兵庫県西脇市にある、町のクリーニング店である「東田ドライ」に行ってきました。
東田ドライでは、地元の方のクリーニングだけでなく、ネットから申込できる宅配クリーニングの事業「リナビス」を展開しています。
私自身が兵庫県神戸市の北区に住んでいることもあって、同じ兵庫県の田舎で宅配クリーニング事業を行っているところに親近感を持ちました。
今回、ご縁をいただき、取材させていただくことができましたので、クリーニングの風景や、お店の思いなどを伺ってきました。
イマイチ見えにくい、宅配クリーニングのサービスをどのような思いで続けているのかは、これから宅配クリーニングを利用する上で知っておくといいですよ。
このページは前編にあたります。
後編はこちら。
ちなみに、私がリナビスを利用した時の感想と、申込手順を以下のページでまとめています。
東田ドライ(リナビス)のクリーニング風景
ここからは、東田ドライ(リナビス)でクリーニングしているところを紹介していきますね。
職人さんが素早い動きでクリーニングをされてて、緊張感ある現場でした。
社長が若手の職人さんの様子を見守っているところ。
シャツも1点1点職人さんの手でキレイに仕上がっています。
スーツも新品のように仕上がりますよ。
東田さん(右)に話を伺う私(左)。
2階は、仕上がったスーツがありました。
3階は布団や毛布があります。
自然乾燥は、クリーニング工場の2階と3階で行っていました。
外に干して直接日光に当ててしまうと、化粧が付着していた場合に化学反応を起こしてしまい、色素が抜けてしまう可能性があるので、それを防ぐ方法をとっているそうです。
建物の中で干しても、夏の暑い時期だとすぐに乾きます。
逆に乾きにくい時期は換気扇や扇風機を使っているそうです。
自然乾燥すると、1〜2日で乾くとのこと。
リナビスでは、まだ布団の取り扱いがありませんが、今後サービスを開始する予定があるとのことですので、楽しみですね。
ちなみに、布団の洗い方は、水洗いを採用しているとのこと。
コストよりも、いい洗い方を選択した結果、水洗いになったそうです。
ベテランの職人さんは1つ1つの動きがとても早く、オーラが出ているようでした。
アイロンは全て手作業。
大量注文を受けるのであれば機械がいいのだけど、機械が届かない生地の裏側までアイロンを当てています。
クリーニング歴48年のおばちゃん。
48年って、とんでもない年数ですからね。すごいとしかいいようがありません。
仕上がりを目視でチェック。
細部へのこだわりが東田ドライ(リナビス)の良さですね。
リナビスの「おせっかい」って何?
── リナビスのホームページに「おせっかい」とありますが、「おせっかい」な理由を知りたいです。サービスを使ってもイメージが分かりにくかったので…。
東田伸哉(以下:東田):
そうですよね。そう書かれてましたよね。
※ それを書いているページ(レビュー)は、以下のページ。
リナビスを始めるにあたって、正直なところ、最初は、一番大手のサービスのページを真似しました。
ですが、実際に始めてみると、うちのマーケティングの力や予算で対抗できるかというと、そうではないと気付きました。
ネットの宅配クリーニングをいくつか使った感想なのですが・・・
大きいサービスになるほど、マニュアル化しないといけないし、サービス価格をシステム的に考えないといけないのではと思ったんですよね。
もちろん、僕もしっかり管理はしているのですが、そういうところで勝負するのは違うと思いました。
── なるほど、そうですよね。
東田:
例えば、検品してて「あ、ボタン取れてる」って誰かに言うと、「似たボタンあるから付けよう」って、みんな言うんですよね。
やっぱり、最大の利益を出そうとなると、僕はそうじゃないと思うんですよ。
できるだけ効率化して、自分たちのスタンスに合うお客さんにサービスしていこう、っていうのが普通のやり方だと思います。
あくまで一部の例なんですが・・・。
うちでは、「これ、ボタン取れてるけど、うちで付けれるし付けよう」ということもします。
他にも、裾や股の間がほつれているズボンがあって、このお客様は特に希望はしてないけど、保管のサービスを使ってくださってるし、時間があるから「じゃあちょっと誰かやってよ」ということが、ごく自然にあります。
これって、頼まれてないですけどいつもしていることだし、表現するなら「おせっかい」っていう感じですね。
── あー、そういうことなんですね。
東田:
母がそれをし始めて、会社に根付いたものなんですけどね。
垣根がないサービスというか、「ここまでしか、うちはしませんよ」というのは、母は絶対言わないです。
僕は、それが経営上で非効率だなーと思ったんですけど、よく考えるとうちの一番の売りなのかなと思えるようになりました。
── うんうん。そうですね。
東田:
その感じをウェブでもできればいいな、と思って、「おせっかい」と表現しています。
クリーニング現場を見学した感想
私自身、人生で初めてクリーニング屋さんの現場を見ることができました。
なので、他と比較することはできませんが、東田さんにお話を伺っていると、とにかくお客様にとって最善の結果になるように丁寧にクリーニングしていると感じました。
リナビスでは、宅配クリーニングの会員数を10,000人に絞っているのですが、その理由が見えたような気がします。
ほとんど手作業で1つ1つ丁寧にかつ素早いスピードでクリーニングされていたので、人数が増えすぎてしまうと、1人1人と向き合って仕事ができなくなるからだと思います。
どこまでも誠実に、かつ「おせっかい」にクリーニングを続けていく姿勢に、私自身も仕事のあり方を見つめ直そうと思えました。
続いて、東田さんにじっくりお話を伺うことができましたので、インタビュー内容は以下のページで。
クリーニングや地元である西脇市への思いがとても強く、共感できることばかりでした。
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私がリナビスを利用した時の話は、以下で体験談をまとめています。