鉄道での旅が好きな山﨑謙です。
私は関西で活動していますが、年に数回中国・四国地方へ行くため山陽新幹線を利用します。
山陽新幹線は東海道新幹線とは違い、普通車指定席でもグリーン車並みの2列+2列の幅広のシートなので、それほどグリーン車を選ぶ理由が見当たりません。
私も以前に「みずほ」「さくら」用のグリーン車に乗りましたが、全席にコンセントがある以外はそんなに変わらないのではないかと思っていましたが、今回意識して乗ってみたところ、東海道・山陽新幹線内で一番ぜいたくな座席だと感じることができました。
ここでは山陽・九州新幹線を走る8両編成「みずほ」「さくら」用のN700系グリーン車について、車内の様子、座席、サービスやお得な乗り方などを紹介しますね。
普通車とグリーン車の違い
JRの特急・新幹線には一部の列車を除いてグリーン車が連結されています。
グリーン車は普通車と違い、座席の幅が広く、シートピッチ(前の座席との幅)も広くとられており、快適に過ごすことができますよ。
その一方で値段設定は高額で特急料金とは別にグリーン料金が必要です。
東海道・山陽新幹線のグリーン料金(2019年10月1日購入分から) | |
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営業キロ | グリーン料金 |
100kmまで | 1,300円 |
200kmまで | 2,800円 |
400kmまで | 4,190円 |
600kmまで | 5,400円 |
800kmまで | 6,600円 |
801km以上 | 7,790円 |
九州新幹線のグリーン料金(2019年10月1日購入分から) | |
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営業キロ | グリーン料金 |
100kmまで | 1,050円 |
200kmまで | 2,100円 |
201km以上 | 3,150円 |
新大阪ー博多の場合は800kmまでなので6,600円、これに乗車券と通常の特急料金が加わるのであわせると21,670円。
結構いい値段しますよね…。
グリーン車が6号車の半分しかないため「みずほ」「さくら」用のN700系は混雑しますが、16両編成の「のぞみ」のグリーン車については年末年始・お盆などの帰省時、ゴールデンウィークなどの大型連休などを除いて、隣りの席に人が来る確率は極めて少なく快適に過ごせますよ。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車の席数と位置
東海道新幹線を走る「のぞみ」「ひかり」「こだま」はすべて16両編成1,323席で統一されている一方で、山陽新幹線には8両編成の車両もあり、グリーン車のあり・なしもあって統一されていません。
座席数もバラバラ、これは普通車指定席でも2列+2列のシートになっているためです。
東海道新幹線から乗り入れてくる「のぞみ」「ひかり」16両編成1,323席のうち、真ん中8号車から10号車までの3両200席がグリーン車で、10号車は喫煙ルームのある車両(2020年3月までの一部列車では車両自体で喫煙が可能)。
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この項目で紹介している8両編成546席のうち6号車の半分10番から15番までの24席がグリーン車です。
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山陽新幹線ではこのグリーン車の位置に合わせて駅ホームの階段・エスカレーターを配置しているので、グリーン車に乗ればムダのない動線で移動することができますよ。
なお、東海道新幹線から乗り入れてくる16両編成の「のぞみ」「ひかり」のグリーン車については別の記事にまとめています。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車の車内設備
それでは山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車の車内設備を詳しく見ていきましょう。
内装
普通車指定席は明るくゴージャス感がありますが、グリーン車のほうは青色の落ち着いた内装になっています。
また6号車の半分しかないため、24席と座席数が限られることもあって、16両編成のグリーン車では味わえない「個室感」を感じることができます。
座席
通常のN700系同様シンクロナイズドコンフォートシートというシートで、リクライニングしても背もたれだけでなく座面も下がり、ただ背もたれがリクライニングするシートでありがちなおしりが前にずっていくことがありません。
▼ここまで倒せます。
▼さらに通常のN700系にはないものとして可動式のレッグレストがあります。
▼この写真ではリクライニング用のレバーの手前側にレッグレスト操作用のレバーがついています。
▼またヘッドレスト部分は可動式のクッションになっており、ベストな位置にクッションを持ってくることができますよ。
▼普通車指定席との大きな違いはシートピッチが広いこと。
普通車指定席は1,040mmなのに対して、グリーン車は1,160mmと広めにとられています。
16両編成にはない可動式のレッグレスト・ヘッドレストがあるので、東海道・山陽新幹線の中で一番ぜいたくな座席と言えるでしょう。
フットレスト
前の座席の足元、ちょうど足の届く範囲にはフットレストが用意されています。
靴を脱いで使っている方を多くお見受けしますが、靴を履いたままでもOKです。
コンセント
N700系の普通車には窓際と車両の端の席にしかコンセントがついていませんが、グリーン車はすべての座席中央のひじかけの下にコンセントがついています。
テーブル
16両編成のものと比べると木の重厚感を強調したテーブルになっていますね。
シートピッチが広い分、出した状態だと遠くなってしまうのですが、グリーン車のテーブルは手前に引き寄せることができます。
また大きいパソコンを置いてテーブルがふさがってしまっても、ドリンク用の小さいテーブルがひじかけに収納されているので、両方使えば問題ありません。
読書灯
座席のヘッドレスト部分に読書灯がついています。
中央ひじかけの下にスイッチがありますよ。
ちなみに16両編成のN700系グリーン車についているシートヒーターはついておらず、上の写真でもわかるとおり、該当箇所のボタンは埋められています。
空調吹出口
これはN700系の窓側席だけですが、窓上荷物棚との間に空調の吹出口が1座席につき2ヶ所あります。
これを開いたり閉じたりすることでお好みの温度に調節することができますよ。
私は車内がモワッとするなぁと感じる時は開けて、ちょっと寒いなぁと感じる時は閉めるようにしています。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車のサービス
おしぼり
列車が発車するとパーサーさんがおしぼりを配りに来ます。
このおしぼりは日清紡の「めんです」というコットン100%のもので、普通のおしぼりとは違いしっかりしています。
その場で使ってもいいんですが、使わなかった時は持ち帰っていざという時用にとってあります。
しっかり密閉されているので長持ちしますし、結構使えますよ。
毛布
セルフサービスになりますが、車端部の荷物棚のところには毛布が用意されています。
※写真は16両編成のもの。8両編成のでは緑色の毛布が用意されています。
車内が寒い、また仮眠を取る場合などはこの毛布を使うとよいでしょう。
毛布はグリーン車専用なので持ち帰らないようにしましょう。
ところで、これ降りる時どうしたらいいんでしょうかね。
そのまま置いとくのは次乗る人に迷惑ですし、元の場所に戻すのも使用済みですし…。
いつも悩みながらも元の位置、新しいものの横に戻すようにしています。
ゴミの回収
主要駅到着前などにはパーサーさんがゴミの回収に来てくれます。
※写真は16両編成のもの
朝昼晩の食事のタイミングなどは巡回回数を増やしてくれますので、デッキにあるくずかごまでわざわざ捨てにいかなくても大丈夫です。
もちろんタイミング悪く出くわさなかった場合は、デッキのくずかごへ自分で捨てましょう。
ここでは紹介しませんでしたが、普通車同様車内販売もあります。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車にお得に乗るにはJR西日本・JR九州の株主優待券を使う
そんなグリーン車、一度は乗ってみたいと思うのではないでしょうか。
その場合はJR西日本の予約サービス「e5489(いいごよやく)」、JR九州の「JR九州ネット予約」で発売される「eきっぷ」なら安く買えます!
と言いたいところですが、新大阪ー博多は18,890円とあまりお得じゃありません。
「e5489」も「JR九州ネット予約」も普通車指定席用の割引きっぷは多くあるのですが、グリーン車用は席数が少ないこともあって「eきっぷ」での割引のみとなります。
また「エクスプレス予約」の「EX早特」で新大阪ー博多は平日用で15,670円、土休日用で14,870円とかなり安くなるのですが、対象列車は「のぞみ」だけで「みずほ」「さくら」は対象外なんです…。
ではどうするかというとJR西日本・JR九州の株主優待券を使いましょう。
JR西日本の株主優待券
新大阪ー博多の間であればどの区間でも利用できます。
1枚で乗車券・グリーン券ともに50%OFFにできるので、新大阪ー博多は21,670円の半額で10,840円。
金券ショップでの相場は4,000円前後なので14,840円ほどとEX早特と肩を並べられる価格になりますよ。
JR西日本株主優待券利用時の注意点
小倉駅・博多駅周辺の在来線はJR九州なので割引対象外となります。
また現時点で株主優待券の使用は有人窓口(みどりの券売機プラスは使用可能)での対応となります。
JR九州の株主優待券
博多ー鹿児島中央の区間で利用できます。
JR西日本の株主優待券同様1枚で運賃・料金ともに50%OFFにできるので、博多ー鹿児島中央は通常13,260円の半額で6,630円。
金券ショップでの相場は2,500円前後なので9,130円ほどになりますよ。
この価格は「JR九州ネット予約」で買える「九州ネット早特3」の11,810円よりも安く、普通車指定席の通常価格10,640円よりも安くなります。
JR九州株主優待券利用時の注意点
株主優待券の使用は有人窓口での対応となります。
なお、山陽新幹線と九州新幹線をまたがって利用する場合は販売窓口がそれぞれのエリアにしかないため、同列車同座席での通し乗車は不可能です。
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車のまとめ
山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」のグリーン車について紹介しました。
「みずほ」「さくら」のグリーン車は座席数が少なく、それでいて普通車指定席がいいシートなのであまり使う機会がありませんでしたが、使ってみるとやはりグリーン車のほうが快適でした。
株主優待券を使わなければ安価にならないので手間はかかりますが、その手間を超える体験ができます。ぜひ乗ってみてください!