こんにちは、森山です。
私は記録のためInstagramに家ごはん写真をアップしていて、ときどきスキレットを使ったズボラ料理も載せています。
するとそれを見た友人たちから弱気な声を聞くことがあります。
「スキレット、買ったはいいけどお手入れ方法がわからなくて使ってない」
「錆びたから遠い昔に捨てたわ・・・」
もったいない!
スキレットは錆びてもリセットすることでき、お手入れ方法も慣れれば簡単です。
使い方も最初はわからなくても、場数を踏めば自分のやり方やコツのようなものが固まってきます。
そこで今回はノマド式節約術でスキレットのお手入れ方法や、スキレットがあれば手軽につくれる料理を紹介していきますね。
スキレットってどんなもの?『ニトスキ』とは?
スキレットとは、鋳鉄(ちゅうてつ)製のフライパンのことを指します。
鍋肌が熱いため蓄熱性も高く、素材の美味しさを凝縮して調理することができるのが特徴。
「煮る」「焼く」「炒める」はもちろんのこと、オーブン調理もできてそのままテーブルに出せる見た目も人気です。
大きさやつくりは物によってピンキリですが、中でもニトリで税込498円(500円以内!)で手に入るスキレットはなかなか優秀です。
形も使いやすく、お手入れさえすれば子の代まで使えそうな丈夫さなのです。
鋳鉄製だから小さくても少し重いですが、料理やお菓子、パンづくりまでフル活用できます。
いきなり高額なスキレットを買うのではなく、手頃なニトリのスキレットから挑戦してみるといいかもしれませんね。
安いので2つ買って、1つしか使わないときはもう1つをフタ代わりに使うこともできます。
2つ買っておけばコンロでパンを焼くときに、そのまま裏返して焼けるのでとてもラクですよ。
使う前にやること『シーズニング』の正しい方法
スキレットは、使用前に「シーズニング」という作業が必要です。
シーズニングとは鉄の表面に油を塗って皮膜をつくり、焼きを入れて錆びさせないようにすること。
シーズニングを続けることによって「ブラックポット」という、焦げにくく錆びにくい状態のスキレットに育てていくことができます。
少し手間ですが、料理が終わったあとの儀式のようなものだと考えれば、だんだん「毎回やって当たり前」という感覚になっていくとかと思います。
それでは写真と共に、手順を追って試していきましょう。
1、洗う
まず洗剤とスポンジ(もしくはたわし)でスキレットを洗って、もともとついている錆止めの工業油を落とします。
絶対に洗剤を使わなくてはいけないのは、工業油がついている初回のみです。
このとき、金属たわしは使わないようにしましょう。
2、水分を拭く
洗い終わったら、水分をしっかり拭き取ります。
鉄に水が残ったままだと錆びやすくなるので、火が届きにくい場所は特に丁寧に拭いておきましょう。
初回はしっかり拭くと、真っ白のキッチンペーパーが黒くなるくらい錆止めの油が取れます。
「知らずにそのまま使っていたら・・・」と思うとちょっと怖いですね。
3、空焚きする
次に、カラ焼きをして水分を完全に飛ばします。
弱火で5分くらいでしょうか。
このときの火加減は、写真のようにふわっと白い煙が見えるくらいです。
こうなったらすぐ火を止めて大丈夫です。
4、油をキッチンペーパーなどにとる
そしてキッチンペーパーを使い、オリーブオイルか太白ごま油などの食用油を塗ります。
このときに使う油の量はおよそ小さじ半分くらいでしょうか。
意外と少しの量で広範囲に広がりますよ。
5、油を塗っていく
焼きを入れたばかりのスキレットはとても熱いので、二重にした軍手などで取っ手をつかみ、先ほどのキッチンペーパーで丁寧に油を塗っていきます。
このとき、スキレットを素手で触らないように注意してくださいね。
裏側も忘れずに塗りましょう。
案外、裏のキワあたりを塗り忘れることが多いのです。
そして最後に持ち手に油を塗っていきます。
スキレットが冷めかけた頃に、軍手を外して持ち手の表と裏、穴までしっかりと塗り込みましょう。
このときには油はかなり薄くなっていますが、ギトギトにするのではなく膜をつくることが目的なので大丈夫です。
そしてこのあと、よく「調理後のクズ野菜を油で軽く炒める」と言われますが、1週間以内くらいに使うのであれば、この作業は必要ありません。
また、スキレットの保管は新聞紙などに包んでおくと安心です。
余分な水分を吸収してくれますし、他の調理器具を傷つけることもありません。
『シーズニング』は油膜をつくることが大事
私もスキレットを使う前はシーズニングについて、いろいろと調べて悩みました。
ネットなどで調べてみても、書かれているページによって行程が違ったりして、何が正解なのか分からないのです・・・。
正しい情報がわからないと「ああ、めんどくさい」と思えてきてイヤになりますよね。
でもシーズニングは、行程の順番はあまり気にせず、とにかく「油膜をつくる」ことが大切です。
難しく考えず「油を塗って加熱しておく」と考えておけばいいと思います。
また、「2回目以降は洗剤を使って洗ってはいけない」とも言いますよね。
これはスキレットに付着させた油を取り除いてしまわないためです。
でも私は「この油ギトギトになった状態を洗剤なしで洗う? ありえないんだけど」というときや、「古い油がずっと残ってるって酸化しそうじゃない?」と思うときは普通に洗っています。
シーズニングをする頻度は月に1回、包丁を研ぐタイミングでついでにやるという感じです。
ちなみにニトリのスキレットではなく、LODGEのスキレットを購入した場合、初回のシーズニングは済んでいるので、そのまま調理しても大丈夫。
シーズニングは何度やっても自由ですから、「うちに来たからにはうちの子になってもらうよ」と、シーズニングを何度やっても構わないと思いますよ。
持ち手について
ニトリにはスキレットの純正の持ち手(ハンドルカバー)が別売されています。
138円(税込149円)なので、これを買うのもアリですね。
ですが私は、家で毎日パンを焼いているということもあり、シーズニング程度の火加減のときは『CUOCA』という製菓製パン材料店の軍手を二重にしたものを使っています。
五本指使えるミトンってなかなかないですから、とても便利ですよ。
二重にすると買ったばかりの頃はきついかもしれませんが、だんだん手のサイズに馴染んでいきます。
なお、長時間の調理に使った熱々なスキレットを持つときは、ハンドルカバーも併用しています。
そうすることで、しばらくスキレットを持っていても大丈夫ですし、うっかりハンドルカバーなしで触ってしまったときも、軍手をしているぶん火傷しないので安心です。
スキレットから遠ざかる要因は、シーズニングの手間よりも火傷の怖さだと思います。
小さいのに重いですし、熱すると非常に熱くなります。
特にお子さんがいるご家庭の場合は、よく言い聞かせるか、お子さんの手が届かない場所にスキレットを置くことをおすすめします。
スキレットの使い道
外食すると、スキレットに乗った分厚いステーキ肉やハンバーグをオーブンからそのまま提供されることがありますよね。
寒い冬にハフハフ言いながら食べるハッセルバックポテトやアヒージョ、焼きたてのパンケーキ。
実はこれら全部、家で簡単につくれるんです!
一部ですが最近我が家でつくったスキレットズボラごはんを紹介しますね。
アヒージョ
スキレットで簡単につくれるおかずといえば、食材を放り込んで火にかけるだけで完成するアヒージョではないでしょうか。
アヒージョにバケットを添えて、メインに肉か魚を焼き、簡単なスープとサラダがあればごちそうです。
左は牡蠣とマッシュルームのアヒージョ、右はじゃがいもとたこのアヒージョです。
にんにく、アンチョビなどお好みで入れてオリーブオイルを適当に注ぎ、フタして4分くらい火にかけるだけで出来上がりです。
ここにパプリカやミニトマトを入れると、ちょうどいいアクセントになりますよ。
餃子の皮ピザ
ピザが円形だと誰が決めたのでしょう。
写真は餃子の皮に好きな具を置いてお花のようにつまみ、スキレットに並べた餃子ピザです。
左はトマトとたまねぎき、ウィンナーのピザ。
うちの子どもたちは卵と乳製品アレルギーがあるので、乳製品は入れていませんが、お好みでチーズを入れても美味しいと思います。
右はマシュマロバナナのチョコピザ。
小さく切ったバナナとチョコチップ、そしてマシュマロを同じようにスキレットに並べただけで出来上がりです。
トースターに入れて、2回トーストボタンを押すだけで完成です。
他にも餃子の皮に「煮りんごシナモンとくるみ」「余ったシチュー」「あんことバター」「ジャーマンポテト」などを包めば、いろいろなバリエーションを楽しめます。
つまんで食べられるので手も汚れません。
最近の子どもたちのお気に入りのおやつです。
ステーキ
スキレットで調理した料理は、スキレットのままテーブルに出せるので、とてもラクです。
ただ子どもの分はそのまま出すと危ないので、ワンプレートに盛り付け直すようにしています。
また、フライパンで焼いた肉を隣のコンロで温めておいたスキレットに盛り付けて出せば、見た目も美しく、冷めにくくなり一石二鳥です。
時間に余裕があるときはそんな演出もおすすめです。
写真の料理は本当は仕上げにクレソンを乗せたかったのですが、なかったので苦肉の策として豆苗を乗せています。
ちぎりパン
実は、おすすめの使い道がもうひとつあります。
それが、スキレットでつくるちぎりパン。
つくり方は、まずスキレットより一回り大きく切ったクッキングペーパーに切れ目を入れて、スキレットに敷きます。
そこに1粒20gのパン生地を9個ずつ、2つのスキレットに入れてオーブンで焼くだけ!
普通に焼く丸パンよりも、ふわふわもちもちの食感になりますよ。
使ったあとのお手入れ方法
使い終わったスキレットは、水ではなく必ずお湯で洗います。
洗剤は使わなくて大丈夫ですが、使いたくなったら使ってもOK。
保管時に油膜を張らせることが大切なので、使用後は「お湯で洗い、水分を飛ばし、薄く油を塗っておく」で完了です。
時間があるときは「油を塗ったあとに加熱」という工程も入れますが、正直言って1度や2度では使用感にあまり違いは感じません。
ただ、スキレットで何度も調理していくことで、鉄に油が馴染む「ブラックポット」という状態になっていくのもわかります。
意識してその状態をつくるのではなく、気付いたらそうなっていたくらいの感覚でいいのかなと思います。
非常事態!スキレットが錆びたらどうする?
スキレットを使う上で一番恐れられることは、「錆びる」ことだと思います。
錆びてしまったら、「ちゃんとお手入れしてたつもりだったのに!」とがっかりしますよね。
でも実際は錆びてしまっても全然大丈夫。
スキレットは鉄製なので、削って洗えば元どおりです。
「丈夫で長持ち」それが、スキレットが長く使える所以だと思うのです。
そう考えると、キャンプ用品として広く愛用されているのも頷けますよね。
スキレットが錆びてしまったときは、以下の手順にのっとってお手入れしてみてください。
- 錆びを焼いてしっかり炭化させる
- たわしなどで錆びを削る
- クレンザーで磨く
- シーズニングする
錆び取り作業をすると油がすっかり落ちてしまうため、新たにシーズニングし直します。
油をなじませたらコンロにかけて、じっくり焼き込みましょう。
まとめ
スキレットを使う際は、お手入れするときも含めて火傷には十分に気をつけてくださいね。
一般的なフライパンと違い、スキレットは取っ手がむき出しなので素手で触ると手が焼けてしまいます。
無意識に手でつかんでしまわないように、スタンバイしているときから軍手や耐熱グローブなどをしておくといいと思います。
また、熱いスキレットに冷水をかけるのも危険です。
熱で分子が膨張したところに冷水をかけて歪みが生じ、スキレットが割れてしまう可能性があります。
洗うときは、必ずある程度冷めてからお湯で洗うようにしましょう。
洗剤を使わずに使い続けるにしても、水だけでは汚れも油も落ちづらいので、どちらにしても「スキレットにはお湯」と覚えておくといいですね。
スキレットのシーズニング方法は、調べれば調べるほど「これをやれ」「あれはだめだ」と情報がたくさん出てきて迷ってしまいますが、実際は難しく考えることはありません。
「油を塗って油膜をつくっておく」
これだけです。
錆びても磨けば大丈夫です。
そんな、懐の深い調理器具のスキレット。
直火にかけられて長く使えるグラタン皿だと思って、もっと手軽に使ってみてくださいね。