ガラスの保存瓶ひとつでカンタン調理!煮沸消毒のやり方と保存瓶を使ったお手軽レシピ3つ

森山愛美夏の画像

ガラス瓶の「メイソンジャー」をはじめ、瓶を使ったレシピは実は幅広く存在します。

そのうえ、瓶であれば100均でもいろいろなサイズが販売されており、その見た目からサラダやティラミス、ラザニアなどを入れると、重ねた色とりどりの素材が層になってきれいに詰めることができ大人気です。

さらに、ピクルスやジャムなど、保存を効かせたい料理とも相性抜群で、使い勝手が広いのも特徴的です。

このページでは、さまざまなシーンで使える手軽な瓶を使ったレシピを紹介していきますね。

ガラスの保存瓶の使う方

瓶を使う前に必ずすべきことは?

瓶は、その密封性の高さから「長期保存に便利」と思われがちですが、扱い方を間違えると食中毒を招いてしまいます。

「洗剤で洗った」「熱いお湯を注いでから使った」というのでは、まだ不十分な可能性があります。

料理を詰める前に、買った瓶は必ず煮沸消毒してから使いましょう。

瓶詰めの様子

私たちの手や、まな板などの調理器具、そして空気中にはたくさんの菌やウィルスがいます。

食中毒を引き起こす原因になる菌のほとんどは、30℃から37℃くらいが一番活発に増殖する温度です。

長期保存したい保存用ガラス瓶の消毒は特に徹底して行いましょう。

煮沸消毒のやり方

必要なものは?

  • 保存瓶
  • 布か、すのこ
  • 瓶を取り出すトングや菜箸、耐熱手袋など(アルコール消毒しておく)
  • キッチンペーパー
  • 瓶を乾かしておく網(アルコール消毒しておく)
  • 保存瓶を煮る大鍋(深さがあるもの)

煮沸消毒の流れ

必要なものが準備できたら、煮沸消毒していきましょう。

まずは、鍋の底に布かすのこを敷いて、瓶がつかるくらいの水を入れてください。

瓶の煮沸消毒

続いて、鍋底から火が出ない程度の強火で沸騰させ、ボコボコと泡が出ている状態で5分以上煮ましょう。

薄い瓶で割るのが心配な場合は、小さな泡が出ているくらい80℃くらいの火で15分加熱します。

蓋は溶けたり変形するおそれがあるため、最後の3分の時点で鍋に入れて、瓶と一緒に引き上げてください。

箸やトングも一緒に入れて煮ても良いですし、アルコールで消毒しておいてもOKですよ。

煮沸が終わったら火を止め、ケーキクーラーなどの網状の場所にきれいな布かキッチンペーパーを敷き、煮沸した瓶とフタを並べて乾燥させてください。

乾燥させている瓶

乾いたタイミングで調理したものを詰めるようにしましょう。

温度計で「90℃で5分」などと測れれば安心ですが、なければ「グラグラ湧いたお湯で6分」と覚えておけば確実です。

煮沸消毒したら、食品を詰めて脱気と殺菌

煮沸消毒した保存瓶に食品を詰めて、殺菌と脱気を正しく行えば、1年近く保存が利くので便利です。

殺菌と脱気方法で代表的な方法は2つあります。

鍋の中に瓶を立てておくだけでできる「気密正立法」と瓶を逆さに立てておく「倒立放冷法」です。

1. 気密正立殺菌法で作る「簡単いちごジャム」

ジャムにする前のイチゴ

それではまず、気密正立殺菌法で「いちごジャム」を詰めてみましょう。

12月から2月のいちごはハウス栽培されていて高価ですが、春になってきて出回り始める露地物はより甘く美味しいのに安くなってきます。

安いところでは1パック198円などで売られていることもあるほどです。

いちごは小さい割に凹凸も種も多く、細い毛が生えているため残留農薬が気になる果物でもあります。

長期保存したいジャムですから、重曹を溶かしたぬるま湯で洗い、水洗いして拭き取り、ヘタを取ってください

いちごの煮汁

鍋に入れて、塩ひとつまみと砂糖をまぶしてしばらく置きます。

砂糖は一般的には「いちごと同量を入れる」と言われますよね。

我が家はそれでは甘すぎるので「米飴」と「果和糖」か「てんさい糖」をいちごの半量くらい入れ、煮ながら足すかどうか味見しながら調節しています。

出てきたアクをすくい取りながらしばらく煮詰めて、最後にレモン汁を大さじ1くらい味見しながら加えます。

人間の舌は温かい状態のものは甘みを強めに感じるので、感じたより少しだけ強めに甘みをつけておくと、冷めて落ち着いた時にちょうど良い味になりますよ。

気密正立殺菌法のやり方

瓶詰めイチゴ

  1. 出来上がったジャムを熱々のうちに瓶に詰める(この時瓶の口から5mm下くらいまで入れます)
  2. 瓶のフタをしっかり閉めて、布かすのこを敷いた鍋の中に立てて置く
  3. 瓶が2/3くらい浸かるくらいの水を入れて沸騰させる
  4. グラグラと90℃に沸いた状態で20分沸騰させる
  5. 水か氷を加えて60℃くらいに調節し、温度を保ちながら5分浸けておく
  6. 冷たい水に替えて20~30分浸けて冷ます

煮沸消毒

しっかり加熱して、段階を追って冷ましていくことで、瓶の中の機密性が高まります。

2. 倒立放冷法で作る「はっさくマーマレード」

いちごの次は、もうひとつの方法「倒立放冷法」でマーマレードを作ってみます。

今回ははっさくを使いましたが、時期によって日向夏でもオレンジでも、柑橘系ならなんでもOKです。

瓶の煮沸消毒をしている間に、はっさくジャムを作っていきましょう。

はっさくの皮をむく

最初に、はっさくの皮を剥きますが、この時、はっさくの1/8カットくらいの細さにして、苦味成分が多い皮の裏の白い部分をそぎ落とします。

刻んだはっさく

はっさくの皮を細く刻み、鍋で煮こぼします。

煮たはっさく

もう一度煮こぼしたら、皮が透き通って柔らかくなりますよ。

この段階で重曹を入れる方法もありますが、そうすると皮が柔らかくなりすぎる場合があるので、私は入れていません。

むいたはっさく

はっさくをむいて、バットにあけておきます。

余談ですが、柑橘類をむく時は「ムッキーちゃん」というものが値段もお手頃で、とても便利です。

はっさくと砂糖

鍋に2回煮こぼして水気を切った皮と、剥いて適当にちぎったはっさくの実を入れ、ひとつまみの塩と砂糖をかけたら、しばらく置きます。

糖類はお好みのものでOKですが、今回は「黒和糖」という黒砂糖とてんさい糖で作りました。

はっさくと砂糖

浸透圧で水気が出てきたところで火にかけます。

弱めの火でアクを取って煮ていき、煮沸消毒が終わった瓶がまだ熱いうちにはっさくジャムを詰めてください。

倒立放冷法のやり方

  1. 瓶の口から5mmくらい余裕をあけてできたてのジャムを詰める。フタはゆるく閉めた状態にしておく
  2. 布かすのこを敷いた鍋に、瓶の2/3くらいの水を入れて沸騰させる(瓶を煮沸消毒した鍋でそのままやってもOK)
  3. グラグラと沸いたお湯に瓶を並べて、そのまま20分煮る
  4. 厚手の鍋つかみで取り出して、そのままフタをきつく閉め直す
  5. もう一度お湯の中に戻して20分間煮る
  6. 瓶を取り出し、フタを下にした逆立ちの状態で冷ます

瓶を締めたはっさくジャム

煮沸消毒と殺菌消毒法を知ってくだけで違う

瓶の消毒法は、様々な保存食作りに応用が効きます。

しっかり消毒して安全に保存できるようになっておくと生活が広がります。

しかもすぐに食べるなら、小松菜やブロッコリーを茹でながら作れるので、お湯も無駄になりません。

3. 緊急時に活躍する瓶で作るご飯&お味噌汁

ジャムなど、長期保存に向いているものだけでなく、瓶を使えば、白ご飯やお味噌汁を作ることもできます。

沸かす前の瓶

材料

  • 無洗米:お米用カップで計って一合
  • 水:一合分+大さじ1
  • わかめ:適量
  • 新玉ねぎ:小1/4
  • じゃがいも:小1個 皮をむいて4か6分割
  • 出汁:300~400mlくらい(瓶の口から3cmくらい下まで注ぐ)

ご飯は、あらかじめ無洗米と水を入れて、瓶のフタをゆるくしめて30分くらい浸水しておきます。

鍋の中の瓶

作り方

冷ましている瓶

  1. 鍋に布か、すのこを敷いて瓶を置き、瓶の2/3くらいまで水を入れて沸騰させる
  2. そのまま10分湯煎する
  3. 仕込んでおいたご飯の瓶を一旦取り出してフタを開ける。細く長めのスプーンで瓶の端を沿わせ、粒をつぶさないよう奥からフワッと混ぜる。
  4. 味噌汁の瓶も一旦取り出して、フタを開けて味噌を溶き入れる(できれば味噌を中の少量の出汁と合わせて、すり鉢ですってから入れると、味がなめらかになるのでおすすめです)
  5. ご飯と味噌汁の瓶をもう一度ゆるめに閉めて、再度沸騰させて5分湯煎する
  6. 瓶を2本とも取り出し、ごはんの瓶を開けてもう一度同じように優しくかき混ぜる。味噌汁の瓶はできあがり
  7. ごはんの瓶は5分後に取り出して、少し蒸せばできあがり

ごはんとお味噌汁

ご飯の瓶は沸騰してから10分後、15分後、20分後ごとに、瓶を開けてそっと奥からかき混ぜてあげる作業が必要になり、最後に5分くらい蒸らしたら完成します。

どうしても難しい場合は、まんべんなく火が通るように13分くらいで、少なくとも1回はかき混ぜてください。

味噌汁の瓶は、15分湯煎してから取り出して、味噌を溶いて最後に少し湯煎すれば完成です。

面倒な場合は味噌を溶いて終了、それでもOKですよ。

瓶で湯煎する調理方法は瓶の中でお湯が対流しないので、全体に火を回してあげるために手動でかき回してあげる作業が必要になります。

お椀に入ったご飯と味噌汁

ご飯を炊く場合は、お米の品種や栽培時期によって水の必要量が違うので、もしも柔らかく炊き上がり過ぎてしまったら、上に梅干しや薬味を乗せてお粥のように食べても良いでしょう。

お味噌汁の具は、今回は常温で比較的長期保存できる玉ねぎとじゃがいも、そして乾燥わかめにしましたが、なんでも大丈夫です。

火が通りやすい素材はさっと、根菜類はじっくりと、様子を見ながら作ってみてください。

また、瓶を立ててお湯を2/3くらいまで入れた状態で、瓶の蓋をゆるく閉めるのは、中の空気圧の変化を考えて行うものです。

湯煎調理が終わった後に蓋をぎゅっと締めて急激に冷やすと、瓶の蓋が開きづらくなります。

「作ったは良いけど開かない」ということにならないよう、握力に自信がない方は特に気をつけてくださいね。

瓶を使った手軽レシピを日々の暮らしに取り入れよう

湯煎調理の良いところは、火の通りが悪い場合はもう一度湯煎すれば良いだけという手軽さです。

「家に鍋も炊飯器もフライパンもあるのになぜ湯煎?」と思われるかもしれませんが、1~2人暮らし、または非常時やキャンプで使うことができます。

ジャムや保存食などは、瓶詰めにしておくといざという時役に立つと思いますので、試してみてくださいね。

作った料理を保存するときは、保存方法を工夫してみましょう。

この記事を書いた人

CM音楽、作詞作曲、歌手、翻訳、ライター、料理講師。 卵乳アレルギーの8歳と1歳の母。出産を機に自分も同じアレルギーを持っていたと知り、卵乳製品を使わない料理やマクロビオティックを実践。中医学(薬膳)も学ぶほぼベジタリアン。作詞作曲業、執筆業のかたわら、さまざまな自然酵母のパンと焼き菓子、妊娠出産授乳期の食事、菜食と肉食ごはんの同時レシピ、アレルギー対応食などを専門としている。