こんにちは、旅ライターの伊佐知美です。
私は年間平均10~15カ国ほどを旅しながら、ノマドワークスタイルで仕事をしています。
中でもトルコは大好きな国。メイン、かつハブ空港でもあるイスタンブールの空港には、目的地・経由地としてもよく立ち寄るのですが、2019年4月から、トルコの空港事情が大きく変わったことに気が付きました。
なんと、従来の「アタチュルク国際空港」から、世界一の規模を誇る空港を目指した「イスタンブール新空港」に、空港機能が物理的に大移動。
「アタチュルク国際空港」は市街地から約19キロ程度の場所に位置していたのですが、「イスタンブール新空港」は市街地から約42キロ。
世界一の規模を目指しているだけあって、敷地はとても広いのですが、アクセスは単純に悪くなってしまった(笑)という状態です。
アタチュルク国際空港はすでに閉鎖済み、ローカルエリアの東側にある「サビハ・ギョクチェン国際空港」は引き続き営業中ですが、国際線よりも国内線の就航数の方が多いです。
そのため、日本からの旅行客は、今後は基本的には「イスタンブール新空港」を利用することになるかと思います。
なのですが、じつは「イスタンブール新空港」は開業したものの、今もなお建設中で、完成は2030年頃が予定されています。
そのため、情報が錯綜しがちで、すでに4度「イスタンブール新空港」に立ち寄った私でも、空港と市街地間の移動には手こずることが多かったです。
この記事には、「イスタンブール新空港」を訪れた方が困らないように、市街地へスムーズに移動するためのオススメ方法をまとめます。
(2019年10月時点の情報です)
お節介ですが、大前提のトルコの注意事項2つ
トルコは、シルクロードの重要拠点だったことからもわかる通り、歴史・文化背景がとても豊かな国で、景観が本当に美しいです。食事もおいしく、親日家が多い国としても有名で、親しみが湧く人が多い素敵な国。
なのですが、こと買い物等の出費に関しては、「ぼったくりが発生しがちな国」でもあります。移動手段についても例外ではなく、バスはぼったくりの心配はありませんが、タクシーにはぼったくりの懸念が残っています。
また、イスタンブールは渋滞がひどいことでも有名です。
目的地にもよりますが、「イスタンブール新空港」から市街地までの所要時間は、乗用車であれば、渋滞がなければ1時間〜1時間半程度といったところ。ですが、渋滞が発生した場合、2時間〜3時間かかることも想定されます。
お金の支払い方や、街に流れる時間自体も、「トルコの魅力」とおおらかに構え、とにかく気持ちと時間に余裕を持って行動すると、よりよいトルコ滞在になる可能性が高まります。
「素晴らしく美しい国だけれど、注意することもきちんとある」と思うのが、私の個人的にオススメしたい、トルコに対する大前提の心構えです。
オススメの移動方法[1]タクシー
まず、オススメしたい移動方法が、タクシーです。
これはどの国でも同じですが、とにかくほかの方法よりも、早く、確実に目的地までたどり着けます。
イスタンブールの旧市街はそうでもありませんが、新市街と呼ばれるエリアは、坂や小道が多く、スーツケースを引っ張って歩くのはツライ場所も多いです。
そのため、宿の場所が入り組んだ坂の上にあるような場合は、とくに公共交通機関ではなく、タクシーを選んだ方が相対的に楽だと思います。
イスタンブール新空港のタクシー乗り場は、到着ターミナルを出てすぐの場所にあります。英語の「TAXI」という看板に沿って進めば、迷うことはないでしょう。
料金目安は、150リラ~200リラ(2019年10月時点でのレートで3,000〜4,000円)。
イスタンブールの街自体のタクシー事情は、正直なところ、日本ほど整ってはいません。
きちんとしたタクシー会社もありますが、個人のぼったくりタクシーも走っており、また「iTaksi」と呼ばれる配車アプリが浸透している最中のため、「結局何が信用できるの?」と少し困ってしまう状況です。
なので、街中で流しのタクシーを捕まえるのは、あまりオススメできません。
ですが、空港に停まっているタクシーは、認可を受けているタクシーばかりのため、基本的に安全だと思ってOK。
心配な方は、乗車前に、空港の係りの方に「How much is it to go ●●?」(いくらかかりますか?)「Is it meter taxi?」)(メータータクシーですか?)と聞いてみるのもいいと思います。
ただ、私はこれを聞いた上で、日中なのになぜか深夜料金のメーターを適用され、1.5倍くらいの料金を請求されたこともあります(笑)。
その時は、「いやいや、日中ですよ」と注意したら、正規料金に下げてくれたので事なきを得ましたが、気がつかなければそのまま支払っていたと思います。
トルコの人に対する私の肌感ですが、決して悪人が多いわけではなく、「旅行できるほどお金持ちなんだから、いいだろう?」という朗らかな気持ちでぼったくってくる人が、トルコには多いのだ、という気がしています。
これは、マーケットなどで定価がないことの多い、インドやモロッコ、フィリピン等でも共通しています。
基本的には空港から乗るタクシーは安全だと思ってよいと思いますが、中には上記のようなタクシー運転手がいる可能性もあるので、額面には気をつけて乗りましょう。
額面にだけ気をつければ、一番早く、安全で確実な移動手段だと思います。
オススメの移動方法[2]シャトルバス「Havaist」
2つ目が、シャトルバスの「Havaist(ハヴァイスト)」です。
イスタンブール新空港からは、シャトルバスの「Havaist」と、ローカルの人が利用する路線バスの2種類のバスが運行されていますが、後者は旅慣れた人でも乗り継ぎが難しいため、旅行者は「Havaist」一択でよいかと思います。
何を差し置いても、「Havaist」は運賃が安い! 行き先により多少変動しますが、料金はイスタンブール市街地まで18リラ~25リラ(2019年10月時点でのレートで360〜500円)程度。
公式サイトはこちらで、タイムテーブル・運賃・バス停等が検索できるため、便利。ちなみにイスタンブール新空港は、時間制限がありますが無料Wi-Fiが使用できるため、空港到着後に検索することも可能です。
ただし、運賃の支払いは、日本でいう「Suicaカード」「PASMOカード」のような存在の「イスタンブールカード」のみ対応。現金では乗車できません。
そのため、「Havaist」に乗る場合は、事前に「Havaist」バス乗り場近くの券売機にて「イスタンブールカード」を購入、必要な料金をチャージしてから乗りましょう。
「Havaist」のデメリットは、降車場所が多いため、タクシーよりも時間がかかること。乗車時間は、1時間半~2時間程度が目安となります。
タイムスケジュールは、市街地中心部までの路線で、30分に1本走っている頻度。ですが、私が最初に「イスタンブール新空港」を訪れたときは15分~20分に1本発車していたところ、現在は30分に1本の頻度に変更になっていました。
今後も状況によって少しずつ変化していく可能性があります。最新状況は、公式サイトにて確認が可能です。
「イスタンブール新空港」を使いこなして、快適な旅をしよう
本当は、「イスタンブールの移動なんて簡単です!」と言いたいところですが、意外に(?)戸惑うことが頻発してしまうトルコ旅。
けれど、それもトルコの魅力の1つで、一度訪れるとトルコの懐の深さにハマってしまい、「もう一度行きたいなぁ」と感じて再訪する旅人が後を絶ちません。
トルコ旅のはじまりは、「イスタンブール新空港」から。よい旅をお過ごしください。ではまた次回!