旬の食材を余すことなく使える無駄のない春の野菜・魚を使った節約レシピ3つ

「食べたあとの柑橘の皮」、「食べ切れなかったカツオやまぐろのお刺身」など、「もったいない」と思うものってたくさんあります。

そんな時少しでも美味しいものにリメイクできたらうれしいですよね。

今回は「柑橘の皮でできるマーマレード」と「お刺身やアラでも作れるツナ」を、「ガスも手間も使わないタケノコの新しいアク抜き法」と簡単タケノコレシピとあわせてご紹介します。

春の野菜や魚を使った節約レシピ

1. 捨てるところがない!日向夏のマーマレード

義実家から家族の大好物の日向夏が届きました。

日向夏は周りの白い皮もフワフワで、やさしい甘さの柑橘類です。

日向夏の入った箱

九州で一番美味しいのはこの日向夏だと言い切ってしまうほど、私も家族も日向夏が大好きなのです。

日向夏

周りの皮をこのように剥いて、白い皮ごと食べます。

8つに縦切りして、横に半分に切るとフォークで刺して食べやすいです。

我が家では冷蔵庫に入れておくと、みるみるうちに減っていき、名残惜しいです。

美味しい柑橘は、質が良いものであればあるほど香りが良くて、そのまま捨てるのはしのびないですね。

そこで、皮は捨てずに千切りにして、ジャムにしてみましょう。

日向夏のマーマレードの作り方

茹でた千切りの日向夏

鍋に入れて、2回茹でこぼします。

計りに載せた日向夏

ザルにあげて、水気を取り、密封できる袋に入れて重さを計ります。

今回は135gありました。

黒砂糖

その中へ、天然塩ひとつまみとお好みの甘味料(今回は黒砂糖とてんさい糖を合わせました)を55g加えます。

日向夏

日向夏の上から軽くなじませて、その状態で一晩寝かせます。

鍋でそのまま煮て、ジャムにしてしまっても良いのですが、「明日の朝、ツナを作るタイミングで一緒に作ろう」と考えていたのでこの日は一晩寝かせました。

このように、たとえば忙しくて「今日や明日中は瓶詰めまでできない」と思う日も、千切りして煮こぼすところまでやっておけば、2日くらい保存しておけます。

もっと長い期間保存したい場合は冷凍しておいても良いでしょう。

あとはこのまま鍋に入れて煮るだけですから、作業する日を分けられると気軽にジャムが作れるようになりますよ。

煮詰めた日向夏

ジップロックから出して、オレンジジュースを半分ヒタヒタになるくらい注いで、煮ます。

レモン汁も少し絞ると爽やかな風味になります。

甘みを見て足りないようなら、お好みの量のジュースやレモン汁を足してください。

人の舌は温かい状態よりも、冷めた状態の方が甘さを感じにくいので、鍋から味見をする時は「甘過ぎ?」と感じるくらいがちょうど良いです。

とろりとしてきたら、できあがりです。

煮沸消毒した瓶に入れて、フタを軽く閉めておきます。

オレンジジュースは、できればストレート果汁のものがベストですが、お好きなのを使ってOKです。

皮だけで作っても、オレンジジュースの果汁で美味しくジャムになりますよ。

2. 余った刺身やアラ、旬で安くなったカツオでツナを作ろう!

旬の魚は美味しいだけじゃなく、とっても安くなります。
ときどき、半額で売られていることもあるほどです。

この時期、旬な魚はカツオです。
これを使って、ツナを簡単に作ってみましょう。

市販のツナ缶よりも安く、たっぷり、しかも旬の旨みがぎゅっと詰まったツナができますよ。

カツオでできるツナ缶の作り方

パックに入ったカツオ

今回は、ちょうど日向夏ジャムを作る時と同じタイミングで作りましたので、時短レシピをご紹介します。

一緒に瓶に詰めてできる方法です。

カツオ塩漬け

まずカツオの重量の10%の塩をすりこんで、冷蔵庫にしばらく置いておきます。

カツオ塩漬け後

すると15分後には、カツオからこれだけ水分が出てきます。

瓶詰めのカツオ

この水気をよく拭いて、半分くらいに切って瓶に入れます。

そこに半分に切ったニンニクとローリエ1枚、あとはお好みのハーブを入れます。

私は今回、ディルというハーブを入れました。

バジルやオレガノなども合いますよ。

そして、カツオがひたひたに浸るくらいのオリーブオイルを入れます。

こうして瓶で作ると、オリーブオイルを大さじ3くらいしか使わなくて済みます。

鍋で煮詰めてツナを作ることもできますが、それよりも断然オリーブオイルの量は少なくて済みます。

入れ終わったら、フタは軽く閉めておきます。

カツオとジャム

瓶がガタガタして割れないように、鍋の底に布でクッション性を持たせるか、蒸し台を置いてから瓶を入れ、水を瓶の2/3くらいまで注ぎます。

そして加熱開始!

先ほどの日向夏のマーマレードを煮詰めるのと同時に、ツナが入った瓶も煮ていきます。

20~30分煮たら、瓶のフタをぎゅっと閉めて、もう少し加熱して5分ほどしたら鍋の中で冷まします。

日向夏のマーマレード

これで、日向夏のマーマレードが完成です。

はっさくでも、同じ方法で作れます。

カツオのツナ

こちらは、カツオで作ったツナです。

市販のツナは細かいフレーク状のものが一般的で、ゴロッとしたフィレ状のものは1缶300円以上します。

自家製のカツオツナなら、3缶分くらい作れて300円でできます。

今回は、時期的にカツオが安かったのでカツオで作りましたが、マグロのサクでも同じようにできます。

食べきれなかったお刺身でも、マグロのアラでも血合いの部分を取り除けば使えます。

そう考えると、もっと安く作れる時もありそうですね。

3. 大根おろしでタケノコの時短アク抜き!そこから作る筍ごはんと大根もちが美味しい!

「タケノコのアク抜き」といえば、定番の方法だと「米ぬかで煮込んで3時間くらい放置」しなければならず、時間もガス代も手間もかかるものが有名です。

でも、実はただ大根おろしの汁に1時間つけておくだけでOKだったこと、ご存知ですか?

タケノコのえぐみは、「ホモゲンチジン酸」とホウレン草と同じ「シュウ酸」という酸性のものです。

それを、大根おろしのアルカリ性で中和させてアクを抜けば、あっという間で、さらに大根の消化酵素がえぐみを分解してくれるのです。

酵素は熱に弱いので、加熱する必要がありません。

ただ浸けて放っておくだけ!

やり方を写真で追ってみましょう。

タケノコの時短アク抜きの方法

タケノコ

実家から、一気に5本のタケノコが届きました!

今回はこれを使いたいと思います。

半分のタケノコ

まず、タケノコを半割りにします。そして外側の「この辺かな?」と思うところから皮を手で剥いていきます。

本当にホロホロ向けるので簡単です。

切ったタケノコ

そして適当な大きさに切ります。

断面が多い方がアクが抜けやすいので、小さめに切っていきましょう。

大根おろし

次に、大根をすりおろして、しぼり汁としぼりカスに分けます。

茹でたタケノコ

タケノコのアク抜きは、大根おろしのしぼり汁だけを使います。

常温で1時間放置します。

タッパーに入ったタケノコ

アク抜きが終わったら水洗いして、ひたひたの水とともにタッパーに入れて冷蔵庫へしまいます。

毎日水を替えれば、この状態で1週間もちます。

おまけ:アク抜きしたタケノコで作れるレシピ3つ

(1) タケノコごはん

大根もち

  1. 炊飯器に、3合の白米と、醤油とみりん大さじ2と、酒大さじ1と塩を小さじ半分入れる
  2. 3合のラインの少し下まで少し濃いめに出した出汁を加える
  3. 油揚げ1枚、ニンジン1/3本、しめじ1/4パック、タケノコ(300gくらい)入れる
  4. 炊飯して盛り付けて、あれば木の芽を飾る

(2) 大根もち

  1. タケノコのアク抜きで余った大根のしぼりカスに、塩胡椒して、米粉と小麦粉と片栗粉を1:1:1の割合で加える。必要なら鶏ガラスープの素(粉末)を加えてもOK
  2. お好みの野菜(この時はネギ)を入れて混ぜ、まとまるくらいの水分を加える。桜海老を入れても◎。小判形に形を整えて焼く
  3. 焼いている間にタレを合わせる。てんさい糖と醤油と酒とみりん、だいたい3:3:3:1くらい
  4. 両面焼いたら4のタレをからめて、美味しそうになったらできあがり!

大根もちは、しぼりカスの大根でなく、普通の大根でももちろんとっても美味しくできます。

いつでも気軽に作れて、子どもにも大人気メニューのひとつです。

(3) タケノコの土佐煮

タケノコ土佐煮

  1. アク抜き済みのタケノコをごま油で炒める
  2. しょう油とみりんで焼き付けて、最後にかつおぶしを絡めたらできあがり

節約レシピは無駄なく美味しく、しかも体にやさしい

タケノコは春限定ですが、「大根もち」「ジャム」「ツナ」は、材料を変えればいつでも作れます。

季節を感じながら、瓶詰めにして少し先まで楽しめるってなんだか嬉しいですね。

自家製瓶詰めは半年くらい持つと思います。

我が家では毎回そんなに待たずに比較的すぐ食べてしまうのですが…。

一度開けたら保存はもちろん冷蔵庫で、早めに使い切りましょう。

こまめに作って、キッチンカウンターにたくさん並んだ瓶詰めを眺めるのも、なかなか楽しいと思います。

瓶詰め

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

ライター、料理講師。 アレルギー持ちの8歳と1歳の母。 フリーランスとして20年以上、節約を意識しながら暮らしを楽しんでいます。 普段はベジタリアン料理と普通食、離乳食や制限食など、両立した料理の展開メニュー開発など多数提案。 インタビュー記事、料理レシピやレストラン紹介、コラム執筆、人物や料理撮影も担当しています。