子どもを連れて離婚した場合に忘れず手続きしておきたのが、「児童扶養手当」と「ひとり親家庭医療」です。
いずれもひとり親家庭で、なおかつ一定の所得以下の人であれば受給できる制度。
このページでは、2018年1月に離婚したシングルマザーが、「児童扶養手当」と「ひとり親家庭医療」の手続きについて解説しますよ。
児童扶養手当はひとり親家庭の保護者などが受給できる
「児童扶養手当」とは、離婚や死別などでひとり親家庭になった人や、父母に代わって子供を養育している人などが受給できる手当のことです。
「母子手当」と呼ばれることもありますが、母子家庭に限らずひとり親家庭の人なら受給できます。
子どもを連れて離婚した人だけでなく、死別だったり、未婚で子どもを産んだ人なども対象。
基本的には18歳までですが、障がいのある子どもなどの場合は20歳まで受給できますよ。
児童扶養手当の金額は月額10,120円~
児童扶養手当の金額は、子どもの人数や、親の所得によって異なります。
- 子ども1人:10,120~42,910円
- こども2人:15,190~53,050円
- 子ども3人:18,230~59,130円
4人以上の場合、1人増えるごとに3,040~6,080円が加算されます。
「母子家庭は手当だけで生活できる」などと言われることもありますが、そんなことはあり得ない、ということがわかりますね。
たしかにありがたい手当ではありますが、子どもの人数に応じて2倍、3倍ともらえるわけではないので気を付けましょう。
児童扶養手当の所得制限は?
児童扶養手当には所得制限があり、所得が一定の金額を超えると受給できなくなります。
平成29年度の所得制限限度額表によると、以下の金額を超えると児童扶養手当は受給できなくなります。
- 扶養親族数0人:1,920,000円
- 扶養親族数1人:2,300,000円
- 扶養親族数2人:2,680,000円
- 扶養親族数3人:3,960,000円
- 扶養親族数4人:3,440,000円
- 扶養親族数5人:3,820,000円
注意したいのは、所得の計算には養育費も含まれるという点です。
養育費の8割が所得に足されます。
また、この金額はあくまで「所得」で、年収ではありません。
参考に、数年前の記事ですが、年収200万円で養育費なし子ども1人で、児童扶養手当は月額29,100円でした。
ひとり親家庭医療は親の医療費も安くなる
次に、「ひとり親家庭医療」について。
ひとり親家庭医療とは、「ひとり親家庭等医療費支給制度」のことで、「ひとり親家庭医療費受給証」がもらえます。
病院を受診する際にこの受給証と健康保険証を提示すると、医療費が安くなるんですよ。
「子ども医療費受給者証」により子どもの医療費は無料という自治体も多いですが、ひとり親家庭の場合は親の医療費もお得になるのでかなりありがたいです。
どれぐらい安くなるのかは自治体により違うのですが、京都市の場合は無料になります。
基本的には、子どもが18歳になるまで利用できる自治体が多いようですよ。
ひとり親家庭医療の対象となる治療は?
ひとり親家庭医療費受給証があれば医療費が安くなりますが、なんでもかんでも対象になるわけではありません。
たとえば美容整形とか、入院時の食事代だとかについては対象になりません。
そのほか、以下のようなものも対象外です。
- 健康診断料
- 診断書料
- 予防注射料
- 往診の車代
- 差額ベッド代
- 薬の容器代
- 慰安目的のマッサージ
- 保険診療できない歯科治療費等
- 200床以上の病院での初診時特別料金
※京都市「ひとり親家庭等医療費支給制度のしおり」より抜粋
風邪をひいて内科を受診したとか、そういった一般的な使い方であれば対象となりますので安心してくださいね。
ひとり親家庭医療の所得制限は?
ひとり親家庭医療にも、児童扶養手当と同様に所得制限があります。
一定の所得を超えてしまうと利用できなくなってしまうわけですね。
京都市の「ひとり親家庭等医療費支給制度のしおり」にはこう記載されています。
扶養親族が1人の場合、所得(給与収入額から給与所得控除や医療費控除額、寡婦、寡夫控除などの諸控除を差し引いた後の所得)が274万円(給与収入にして約420万円)以上のとき。
所得が274万円以上になるとひとり親家庭医療を受けられなくなるのです。
児童扶養手当・ひとり親家庭医療の手続きのやり方
では、それぞれの手続きについて紹介しますね。
わたしが行った役所では、両方同じ窓口でした。
手続きに必要なのは、健康保険証と印鑑のみ。
ただし本籍がほかの自治体にある場合は、戸籍謄本も必要になるようです。
また、保険証は自分の分だけでなく、子どもの分も必要になる可能性があるので持参しておきましょう。
ちなみにわたしは、所得制限によりいずれも申請手続きができませんでした^^;
申請前に、受給できるかどうかを調べてもらえましたよ。
児童扶養手当の申請が通ると、通知のはがきが届きます。
申請の際に、認可までにかかる期間を聞いておくのがオススメです。
通知書が来なければこちらから問い合わせましょう。
また、手続きが遅れるとそれだけ受給開始のタイミングも遅れます。
さかのぼって受給することはできません。
さいごに
児童扶養手当もひとり親家庭医療も、ひとり親家庭にとってはありがたい制度です。
離婚時にはほかにもやらなければならない手続きがたくさんありバタバタしますが、早めに手続きしておいてくださいね。
いずれも、「児童手当」と同じで毎年更新があります。
更新の案内は郵送で届きますので、そちらも忘れずに毎年手続きしてくださいね。