IPO株(新規公開株)は、上場後に株価が値上がりする可能性が高いので、投資家に人気があります。
ただ、IPOは抽選に参加しても、なかなか当たらないですよね。
そこで紹介したいのが、「IPOセカンダリー投資」という投資方法です。
IPOセカンダリー投資は、上場したあとにIPO株を購入する投資方法なので、抽選に外れても利益を得られる可能性がありますよ。
このページでは、IPOセカンダリー投資の特徴やメリット・デメリット、やり方について詳しく説明していきますね。
IPOセカンダリー投資とは?
IPOセカンダリー投資とは、上場したあとにIPO株を購入して利益を得る投資方法です。
IPO投資では、抽選に参加して公募価格で購入し、初値(上場して最初に決まる株価)で売却する方法が一般的ですが、当選しないと購入できません。
それに対して、IPOセカンダリー投資はIPO株を上場後に購入するので、抽選結果に関係なく取引できますよ。
ただし、購入後に株価が値上がりするかを見極める必要があるので、初値で売却する方法よりも難易度は高くなります。
IPOセカンダリー投資のメリット
ここでは、IPOセカンダリー投資のメリットについて説明しますね。
当選しなくても利益を得られる
IPOに当選して公募価格で購入し、初値で売却すれば、高い確率で利益を得られます。
しかし、IPO株は人気が高く、多くの投資家が抽選に参加するため、ほとんど当たりません。
1年間すべての抽選に参加して、数回当たればいいほうだと思います。
しかし、IPOセカンダリー投資は抽選結果に左右されないので、取引できる機会が多く、うまくいけば大きな利益を得られますよ。
銘柄選びに手間がかからない
国内の上場会社数は3,500銘柄を超えており、どの銘柄に投資をするか選ぶのが大変です。
しかし、IPOセカンダリー投資は、投資対象をIPO株に限定しているので、銘柄選びに手間がかかりません。
IPO株は上場前に資料がたくさん開示されており、公募価格や初値予想、上場後の展望などを分析したサイトも多いので、情報収集しやすいですよ。
IPOセカンダリー投資のデメリット
IPOセカンダリー投資は、抽選に外れても利益を得られる投資方法ですが、デメリットもあります。
ここでは、IPOセカンダリー投資のデメリットについて説明しますね。
リスクが高い
IPO株は、上場して間もない時期は株価が安定せず、値動きが大きくなることが多いです。
IPOセカンダリー投資では、上場して間もない時期にIPO株を購入するので、リスクが高くなりますよ。
うまくいけば大きな利益を得られますが、失敗すると損失も大きくなります。
IPOセカンダリー投資はハイリスク・ハイリターンであることを理解しておきましょう。
投資判断が難しい
IPOセカンダリー投資は、投資判断が難しいのもデメリットです。
IPO株を公募価格で購入して初値で売る方法なら、上場日に売り注文を出すだけで済むのでかんたんです。
それに対して、IPOセカンダリー投資は投資対象をIPO株に絞っていますが、売買するタイミングは自分で判断しなくてはなりません。
上場直後は値動きが大きく、判断が遅れると損失が拡大する可能性があるので、売買タイミングをしっかりと見極める必要がありますよ。
IPOセカンダリー投資で利益を得る2つの方法
IPOセカンダリー投資の特徴やメリット・デメリットについて説明していきましたが、具体的にどうやって取引すればいいのか気になると思います。
ここでは、IPOセカンダリー投資で利益を得る方法を2つ紹介しますね。
初値で買う
IPOセカンダリー投資は、IPO株を初値で購入する方法が一般的です。
人気が高く、吸収金額(企業が市場から調達する金額)が小さい銘柄は、初値が決まった後も株価が値上がりすることが多いですよ。
IPOでは、吸収金額が10億円未満の案件は小型案件として注目されます。
▼具体例として、2018年12月25日に上場したリンク(4428)の株価チャートを確認してみましょう。
公募価格が3,580円に対して、初値は2倍以上の7,620円に決まりましたが、2018年12月27日にはさらに9,730円まで上昇しています。
リンクの事業内容は自動発注、在庫最適化ソフトの開発・販売で、人手不足の解消につながることから将来性があり、業績も好調だったことから人気のIPO株でした。
また、吸収金額が約10億円と小さく、抽選の競争率が高かったため、初値が決まった後も株価が上昇したと考えられます。
IPO株を初値で購入する場合は、投資家の人気が高く、吸収金額が小さい銘柄を狙うのがおすすめですよ。
ただし、たとえ人気が高くても、公募価格と初値の差が大きすぎる銘柄(3倍以上など)は、株価が値下がりする可能性が高いので避けたほうが無難です。
上場後に株価の値動きを確認してから買う
IPOセカンダリー投資には、上場後すぐに購入せずに、株価の値動きを確認してから買う方法もありますよ。
多くの投資家は初値で売却するので、上場直後は株価が下がります。
しかし、ある程度のところまで下がった後は一時的に戻る傾向があるので、株価が上昇するタイミングで購入できれば利益を得られますよ。
▼先ほど紹介したリンク(4428)は、2019年1月4日に6,370円まで下げましたが、その後は上昇に転じています。
▼また、2018年12月17日に上場したツクイスタッフ(7045)も、上場直後から株価が下落しましたが、2018年12月20日から一時的に上昇していますね。
この方法は人気銘柄より公募割れなど、上場直後に株価が公募価格より下がった銘柄が狙い目です。
公募価格はもともと割安に設定されているので、株価が値下がりしても、一時的に公募価格付近まで戻すことが多いからです。
株価が上昇に転じたタイミングで買いを入れて、値上がり益を狙いましょう。
ただし、上昇後すぐに下落に転じることが多いので、早めに利益確定するのがおすすめです。
IPOセカンダリー投資を成功させるコツ
IPOセカンダリー投資を成功させるコツは、長期保有しないことです。
IPO株は、上場後しばらくは値動きが大きく、長期保有すると損失が拡大しやすいからです。
また、IPO株には、大株主に保有株の売却を一定期間禁止する「ロックアップ」がつく銘柄もあります。
ロックアップがついた銘柄を長期保有すると、ロックアップが解除された後に大株主が保有株を売却して、株価が不安定になる可能性もありますよ。
IPOセカンダリー投資に取り組むなら、目標利益を小さくしてすぐに利益確定すること、損切りラインを決めて必ず守ることを心掛けましょう。
さいごに
IPOセカンダリー投資は、抽選に外れてもIPO株で利益を得られる投資方法です。
しかし、リスクが高く、投資判断が難しいので個人的にはおすすめしません。
IPO投資に取り組むなら、当選する確率は低くても、公募価格で購入して初値で売却する方法がおすすめですよ。
IPOセカンダリー投資に取り組む場合は、損失が大きくならないように、無理のない金額で投資しましょう。