こんにちは!
パン焼き歴11年、最近改めてまたパン焼きにハマっている森山です。
今日はパン型について語らせてください。
正直言って「ホームベーカリーや手ごねでパンをつくっている人が、マンネリ防止に買うものがパン型」と言ってもいいかもしれません。
とはいえ、使うと楽しいですし、同じ生地でも型によって食感も水分量も変わる、とても奥が深いものです。
ただ、パン型ってたくさん種類がありすぎて、何を買っていいかわからないという意見もよく聞きます・・・。
今回はたくさんパン型を持っている私だから語れる、「買えば一生使える、スタンダードなパン型」とその使い方をご紹介したいと思います。
生地の容量も、特に使い勝手がいいサイズのものだけを厳選してセレクトしていきますね。
何はともあれ、まずは食パン型
私は手ごね歴が長く、ホームベーカリーはニーダー(こね機)代わりに使うことが多いです。
一方、ホームベーカリーでパンを焼くことが多い方は、最初に型を買うとしたら「食パン型」がもっとも使いやすいかもしれません。
ホームベーカリーで一次発酵までつくった生地を、丸め直してパン型に入れ、フタをして二次発酵。そしてそのまま焼きあげれば角食パンのできあがりです。
本当はもっといろいろ手順を踏んでつくると、角がきれいでキメが細かい生地の食パンになるものですが、大雑把なママが大雑把に作っても大丈夫なところがおすすめ。
ためしに今回、本当にホームベーカリーから出した生地を軽く丸め直して入れただけの食パンを焼いてみましたが、こんな感じに焼けました。
周りは多少でこぼこしていますが、日常的に食べるパンとしてはアリかなと思います。初心者でも心配しないで大丈夫です。
フタをして発酵させることで、生地を乾燥から守れますし、しっとりふわっとできますよ。
おすすめの型はこちらです。
参考:アルタイトスーパーシリコン加工新食パン型 “形のいい山食のための一斤型”
本当はアルタイトの型にオイルを塗って慣らしていくのがいいですが、シリコン加工がされているものを選べば、初心者でも大胆に焼いても失敗することがありません。
しいて言えば「二次発酵を長く取りすぎて、生地が発酵しすぎると、型からデロンとあふれてしまう」という失敗が起きるくらいでしょうか。
この型で大雑把に作ったパンを切ってみた断面はこんな感じです。
キメが細かいかといえばそうでもありませんが、普通に食べられますしサンドイッチもつくれます。
ホームベーカリーから生地を取り出して、丸めて入れるだけでつくったパンに飽きてきたら、山食パンはいかがでしょうか?
写真はかぼちゃを練りこんだ山食パン。
これは基本のつくり方ですが、生地を3分割して丸めて、ベンチタイム(生地の休み時間)を取ってから丸め直し、方向を整えて型に並べて発酵させたものです。
オーブンに入れると、型の上までモリッとふくらんでいくのでとてもかわいいですよ。
食感も角食パンと違い、より軽くふんわりします。
こうして水分量の一部を野菜や果物に変えるだけで、いろいろなパンができあがります。
売ってるパンと同じ形のパンがつくりたいあなたにはこれがおすすめ
基本の型と言われている形の一斤型は、売っている食パンよりも一回り小さいのが一般的。
「市販のパンと同じ形のパンを焼きたい!」と思った型には、こんなパン型がおすすめです。
参考:浅井商店オリジナル開発 売ってるパンに限りなく近い理想の食パン型一斤
この型で焼くときは、粉量を280gにするとちょうどいい形に焼けます。
「バーガー型」は本当にいろいろ使える子です
バーガー型もおすすめです。
うちは小さな子どもがいるので、バーガー型にみっちりパン生地を入れて焼くのではなく、小さめの生地を入れて焼くことも多いのですが、パンだけでなくお菓子にも便利に使っています。
油を薄く敷くか、カットしたオーブンペーパーを敷いて焼くと、小さいパンをたくさん焼いても生地同士がくっつかないので安心。
上記の写真は朝ごはんのバーガーです。
小さい子がいるおうちでは、バーガーバンズを横に薄く4スライスにカットして、内側の2枚でサンドイッチをつくってあげて、外側の2枚でハンバーガーをつくってあげると2種類できて喜びますよ。
バンズ型は、ハンバーガーのバンズを焼くためのものですが、他の用途だってあるんです。
写真は、型に少なめの生地量を乗せて平らにして、真ん中に具を乗せて焼いたお惣菜パン。
下にあるふたつはバンズ型が足りなかったので、ウィンナーを2本入れて焼きました。
右下のパンは豆乳クリームパン。中のクリームがはじけないように、ハサミで切り込みを入れて焼きます。
お惣菜パンだけでなく、甘いパンにしてもまた美味しいです。
以下の写真は、「煮りんごとレーズンのパン」。
一次発酵までしたパンを分割して、冷ましておいた煮りんごとレーズンを巻き込んで筒状にし、包丁でカットしたものをバンズ型に乗せていきます。
そして、二次発酵させて焼くだけ!
二次発酵がうまくできたかどうかは、生地が1.5倍くらいにふくらみ、粉をつけた指でやさしく触ると、ゆっくり押し返ってくるくらいがちょうどいい発酵具合です。
女の子には「ハート型」を使って焼くのもおすすめ!
今度は普通の丸パン生地を、ハートの型に入れて焼いたもの。
型なしでもハート型のパンはつくれますが、やはり型を使うときっちりしたハートの形がつくれるので、初心者や子どもに手伝ってもらうときにも安心です。
写真左が型に入れて焼いたハートパンで、一番右上のものが手でイチゴジャムを巻き込んで形成したハートパンです。
パンの焼きあがった匂いがするオーブンを開けて、子どもたちの「わー!」という声が聞こえるたび、「ただパンがハート型に焼けただけで、娘たちから歓声が上がるならおやすいご用だわ!」と、しみじみ思います。
飽きたら焼印したりチョコペンで顔を描くというバリエーションを付けられるので、とても楽しいですよ。
この型は品名に「マフィン」とついていますが、お菓子だと少し平べったいかな?と思える型です。
販売している浅井商店の試作チームの方々がこれでパンを焼いてみたところ、ジャストフィットしたそう!
普通のバーガー型より生地容量が少なめなので、うちでは子どものハンバーガー用にも使っています。
実は百均のパン型もなかなか優秀です
これまでパン型を東京の浅草近くにある厨房道具の代表地区「かっぱ橋商店街」の「浅井商店」や「馬嶋屋菓子道具店」などの店舗や、ウェブで買えるものをご紹介してきました。
しかし、実はパン型は百均でもなかなかいいものが見つかるんです。
写真は、バーガーに最適な星型。
少し大きめのバンズが焼けるので、パパや年頃の男の子のためのワイルドなハンバーガーをつくるのにうってつけです。
百均には便利なものも多いですが、品番が変わったり廃盤になるのも早いですよね。今は違う型が売っているかもしれません。
シリコン型でも焼けますし、いろいろ試してみるとおもしろい発見があるかもしれません。
エンゼル型(リング型)も1つは持っておくと、お菓子にパンにいろいろ使えます!
パンを焼くまで、エンゼル型がこんなに使えるものだと思いませんでした。
もともとの用途であるケーキはもちろん、日常的なちぎりパンから、お惣菜パンや菓子パンまで、幅広く使えます。
おすすめの型はこちら。
参考:パール金属 日本製 エンゼル ケーキ 焼き型 18cm テフロン セレクト 加工 EEスイーツ D-4630
18cmのエンゼル型なら、ホームベーカリーの一斤分の粉量250gがぴったり焼けます。
8つに分割して少しベンチタイム(休憩時間)を取り、丸め直して写真のように並べたら、発酵させて焼くだけです。
以下の写真はクリスマスに焼いたちぎりパンサンド。
パンをふたつにカットして、間に好きな具を入れるだけで完成です。
具を入れて円型に盛り付けようとすると、パンは6個くらいしか入らないので、あとのふたつは別途、朝食用にでもとっておきましょう。
お次の写真は王道ですが、リング状のバナナナッツケーキ。
カットしてみんなで食べて、余ったら冷凍して少しずつ楽しむこともできます。
食べるときは自然解凍して、トースターで少し温めて、アイスを添えて食べるのがおすすめ!
食パン型に慣れてきたら、トヨ型もおもしろい!
トヨ型は、最近ではこんなふうにイラストパンをつくるのに使われることがあります。
出来上がったものを見ているだけでもなかなか楽しいので、おすすめです。
ちなみに、上記リンクのパン型はシリコン加工がされてあって生地がこびりつかず、とても焼きやすくはあるのですが、出来上がったパンはどうしても「丸型」というよりも「楕円型」になります。
まんまるのラウンド型パンを焼きたいなら、馬嶋屋さんの以下の商品がおすすめ。
参考:NEWラウンドパン型(アルタイト(アルスター))馬嶋屋オリジナル
アルタイトなので薄く油を塗って型を慣らしていく必要はありますが、とても火の回りがよい型です。
シリコン製のものは、パンを焼くときに生地がスルッと取れて扱いやすいですが、その効力は半年から1年と言われています。
たとえるならテフロン加工のフライパンと同じ捉えてよいと思います。
それに対してアルタイト型は、届いてすぐ水洗いして250度くらいで空焼きし、使うたびにうすく油を塗って焼くことで、だんだんこびりつかなくなってきます。
鉄フライパンやパン屋さんの型のように、色が変わり、だんだん育ってゆくのですね。どちらの材質の型がいいかは、本当に好みだと思います。
ちなみに、上記2枚の写真はトヨ型で楕円に焼けたパンと、そのパンでつくったフレンチトースト。
まんまるではないので逆に「きれいな丸型にしなきゃ」という気負いなく、気軽に焼ける気がします。
小さなキューブ型もかわいくて、とっても使える子です!
「キューブ型パンといえば、ハニーバタートースト!」と思うのは私だけでしょうか?
パンの一番上をうすく切って、深く切れ目を入れてバターを塗って焼き目をつけます。
焼けたらはちみつをたらして、アイスを乗せたらできあがり!
うちの子どもたちは「甘すぎる」と言って普段あまり食べませんが、大人の午後のおやつとしてもたまにはいいものです。
もちろん、食事用にもとても便利!
ハニーバタートーストと同じように一番上をカットしたら、中身をくりぬいてビーフシチューやかぼちゃシチューなどを入れて軽く焼きます。
手間をあまりかけず、簡単に立派なメインになるのがうれしいですね!
使用した型はこちらです。
一斤分の生地を4分割して型に入れるだけで、真四角な小さな角食ができます。もっと小さい真四角がいい場合は、こちらを(ちなみに私は以下の型はまだ持っていないのですが・・・)。
参考:アルタイト スーパーシリコン食パン型 キューブ60 4個組
一斤分の生地を8分割して焼くと、6cm角の食パンが8個できるそうです。
一度使えばずっと使える!使いやすいパン型 まとめ
今回ご紹介したものの中には、買う必要のない型もたくさんあると思います。
たとえばコロネ型やイングリッシュマフィン型は紙とアルミホイルで、細長い食パンはオレンジジュースや牛乳などの紙パックで焼くこともできるんです。
そんな中でも、あると便利な型をご紹介してきました。
型なしでつくるパンと違い、型を使って焼くパンは、発酵の間に飛ぶ水分が少なめなので、しっとりもっちりキメが細かいパンになります。
ただ型に放り込むだけでうまく焼けることもありますが、生地量やその日の気温や湿度によって状態が変わります。
きれいな形にならない日や、逆に発酵が進むのが早すぎて型からあふれることもあるかしれません。その段階で「パンを焼くってむずかしい」とやめてしまう人も少なくないでしょう。
でも、オーブンの中でふんわりふくらんでいくパン生地や、焼けてくるときの香ばしい香り、焼き上がってすぐのふわふわな触感など・・・自分でパンを焼くと、楽しさもあるたくさんあると私は感じます。
どうか、パン型を使って、気軽にパンづくりを楽しんでもらえたらうれしいです。