Appleが提供している「iTunes U」を使ったことはありますか?
このページでは、iTunes Uの概要とサービスを活用したネット時代だからこそできるお得な勉強術、そして一度は必ず見ておきたい、世界のお金にまつわる名講義を紹介します。
iTunes Uを活用して、お得に学んでいきましょう。
iTunes Uとは
引用:iTunesアプリ
iTunes Uとは世界中の大学の講義コンテンツを無料で手に入れられる、Appleが提供しているサービスです。
あまり知られていないかもしれませんが、パソコン上で音声や動画を管理するソフトiTunesの一機能として利用できます。
iTunes Uは、教育に関する大学の音声・映像コンテンツをインターネット上で配布するサービスとして、2007年に始まりました。はじめは英語に対応したコンテンツのみの配信でしたが、2010年には、日本でも慶応大学(湘南藤沢キャンパス)、東京大学、明治大学、早稲田大学がiTunes Uに参加してから、日本語対応のコンテンツが増えてきています。
現在では、世界30カ国以上、1,200以上の大学が、合計2,500以上の講義をiTunes U上で公開しています。
iTunes Uのお得なポイント
1. 大学に行かなくても授業が受けられる
iTunes Uはパソコンやスマートフォンをもっていて、ネットにアクセスできる環境があれば、誰でも無料で利用できます。
まずはこちらからダウンロードできるiTunesをインストールしましょう。
iTunesを起動し、左上のメニューから、iTunes Uにアクセスすれば、講義が見放題です。
引用:iTunesアプリ
iPhone、iPad用のアプリも用意されているので、携帯端末から、どこにいても講義を受けることができます。
ネットで授業を受けると、移動時間や交通費の節約になりますよ。
家から大学まで往復で2時間、交通費が往復で1,000円かかったとして、15回分の講義を受けるとどのくらいになるでしょうか?
- 2(時間)×15=30(時間)
- 1,000(円)×15=15,000(円)です。
iTunes Uを利用するだけで、1講義あたり30時間、15,000円の得になります。
2. 専門書を買わなくても、専門的な内容を学べる
またiTunes Uでは、大学の専門的な内容を学ぶことができます。
専門書や教科書を買う代わりに、iTunes Uで講義を受けるのも得です。
例えばiTunes Uには、早稲田大学が提供する「基礎統計」という講義があります。
相関、母集団、検定といった統計学の基礎知識が身につけられる内容ですね。
これは、次のような統計学の入門書の内容に近いです。
やさしい統計入門―視聴率調査から多変量解析まで (ブルーバックス)
入門書が1冊1,000円だとすると、iTunes Uで講義を受けると1,000円の節約になるということですね。
日本語に対応したお金に関するおすすめの講義3選
iTunes Uは英語圏で始まったこともあり、英語のコンテンツが多いです。
でも、日本語に対応しているおもしろい講義がじつはあるんです。
ここではお金に関するおすすめの講義を3つ紹介していきますね。
1. お金が人を嫌なヤツにする? – TED TALKS
引用:iTunesアプリ:「お金が人を嫌なヤツにする?」
「お金が人を嫌なヤツにする?」は、広める価値のあるアイデアを印象的にプレゼンする番組をつくるTEDが提供する講義のひとつです。
社会心理学者のPaul Piff先生は、不動産を取り引きして資産を増やすボードゲーム、モノポリーを使ってある実験を行いました。
それは、最初からもっているお金に差をつけることで、プレイヤーは「嫌なヤツ」になるかという疑問を試すもの。
実験の結果はいかに…?
英語音声ですが、日本語の字幕がついているので日本人でも楽しめますよ。
講義はこちら:TEDTalks 社会と文化 by TEDTalks on iTunes
2. 21世紀の資本 − 東京大学
引用:iTunesアプリ トマ・ピケティ教授東大講義「21世紀の資本」(日本語字幕)
経済学者トマ・ピケティが著した『21世紀の資本』という本は、世界十数か国で累計100万部を突破しています。
彼が2015年に来日したときに東京大学で行った講義の映像が、なんとiTunes Uから見れるのです。
講義では「資本主義は格差社会を引き起こす」という主張を、資本収益率(r)と経済成長率(g)という概念を使って分析していきます。
主張を裏付けるデータをグラフで見れる、映像授業の良さを活かした授業です。
東京大学は、正義とは何かを問いかける「これからの正義の話をしよう」を著したマイケル・サンデルの白熱教室の映像も公開しています。こちらもおすすめ!
3. ネットワーク産業論 – 慶応大学
引用:iTunesアプリ ネットワーク産業論
NTTのiモードを立ち上げたメンバーのひとりであり、ドワンゴなどで取締役をつとめる実業家、夏野剛さんによる講義が、「ネットワーク産業論」です。
彼は「ITやネットワークというものが、いかに産業やビジネスに影響を与えていくのか」ということを、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生に向けて熱論しています。
事例研究では、マクドナルドでデジタルマーケティングを手がける宇井昭如さんを講師として招いてお話していただくなど、ビジネスの現場で起こっている最先端を学べる授業となっていますね。
ITベンチャーに関心があったり、インターネットを使ってお金を稼いでいる人におすすめの講義です。
OCWとiTunes Uを駆使した、戦略的勉強術
大学の教材をネットで公開する、iTunes Uと似ているサービスとしてOCWも紹介しておきたいです。
OCWってなに?
OCWとは、Open Course Ware(オープンコースウェア)の略称で、大学の講義ノート資料を無料で公開するサービスです。
OCWもiTunes Uと同様、英語圏ではじまり、そのあと日本の大学が参加することで日本に広まっていきました。
OCWとiTunes Uは何が違うのか?
ここまでの情報を踏まえると、iTunes UとOCWはかなり似ていますが、何がiTunes Uの特徴なのでしょうか?
例えば東京大学はitunes Uと、OCW(UTokyo OCW)の両方に講義資料を提供しています。
OCWは、大学のサーバー上に設置されたサービスで、各大学によってカスタマイズされていることが特徴です。
とくに、映像コンテンツよりも、テキストコンテンツの方が多い傾向にあります。
一方、iTunes Uは、iTunesというサービスが数々の大学のコンテンツをひとつにまとめています。
例えば「経済」と検索すれば、いろいろな大学の講義を一度に見つけることができますよ。
ひとつの大学内でしかコンテンツを検索できないOCWとは異なる、iTunes Uの特徴ですね。
引用:iTunesアプリ
一方で、iTunes Uでは映像コンテンツは充実していますが、テキストコンテンツが少なめです。
OCWでテキスト資料を手に入れて、iTunes Uで映像講義を受ける。
この組み合わせが、インターネット時代の戦略的でお得な勉強術ですよ!