オーストラリア・シドニーで仕事をしながら旅をしよう【伊佐知美の世界一周とお金の話 #4】

こんにちは、ライター・エディター・フォトグラファーの伊佐知美です。

「旅をしながら働きたい」
小さな頃からそう思って生きてきた私。

「じゃあ、具体的に何をして生きていくのが理想かな?」
そう考えた時に私の頭に思い浮かんだのが、大好きだった本に関わる仕事でした。

その想いを叶え、世界一周しながら、編集・ライターの仕事をしはじめて早1年。これまで旅した国は総計30カ国ほどになりました。

「一番よかった国は、どこ?」と聞かれることが増えたのですが、一番に思い浮かぶのは最近訪れたオーストラリア。

オーストラリアシドニー_伊佐知美

オーストラリア第一の都市・シドニーは非常に都会。
けれど自然に溢れ、ちょっぴり物価は高いけれど、ショッピングやマーケット、日帰りトリップにグルメ、サードウェーブコーヒー等々、たくさんのアクティビティに満ちている街でした。

「旅をしながら仕事をする」。そのスタイルから考えても、オススメできる街だなぁと思っています。

シドニーは、ワーキングホリデーの滞在先としても日本人に非常に人気がある場所。

この記事ではそんなシドニーの街の様子と、私が実際に旅した場所や感想、Wi-Fiや物価事情などを紹介します。

※ 記事内で表示される金額は2017年2月現在の情報のため、変動することがあります。ご注意ください。

シドニーに行ったら「オペラハウス」が見たい

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そもそもなぜ私がシドニーに行ったのか。それは、「オペラハウス」が見たかったから!

「オペラハウス」は、シドニーの街のシンボルであり、世界遺産に指定されている建築物。

ミーハーかつ世界遺産検定保有者として、これを見ずにはいられない。

実際に見てみると、とにかく大きくて美しく「シドニーに来た!」という気持ちになれます。ぜひ一度は近くまで行ってみてください。ちなみに入場料は無料。

夜景を撮影したいなら、「ミセス・マッコーリーズポイント」へ。

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全景をゆったりと眺めたいなら、「現代美術館」の最上階のカフェがオススメです。

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ハーバーブリッジからロックスへ

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「オペラハウス」から歩いて15分ほど。港の反対側が、シドニー発祥の地といわれる「ロックス」エリアです。

このエリアではお買い物や、おいしい料理が楽しめます。

シドニーの歴史に思いを馳せながら、ゆっくりと歩くと気持ちがよいと思います。

「オペラハウス」と並んでシドニーの象徴と呼ばれる「ハーバー・ブリッジ」は、全長1,149メートル。世界で2番目に大きなシングルアーチの橋です。

150ドルほどと有料ですが、「ブジッリ・クライム」と呼ばれる橋の上を歩けるアクティビティもあるそう。高いところが好きな方は、シドニーの壮大な景色を眺めに登ってみてもよいかもしれません。

私は、予算が合わなくて断念しました……。

マーケットめぐりの週末

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「ロックス」をはじめ、週末ともなればシドニーの街のいたるところでマーケットが開かれます。

オススメは土日開催の「ロックスマーケッツ」と、土曜限定開催の「パディントン・マーケット」。

オーストラリアでは「ギョズレメ」という名前のトルコ料理屋台が大人気。あまり行列をつくらないといわれるオージーも、「ギョズレメ」にだけは並んでいた、という印象です。

オーストラリアシドニー_伊佐知美
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小麦粉でつくられたモチっとした皮に、ほうれん草とチーズをはさんで焼き上げた、包みピザのような形態のこの軽食。

本当においしいんです……! ただ、ほかの国では一切みたことがないので、オーストラリアでポピュラーなだけなのでしょうか。ほかの旅人に聞いても「ギョズレメ」を知っている人に会ったことがありません。

トルコ料理なので中東に行くとたくさんあるのかな。

値段は一食あたり1,000円ほど。
見つけたらぜひ食べてみてください。

クレープのような味付けの、スイーツ「ギョズレメ」もあるようです。

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ちなみに日本のテレビでよく放映される、シドニーの「フィッシュ・マーケット」は有名なので、魚介が食べたい人はこちらも寄ってみるといいかもしれません。

築地のような賑わいです。

オーストラリアシドニー_伊佐知美
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世界中のグルメが楽しめるシドニー

ギョズレメや海鮮だけではありません!
シドニーはグルメ大国。代表的なオーストラリア料理がない代わりに、世界中の様々なごはんが食べられます。

ケバブやサンドイッチなどの屋台ごはんはもちろんのこと、中華、韓国、ロシア、ギリシャ、もちろん日本料理、フランス料理……街を歩いていると、ありとあらゆる飲食店に出会います。

オーガニック思考の人も多いので、野菜プレートなど、素材にこだわった栄養たっぷりのランチを出す店も。

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ただ、外食は単価が高いんですよね。カフェやレストランに入ってしまうと、1人あたり1食最低1,500円、2,000円、時には4,000円近くなることも。

私は、Wi-Fiの飛んでいるカフェで食事をとって、そのまま作業するというスタイルが多かったのですが、そうでないときはマーケットで屋台ごはんを食べたり自炊したりと、食費はなるべく減らす方向で動いていました。

でも、シドニーはごはんがおいしいので、予算に余裕がある方は、ぜひ楽しんでください!

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ショッピングならまず「クイーン・ビクトリア・ビルディング」へ

シドニーは本当にアクティビティが豊富。

世界中いろんな場所へ行きましたが、日本語の書籍が買える紀伊國屋書店、日本と品揃えが変わらない無印良品ユニクロ、あとは日本よりも品揃えがむしろ多いのでは?

そう思わされるダイソーまで、ありとあらゆる日本のお店が揃っていました。

ニューヨークやパリ、ロンドンよりも多かった印象……。
あ、唯一、マレーシアのクアラルンプールには敵わないかもしれません。

そんなシドニーのショッピングの中心は、「タウンホール」駅周辺。
そこには本当に無数のお店が並んでいるので、「一体どこへ行っていいか分からない!」という方は、まず「クイーン・ビクトリア・ビルディング」へ向かってください。

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「クイーン・ビクトリア・ビルディング」は、1898年にビクトリア女王即位50年を記念して建てられた建物を改装してショッピングセンターにした場所。

「世界で最も美しいショッピングセンター」といわれることもあるくらい、外観も内観もきれいなんです。

中にはオーストラリア発のオーガニックコスメショップやアパレルショップが並びます。

私も仕事をしつつ、たくさん買い物をしました。
現地で買い物したものを使ったり、身に付けたりするのってすごくテンションがあがるのですが、ワンピースは4,000円〜10,000円ほどの単価。サンダルも夏のセール期間に買って7,000円。

唯一、オーストラリア産のオーガニックの歯磨き粉やシャンプーなど生活用品だけ、100円〜500円だったりしましたが、物価はやはりあまり東京と変わらないかもしれませんね……。むしろ日本よりもちょっぴり高い?

「タウンホール」駅周辺にはオーストラリアのデパートの「マイヤー」や「デビット・ジョーンズ」もあるので、はしごするのがオススメです。

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おしゃれエリアの「サリーヒルズ」でおいしいコーヒーを

シドニーの中心エリアのひとつ、シドニーセントラル駅。
シドニー空港からの玄関口でもあるので、多くの人が必ず通る場所だと思います。

そこから徒歩10分もいけば、路面店や地元のアーティストがギャラリーをかまえる「サリーヒルズ」エリアです。

そこではショッピングもグルメも楽しめるのですが、私はおもにカフェに通うために訪れていました。

中でも居心地がよかったのが、「Reuben Hills」というお店。

オーストラリアシドニー_伊佐知美
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じつはシドニーは世界的に見てもコーヒーがおいしいことで有名な街。
一杯500〜600円ほどでハンドドリップコーヒーがいただけます。

ただ、地元の人に「お気に入りのカフェは?」と聞いても、みんな答えがバラバラなのがオージー。スターバックスがあまり進出できないといわれることからわかる通り、チェーン店をあまり好まないお国柄のよう。

そのため、みんなお気に入りのカフェが違うんです。

なので、シドニーではふらりと気の向くまま歩いて、「あ、いいな」と思った、肌感の合うお店に入るのがいいようです。

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日帰りトリップは世界遺産の「ブルーマウンテンズ」へ

大都会シドニー。
といっても車や電車で30分も郊外へ行けば、大自然が待っています。

私は世界遺産が好きなので、電車で片道8.6ドルで行ける「ブルーマウンテンズ」に行きました。

そこは100万ヘクタールの大きさを誇る広大な国立公園! 地平線まで広がる壮大な景色がのぞめます。

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シドニー発着の様々なツアーが催行しており、1日10,000円ほどで日本語ツアーに参加できるのですが、「ブルーマウンテンズ」までの電車も、現地内をめぐる観光バス環境も整っているため、自力で訪れやすいのがこの観光地の特徴。

多少語学力があって、自分の足で外国を歩いてみたいという気持ちがある方は、天気がよい日を狙ってふらりと歩き回ってみるのがいいと思います。

隣町の「ルーラ」も、小さな路面店が並ぶ商店街みたいになっていて楽しいですよ。

総じて、私は海外ではあんまりツアーに入らない派です!

自力で、地元の交通機関を使って行った方が、きちんと旅をしている感覚になれるというのがその理由。同じ道をたどっても、自力で行った方が節約になることも多いですしね。

ただし、ツアーはバス催行などで効率よくいろいろな場所を回ってくれるケースが多いので、時間の節約をしたいという方はツアーの方が向いていると思います。

シドニーの基礎情報

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交通手段

シドニーは観光客にとてもやさしい街だと思います。
理由は、「ブルーマウンテンズ」の章でも述べた通り、公共交通機関が発達しているから。

電車や路面電車の「ライトレール」、もちろんバスに、あとはフェリーも一般的な交通手段として地元の人にも利用されています。

特筆すべきは、日本国内と同じようにチャージ式ICカードで乗降車できること。名前は「オパールカード」。

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カード発行手数料は無料。
購入は、シドニー市内のセブンイレブンなどで可能です。

初乗りは電車の場合、1.69ドル。バスだと2.10ドルほど。さらにこのカードがすごいのは、1日の運賃支払い上限が、月〜土曜は$15、日曜はなんと$2.50なこと!

しかもそれ以降は無料で乗り放題になるんです。

あとは、平日利用特典もあって、1週間にカードを8回以上利用したら、その週の日曜日まで、それ以降の運賃が半額になったりもします。

とにかくシドニー市内を公共交通機関を使って移動するなら、「オパールカード」を手に入れて損はないと思いますよ。

余談ですが、シドニーの電車は基本的に2階建てなので、景色がよくて気持ちがいいです。

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泊まった宿

が、しかし! はっきり申し上げます。シドニーの宿は高いです!

Airbnbで部屋を探そうとしたのですが、1泊8,000円程度はザラ。
ホテルはもちろんそれ以上。そのため、私はシドニーではドミトリーのユースホステルを選択しました。

名前は「バウンスホテル」。Wi-Fiや洗濯機、ラウンジやカフェ、バーがついて、1泊3,500円程度。

シドニーセントラル駅から徒歩2分、駅ホームから見えるくらいの位置にあるので移動も便利。

オーストラリアシドニー_伊佐知美
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スタッフもやさしくて、最上階のキッチンから見えるシドニーの街並みと夕陽が最高!

Wi-Fiさくさくなので、仕事もはかどる!
……ということで、よく最上階で、日本の同僚とスカイプミーティングをしていました。

「Booking.com」などのホテル予約サイトから予約できるので、シドニーの宿に困ったらぜひ一度検索してみてください。

Wi-Fi事情

Wi-Fiの話が出たので、Wi-Fiも。

残念ですが、オーストラリアは全体的にちょっぴりWi-Fiが遅めです。
理由を地元の人に訪ねて回ったのですが、どうやらオーストラリアはまだADSL回線が主流で、光ファイバー回線が少ないというのが理由なよう。

さすがにシドニーは駅や空港、街中のカフェでWi-Fiを簡単に見つけられますが、他の都市ではWi-Fiが飛んでいないお店もまだたくさんありました。

日本と同じレベルでは考えずに、ちょっぴり身構えてあらかじめて心構えをしておくと、驚かなくていいと思います。

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といっても宿はWi-Fi付きなところが多いので、私はそこで安定したWi-Fiを確保。

尚、同じドミトリーのユースホステルでも、シドニー駅の別の改札に近い「ウェイクアップ!セントラルシドニー」はWi-Fiが有料だったので、Wi-Fi付きと謳っていてもそれが有料か無料か、という点は注意して見てみてください。

同じオーストラリア国内のエアーズロックなどの内地でも、3日で20ドルくらいWi-Fi使用料がかかりました。積み重なると結構な出費になってくるので、海外では無料Wi-Fiを探したいところ。

SIMフリーのスマートフォンを持っているなら、空港でSIMカードを購入するのもいいと思います。

物価について

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繰り返しになりますが、オーストラリアは物価がそこまで安くありません。
とくにシドニーやゴールドコーストなどの東海岸の都市は、国内でも比較的高めの水準。

たとえば水は、500mlのペットボトルで1本3ドル〜4ドルほど。

砂漠の多い内地エリアでは水が8ドル、カップラーメンも8ドルほどしました。

食費や宿泊費を節約するなどして調整はできますが、予算を多めにとっておいたり、現地で何に優先してお金を使うかなど、考えておくとスムーズな旅ができると思います。

時差が少ない!

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Wi-Fiが遅め、物価は高め。
……とはいえ、オーストラリアはノマドワークに向いています。

というのも、日本から飛行機で最低7時間かかるのに、時差が1時間〜2時間ほどの都市が多いため、日本と通信をしながらの仕事がとてもしやすいんです。

加えて言語が英語で、住宅設備やスーパーの品揃え、人々のライフスタイルもそこまで大きく変わらない。

語弊があるかもしれませんが、あまりにも違和感がないのでなんだか沖縄にいるような感覚にもなったものです。

これ、オーストラリアを薦める大きな理由だったりします。

自然が豊かで美しい街・シドニー

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いろいろと申し上げましたが、まとめると私のシドニーの印象は「住める」! そして「働ける」!

なぜならオーストラリアという、日本の20倍以上ある国土の中で一番の都会なのに、東京よりもはるかに自然が豊かで、海があって、丘があって、たくさんの国籍の人が行き交う多様性があって……と、非常に過ごしやすい街だからです。

もちろん都会なので、最低限の治安チェックや、自分の身は自分で守るという意識は必要です。

女性であれば、夜間の不必要な外出は避けるですとか、繁華街の大通り付近に宿をとるですとか、気遣いはいつも通りしてください。

でも、それは日本でも一緒ですよね。
そういったことを忘れずに過ごせば、シドニーはとてもよい街になるのではないかと思いました。

日本からオーストラリアへ行く場合、玄関口となるのはケアンズですが、ケアンズからシドニーまでは飛行機で約3時間・10,000円ほどです。最近は直行便も運行しています。

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そうそう。私は行きませんでしたが、コアラが見られる国内最大級の動物園「タロンガ動物園」も大人気の観光地です。

さいごに

この記事では伝えきれないほど、本当に魅力がたっぷりのシドニー。

「場所を問わずに働く」。「旅しながら仕事をする」。
やってみると、不自由なこともありますが、普段無意識に蓋をしてしまっている思考回路が自由になって、新しい発想が生まれることも多いです。

何かに行き詰まっている、と感じたら、人生のひとつの選択肢としてぜひ検討してみてください。

では、よい人生の旅を。次回は違う街のお話をしたいと思います。
連載、ぜひ楽しみにしていただけるとうれしいです。

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

1986年生まれ、新潟県出身のライター・編集者。これまでに仕事をしながら世界を2周、47都道府県55ヶ国200都市以上を巡る。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』創刊編集長、オンラインコミュニティ「#旅と写真と文章と」「#EnglishChallenge」オーナー。